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公開番号2025090259
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-06-17
出願番号2023205385
出願日2023-12-05
発明の名称点火装置
出願人ダイヤゼブラ電機株式会社
代理人個人
主分類F02P 3/04 20060101AFI20250610BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】放電終了時に点火プラグの付近等に残留する残留エネルギーを早期に収束させるための技術を提供する。
【解決手段】水素を含む燃料を用いた内燃機関用の点火装置1であって、点火コイル103、電源装置102、1次電流の通電/遮断を切り替えるスイッチング素子70、2次コイルL2の一端822に誘起される高電圧に基づいて放電する点火プラグ113、第1制限ダイオード131、および第1抵抗132を有する。2次コイルL2の一端822と点火プラグ113との間に、2本の第1接続線121a,121bが並列に配線される。第1制限ダイオード131は、第1接続線121aに介挿され、2次コイルL2の一端822から他端821へ向かって順方向となり、降伏電圧はON時電圧の最大値以上で、点火プラグ113の放電維持電圧よりも小さい。第1抵抗132は、第1接続線121bに介挿され、抵抗値は10MΩ以上で~50MΩ以下である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
少なくとも水素を含む燃料を用いた内燃機関用の点火装置であって、
1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成された点火コイルと、
前記1次コイルの一端へ電源線を介して直流電圧を印加する電源装置と、
前記1次コイルの他端と接地点との間に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能なスイッチング素子と、
前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいてギャップにおいて放電することによって前記燃料に点火する点火プラグと、
前記2次コイルの一端と前記点火プラグとの間で並列に配線された2本の第1接続線のうちの一方において介挿され、前記2次コイルの一端から他端へ向かう方向において順方向となる、ツェナーダイオードまたはアバランシェダイオードである第1制限ダイオードと、
前記2本の第1接続線のうちの他方において介挿される第1抵抗と、
を有し、
前記第1制限ダイオードの降伏電圧は、前記電源装置から前記1次コイルの一端へ印加される前記直流電圧の電圧値に、前記1次コイルの巻き数に対する前記2次コイルの巻き数の比率を掛けることによって、算出される値以上であり、かつ、前記点火プラグの前記ギャップにおける放電維持電圧よりも小さく、
前記第1抵抗の抵抗値は、10MΩ以上で、かつ、50MΩ以下である、点火装置。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
請求項1に記載の点火装置であって、
前記降伏電圧は1kV以上である、点火装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の点火装置であって、
前記降伏電圧は2kV以下である、点火装置。
【請求項4】
少なくとも水素を含む燃料を用いた内燃機関用の点火装置であって、
1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成された点火コイルと、
前記1次コイルの一端へ電源線を介して直流電圧を印加する電源装置と、
前記1次コイルの他端と接地点との間に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能なスイッチング素子と、
前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいてギャップにおいて放電することによって前記燃料に点火する点火プラグと、
前記2次コイルの他端と前記電源装置または接地点との間で並列に配線された2本の第2接続線のうちの一方において介挿され、前記2次コイルの一端から他端へ向かう方向において順方向となる、ツェナーダイオードまたはアバランシェダイオードである第2制限ダイオードと、
前記2本の第2接続線のうちの他方において介挿される第2抵抗と、
を有し、
前記第2制限ダイオードの降伏電圧は、前記電源装置から前記1次コイルの一端へ印加される前記直流電圧の電圧値に、前記1次コイルの巻き数に対する前記2次コイルの巻き数の比率を掛けることによって、算出される値以上であり、かつ、前記点火プラグの前記ギャップにおける放電維持電圧よりも小さく、
前記第2抵抗の抵抗値は、10MΩ以上で、かつ、50MΩ以下である、点火装置。
【請求項5】
請求項4に記載の点火装置であって、
前記降伏電圧は1kV以上である、点火装置。
【請求項6】
請求項4または請求項5に記載の点火装置であって、
前記降伏電圧は2kV以下である、点火装置。
【請求項7】
請求項1または請求項4の点火装置であって、
前記スイッチング素子の切り替えを制御する制御部
をさらに有し、
前記制御部は、
前記スイッチング素子を閉状態にすることによって、前記1次コイルに1次電流を流して充電する充電制御と、
前記充電制御を行った後、前記スイッチング素子を開状態に切り替えて、前記2次コイルの一端に高電圧を誘起させることによって、前記点火プラグの前記ギャップにおいて放電させる放電制御と、
を行い、
前記放電制御の終了時点における前記2次コイルの一端に誘起される電圧の絶対値は、前記放電制御の開始時点における前記2次コイルの一端に誘起される電圧の絶対値よりも大きい、点火装置。
