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公開番号2025059165
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-04-10
出願番号2023169001
出願日2023-09-29
発明の名称内燃機関の制御方法および制御装置
出願人日産自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類F02D 15/02 20060101AFI20250403BHJP(燃焼機関;熱ガスまたは燃焼生成物を利用する機関設備)
要約【課題】予混合圧縮着火燃焼モードでの運転を開始した直後の燃焼室壁温や残留ガス温度が不安定であることによるノッキングや失火を抑制する。
【解決手段】シリーズハイブリッド車両の発電用の内燃機関は、機械的圧縮比を変更する可変圧縮比機構を備える。火花点火燃焼モードでの始動後、予混合圧縮着火燃焼モードでの運転が開始した時間(t1)から所定期間(ΔT1)の間は、要求された目標出力に追従せずに、回転速度等を一定値に固定した運転を行う。第2の所定期間(ΔT2)が経過した時間(t2)においてθPmaxを目標に収束させるための圧縮比および気筒毎の燃料噴射量のフィードバック制御を開始し、ここから第3の所定期間(ΔT3)が経過した時間(t3)において、目標出力に追従する運転を開始する。
【選択図】図5
特許請求の範囲【請求項1】
機械的な圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を有し、火花点火燃焼モードと予混合圧縮着火燃焼モードとの切換が可能な内燃機関において、
火花点火燃焼モードから予混合圧縮着火燃焼モードへ切り換えられたときに、第1の所定期間の間、出力要求に拘わらずに、目標回転速度、目標トルク、目標吸気圧、および、目標圧縮比、を固定値とした予混合圧縮着火燃焼を実行し、
第1の所定期間が経過したら、出力要求に応じた運転を開始する、
内燃機関の制御方法。
続きを表示(約 980 文字)【請求項2】
出力要求に応じた運転の際には、
予混合圧縮着火燃焼の燃焼状態を示す検出パラメータに基づいて燃焼状態に関与する制御パラメータのフィードバック制御を行う、
請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項3】
火花点火燃焼モードから予混合圧縮着火燃焼モードへ切り換えられたときに、上記第1の所定期間よりも短い第2の所定期間の間、上記フィードバック制御を停止し、
第2の所定期間が経過して上記フィードバック制御を開始した後に、上記の出力要求に応じた運転を開始する、
請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項4】
上記第2の所定期間が経過してからさらに第3の所定期間が経過したときに、上記の出力要求に応じた運転を開始する、
請求項3に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項5】
上記フィードバック制御の一つとして、最高筒内圧クランク角を検出し、目標クランク角に近付くように圧縮比をフィードバック制御する、
請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項6】
上記フィードバック制御の一つとして、最高筒内圧クランク角を気筒毎に検出し、気筒間差が小さくなるように各気筒の燃料供給量をフィードバック制御する、
請求項2に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項7】
上記内燃機関は発電機を駆動するシリーズハイブリッド車両用の内燃機関であり、
上記第1の所定期間の間、上記発電機を介して回転速度を目標回転速度に制御する、
請求項1に記載の内燃機関の制御方法。
【請求項8】
火花点火燃焼モードと予混合圧縮着火燃焼モードとの切換が可能な内燃機関と、
機械的な圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構と、
コントローラと、
を備え、
上記コントローラは、
火花点火燃焼モードから予混合圧縮着火燃焼モードへ切り換えられたときに、第1の所定期間の間、出力要求に拘わらずに、目標回転速度、目標トルク、目標吸気圧、および、目標圧縮比、を固定値とした予混合圧縮着火燃焼を実行し、第1の所定期間が経過したら、出力要求に応じた運転を開始する、
内燃機関の制御装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明は、機械的な圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を有し、火花点火燃焼モードと予混合圧縮着火燃焼モードとの切換が可能な内燃機関の制御方法および制御装置に関する。
続きを表示(約 2,300 文字)【背景技術】
【0002】
