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公開番号
2025059399
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2025-04-10
出願番号
2023169471
出願日
2023-09-29
発明の名称
2サイクルエンジン
出願人
株式会社丸山製作所
代理人
個人
,
個人
,
個人
,
個人
主分類
F02B
19/12 20060101AFI20250403BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約
【課題】水素燃料を用いた場合でも安定した運転を実現することができる2サイクルエンジンを提供する。
【解決手段】2サイクルエンジン1において、シリンダ2には、ボア部3を介してクランク室6aに連通する吸気孔12と、ボア部3に連通しボア部3の径方向において吸気孔12と対向するように配置された排気孔13と、ボア部3とクランク室6aとを連通する吸気側掃気孔14及び排気側掃気孔16と、ボア部3に連通する噴射孔31を有し、ボア部3内に水素を含む燃料を噴射するインジェクタ30と、が設けられている。インジェクタ30は、ピストン4が下死点から上死点に移動する上昇工程において排気孔13が閉じられたタイミングに合わせて燃料をボア部3内に噴射する。
【選択図】図2
特許請求の範囲
【請求項1】
ボア部(3)及び前記ボア部(3)の軸線(L)方向の一方側に連接する燃焼室(11)が設けられたシリンダ(2)と、前記シリンダ(2)の前記軸線(L)方向の他方側に配置されて、前記ボア部(3)の当該他方側に連接するクランク室(6a)が設けられたクランクケース(6)と、前記ボア部(3)内に配置されて、前記燃焼室(11)と前記クランク室(6a)との間で前記軸線(L)方向に沿って往復動可能なピストン(4)と、前記クランク室(6a)に配置されたクランクシャフト(7a)と前記ピストン(4)を連結するコネクティングロッド(10)と、を備えた2サイクルエンジン(1)であって、
前記シリンダ(2)には、
前記ボア部(3)を介して前記クランク室(6a)に連通する吸気孔(12)と、
前記ボア部(3)に連通し前記ボア部(3)の径方向において前記吸気孔(12)と対向するように配置された排気孔(13)と、
前記ボア部(3)と前記クランク室(6a)とを連通する少なくとも1つの掃気孔(14,16)と、
前記ボア部(3)に連通する噴射孔(31)を有し、前記ボア部(3)内に水素を含む燃料を噴射するインジェクタ(30)と、が設けられており、
前記インジェクタ(30)は、前記ピストン(4)が下死点から上死点に移動する上昇工程において前記排気孔(13)が閉じられたタイミングに合わせて前記燃料を前記ボア部(3)内に噴射する、
2サイクルエンジン。
続きを表示(約 400 文字)
【請求項2】
前記インジェクタ(30)の前記噴射孔(31)は、前記軸線(L)方向における前記排気孔(13)の一方側の端縁と同じか又は当該端縁より僅かに高い位置において、前記ボア部(3)に開口している、
請求項1に記載の2サイクルエンジン。
【請求項3】
前記インジェクタ(30)は、前記軸線(L)方向における前記吸気孔(12)の一方側に隣接する位置において前記シリンダ(2)に取り付けられている、
請求項1又は2に記載の2サイクルエンジン。
【請求項4】
前記ピストン(4)の前記コネクティングロッド(10)との連結位置(C)は、前記クランクシャフト(7a)の回転中心(R)を通り前記ピストン(4)の往復動方向に平行な直線(A1)に対し、前記吸気孔(12)側にオフセットされている、
請求項1又は2に記載の2サイクルエンジン。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、水素を燃料として動作する2サイクルエンジンに関する。
続きを表示(約 2,600 文字)
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるように、燃料インジェクタの燃料通路に水素インジェクタの水素通路を接続し、所定のタイミングで燃料と水素を噴射させるように構成された2サイクルエンジンが知られている。このエンジンでは、掃気通路が開いた後に水素を噴射させ、掃気通路が閉じる前に水素の噴射を終了させている。燃料通路に溜まる燃料が、水素の噴射により掃気通路を介して燃焼室に供給される。水素の混合によって燃料の着火性が向上する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開平3-18664号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の2サイクルエンジンでは、水素を含有する燃料が点火プラグのスパーク(放電)の前に着火してしまう「プレイグニション」と呼ばれる現象が発生する可能性がある。本来、点火プラグのスパークによって適切なタイミングで混合気の着火が行われる。しかし水素燃料を含む場合には、水素燃料の着火性が高いため、混合気が自然に着火してしまう(自着火現象)。このようなプレイグニションは、エンジンの停止、エンジンの不安定な回転や逆回転、又はエンジンの破損等といった不具合を招き得る。水素を燃料として動作する2サイクルエンジンにおいて、安定した運転を実現することは難しかった。
