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公開番号2024142506
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-11
出願番号2023054664
出願日2023-03-30
発明の名称点火装置
出願人ダイヤゼブラ電機株式会社
代理人個人
主分類F02P 3/055 20060101AFI20241003BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】点火コイルの1次電流の遮断時に、点火コイルに残存する磁気エネルギーにより生じる誘導電流がIGBTの側へ流れる場合でも、IGBTに不具合が生じることを抑制できる技術を提供する。
【解決手段】点火装置1は、点火コイル103、IGBT70、外部ツェナーダイオード72、および点火プラグ113を有する。IGBT70は、点火コイル103の1次コイルL1と接地点とを接続する1次側接地線123に介挿され、1次電流の通電または遮断を切り替える。外部ツェナーダイオード72は、1次側接地線123において、IGBT70に対して並列に接続されたバイパス線125に介挿され、接地点から1次コイルL1へ向かう方向が順方向となる。IGBT70は、接地点から1次コイルL1へ向かう方向が順方向となる、内部ツェナーダイオードを有する。外部ツェナーダイオード72の降伏電圧は、内部ツェナーダイオードの降伏電圧よりも低い。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関用の点火装置であって、
1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成された点火コイルと、
前記1次コイルの一端へ直流電圧を印加する電源装置と、
前記1次コイルの他端と接地点とを接続する1次側接地線に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能なIGBTと、
前記1次側接地線において、前記IGBTに対して並列に接続されたバイパス線に介挿され、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、外部ツェナーダイオードと、
前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいて放電する点火プラグと、
を有し、
前記IGBTは、
前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、内部ツェナーダイオード
を有し、
前記外部ツェナーダイオードの降伏電圧は、前記内部ツェナーダイオードの降伏電圧よりも低い、点火装置。
続きを表示(約 2,000 文字)【請求項2】
請求項1に記載の点火装置であって、
前記バイパス線において、前記外部ツェナーダイオードと直列に介挿される抵抗
をさらに有する、点火装置。
【請求項3】
内燃機関用の点火装置であって、
1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成された点火コイルと、
前記1次コイルの一端へ直流電圧を印加する電源装置と、
前記1次コイルの他端と接地点とを接続する1次側接地線に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能なIGBTと、
前記1次側接地線における、前記IGBTに対して並列に接続されたバイパス線において、互いに直列に介挿され、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、複数の外部ツェナーダイオードと、
前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいて放電する点火プラグと、
を有し、
前記IGBTは、
前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、内部ツェナーダイオード
を有し、
前記複数の外部ツェナーダイオードの降伏電圧の合計は、前記内部ツェナーダイオードの降伏電圧よりも低い、点火装置。
【請求項4】
内燃機関用の点火装置であって、
1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成された点火コイルと、
前記1次コイルの一端へ直流電圧を印加する電源装置と、
前記1次コイルの他端と接地点とを接続する1次側接地線に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能なIGBTと、
前記1次側接地線において、前記IGBTに対して並列に接続された複数のバイパス線に介挿され、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、複数の外部ツェナーダイオードと、
前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいて放電する点火プラグと、
を有し、
前記IGBTは、
前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、内部ツェナーダイオード
を有し、
前記複数の外部ツェナーダイオードのそれぞれの降伏電圧は、前記内部ツェナーダイオードの降伏電圧よりも低い、点火装置。
【請求項5】
請求項4に記載の点火装置であって、
前記複数のバイパス線のそれぞれにおいて、前記外部ツェナーダイオードと直列に介挿される複数の抵抗
をさらに有する、点火装置。
【請求項6】
内燃機関用の点火装置であって、
1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成された点火コイルと、
前記1次コイルの一端へ直流電圧を印加する電源装置と、
前記1次コイルの他端と接地点とを接続する1次側接地線に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能なIGBTと、
前記1次側接地線における、前記IGBTに対して並列に接続された複数のバイパス線のそれぞれにおいて、互いに直列に介挿され、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、複数の外部ツェナーダイオードと、
前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいて放電する点火プラグと、
を有し、
前記IGBTは、
前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、内部ツェナーダイオード
を有し、
前記複数のバイパス線のそれぞれにおいて、介挿された前記複数の外部ツェナーダイオードの降伏電圧の合計は、前記内部ツェナーダイオードの降伏電圧よりも低い、点火装置。
【請求項7】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の点火装置であって、
前記2次コイルの他端と前記電源装置とを接続する2次側接続線に介挿され、前記2次コイルの一端から他端へ向かう方向が順方向となるように配置された、ダイオード
をさらに有する、点火装置。
【請求項8】
請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の点火装置であって、
