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公開番号
2024158870
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-11-08
出願番号
2023074465
出願日
2023-04-28
発明の名称
排気システム
出願人
株式会社豊田自動織機
代理人
弁理士法人深見特許事務所
主分類
F02B
37/24 20060101AFI20241031BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】過給機を適切に保護しつつ適切な大きさの排気ブレーキ力を達成する。
【解決手段】車両1の排気システムは、過給機30と、排気ガス処理装置55と、制御装置200とを備える。過給機30は、可変ノズル機構40を有するタービン36を含む。制御装置200は、可変ノズル機構40の開度の基準である基準開度に対する補正量を算出する算出処理と、車両1の排気ブレーキを作動させるために基準開度および補正量に従って開度を制御するノズル制御とを実行する。排気マニホールド50内の排気ガスの温度またはタービン36の温度を温度T4とし、排気ガス処理装置55の温度TEとする。算出処理は、排気マニホールド50内の圧力P4の、排気管54内の圧力P6に対する比率が制約値以下になるように予め定められた、温度T4および温度TEと補正量との関係を用いて、温度T4および温度TEに従って実行される。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
エンジンが搭載される車両の排気ブレーキのための排気システムであって、
可変ノズル機構を有するタービンを含む過給機と、
前記エンジンの排気ガスが流れる方向において前記タービンの下流側に設けられ、前記排気ガスを処理する排気ガス処理装置と、
前記エンジンと前記タービンとの間に接続された第1排気管と、
前記タービンと前記排気ガス処理装置との間に接続された第2排気管と、
前記可変ノズル機構の開度の基準である基準開度に対する補正量を算出する算出処理と、前記排気ブレーキを作動させるために前記基準開度および前記補正量に従って前記開度を制御するノズル制御とを実行する制御装置とを備え、
前記第1排気管内の前記排気ガスの温度または前記タービンの温度を第1温度とし、前記排気ガス処理装置の温度を第2温度とすると、
前記算出処理は、前記第1排気管内の圧力である第1圧力の、前記第2排気管内の圧力である第2圧力に対する比率が制約値以下になるように予め定められた、前記第1温度および前記第2温度と前記補正量との関係を用いて、前記第1温度および前記第2温度に従って実行される、排気システム。
続きを表示(約 570 文字)
【請求項2】
前記車両の減速度がその目標値となるときの前記第1圧力を目標減速度圧力とし、前記第1圧力が前記目標減速度圧力であるときの前記比率を目標減速度比率値とすると、前記目標減速度比率値は、前記制約値よりも低く、
前記関係は、前記比率が前記制約値以下、かつ前記目標減速度比率値以上になるように予め定められる、請求項1に記載の排気システム。
【請求項3】
前記補正量は、前記第2温度が高い場合に、前記第2温度が低い場合よりも小さい、請求項1に記載の排気システム。
【請求項4】
前記排気ガス処理装置は、前記排気ガスを改質する触媒部材を含み、
前記第2温度は、前記触媒部材の温度である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排気システム。
【請求項5】
前記排気ガス処理装置は、各々が前記排気ガスを改質する複数の触媒部材を含み、
前記第2温度は、前記排気ガスが流れる経路において前記複数の触媒部材のうち最も上流側の触媒部材の温度である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排気システム。
【請求項6】
前記基準開度は、前記エンジンの回転数と、前記車両の周囲の気温と、前記車両の周囲の大気圧とに従って設定される、請求項1に記載の排気システム。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本開示は、排気システムに関し、特に、車両の排気ブレーキのための排気システムに関する。
続きを表示(約 2,500 文字)
【背景技術】
【0002】
