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公開番号2024160799
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-15
出願番号2023076172
出願日2023-05-02
発明の名称エンジン制御装置およびエンジン制御方法
出願人株式会社やまびこ
代理人個人,個人
主分類F02M 1/10 20060101AFI20241108BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】燃料種や気圧等が変化しても常に適切な燃料量を供給することができるエンジン制御装置を提供する。
【解決手段】エンジン1へ供給する燃料の制御を行うエンジン制御装置であって、前記エンジンの始動時に、前記エンジンへの空気または前記空気と前記燃料との混合気に始動燃料を供給する始動燃料供給弁7と、前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検知部32と、前記エンジンの回転数を検知するエンジン回転数検知部31と、前記始動燃料供給弁の開閉を制御して、エンジン制御を行う制御部30と、を有し、前記制御回路が、前記エンジン温度および前記エンジンの回転数に応じて前記始動燃料供給弁の開弁時間を制御する構成となっている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
エンジンへ供給する燃料の制御を行うエンジン制御装置であって、 前記エンジンの始動時に、前記エンジンへの空気または前記空気と前記燃料との混合気に始動燃料を供給する始動燃料供給弁と、 前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検知部と、 前記エンジンの回転数を検知するエンジン回転数検知部と、 前記始動燃料供給弁の開閉を制御して、エンジン制御を行う制御部と、を有し、 前記制御部が、前記エンジン温度および前記エンジンの回転数に応じて前記始動燃料供給弁の開弁時間を制御するエンジン制御装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記制御部には、前記エンジン回転数検知部で検出されたエンジン回転数および前記エンジン温度検知部で検出されたエンジン温度に対応して設定された始動燃料供給弁の開弁時間が記載されている設定マップが記憶されており、前記制御部が、前記設定マップに基づいて前記始動燃料供給弁の開弁時間を制御する、請求項1に記載のエンジン制御装置。
【請求項3】
前記設定マップにおいて、前記エンジン温度が高温で、前記エンジンの回転数が高回転域において、前記エンジン温度が高くなる程、前記始動燃料供給弁の開弁時間が長く設定される、請求項2に記載のエンジン制御装置。
【請求項4】
前記設定マップにおいて、前記エンジン温度が0℃以下を含む低温状態で、前記エンジンの回転数が高回転域である場合に、前記エンジン温度が低くなる程、前記始動燃料供給弁の開弁時間が長く設定される、請求項2に記載のエンジン制御装置。
【請求項5】
前記設定マップにおいて、前記エンジンの回転数が所定の中程度以下では、前記始動燃料供給弁が開弁されないように設定される、請求項2~4のいずれかに記載のエンジン制御装置。
【請求項6】
エンジンの始動時に、前記エンジンへの空気または前記空気と前記燃料との混合気に始動燃料を供給する始動燃料供給弁と、前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検知部と、前記エンジンの回転数を検知するエンジン回転数検知部と、前記始動燃料供給弁の開閉を制御して、エンジン制御を行う制御部と、を有するエンジン制御装置において、前記エンジンへ供給する燃料の制御を行うエンジン制御方法であって、 前記制御部により、所定のアイドル回転目標値に向かって前記エンジンの始動を開始するステップと、 前記制御部により、前記回転数検知部より前記エンジンの回転数を取得すると共に、前記エンジン温度検知部より前記エンジンの温度を取得するステップと、 前記制御部により、前記エンジンの回転数と前記エンジンの温度とに基づく前記始動燃料供給弁の開弁時間の設定マップの情報を読み出すステップと、 前記制御部により、前記読み出された設定マップにおける前記始動燃料供給弁の開弁時間に基づいて、前記始動燃料供給弁を開弁制御するステップと、を有するエンジン制御方法。
【請求項7】
前記設定マップにおいて、前記エンジン温度が高温で、前記エンジンの回転数が高回転域において、前記エンジン温度が高くなる程、前記始動燃料供給弁の開弁時間が長く設定される、請求項6に記載のエンジン制御方法。
【請求項8】
前記設定マップにおいて、前記エンジン温度が0℃以下を含む低温状態で、前記エンジンの回転数が高回転域である場合に、前記エンジン温度が低くなる程、前記始動燃料供給弁の開弁時間が長く設定される、請求項6に記載のエンジン制御方法。
【請求項9】
前記設定マップにおいて、前記エンジンの回転数が所定の中程度以下では、前記始動燃料供給弁が開弁されないように設定される、請求項6~8のいずれかに記載のエンジン制御方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン制御装置に係わり、詳細には、始動燃料供給装置を備えたエンジン制御装置およびエンジン制御方法に関する。
続きを表示(約 3,100 文字)【背景技術】
【0002】
チェーンソー等の手持ち式エンジン作業機のエンジンの出力は、気化器やエンジンのばらつき、及び、使用環境(例えば、気温、気圧、湿度、燃料の種類)によって変化する。
このようなエンジン駆動式作業機においては、エンジンの始動、特に、冷態の際、チョークを用いることで空燃比を一時的に高め始動を容易にすることが知られている。
しかし、エンジン作業機の使用頻度が低いユーザは、このチョーク操作に不慣れなため、操作ミスを起こすことが有り、これにより点火プラグをかぶらせてしまい、始動が困難になる場合があった。
【0003】
さらに、チョークシステムの問題点として、始動後最初の加速の際、リーン燃焼によってエンストやもたつきが発生してしまう傾向があった。このような場合、始動後から加速までのアイドル状態の間に燃料リッチ状態を作り出すことで、スムーズな加速が可能となることが分かっている。