【請求項8】
請求項1または請求項4に記載の点火装置であって、
前記2次コイルの一端から前記点火プラグまでの間に形成される浮遊容量
を有する、点火装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関用の点火装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
従来、自動車等に用いられるSI(火花点火)レシプロエンジンを含む内燃機関には、点火装置が搭載される。点火装置の点火コイルは、ECU(Engine Control Unit)の制御により、バッテリから供給される直流の低電圧を数千V~数万Vにまで昇圧して、点火プラグヘ供給し、電気火花を発生させて燃料を点火させる。従来の点火装置の例については、例えば、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特許第6517088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1には、以下の構成を有する内燃機関用点火装置(1)が開示されている。まず、点火コイル(2)の一次コイル(21)は、車載バッテリー等の直流電源(VB+)に接続され、メインスイッチング素子(4)のオン・オフの制御によって、一次コイル(21)を流れる一次電流(I1)の通電・遮断が切り替えられる(段落0015,図1)。また、一次コイル(21)と鉄心を介して磁気的に結合している二次コイル(22)の一方端は点火プラグ(3)に接続され、他方端はON電圧防止用ダイオード(23)を介して直流電源供給ラインに接続される。これにより、点火コイル(2)の一次電流(I1)遮断時に二次側に高電圧が発生し、点火プラグ(3)の放電ギャップに絶縁破壊が生じるとともに、ON電圧防止用ダイオード(23)の順方向へ二次電流(I2)が流れる。(段落0016,0029)。一方、一次コイル(21)への通電開始時に二次コイル(22)に生ずる逆極性のON電圧は、ON電圧防止用ダイオード(23)によって抑制される(段落0017)。
【0005】
近年、SI(火花点火)レシプロエンジンにおいて、水素を含む燃料が多く用いられている。水素を含む燃料を用いることによって、所謂、低炭素社会の実現に寄与すると考えられる。しかし一方で、水素は比較的低温でも燃焼し易く、かつ燃焼速度が速い特性を有する。このため、例えば、点火プラグにおいて予期しないタイミングで僅かに放電が起こると、燃料に引火して燃焼し得る。この場合、エンジンの燃焼室から吸気装置側へ炎が吹き返すバックファイヤー、エンジンの排気ガス中に残留する燃料が排気流路等において燃焼するアフターファイヤー、または着火のタイミングが制御できないプレイグニッション等の異常燃焼を引き起こす虞がある。
【0006】
また、内燃機関が有する1または複数の気筒の燃焼室内にて成される1サイクルにおける、点火プラグによる放電終了時に、点火プラグの付近等に残留エネルギーがある場合、次のサイクルにて予期しないタイミングで燃料に引火して燃焼し得る虞が高まる。より具体的には、次のサイクルの吸気工程において、気筒内の圧力が低くなり、かつ、新たな混合気が流入するタイミングで、残留エネルギーによって放電が起こり、燃料に引火して燃焼し得る虞がより高まる。特に、各気筒における回転数が大きい場合には、直ぐに次のサイクルが開始されるため、当該残留エネルギーをより早期にゼロに近づけて収束させる必要がある。
【0007】
本発明の目的は、点火プラグにおいて予期しないタイミング(異常タイミング)で放電が起こることを抑制できる技術を提供することである。特に、点火プラグによる放電終了時に点火プラグの付近等に残留する残留エネルギーを、早期にゼロに近づけて収束させることができる技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本願の第1発明は、少なくとも水素を含む燃料を用いた内燃機関用の点火装置であって、点火コイルと、電源装置と、スイッチング素子と、点火プラグと、第1制限ダイオードと、第1抵抗とを有する。前記点火コイルは、1次コイルと2次コイルとが互いに電磁結合されることによって形成される。前記電源装置は、前記1次コイルの一端へ電源線を介して直流電圧を印加する。前記スイッチング素子は、前記1次コイルの他端と接地点との間に介挿され、前記電源装置から前記1次コイルへ流れる1次電流の通電または遮断を切り替え可能である。前記点火プラグは、前記2次コイルの一端に誘起される高電圧に基づいてギャップにおいて放電することによって前記燃料に点火する。前記第1制限ダイオードは、前記2次コイルの一端と前記点火プラグとの間で並列に配線された2本の第1接続線のうちの一方において介挿され、前記2次コイルの一端から他端へ向かう方向において順方向となる、ツェナーダイオードまたはアバランシェダイオードである。前記第1抵抗は、前記2本の第1接続線のうちの他方において介挿される。前記第1制限ダイオードの降伏電圧は、前記電源装置から前記1次コイルの一端へ印加される前記直流電圧の電圧値に、前記1次コイルの巻き数に対する前記2次コイルの巻き数の比率を掛けることによって、算出される値以上であり、かつ、前記点火プラグの前記ギャップにおける放電維持電圧よりも小さい。前記第1抵抗の抵抗値は、10MΩ以上で、かつ、50MΩ以下である。
【0009】
本願の第2発明は、第1発明の点火装置であって、前記降伏電圧は1kV以上である。
【0010】
本願の第3発明は、第1発明または第2発明の点火装置であって、前記降伏電圧は2kV以下である。
(【0011】以降は省略されています)

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