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公開番号2024174730
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-17
出願番号2023092714
出願日2023-06-05
発明の名称車両の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20241210BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】エンジンの振動に起因する車両の乗り心地の変化を、適切に、検知または推定することが可能な車両の制御装置を提供する。
【解決手段】動力源としてエンジンを搭載し、前記エンジンで発生する振動に起因した車両の乗り心地を評価または推定する車両の制御装置において、車速が所定値以下であり、かつ、前記エンジンがアイドリング運転されている状態で、前記エンジンの加速度を分母とし車体の加速度を分子とする割合の初期値、および、前記割合の経時変化値をそれぞれ算出するとともに、前記経時変化値が、前記初期値よりも所定の判定条件以上大きくなった場合に、前記乗り心地が低下した旨を運転者に告知する(ステップS8)。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
動力源として少なくともエンジンを搭載し、前記エンジンで発生する振動に起因した車両の乗り心地を評価または推定する車両の制御装置であって、
前記車両の運転状態および前記エンジンの運転状態、ならびに、前記エンジンの加速度および車体の加速度を検出する検出部と、
前記車両を制御するとともに、前記乗り心地を定量的に評価または推定するコントローラと、を備え、
前記コントローラは、
車速が所定値以下であり、かつ、前記エンジンがアイドリング運転されている状態で、前記エンジンの加速度を分母とし前記車体の加速度を分子とする割合の初期値、および、前記割合の経時変化値をそれぞれ算出するとともに、
前記経時変化値が、前記初期値よりも所定の判定条件以上大きくなった場合に、前記乗り心地が低下した、または、低下する予兆がある旨を運転者に告知する
ことを特徴とする車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、エンジンを搭載した車両の制御装置に関し、特に、エンジンの振動に起因する乗り心地の変化を検知または推定する車両の制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ハイブリッド車両におけるエンジン始動に際して、エンジンの振動が車体に伝達されるのを抑制することを目的とした車両の制御装置が記載されている。この特許文献1に記載された車両の制御装置は、エンジンと車体との間に設けられるエンジンマウントの硬さの変動状態に応じて、運転者のアクセルペダルの踏み込み操作に関連したエンジン始動トルクやエンジン始動パワーを補正するように構成されている。また、この特許文献1には、車両の前後加速度に基づいて、エンジンマウントの硬さ、および、劣化状態を判定すること、ならびに、エンジンマウントの劣化を判定した場合に、エンジンマウントの交換を推奨する旨の警告を発することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2013-107512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に記載された車両の制御装置では、例えば、エンジン始動時の振動に起因する車両の前後加速度に基づいて、エンジンマウントの硬化状態、および、柔化状態が判定される。それらエンジンマウントの硬化状態または柔化状態から、エンジンマウントの劣化状態を判定あるいは推定することができる。そして、エンジンマウントの劣化状態から、エンジンの振動に起因する車体の振動、および、車両の乗り心地の変化を推定することもできる。しかしながら、特許文献1に記載された車両の制御装置では、振動を発生させる強制力あるいは加振力について考慮されていない。そのため、エンジンマウントの劣化状態、および、車両の乗り心地を評価するには十分ではない。例えば、燃料の性状の影響によりエンジンで発生する振動が大きくなった場合に、見かけ上、エンジンマウントが劣化したように判定されてしまう。その結果、車両の乗り心地を適切に評価できない可能性がある。このように、エンジンの振動に起因する車両の乗り心地の変化を、適切に、検知または推定するには、未だ、改良の余地があった。
【0005】
この発明は上記のような技術的課題に着目して考え出されたものであり、エンジンの振動に起因する車両の乗り心地の変化を、適切に、検知または推定することが可能な車両の制御装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、この発明は、動力源として少なくともエンジンを搭載し、前記エンジンで発生する振動に起因した車両の乗り心地または快適性を評価または推定する車両の制御装置であって、前記車両の運転状態および前記エンジンの運転状態、ならびに、前記エンジン本体の加速度および車体の加速度を検出する検出部と、前記車両を制御するとともに、前記乗り心地を定量的に評価または推定するコントローラと、を備え、前記コントローラは、車速が0近傍の所定値以下であり、かつ、前記エンジンがアイドリング運転されている状態で、前記エンジンの加速度を分母とし前記車体の加速度を分子とする割合の初期値、および、前記割合の経時変化値をそれぞれ算出するとともに、前記経時変化値が、前記初期値よりも所定の判定条件以上大きくなった場合に、前記乗り心地が低下した、または、低下する予兆がある旨を運転者に告知することを特徴とするものである。
【0007】
なお、この発明における前記コントローラは、前記各加速度の検出値をそれぞれ周波数分析して、前記周波数分析結果の前記エンジンの爆発1次周波数成分で前記初期値および前記経時変化値をそれぞれ算出するように構成してもよい。
【0008】
また、この発明における前記コントローラは、前記エンジンの暖機が完了した状態で、前記初期値および前記経時変化値をそれぞれ算出するように構成してもよい。
【発明の効果】
【0009】
この発明の車両の制御装置では、車両の乗り心地や快適性を定量的に表すために、車体振動、すなわち、車体の加速度が検出される。また、その車体振動の発生源となるエンジンの振動、すなわち、エンジンの加速度も検出される。そして、それら車体の加速度およびエンジンの加速度の初期値に対する変化状況(すなわち、経時変化値)に基づいて、車両の乗り心地あるいは快適性が評価される。例えば、加速度の経時変化値が初期値よりも、所定値以上大きくなった場合、あるいは、加速度の初期値と経時変化値との割合が、所定倍以上大きくなった場合などに、車両の点検や部品交換などが必要なレベルまで、車両の乗り心地が低下した、または、乗り心地が低下する予兆があると評価される。それとともに、その評価結果が運転者に告知される。そのため、車体の振動が大きくなり、車両の乗り心地が低下する場合に、そのような状態を、適切に検知するとともに、速やかに運転者に認識させ、車両の点検や部品交換の実施を運転者に促すことができる。
【0010】
なお、上記のような加速度の初期値および経時変化値を算出する場合には、加速度の周波数分析が実施され、その周波数分析結果によって得られるエンジンの爆発1次周波数成分を用いて、加速度の初期値および経時変化値が求められる。すなわち、エンジンの振動成分が最も大きい周波数成分を取り出して、加速度の初期値および経時変化値を算出することができる。そのため、エンジンの振動に起因する車両の乗り心地の変化を適切に検知することができる。
(【0011】以降は省略されています)

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