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公開番号2024165982
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-28
出願番号2023082632
出願日2023-05-18
発明の名称車両の制御装置
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02N 11/08 20060101AFI20241121BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】エンジンの部品保護と起動リトライ制御の実行とを両立することができる車両の制御装置を提供する。
【解決手段】エンジンを始動すると共にリレーを開状態から閉状態へ切り替える起動制御の過渡中にリレーの氷結が判定されたことで起動制御が中止させられた後に起動リトライ制御が行われる場合には、エンジンが完爆した状態となったと判定されてから起動制御が中止させられる。これにより、起動リトライ制御を行うに当たって、エンジンの点火プラグへの未燃焼燃料の付着や不完全燃焼により発生するカーボンの付着等を抑制又は防ぐことができる。よって、エンジンの部品保護と起動リトライ制御の実行とを両立することができる。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
電動機と、駆動用の高圧バッテリと、前記高圧バッテリからの直流電力を降圧する電圧コンバータを有した、前記高圧バッテリと前記電動機との間で授受される電力を制御する電力制御装置と、前記高圧バッテリと前記電力制御装置との間の電気経路を遮断する開状態と接続する閉状態とで切り替えられるリレーと、前記電圧コンバータによって降圧された直流電力が供給される低圧バッテリと、エンジンと、前記低圧バッテリから直流電力が供給されて前記エンジンを回転駆動可能に設けられた、前記エンジンの始動に用いられるスタータモータと、を備えた車両の、制御装置であって、
前記車両を前記エンジンが運転状態とされた走行可能状態とするように起動する際には、前記スタータモータを用いて前記エンジンを始動すると共に、前記リレーを前記開状態から前記閉状態へ切り替える起動制御を行うものであり、
前記起動制御の過渡中に、前記リレーが氷結によって前記開状態から前記閉状態への切替えができない作動不能状態であると判定した場合には、前記起動制御を中止して前記車両を前記エンジンの運転が停止状態とされた走行不能状態とした後に、前記起動制御を再び行う起動リトライ制御を行うものであり、
前記起動リトライ制御を行う場合には、前記エンジンが完爆した状態となったと判定してから前記起動制御を中止することを特徴とする車両の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧バッテリと電力制御装置との間の電気経路を遮断する開状態と接続する閉状態とで切り替えられるリレーを備えた車両の制御装置に関するものである。
続きを表示(約 2,500 文字)【背景技術】
【0002】
電動機と、駆動用の高圧バッテリと、前記高圧バッテリと前記電動機との間で授受される電力を制御する電力制御装置と、前記高圧バッテリと前記電力制御装置との間の電気経路を遮断する開状態と接続する閉状態とで切り替えられるリレーと、を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載されたリレー制御装置がそれである。この特許文献1には、電力制御装置への電力供給を遮断する際に、リレーを開状態とする指令の出力後、高圧バッテリに並列に接続されたコンデンサの電圧が所定時間内に所定電圧まで低下しなかった場合は、リレー接点の溶着を解消する為に、リレーを再度閉状態とした後に開状態とするリトライ制御を実行することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2006-310091号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、車両の起動時にリレーを開状態から閉状態へ切り替える際、極低温環境下では、リレーが氷結によって開状態から閉状態へ切り替わらない可能性がある。この場合、開状態から閉状態への切替えを再度行う起動リトライ制御を実施することで、氷解を促し、一回又は数回の起動リトライ制御の実行後にリレーを閉状態として車両を起動状態に遷移させることが考えられる。一方で、高圧バッテリからの直流電力を降圧する電圧コンバータと、電圧コンバータによって降圧された直流電力が供給される低圧バッテリと、エンジンと、低圧バッテリから直流電力が供給されてエンジンを回転駆動可能に設けられた、エンジンの始動に用いられるスタータモータと、を更に備えた車両も良く知られている。このような車両では、車両の起動時にスタータモータを用いてエンジンを始動することがある。車両の起動時にリレーの切替えとエンジンの始動とを協調して実行する場合、起動リトライ制御の実行時にもエンジンの始動が実行される。その為、リレーの氷結を判定したときに起動リトライ制御を実行するようにすると、スタータモータによるエンジンの始動と、起動リトライ制御を行う為のエンジンの運転停止と、の繰り返しにより、エンジンの点火プラグへの未燃焼燃料の付着や不完全燃焼により発生するカーボンの付着等が生じ、エンジンの始動が困難になるおそれがある。点火プラグの燃料被り等によってエンジンの始動が困難になり、エンジンの始動が繰り返されると、低圧バッテリの電圧低下(残容量低下)等が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンの部品保護と起動リトライ制御の実行とを両立することができる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の要旨とするところは、(a)電動機と、駆動用の高圧バッテリと、前記高圧バッテリからの直流電力を降圧する電圧コンバータを有した、前記高圧バッテリと前記電動機との間で授受される電力を制御する電力制御装置と、前記高圧バッテリと前記電力制御装置との間の電気経路を遮断する開状態と接続する閉状態とで切り替えられるリレーと、前記電圧コンバータによって降圧された直流電力が供給される低圧バッテリと、エンジンと、前記低圧バッテリから直流電力が供給されて前記エンジンを回転駆動可能に設けられた、前記エンジンの始動に用いられるスタータモータと、を備えた車両の、制御装置であって、(b)前記車両を前記エンジンが運転状態とされた走行可能状態とするように起動する際には、前記スタータモータを用いて前記エンジンを始動すると共に、前記リレーを前記開状態から前記閉状態へ切り替える起動制御を行うものであり、(c)前記起動制御の過渡中に、前記リレーが氷結によって前記開状態から前記閉状態への切替えができない作動不能状態であると判定した場合には、前記起動制御を中止して前記車両を前記エンジンの運転が停止状態とされた走行不能状態とした後に、前記起動制御を再び行う起動リトライ制御を行うものであり、(d)前記起動リトライ制御を行う場合には、前記エンジンが完爆した状態となったと判定してから前記起動制御を中止することにある。
【発明の効果】
【0007】
前記第1の発明によれば、エンジンを始動すると共にリレーを開状態から閉状態へ切り替える起動制御の過渡中にリレーの氷結が判定されたことで起動制御が中止させられた後に起動リトライ制御が行われる場合には、エンジンが完爆した状態となったと判定されてから起動制御が中止させられる。これにより、起動リトライ制御を行うに当たって、エンジンの点火プラグへの未燃焼燃料の付着や不完全燃焼により発生するカーボンの付着等を抑制又は防ぐことができる。よって、エンジンの部品保護と起動リトライ制御の実行とを両立することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明が適用される車両の概略構成の一例を説明する図である。
車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。
電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、エンジンの部品保護と起動リトライ制御の実行とを両立する為の制御作動を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例】
【0010】
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成の一例を説明する図である。図1において、車両10は、エンジン12、電動機MG、トルクコンバータ14、自動変速機16、トランスファ18、フロントデファレンシャル装置20、左右一対の前輪22、リヤデファレンシャル装置24、及び左右一対の後輪26などを備えている。車両10は、動力源としてエンジン12と電動機MGとを備えたハイブリッド車両である。
(【0011】以降は省略されています)

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