例えばガソリン等を燃料として燃焼室内に形成された予混合気を圧縮着火により燃焼させる予混合圧縮着火内燃機関が従来から提案されている。特許文献1には、内燃機関の始動時に火花点火燃焼モードを実行し、その後に予混合圧縮着火燃焼モードに切り換えるようにした内燃機関の制御方法が開示されている。この特許文献1のものでは、火花点火燃焼モードから予混合圧縮着火燃焼モードに切り換える際に、燃料供給を停止し、この燃料カット中に、バルブタイミングの変更により内燃機関の実効圧縮比を高くするとともに、内燃機関の回転速度を低下させ、その後、燃料供給を再開して予混合圧縮着火燃焼モードとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-140728号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
予混合圧縮着火燃焼モードでの運転を開始した直後は、燃焼室壁温や残留ガス温度が不安定であることから予混合圧縮着火燃焼が不安定化しやすく、ノッキングや失火が生じやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る内燃機関の制御方法は、機械的な圧縮比を変更可能な可変圧縮比機構を有し、火花点火燃焼モードと予混合圧縮着火燃焼モードとの切換が可能な内燃機関において、
火花点火燃焼モードから予混合圧縮着火燃焼モードへ切り換えられたときに、第1の所定期間の間、出力要求に拘わらずに、目標回転速度、目標トルク、目標吸気圧、および、目標圧縮比、を固定値とした予混合圧縮着火燃焼を実行し、
第1の所定期間が経過したら、出力要求に応じた運転を開始する。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、予混合圧縮着火燃焼モードへの切換の直後は回転速度やトルク等を固定した燃焼が一定期間実行されるので、過渡的な燃焼の不安定化によるノッキングや失火を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
シリーズハイブリッド車両の構成説明図。
一実施例の内燃機関の構成説明図。
制御装置の要部を示す機能ブロック図。
火花点火燃焼モードから予混合圧縮着火燃焼モードへ切り換えた後の処理の流れを示すフローチャート。
火花点火燃焼モードから予混合圧縮着火燃焼モードへの切換時の各部の挙動を示すタイムチャート。
θPmaxを対象としたフィードバック制御を説明するためのタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、この発明をシリーズハイブリッド車両における発電用の内燃機関に適用した一実施例を説明する。図1は、シリーズハイブリッド車両の構成を概略的に示している。シリーズハイブリッド車両は、主に発電機として動作する発電用モータジェネレータ1と、この発電用モータジェネレータ1を電力要求に応じて駆動する発電用内燃機関として用いられる内燃機関2と、主にモータとして動作して駆動輪3を駆動する走行用モータジェネレータ4と、発電した電力を一時的に蓄えるバッテリ5と、を備えて構成されている。内燃機関2が発電用モータジェネレータ1を駆動することによって得られた電力は、図示しないインバータ装置を介してバッテリ5に蓄えられる。走行用モータジェネレータ4は、バッテリ5の電力を用いて駆動制御される。走行用モータジェネレータ4の回生時の電力は、やはり図示しないインバータ装置を介してバッテリ5に蓄えられる。なお、図示例ではモータジェネレータ1と内燃機関2とがギア列を介して連動しているが、互いに直結された構成であってもよい。
【0009】
モータジェネレータ1,4の動作やバッテリ5の充放電および内燃機関2の運転は、コントローラ6によって制御される。コントローラ6は、モータジェネレータ1,4を制御するモータコントローラ7や内燃機関2を制御するエンジンコントローラ8、バッテリ5を管理するバッテリコントローラ9など、互いに通信可能なように接続された複数のコントローラによって構成されている。コントローラ6には、図示しないアクセルペダルの開度や車速等の情報が入力される。またバッテリコントローラ9は、バッテリ5の電圧・電流に基づいてバッテリ5のSOCを求める。SOCが所定の下限レベルまで低下したときには、エンジンコントローラ8を介して内燃機関2が始動され、発電が行われる。このようなシリーズハイブリッド車両の運転モードとしては、内燃機関2の燃焼運転を伴わずにバッテリ5の電力でもって走行するEVモードと、内燃機関2の燃焼運転による発電を行いながら走行を行うHEVモードと、がある。SOCが下限レベル以上であっても、車両の要求駆動力が比較的大きいときには、内燃機関2が駆動され、HEVモードでの走行となる。
【0010】
図2は、内燃機関2のシステム構成を示している。この内燃機関2は、例えば複リンク式ピストンクランク機構を利用した可変圧縮比機構12を備えた4ストロークサイクルのターボ過給機付きの内燃機関であって、所定の運転領域において予混合圧縮着火燃焼モード(HCCIモード)として予混合気の圧縮自己着火による燃焼を行う。また、始動時を含む所定の運転領域においては火花点火燃焼モード(SIモード)として、火花点火による燃焼を行う。
(【0011】以降は省略されています)

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