TOP特許意匠商標
特許ウォッチ Twitter
公開番号2025133211
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-09-11
出願番号2024031029
出願日2024-03-01
発明の名称エンジン制御装置
出願人株式会社SUBARU
代理人個人
主分類F02B 19/00 20060101AFI20250904BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】エンジン性能を犠牲にすることなく、ピストン打音を低減することが可能なエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン制御装置1は、主燃焼室103に進出可能に設けられ、進出したときに、主燃焼室103と副燃焼室104とを隔てる隔壁105に形成された複数の噴孔106のうち、ピストン101の軸方向から見て該ピストン101の重心を含まない領域に形成されている噴孔106を遮蔽する遮蔽板40と、遮蔽板40を駆動する電動モータ41及びリンク機構42と、ピストン打音レベルが所定のしきい値以上となる場合に、電動モータ41及びリンク機構42を制御して、遮蔽部材を進出させるECU50とを備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
主燃焼室と、該主燃焼室の頂部に形成された副燃焼室とを備えるエンジンの制御装置であって、
前記主燃焼室又は前記副燃焼室に進出可能に設けられ、進出したときに、前記主燃焼室と前記副燃焼室とを隔てる隔壁に形成された複数の噴孔のうち、ピストンの軸方向から見て該ピストンの重心を含まない領域に形成されている噴孔を遮蔽する遮蔽部材と、
前記遮蔽部材を駆動する駆動手段と、
ピストン打音に対応するエンジン振動を検出する振動検出手段と、
前記振動検出手段により検出されるピストン打音に対応するエンジン振動の程度に基づいて、前記駆動手段を制御するコントロールユニットと、を備え、
前記コントロールユニットは、ピストン打音に対応するエンジン振動の程度が所定のしきい値以上となる場合に、前記駆動手段を制御して、前記遮蔽部材を進出させることを特徴とするエンジン制御装置。
続きを表示(約 740 文字)【請求項2】
前記コントロールユニットは、
ピストン打音に対応するエンジン振動の程度が所定のしきい値以上となるエンジン運転状態を学習するとともに、
学習した前記エンジン運転状態において、ピストン打音に対応するエンジン振動の程度が極小値を取る、前記遮蔽部材の進出量又は前記駆動手段の駆動量を学習し、
前記遮蔽部材の進出量又は前記駆動手段の駆動量の学習後、学習した前記エンジン運転状態にある場合には、学習した前記遮蔽部材の進出量又は前記駆動手段の駆動量に基づいて、前記駆動手段を制御する
ことを特徴とする請求項1に記載のエンジン制御装置。
【請求項3】
前記コントロールユニットは、
学習した複数の前記エンジン運転状態と、当該複数のエンジン運転状態毎に学習した複数の前記遮蔽部材の進出量との関係を定めた進出量マップ、又は、学習した複数の前記エンジン運転状態と、当該複数のエンジン運転状態毎に学習した複数の前記駆動手段の駆動量との関係を定めた駆動量マップを生成し、
学習した前記エンジン運転状態にある場合には、前記進出量マップ、又は、前記駆動量マップを用いて、前記駆動手段を制御する
ことを特徴とする請求項2に記載のエンジン制御装置。
【請求項4】
前記エンジン運転状態は、エンジン回転数と、エンジン負荷とにより定められることを特徴とする請求項3に記載のエンジン制御装置。
【請求項5】
前記コントロールユニットは、学習した前記エンジン運転状態にある場合には、前記エンジンの燃焼室内に乱流を発生させるデバイスの駆動を禁止することを特徴とする請求項4に記載のエンジン制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン制御装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
エンジンでは、ピストンの往復直線運動がコネクティングロッド(以下「コンロッド」という)とクランクシャフトとにより回転運動に変換される。このようなエンジンでは、ピストンに対して、コンロッドの傾きに起因して(揺動に応じて)、ピストン側面をシリンダ内壁に押し付ける力(サイドスラスト(側圧))が作用する。ここで、膨張行程(圧縮上死点直後)においてサイドスラストが作用する側を「スラスト側」といい、その反対側を「反スラスト側」という。
【0003】
ところで、コンロッドの傾きが圧縮上死点を境にして反転し、サイドスラスト(側圧)の作用する向きが反転することにより、ピストンの首振り現象が生じる。そして、ピストン側面がシリンダ内壁に衝突する(ピストンスラップが生じる)ことにより、ピストン打音(スラップ音)が発生する。
【0004】
ここで、特許文献1には、ピストン打音の発生を抑制できるようにした内燃機関の制御装置が開示されている。より具体的には、この内燃機関の制御装置は、ピストン・シリンダ衝突挙動が発生していると判定した場合に、エンジン要求出力Perに応じたエンジン出力Peを維持しつつ、当該エンジン要求出力Perに応じたエンジン回転速度Estよりもエンジン回転速度Esを低くする。すなわち、等出力線上において、エンジン回転速度Estよりもエンジン回転速度Esを低くしつつ、エンジン負荷Elを上昇させることにより、エンジン出力Peを維持する。
【0005】
そのため、この内燃機関の制御装置によれば、ピストンの慣性力が減少して、側圧力が減少する。そして、ピストンの首振り現象をピストンの回転を抑える方向で安定させることができる。その結果、ピストン・シリンダ衝突挙動に起因するピストン打音の発生を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2020-008010号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述したように、特許文献1に記載された内燃機関の制御装置によれば、ピストン打音の発生を抑制することができる。しかしながら、この内燃機関の制御装置では、ピストン打音を抑制するために、エンジンの運転状態(エンジン回転速度、エンジン負荷)を、エンジンの最適な運転点からずらす(すなわち、エンジン回転速度を低下させるとともにエンジン負荷を増大させる)必要がある。すなわち、ピストン打音を低減(抑制)するために、エンジン性能を犠牲にする必要がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、エンジン性能を犠牲にすることなく、ピストン打音を低減することが可能なエンジン制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係るエンジン制御装置は、主燃焼室と、該主燃焼室の頂部に形成された副燃焼室とを備えるエンジンの制御装置であって、主燃焼室又は副燃焼室に進出可能に設けられ、進出したときに、主燃焼室と副燃焼室とを隔てる隔壁に形成された複数の噴孔のうち、ピストンの軸方向から見て該ピストンの重心を含まない領域に形成されている噴孔を遮蔽する遮蔽部材と、遮蔽部材を駆動する駆動手段と、ピストン打音に対応するエンジン振動を検出する振動検出手段と、振動検出手段により検出されるピストン打音に対応するエンジン振動の程度に基づいて、駆動手段を制御するコントロールユニットと、を備え、コントロールユニットが、ピストン打音に対応するエンジン振動の程度が所定のしきい値以上となる場合に、駆動手段を制御して、遮蔽部材を進出させることを特徴とする。
【0010】
本発明の一態様に係るエンジン制御装置によれば、ピストン打音に対応するエンジン振動の程度が所定のしきい値以上となる場合に、駆動手段が制御されて、遮蔽部材が進出され、主燃焼室と副燃焼室とを隔てる隔壁に形成された複数の噴孔のうち、ピストンの軸方向から見て該ピストンの重心を含まない領域に形成されている噴孔が遮蔽される。そのため、副燃焼室から、主燃焼室のピストン重心を含まない領域への火炎の噴き出しが、ピストン重心を含む領域への火炎の噴き出しに対して相対的に抑えられる。そして、主燃焼室におけるピストン重心を含まない領域の燃焼(火炎伝播)が、ピストン重心を含む領域の燃焼(火炎伝播)と比べて相対的に抑制され、ピストン冠面のピストン重心を含まない領域に作用する燃焼圧が相対的に低くなる。すなわち(換言すると)、ピストン冠面のピストン重心を含む領域に作用する燃焼圧が相対的に高くなる。そのため、ピストンピン周りのモーメントをゼロ(又は略ゼロ)にすることができる。すなわち、ピストンの傾きをゼロ(又は略ゼロ)にすることができる。その結果、エンジンの運転状態を変えることなく(最適な運転点からずらすことなく)、すなわちエンジン性能を犠牲にすることなく、ピストン打音を低減することが可能となる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

