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公開番号2024160545
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-14
出願番号2023075666
出願日2023-05-01
発明の名称内燃機関用点火装置
出願人ダイヤゼブラ電機株式会社
代理人個人
主分類F02P 3/04 20060101AFI20241107BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】点火コイルに大きな1次電流が生じる点火装置において、イグナイタの温度上昇を抑制しつつ、複数のイグナイタに流れる電流値の差を抑制する技術を提供する。
【解決手段】この内燃機関用点火装置1は、トランス20の1次コイルL1に並列に接続される第1イグナイタ41および第2イグナイタ42と、2次コイルL2に接続される点火プラグ90と、ECU32とを有する。ECU32は、気筒20内に燃料が導入されない状態で第1イグナイタ41および第2イグナイタ42を流れる電流値の検出結果に基づいて各イグナイタ41,42のON時刻を調整する初期通電調整工程と、調整後のON時刻を用いて各イグナイタ41,42のON/OFFを行う運転工程と、を実行する。これにより、各イグナイタ41,42を流れる電流の大きさの差を抑制しつつ、流れる電流の大きさや使用頻度を抑制し、イグナイタ41,42の劣化や破損を抑制できる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関用点火装置であって、
電磁結合された1次コイルおよび2次コイルを有するトランスと、
前記1次コイルの一端へ電力を供給するバッテリと、
前記1次コイルの他端とグラウンドとの間に、並列に接続される第1イグナイタおよび第2イグナイタと、
前記2次コイルとグラウンドとの間に電気的に接続され、プラグギャップが気筒内に配置される点火プラグと、
前記第1イグナイタを流れる電流値を検出する第1電流検出部と、
前記第2イグナイタを流れる電流値を検出する第2電流検出部と、
前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのON/OFFを制御するECUと、
を有し、
前記ECUは、
前記気筒内に燃料が導入されない状態で前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタをON/OFFさせ、前記第1電流検出部および前記第2電流検出部の検出結果に基づいて、前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのON時刻を調整する初期通電調整工程と、
前記初期通電調整工程の後に、前記気筒内に前記燃料が導入された状態で、調整後の前記ON時刻を用いて前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのON/OFFを行い、前記1次コイルへの通電/遮断により前記点火プラグの放電を行う運転工程と、
を実行する、内燃機関用点火装置。
続きを表示(約 1,800 文字)【請求項2】
請求項1に記載の内燃機関用点火装置であって、
前記ECUは、前記初期通電調整工程において、
前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのうち、流れる電流値が大きい一方の前記ON時刻を遅角させる、内燃機関用点火装置。
【請求項3】
請求項1に記載の内燃機関用点火装置であって、
前記ECUは、前記初期通電調整工程において、
前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのうち、流れる電流値が小さい一方の前記ON時刻を進角させる、内燃機関用点火装置。
【請求項4】
請求項1に記載の内燃機関用点火装置であって、
前記ECUは、前記初期通電調整工程において、
前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのうち、流れる電流値が大きい一方の前記ON時刻を遅角させるとともに、
前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのうち、流れる電流値が小さい他方の前記ON時刻を進角させる、内燃機関用点火装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関用点火装置であって、
前記運転工程において、前記ECUは、前記1次コイルへの全ての通電期間に対して、前記初期通電調整工程において調整された前記ON時刻を用いて前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタをON/OFFさせる、内燃機関用点火装置。
させる)
【請求項6】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関用点火装置であって、
前記運転工程において、前記ECUは、
奇数回目のサイクルでは、前記第1イグナイタをON/OFFさせるとともに、前記第2イグナイタをOFF状態に保ち、
偶数回目のサイクルでは、前記第1イグナイタをOFF状態に保つとともに、前記第2イグナイタをON/OFFさせる、内燃機関用点火装置。
【請求項7】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関用点火装置であって、
前記運転工程において、前記ECUは、
奇数回目のサイクルの奇数回目の通電期間および偶数回目のサイクルの偶数回目の通電期間では、前記第1イグナイタをON/OFFさせるとともに、前記第2イグナイタをOFF状態に保ち、
奇数回目のサイクルの偶数回目の通電期間および偶数回目のサイクルの奇数回目の通電期間では、前記第1イグナイタをOFF状態に保つとともに、前記第2イグナイタをON/OFFさせる、内燃機関用点火装置。
【請求項8】
請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の内燃機関用点火装置であって、