【0004】
これらの問題を克服するために、以下のような従来技術が提案されていた。
すなわち、特許文献1として、ソレノイドバルブを用いて、チョークを使用せずとも空燃比を高めることができる始動燃料供給装置を備えたエンジン制御装置が提案されている。
さらに、特許文献2としては、空気と燃料とから濃い始動用混合気を生成して、吸気通路の絞り弁よりも下流側部分へ供給するバイスタータの通路を気化器本体に設け、機関の始動時、大気温度と機関停止後の経過時間とに対応して、バイスタータの通路を開閉する電磁開閉弁の開時間を制御する始動燃料供給装置が提案されている。
さらに、特許文献3としては、複数種類の燃料の組成毎に予め設定され、燃料粘度を所定状態にするための電磁切換弁のオン・オフと現在の燃料温度との関連を定義した複数の制御マップを備え、使用される燃料の組成に応じた制御マップを選択してマップに基づいて使用される燃料が予め記憶された温度となるよう燃料温度調整手段を制御する燃料温度制御装置が提案されている。
【0005】
特開2016-205286号公報
特開平8-14107号公報
特開2003-129908号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来のエンジン制御装置では、以下のような問題点があった。
すなわち、従来の特許文献1によるエンジン制御装置では、チョークを使用せずに空燃比を高めるために、気化器のソレノイドバルブの開度を制御するようにしていたが、起動直後のアイドル状態が不安定となってしまう問題点があった。
そのため、特許文献2による始動燃料供給装置では、起動直後のアイドル状態においてはアイドル安定を目的として、温度に応じて適した燃料量を出すように、機関の始動時に、大気温度と機関停止後の経過時間とに対応して、バイスタータの通路を開閉する電磁開閉弁の開時間を制御するようにしていた。
しかしながら、この始動燃料供給装置にて燃料リッチ状態になるよう開弁時間を設定した場合、燃料の種類によっては燃料過多状態となり、エンジン停止してしまう問題点があった。
【0007】
また、この始動燃料供給装置において、燃料過多状態になりやすい燃料種を基準として開弁時間を設定した場合、リーン燃焼になりやすい燃料を使用した際には燃料過薄によってエンストや加速もたつきが発生したり、気圧等の条件にも左右される問題点があった。
そのため、特許文献3による燃料温度制御装置では、燃料粘度を所定状態にするための電磁切換弁のオン・オフと現在の燃料温度との関連を定義した複数の制御マップを複数種類の燃料の組成毎に備え、使用される燃料の組成に応じた制御マップを選択してマップに基づいて使用される燃料が予め記憶された温度となるよう燃料温度調整手段を制御するようにしていた。
しかしながら、この燃料温度制御装置では、燃焼リッチ状態やリーン燃焼の軽度な変化により回転変化が起こったり、始動直後に不安定状態となったりする問題点があり、スムーズな加速を得ることが出来なかった。
さらに、燃料種に加え、気圧等が変化した場合には、適切な燃料量を供給することができない問題点もあった。
【0008】
上述した従来のエンジン制御装置では、さらに、次のような問題もあった。
すなわち、通常、高温時は燃料リッチ傾向となるが、燃料供給系中の液体燃料が周囲からの熱で気化され、気泡が燃料通路を塞いで燃料の流れが遮断されてしまうベーパーロック現象が起こってしまうことがあった。このベーパーロック現象が起きると燃料の供給が途絶えて燃料過薄となり、アイドリング不調等が発生する問題があった。
【0009】
本発明は前記のような従来の問題点に着目してなされたものであり、エンジン温度に加えてエンジンの回転数に応じて始動燃料供給弁の開弁時間を設定したことにより、燃料種や気圧等が変化しても常に適切な燃料量を供給することができるエンジン制御装置およびエンジン制御方法を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、エンジン温度が高温で、エンジン回転数が高回転域において、始動燃料供給弁の開弁時間を長く設定することにより、ベーパーロック現象が起こってしまうような高温高回転域でも、安定したアイドル回転維持が可能となるエンジン制御装置およびエンジン制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的達成のために、本発明に係るエンジン制御装置は、エンジンへ供給する燃料の制御を行うエンジン制御装置であって、前記エンジンの始動時に、前記エンジンへの空気または前記空気と前記燃料との混合気に始動燃料を供給する始動燃料供給弁と、前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検知部と、前記エンジンの回転数を検知するエンジン回転数検知部と、前記始動燃料供給弁の開閉を制御して、エンジン制御を行う制御部と、を有し、前記制御部が、前記エンジン温度および前記エンジンの回転数に応じて前記始動燃料供給弁の開弁時間を制御することを特徴とする。 さらに、本発明に係るエンジン制御方法は、エンジンの始動時に、前記エンジンへの空気または前記空気と前記燃料との混合気に始動燃料を供給する始動燃料供給弁と、前記エンジンの温度を検出するエンジン温度検知部と、前記エンジンの回転数を検知するエンジン回転数検知部と、前記始動燃料供給弁の開閉を制御して、エンジン制御を行う制御部と、を有するエンジン制御装置において、前記エンジンへ供給する燃料の制御を行うエンジン制御方法であって、前記制御部により、所定のアイドル回転目標値に向かって前記エンジンの始動を開始するステップと、前記制御部により、前記回転数検知部より前記エンジンの回転数を取得すると共に、前記エンジン温度検知部より前記エンジンの温度を取得するステップと、前記制御部により、前記エンジンの回転数と前記エンジンの温度とに基づく前記始動燃料供給弁の開弁時間の設定マップの情報を読み出すステップと、前記制御部により、前記読み出された設定マップにおける前記始動燃料供給弁の開弁時間に基づいて、前記始動燃料供給弁を開弁制御するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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