この特許をJ-PlatPat(特許庁公式サイト)で参照する

関連特許

株式会社SUBARU
車両
17日前
株式会社SUBARU
車両
17日前
株式会社SUBARU
エンジン
16日前
株式会社SUBARU
判定装置
14日前
株式会社SUBARU
運転支援装置
25日前
株式会社SUBARU
運転支援装置
14日前
株式会社SUBARU
情報提示装置
23日前
株式会社SUBARU
機械学習装置
7日前
株式会社SUBARU
運転支援装置
14日前
株式会社SUBARU
車両用制御装置
18日前
株式会社SUBARU
車両用保護装置
14日前
株式会社SUBARU
車両用制御装置
14日前
株式会社SUBARU
エンジン制御装置
1日前
株式会社SUBARU
合わせ面のシール構造
2日前
株式会社SUBARU
車両用サッシュドア構造
18日前
株式会社SUBARU
車両用フェンダカバー構造
16日前
株式会社SUBARU
可変バルブタイミング機構
21日前
株式会社SUBARU
車両用充電システム及び車両
7日前
株式会社SUBARU
エンジン用のオイルストレーナ
7日前
株式会社SUBARU
車体用長尺パネル及び車体構造
16日前
日本発條株式会社
車両用シート
2日前
日本発條株式会社
車両用シート
2日前
株式会社SUBARU
ストレス検出装置およびストレス検出方法
14日前
株式会社SUBARU
スポンジの貼付治具、及び、スポンジの貼付方法
7日前
株式会社SUBARU
ピストン挙動解析装置、及び、ピストン挙動解析方法
2日前
株式会社SUBARU
乗員誘導機能を有する車両のリアゲートの自動開閉装置
17日前
株式会社SUBARU
インシュレータ、及び、インジェクタの振動伝播低減取付構造
14日前
株式会社SUBARU
車両の制御装置、車両の制御方法及びコンピュータプログラム
14日前
株式会社SUBARU
車両の制動制御装置、車両の制動制御方法及びコンピュータプログラム
14日前
株式会社SUBARU
車両の制動制御装置、車両の制動制御方法及びコンピュータプログラム
14日前
スズキ株式会社
内燃機関
1か月前
トヨタ自動車株式会社
車両
7日前
トヨタ自動車株式会社
車両
4日前
トヨタ自動車株式会社
車両
9日前
ダイハツ工業株式会社
車両
2日前
トヨタ自動車株式会社
内燃機関
1か月前
続きを見る