前記燃焼室内に導入される燃料は、難燃性燃料を含む、内燃機関用点火装置。
【請求項9】
請求項8に記載の内燃機関用点火装置であって、
前記難燃性燃料はアンモニアである、内燃機関用点火装置。
【請求項10】
内燃機関用点火装置であって、
電磁結合された1次コイルおよび2次コイルを有するトランスと、
前記1次コイルの一端へ電力を供給するバッテリと、
前記1次コイルの他端とグラウンドとの間に、並列に接続される3つ以上のイグナイタと、
前記2次コイルとグラウンドとの間に電気的に接続され、プラグギャップが気筒内に配置される点火プラグと、
前記第1イグナイタを流れる電流値を検出する第1電流検出部と、
前記第2イグナイタを流れる電流値を検出する第2電流検出部と、
複数の前記イグナイタのON/OFFを制御するECUと、
を有し、
前記ECUは、
前記気筒内に燃料が導入されない状態で前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタをON/OFFさせ、前記第1電流検出部および前記第2電流検出部の検出結果に基づいて、複数の前記イグナイタのそれぞれのON時刻を調整する初期通電調整工程と、
前記初期通電調整工程の後に、前記気筒内に前記燃料が導入された状態で、調整後の前記ON時刻を用いて複数の前記イグナイタのON/OFFを行い、前記1次コイルへの通電/遮断により前記点火プラグの放電を行う運転工程と、
を実行する、内燃機関用点火装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用点火装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関用点火コイルにおいては、コイルアセンブリの1次コイルに電流を流して磁界を発生させた後に電流を遮断することにより、自己誘導作用により2次コイルに高電圧を発生させる。このとき2次コイルに発生した高電圧によって、点火プラグにおいて放電が行われる。
【0003】
ガソリンのリーンバーンエンジンや、ガソリンよりも着火し難い難燃性燃料を用いた内燃機関では、点火プラグにおける放電エネルギーを大きくすることが求められる。放電エネルギーを大きくする方法として、従来、複数の点火コイル(トランス)の出力を集約して、放電エネルギーを大きくする方法が知られている。この方法では、複数のコイルを配置するための空間を確保する必要があるとともに、高コストとなるという問題がある。
【0004】
1つの点火コイルで大きな放電エネルギーを出力するためには、1次コイルに大きな電流を与える必要がある。その場合、イグナイタに流れる1次電流が大電流となり、自己発熱によってイグナイタのジャンクション温度を超えて破損する可能性が高くなるという問題が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2007-177705号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、特許文献1に記載の点火装置では、1次コイルへの通電制御部として、2つのイグナイタを並列に接続したものを用いている。このようにすれば、1次電流を2つに分けて、各イグナイタに流れる電流を抑制できるため、各イグナイタの温度上昇を抑制できる。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の点火装置では、同スペックのイグナイタを用いたとしても、製造上の個体差によって、並列に接続された2つのイグナイタに流れる電流は同じとならず、一方のイグナイタに電流が偏る。そうすると、大きな電流が流れるイグナイタの劣化が速く進み、イグナイタ間の個体差がより大きくなるという問題が生じる。また、1次電流値を正確に制御することが困難になるという問題も生じる。
【0008】
また、特許文献1に記載の点火装置と同じ構成を用いて、並列に接続した2つのイグナイタを交互に用いることでも、単一のイグナイタを用いる場合と比べてイグナイタの温度上昇を抑制できる。しかしながら、同じスイッチング制御を行った場合でも、イグナイタ間の製造上の個体差によって、生じる1次電流の値が異なる場合がある。
【0009】
本発明の目的は、点火コイルに大きな1次電流が生じる点火装置において、イグナイタの温度上昇を抑制しつつ、複数のイグナイタのそれぞれに流れる電流値の差を抑制する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、内燃機関用点火装置であって、電磁結合された1次コイルおよび2次コイルを有するトランスと、前記1次コイルの一端へ電力を供給するバッテリと、前記1次コイルの他端とグラウンドとの間に、並列に接続される第1イグナイタおよび第2イグナイタと、前記2次コイルとグラウンドとの間に電気的に接続され、プラグギャップが気筒内に配置される点火プラグと、前記第1イグナイタを流れる電流値を検出する第1電流検出部と、前記第2イグナイタを流れる電流値を検出する第2電流検出部と、前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのON/OFFを制御するECUと、を有し、前記ECUは前記気筒内に燃料が導入されない状態で前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタをON/OFFさせ、前記第1電流検出部および前記第2電流検出部の検出結果に基づいて、前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのON時刻を調整する初期通電調整工程と、前記初期通電調整工程の後に、前記気筒内に前記燃料が導入された状態で、調整後の前記ON時刻を用いて前記第1イグナイタおよび前記第2イグナイタのON/OFFを行い、前記1次コイルへの通電/遮断により前記点火プラグの放電を行う運転工程と、を実行する。
(【0011】以降は省略されています)

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