特開2022-062878号公報(特許文献1)は、車両に搭載されるエンジンシステムを開示する。このエンジンシステムは、エンジンと、排気マニホールドおよび排気管と、過給機と、制御装置とを備える。排気管は、排気マニホールドを介してエンジンに接続されている。過給機は、タービンおよび可変ノズル機構を含む。タービンは、排気管を介して排気マニホールドに接続される。可変ノズル機構は、過給効果を上げるために設けられ、車両のエンジンブレーキ(排気ブレーキ)の手段としても利用され得る。制御装置は、エンジンブレーキを作動させるために、ノズル機構の基準開度と、その補正量とに従ってノズル機構を制御する。制御装置は、排気マニホールド内のエンジンの排気ガス温度に従ってこの補正量を算出する。補正量は、排気マニホールド内の圧力が信頼性限界を超えないように排気マニホールド内の排気ガス温度に対して予め定められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-062878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タービンには、排気ガスが流れる方向における上流側の第1排気管(排気マニホールドに接続される)と、下流側の第2排気管とが接続される。第1排気管内の圧力(第1圧力)と第2排気管内の圧力(第2圧力)との比率(たとえば、第1圧力/第2圧力)は、タービンを保護するための指標値として用いられる。
【0005】
この比率は、タービンの保護の観点から制約値以下であることが好ましい。特許文献1の技術によれば、第2圧力によっては上記比率が制約値を超過する可能性がある。その結果、過給機を保護することができない可能性がある。比率をモニタリングするために第1圧力および第2圧力を検出するセンサを別途設けることは、コスト増大を招く。
【0006】
上記の比率は、第2圧力が低いほど高くなり、過給機の保護が問題となる。過給機を確実に保護するために、第2圧力が常に低いという仮定条件の下でタービンの可変ノズル機構の開度を制御することも考えられる。しかしながら、そのような制御によれば、過給機は保護されるが、可変ノズル機構の開度が過剰に大きく制御されて(可変ノズル機構が過剰に開かれて)第1圧力が低くなり、十分な排気ブレーキ力が達成されない可能性がある。言い換えれば、実際には可変ノズル機構をより閉じることができるにも拘わらず可変ノズル機構が過度に開かれて排気ブレーキ力が不十分となる可能性がある。
【0007】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、エンジンを搭載する車両の排気ブレーキのための排気システムにおいて、過給機を適切に保護しつつ適切な大きさの排気ブレーキ力を達成することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の排気システムは、エンジンが搭載される車両の排気ブレーキのための排気システムである。排気システムは、過給機と、排気ガス処理装置と、第1排気管と、第2排気管と、制御装置とを備える。過給機は、可変ノズル機構を有するタービンを含む。排気ガス処理装置は、エンジンの排気ガスが流れる方向においてタービンの下流側に設けられ、排気ガスを処理する。第1排気管は、エンジンとタービンとの間に接続されている。第2排気管は、タービンと排気ガス処理装置との間に接続されている。制御装置は、可変ノズル機構の開度の基準である基準開度に対する補正量を算出する算出処理と、排気ブレーキを作動させるために基準開度および補正量に従って開度を制御するノズル制御とを実行する。第1排気管内の排気ガスの温度またはタービンの温度を第1温度とし、排気ガス処理装置の温度を第2温度とする。算出処理は、第1排気管内の圧力である第1圧力の、第2排気管内の圧力である第2圧力に対する比率が制約値以下になるように予め定められた、第1温度および第2温度と補正量との関係を用いて、第1温度および第2温度に従って実行される。
【0009】
過給機のタービンに設けられた可変ノズル機構の開度が小さいほど、第1排気管からタービンを通じて第2排気管に流入する排気ガスの量が少なくなり、第1圧力が上昇する。その結果、エンジンのポンピングロスが増大して排気ブレーキ力が増大する一方で、上記比率は上昇する。この比率は、過給機の耐圧保護の観点から制約比率値以下であることが好ましい。第1圧力および第2圧力は、それぞれ、第1排気管および第2排気管の温度に依存する。上記比率は、第2圧力に関係しているため、第2排気管の温度に依存して変化する。第2排気管が排気ガス処理装置に接続されているため、第2排気管の温度は、排気ガス処理装置の温度(第2温度)に関係している。よって、比率は、第2温度に関係している。第2圧力が低いほど、第2排気管の温度が低いため第2温度が低い。比率は、第2圧力が低いほど高いため、第2温度が低いほど高いと考えられる。上記の構成とすることにより、比率が制約値以下になるように第1温度および第2温度に従って開度が制御される。これにより、過給機を適切に保護することができる。さらに、上記の構成によれば、第2温度が補正量に反映される。第2温度は、第2圧力が低いほど低く、第2圧力を反映するため、上記の算出処理によれば、第2圧力が補正量に反映される。これにより、排気ブレーキ力が不十分となる事態を回避することができる。
【0010】
ある局面において、車両の減速度がその目標値となるときの第1圧力を目標減速度圧力とし、第1圧力が目標減速度圧力であるときの比率を目標減速度比率値とすると、目標減速度比率値は、制約値よりも低い。関係は、比率が制約値以下、かつ目標減速度比率値以上になるように予め定められる。
(【0011】以降は省略されています)
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