前記IGBTの切り替えを制御する制御部
をさらに有し、
前記制御部は、
前記IGBTを閉状態にすることによって、前記1次コイルに1次電流を流して充電する充電制御と、
前記充電制御を行った後、前記IGBTを開状態に切り替えて、前記2次コイルの一端に高電圧を誘起させることによって、前記点火プラグを放電させる放電制御と、
を行う、点火装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用の点火装置に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に用いられるSI(火花点火)レシプロエンジンを含む内燃機関には、点火装置が搭載される。点火装置は、電源装置からの低電圧を数千V~数万Vに昇圧する点火コイルと、電源装置から点火コイルの1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能なスイッチング素子と、点火コイルの2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいて電気火花を発生させる点火プラグと、を備える。従来の点火装置の例については、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6517088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、以下の構成を有する内燃機関用点火装置(1)が開示されている。まず、点火コイル(2)の一次コイル(21)は、車載バッテリー等の直流電源(VB+)に接続され、メインスイッチング素子(4)のオン・オフの制御によって、一次電流(I1)の通電・遮断が切り替えられる(段落0015,図1)。また、一次コイル(21)と鉄心を介して磁気的に結合している二次コイル(22)の一方端は、点火プラグ(3)に接続される。これにより、一次電流(I1)の遮断時に二次側に高電圧が発生し、点火プラグ(3)の放電ギャップに絶縁破壊が生じる。なお、メインスイッチング素子(4)としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)が用いられる。
【0005】
ここで、点火コイルの1次電流の遮断時に、何らかの理由により点火プラグにて正常に放電が生じなかった場合、点火コイルに残存する磁気エネルギーにより生じる誘導電流が、スイッチング素子の側へ流れることがある。特に、近年普及している高効率のレシプロエンジンに用いられるような、放電エネルギーの大きな点火コイルにおいては、この時、点火コイルに大きなエネルギーが残存するため、スイッチング素子へ大きな誘導電流が流れる。このため、スイッチング素子の電力耐量が小さい場合、不具合に繋がる虞がある。
【0006】
本発明の目的は、点火コイルの1次電流の遮断時に、点火コイルに残存する磁気エネルギーにより生じる誘導電流がスイッチング素子の側へ流れる場合でも、スイッチング素子に不具合が生じることを抑制できる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、内燃機関用の点火装置であって、点火コイルと、電源装置と、IGBTと、外部ツェナーダイオードと、点火プラグと、を有する。点火コイルは、1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成される。電源装置は、前記1次コイルの一端へ直流電圧を印加する。IGBTは、前記1次コイルの他端と接地点とを接続する1次側接地線に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能である。外部ツェナーダイオードは、前記1次側接地線において、前記IGBTに対して並列に接続されたバイパス線に介挿され、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置される。点火プラグは、前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいて放電する。前記IGBTは、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、内部ツェナーダイオードを有する。前記外部ツェナーダイオードの降伏電圧は、前記内部ツェナーダイオードの降伏電圧よりも低い。
【0008】
本願の第2発明は、第1発明の点火装置であって、前記バイパス線において、前記外部ツェナーダイオードと直列に介挿される抵抗をさらに有する。
【0009】
本願の第3発明は、内燃機関用の点火装置であって、点火コイルと、電源装置と、IGBTと、複数の外部ツェナーダイオードと、点火プラグと、を有する。点火コイルは、1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成される。電源装置は、前記1次コイルの一端へ直流電圧を印加する。IGBTは、前記1次コイルの他端と接地点とを接続する1次側接地線に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能である。複数の外部ツェナーダイオードは、前記1次側接地線における、前記IGBTに対して並列に接続されたバイパス線において、互いに直列に介挿され、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置される。点火プラグは、前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいて放電する。前記IGBTは、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、内部ツェナーダイオードを有する。前記複数の外部ツェナーダイオードの降伏電圧の合計は、前記内部ツェナーダイオードの降伏電圧よりも低い。
【0010】
本願の第4発明は、内燃機関用の点火装置であって、点火コイルと、電源装置と、IGBTと、複数の外部ツェナーダイオードと、点火プラグと、を有する。点火コイルは、1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成される。電源装置は、前記1次コイルの一端へ直流電圧を印加する。IGBTは、前記1次コイルの他端と接地点とを接続する1次側接地線に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能である。複数の外部ツェナーダイオードは、前記1次側接地線において、前記IGBTに対して並列に接続された複数のバイパス線に介挿され、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置される。点火プラグは、前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいて放電する。前記IGBTは、前記接地点から前記1次コイルへ向かう方向が順方向となるように配置された、内部ツェナーダイオードを有する。前記複数の外部ツェナーダイオードのそれぞれの降伏電圧は、前記内部ツェナーダイオードの降伏電圧よりも低い。
(【0011】以降は省略されています)

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