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公開番号2024155223
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-31
出願番号2023069728
出願日2023-04-21
発明の名称内燃機関のノッキング制御方法および装置
出願人日産自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 45/00 20060101AFI20241024BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】トレース制御域およびMBT制御域のそれぞれで、ノッキングを確実に抑制しつつ過大な点火時期遅角を回避する。
【解決手段】トレース制御域では、気筒毎に記憶されるトレース気筒別フィードバック量を、各気筒のノッキングの検出の有無に基づいて算出し、内燃機関の運転点に応じたトレース基準点火時期とトレース気筒別フィードバック量とに基づいて最終点火時期を決定する。MBT制御域では、気筒毎に記憶されるMBT気筒別フィードバック量を、各気筒のノッキングの検出の有無に基づいて算出し、内燃機関の運転点に応じたMBT基準点火時期とMBT気筒別フィードバック量とに基づいて最終点火時期を決定する。トレース制御域にある間はMBT気筒別フィードバック量の値を保持し、MBT制御域にある間はトレース気筒別フィードバック量の値を保持する。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
内燃機関の負荷と回転速度とから定まる運転領域をノッキングが生じやすいトレース制御域とノッキングが生じにくいMBT制御域とに大別し、
気筒毎にノッキングの検出を行い、
トレース制御域では、気筒毎に記憶されるトレース気筒別フィードバック量を、各気筒のノッキングの検出の有無に基づいて算出し、内燃機関の運転点に応じたトレース基準点火時期と上記トレース気筒別フィードバック量とに基づいて最終点火時期を決定し、
MBT制御域では、気筒毎に記憶されるMBT気筒別フィードバック量を、各気筒のノッキングの検出の有無に基づいて算出し、内燃機関の運転点に応じたMBT基準点火時期と上記MBT気筒別フィードバック量とに基づいて最終点火時期を決定し、
トレース制御域にある間は上記MBT気筒別フィードバック量の値を保持し、MBT制御域にある間は上記トレース気筒別フィードバック量の値を保持する、
内燃機関のノッキング制御方法。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
少なくともトレース制御域とMBT制御域との境界付近においては、トレース基準点火時期とトレース気筒別フィードバック量とに基づくトレース最終点火時期候補と、MBT基準点火時期とMBT気筒別フィードバック量とに基づくMBT最終点火時期候補と、を比較して、相対的に遅角側の値を最終点火時期とする、
請求項1に記載の内燃機関のノッキング制御方法。
【請求項3】
トレース最終点火時期候補を最終点火時期として点火を行ったときは、次の点火サイクルは、運転点がトレース制御域にあるものとみなし、
MBT最終点火時期候補を最終点火時期として点火を行ったときは、次の点火サイクルは、運転点がMBT制御域にあるものとみなす、
請求項2に記載の内燃機関のノッキング制御方法。
【請求項4】
上記トレース気筒別フィードバック量および上記MBT気筒別フィードバック量は、対応する気筒でノッキングを検出したときに遅角方向に所定量増加させ、ノッキングを検出しないときは所定の微小量ずつ減少させていくことで算出される、
請求項1に記載の内燃機関のノッキング制御方法。
【請求項5】
内燃機関に設けられたノッキング検出用センサと、
各気筒のノッキングの検出の有無に基づいて気筒毎に更新されるトレース気筒別フィードバック量を記憶するトレース気筒別フィードバック量記憶部と、
各気筒のノッキングの検出の有無に基づいて気筒毎に更新されるMBT気筒別フィードバック量を記憶するMBT気筒別フィードバック量記憶部と、
ノッキングが生じやすいトレース制御域を少なくとも含む内燃機関の運転領域について負荷と回転速度とから定まる各運転点に対しトレース基準点火時期を割り付けたトレース基準点火時期マップと、
ノッキングが生じにくいMBT制御域を少なくとも含む内燃機関の運転領域について各運転点に対しMBT基準点火時期を割り付けたMBT基準点火時期マップと、
トレース制御域では、上記トレース基準点火時期と上記トレース気筒別フィードバック量とに基づいて最終点火時期を決定し、MBT制御域では、上記MBT基準点火時期と上記MBT気筒別フィードバック量とに基づいて最終点火時期を決定する制御部と、
を備えてなる内燃機関のノッキング制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、内燃機関のノッキングを点火時期フィードバック制御によって抑制するノッキング制御方法およびノッキング制御装置に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
内燃機関のノッキングを抑制する技術として、ノッキングセンサ(あるいは筒内圧センサ)によってノッキングの検出を行い、あるレベルのノッキングが検出されたら点火時期を所定量遅角補正し、その後ノッキングが検出されなければ徐々に点火時期を進角させていくことで、トレースノック状態に維持する技術が広く知られている。
【0003】
特許文献1には、ノッキングが生じにくい運転領域ではMBT点近傍のベース点火時期に気筒別のオフセット量を加えて点火時期を決定し、ノッキングが生じやすい運転領域では、気筒別にノッキングの検出を行い、気筒別の点火時期フィードバック制御を行うことが記載されている。そして、前者の運転領域での気筒別のオフセット量を、後者の点火時期フィードバック制御による気筒間の点火時期の差異に基づいて決定している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2014-70511号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ノッキングが生じにくい運転領域ではノッキング検出に基づく点火時期フィードバック制御をせずに、いわゆるフィードフォワードの形で気筒毎にオフセット量を加算する構成となっている。このような構成では、ノッキング回避のために余裕を見込んだ大きなオフセット量を与える必要があり、結局、最終点火時期がMBT点から離れてしまい、好ましくない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る内燃機関のノッキング制御方法は、
内燃機関の負荷と回転速度とから定まる運転領域をノッキングが生じやすいトレース制御域とノッキングが生じにくいMBT制御域とに大別し、
気筒毎にノッキングの検出を行い、
トレース制御域では、気筒毎に記憶されるトレース気筒別フィードバック量を、各気筒のノッキングの検出の有無に基づいて算出し、内燃機関の運転点に応じたトレース基準点火時期と上記トレース気筒別フィードバック量とに基づいて最終点火時期を決定し、
MBT制御域では、気筒毎に記憶されるMBT気筒別フィードバック量を、各気筒のノッキングの検出の有無に基づいて算出し、内燃機関の運転点に応じたMBT基準点火時期と上記MBT気筒別フィードバック量とに基づいて最終点火時期を決定し、
トレース制御域にある間は上記MBT気筒別フィードバック量の値を保持し、MBT制御域にある間は上記トレース気筒別フィードバック量の値を保持する。
【0007】
すなわち、ノッキングが生じやすいトレース制御域では、トレース基準点火時期と気筒毎のノッキング検出に基づくトレース気筒別フィードバック量とを用いて気筒別の点火時期フィードバック制御を行い、ノッキングが生じにくいMBT制御域では、MBT基準点火時期と気筒毎のノッキング検出に基づくMBT気筒別フィードバック量とを用いて気筒別の点火時期フィードバック制御を行う。
【発明の効果】
【0008】
本発明では、トレース制御域およびMBT制御域のそれぞれで、それぞれに適した基準点火時期および気筒別フィードバック量を用いて点火時期フィードバック制御を行うので、ノッキングを確実に抑制しつつ過大な点火時期遅角を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
この発明の一実施例となる内燃機関のシステム構成を示す説明図。
一実施例のノッキング制御の機能ブロック図。
一実施例のノッキング制御における作用を示すタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の一実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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