【0005】
本発明は、水素燃料を用いた場合でも安定した運転を実現することができる2サイクルエンジンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]本開示の一態様は、ボア部(3)及びボア部(3)の軸線(L)方向の一方側に連接する燃焼室(11)が設けられたシリンダ(2)と、シリンダ(2)の軸線(L)方向の他方側に配置されて、ボア部(3)の当該他方側に連接するクランク室(6a)が設けられたクランクケース(6)と、ボア部(3)内に配置されて、燃焼室(11)とクランク室(6a)との間で軸線(L)方向に沿って往復動可能なピストン(4)と、クランク室(6a)に配置されたクランクシャフト(7a)とピストン(4)を連結するコネクティングロッド(10)と、を備えた2サイクルエンジン(1)であって、シリンダ(2)には、ボア部(3)を介してクランク室(6a)に連通する吸気孔(12)と、ボア部(3)に連通しボア部(3)の径方向において吸気孔(12)と対向するように配置された排気孔(13)と、ボア部(3)とクランク室(6a)とを連通する少なくとも1つの掃気孔(14,16)と、ボア部(3)に連通する噴射孔(31)を有し、ボア部(3)内に水素を含む燃料を噴射するインジェクタ(30)と、が設けられており、インジェクタ(30)は、ピストン(4)が下死点から上死点に移動する上昇工程において排気孔(13)が閉じられたタイミングに合わせて燃料をボア部(3)内に噴射する。
【0007】
[1]の2サイクルエンジン(1)によれば、水素を含む燃料は、インジェクタ(30)によって、排気孔(13)が閉じられたタイミングに合わせてボア部(3)内に噴射される。ピストン(4)の上昇工程では、新気(空気)を導入する掃気工程が完了し、その後排気孔(13)も閉じられていく。高温の排気ガスが排気孔(13)から排出され、排気孔(13)が閉じられたタイミング(すなわち排気工程の完了タイミング)に合わせて燃料が噴射される。この時点で、高温の燃焼済み排ガスは排出が完了しており、なおかつ掃気工程における低温の新気(空気)導入によりシリンダ(2)内の温度は低下している。よって、燃料の自着火温度以下の環境で、燃料を燃焼室(11)に導入することができる。その結果として、点火プラグのスパーク(放電)のタイミングより前に自着火現象が生じることを防止でき、安定した運転を実現することができる。
【0008】
[2]上記[1]の2サイクルエンジン(1)において、インジェクタ(30)の噴射孔(31)は、軸線(L)方向における排気孔(13)の一方側の端縁と同じか又は当該端縁より僅かに高い位置において、ボア部(3)に開口していてもよい。圧縮により新気の温度は高温になるが、この構成によれば、軸線(L)方向において、燃料の噴射位置をできるだけ排気孔(13)の位置に近づけることができるので、新気の圧縮開始と同時の低温環境に位置させることができる。言い換えれば、燃料の噴射位置を高圧かつ高温となる燃焼室(11)に近い位置から遠ざけることができる。これにより、低温環境のボア部(3)内に低温の水素を導入することができるので、圧縮による高温化を防ぐことができ、自着火現象をより確実に防止することができる。
【0009】
[3]上記[1]又は[2]の2サイクルエンジン(1)において、インジェクタ(30)は、軸線(L)方向における吸気孔(12)の一方側に隣接する位置においてシリンダ(2)に取り付けられていてもよい。この構成によれば、インジェクタ(30)を燃焼室(11)から遠い位置(すなわち圧縮開始のボア部(3)内における、まだ圧力上昇の無い位置)に取り付けることができるので、廉価な低圧用のインジェクタ(30)を適用可能である。高圧、高温に耐える仕様のインジェクタは高コスト化を招くが、上記構成によればコストの上昇を抑えることができる。
【0010】
[4]上記[1]~[3]の何れか一つの2サイクルエンジン(1)において、ピストン(4)のコネクティングロッド(10)との連結位置(C)は、クランクシャフト(7a)の回転中心(R)を通りピストン(4)の往復動方向に平行な直線(A1)に対し、吸気孔(12)側にオフセットされていてもよい。上記連結位置(C)のオフセットにより、より早いクランクアングルで排気孔(13)を開けることができる。排気孔(13)の開孔タイミングが早いことにより高温の排気ガスを早く排出できるため、高い排気効率で高温の燃焼済みガスを確実に排出することができ、自着火現象をより確実に防止することができる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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