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公開番号2024162282
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-21
出願番号2023077639
出願日2023-05-10
発明の名称排気システム
出願人株式会社豊田自動織機
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類F02D 9/06 20060101AFI20241114BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】コスト増大を回避しつつ車両の補助ブレーキ時にエンジンの排気経路の配管およびその周囲の部品を保護する。
【解決手段】排気システムは、排気ブレーキ用バルブ50と、過給機25と、制御装置100とを備える。過給機25は、可変ノズル機構40を有するタービン26を含む。制御装置100は、排気ブレーキ用バルブ50の開閉状態の切り替え、および可変ノズル機構40の開度の少なくとも1つを制御することによって補助ブレーキを作動させる補助ブレーキ制御を実行する。補助ブレーキ制御は、エンジン10の回転の程度を示す指標値がしきい値未満である場合に、排気ブレーキ用バルブ50を閉状態に制御する第1制御と、指標値がしきい値以上である場合に、指標値がしきい値未満である場合よりも開度を小さくするとともに排気ブレーキ用バルブ50を開状態に制御する第2制御とを含む。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
車両の補助ブレーキのための排気システムであって、
前記車両に搭載されるエンジンの排気経路に設けられ、開状態および閉状態の間で切り替わる排気ブレーキ用バルブと、
前記排気経路に設けられるとともに可変ノズル機構を有するタービンを含み、前記エンジンの吸気を過給する過給機と、
前記排気ブレーキ用バルブの開閉状態の切り替え、および前記可変ノズル機構の開度の少なくとも1つを制御することによって前記補助ブレーキを作動させる補助ブレーキ制御を実行する制御装置とを備え、
前記補助ブレーキ制御は、
前記エンジンの回転の程度を示す指標値がしきい値未満である場合に、前記排気ブレーキ用バルブを前記閉状態に制御する第1制御と、
前記指標値が前記しきい値以上である場合に、前記指標値が前記しきい値未満である場合よりも前記開度を小さくするとともに前記排気ブレーキ用バルブを前記開状態に制御する第2制御とを含む、排気システム。
続きを表示(約 240 文字)【請求項2】
前記排気ブレーキ用バルブは、前記排気ブレーキ用バルブに供給される圧力を用いて前記開状態から前記閉状態に切り替わるバルブである、請求項1に記載の排気システム。
【請求項3】
前記第2制御は、前記可変ノズル機構の信頼性限界に基づいて定められる所定の限界開度まで前記開度を小さくする制御を含む、請求項1又は請求項2に記載の排気システム。
【請求項4】
前記指標値は、前記エンジンの回転数を含む、請求項1又は請求項2に記載の排気システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、排気システムに関し、特に、車両の補助ブレーキのための排気システムに関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
特開2009-108773号公報(特許文献1)は、車両のエンジンシステムを開示する。このエンジンシステムは、排気バルブ(排気ブレーキ用バルブ)と、過給機と、制御装置とを備える。排気バルブは、エンジンの排気経路に設けられ、車両の排気ブレーキ時に閉じられる。過給機は、排気経路に設けられるとともに可変容量装置(可変ノズル機構)を有するタービンを含む。制御装置は、排気バルブの開閉状態の切り替え、および可変ノズル機構(詳細には、そのノズルベーン)の開度を制御する。制御装置は、排気バルブを閉じるときに可変ノズル機構を全開にする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2009-108773号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両の排気ブレーキは、車両の補助ブレーキとして用いられる。エンジンの回転数が高い場合に排気ブレーキ用バルブを閉じることで排気ブレーキを作動させると、排気経路のうちのエンジンから当該バルブまでの配管内の圧力が過度に上昇する可能性がある。これは、配管およびその周囲の部品の保護の観点から好ましくない。そのような高い圧力に対処するために、高耐圧性能を有する配管および部品を車両の排気システムに搭載することができるが、これは、コスト増大を招く。
【0005】
本開示は、上記のような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、コスト増大を回避しつつ車両の補助ブレーキ時にエンジンの排気経路の配管およびその周囲の部品を保護することができる排気システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の排気システムは、車両の補助ブレーキのための排気システムである。排気システムは、排気ブレーキ用バルブと、過給機と、制御装置とを備える。排気ブレーキ用バルブは、車両に搭載されるエンジンの排気経路に設けられ、開状態および閉状態の間で切り替わる。過給機は、排気経路に設けられるとともに可変ノズル機構を有するタービンを含み、エンジンの吸気を過給する。制御装置は、排気ブレーキ用バルブの開閉状態の切り替え、および可変ノズル機構の開度の少なくとも1つを制御することによって補助ブレーキを作動させる補助ブレーキ制御を実行する。補助ブレーキ制御は、エンジンの回転の程度を示す指標値がしきい値未満である場合に、排気ブレーキ用バルブを閉状態に制御する第1制御と、指標値がしきい値以上である場合に、指標値がしきい値未満である場合よりも開度を小さくするとともに排気ブレーキ用バルブを開状態に制御する第2制御とを含む。
【0007】
上記の構成とすることにより、指標値がしきい値未満であるほど小さい場合、第1制御が実行されて、排気ブレーキ用バルブが閉状態に制御される。これにより、排気ブレーキ用バルブを用いて補助ブレーキを作動させることができる。この場合、エンジンの排気ガスの量が少なく排気経路内の圧力が低いため、排気ブレーキ用バルブが閉状態にある間にこの圧力による排気経路の配管およびその周辺部品の耐圧性能への影響は問題とならない。他方、指標値がしきい値以上であるほど大きい場合、第2制御が実行されて、排気ブレーキ用バルブが開状態に制御される。これにより、排気経路の閉塞に起因して排気経路内の圧力が上昇してこの経路の配管および周辺部品が高い圧力の影響を受ける事態が回避される。なお、第2制御に起因して可変ノズルの開度が小さく制御されるが、この開度は、可変ノズルの部品保護の観点から過度に小さくならない程度に制御される。したがって、この開度の制御に起因して排気経路内の圧力が過度に上昇することはない。このように、上記の構成によれば、指標値が大きい場合であっても、高耐圧性能を有する配管およびその周囲の部品を用いることなく(コスト増大を回避しつつ)、車両の補助ブレーキ時に配管および部品を保護することができる。加えて、第2制御によれば、可変ノズルの開度が相対的に小さくなるように制御されるため、その開度に対応する適切な大きさの補助ブレーキ力が発生する。その結果、補助ブレーキを適切に作動させることができる。
【0008】
排気ブレーキ用バルブは、排気ブレーキ用バルブに供給される圧力を用いて開状態から閉状態に切り替わるバルブであってもよい。
【0009】
第2制御は、可変ノズル機構の信頼性限界に基づいて定められる所定の限界開度まで開度を小さくする制御を含んでもよい。
【0010】
指標値は、エンジンの回転数を含んでもよい。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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