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公開番号
2024140996
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-10
出願番号
2023052410
出願日
2023-03-28
発明の名称
合成ガスの製造方法
出願人
三菱ケミカル株式会社
代理人
個人
,
個人
主分類
C01B
3/40 20060101AFI20241003BHJP(無機化学)
要約
【課題】メタンと酸素との反応において、メタンの完全酸化を抑制し、高選択的にメタンを部分酸化させる触媒を提供すること。
【解決手段】周期表の第4族から第6族の元素或いはアルミニウム、シリコン、リンの内少なくとも二つ以上を含み、Co、Ni、Feの含有量が0.1質量%未満かつ、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの含有量が0.05質量%未満の複合酸化物触媒を用い、メタンの部分酸化を行う合成ガスの製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
周期表の第4族から第6族の元素或いはアルミニウム、シリコン、リンの内少なくとも二つ以上を含み、Co、Ni、Feの含有量がそれぞれ0.1質量%未満かつ、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの含有量がそれぞれ0.05質量%未満の複合酸化物触媒を用い、メタンの部分酸化を行う合成ガスの製造方法。
続きを表示(約 680 文字)
【請求項2】
周期表の第4族から第6族の元素或いはアルミニウム、シリコン、リンの内少なくとも二つ以上を含み、Co、Ni、Feの含有量がそれぞれ0.1質量%未満かつ、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの含有量がそれぞれ0.05質量%未満のメタン部分酸化用複合酸化物触媒。
【請求項3】
酸化物担体に周期表の第4族から第6族の元素或いはアルミニウム、シリコンの内少なくとも一つ以上を担持し、Co、Ni、Feの含有量がそれぞれ0.1質量%未満かつ、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの含有量がそれぞれ0.05質量%未満の担持酸化物触媒を用い、メタンの部分酸化を行う合成ガスの製造方法。
【請求項4】
前記酸化物担体がAl
2
O
3
、ZrO
2
、TiO
2
、SiO
2
及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも一つである請求項3に記載の合成ガスの製造方法。
【請求項5】
酸化物担体上に、周期表の第4族から第6族の元素或いはアルミニウム、シリコンの内少なくとも二つ以上を含み、Co、Ni、Feの含有量がそれぞれ0.1質量%未満かつ、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの含有量がそれぞれ0.05質量%未満であるメタン部分酸化用複合酸化物触媒。
【請求項6】
前記ゼオライトの結晶構造は、IZAで規定されるコードでAEI、CHA、MFI、及びBEAからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項4に記載の合成ガスの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は合成ガスの製造方法に関し、より詳細には、メタンを原料として、触媒を用いて一酸化炭素及び水素(合成ガス)を製造する方法に関する。
続きを表示(約 3,700 文字)
【背景技術】
【0002】
一酸化炭素(CO)及び水素(H
2
)の混合ガス(合成ガス)を製造する技術としてメタン(CH
4
)の改質はよく利用される技術である。メタンの改質反応の中でも、メタンの水蒸気改質(CH
4
+H
2
O→3H
2
+CO、ΔH
0
=+206kJ)は最もよく利用される技術であるが、この反応は大きな吸熱反応であり、プロセスにおける大きなエネルギー消費が問題となっている。
一方で、メタンの部分酸化(2CH
4
+O
2
→4H
2
+2CO、ΔH
0
=-36kJ)は発熱反応であるために、いったん反応が始まれば外部からエネルギーを供給する必要のない、エネルギー効率が高いプロセスとして注目を集めている。
【0003】
このようなメタンの部分酸化には、従来から活性点としてCo、Ni、Ru、Rh、Pd、Ptといった遷移金属を含む触媒材料、特にゼオライトを含むものが用いられてきた。例えば、特許文献1には、コバルトおよびロジウム担持ゼオライトを含む、軽質炭化水素の部分酸化触媒が開示される。また、特許文献2には、ゼオライトに、周期表第8族~11族の遷移金属から選択される少なくとも1種の元素、周期表第1族~3族の金属から選択される少なくとも1種の元素と、を担持した、軽質炭化水素の部分酸化触媒が開示される。
また、特許文献4には、ロジウム、イリジウムまたはルテニウムを担体に担持した炭化水素の接触部分酸化触媒が開示される。特許文献5にはロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、白金からなる群から選ばれる少なくとも1種以上の金属からなるメタン等の有機化合物の酸化的改質用の担持触媒が開示された。ニッケルもまた、特許文献6にあるように担持ニッケル触媒もまたメタンの酸化的改質に利用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-181375号公報
特開2021-45722号公報
中国公開101597030号公報
特開平7-10503号公報
特開2008-136907号公報
特表平9-502414号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に開示される触媒材料を用いたときには、メタンの部分酸化と同時にメタンの一部が完全酸化(CH
4
+2O
2
→2H
2
O+CO
2
、ΔH
0
=-803kJ)を起こしやすい。完全酸化の発熱量は部分酸化時の発熱量に対して、非常に大きいものであるため、反応が起こり始めるとすぐに触媒床が急激に加熱され、ホットスポットが形成される。このような、ホットスポットの形成により、一酸化炭素の収率が低下するのみならず、ホットスポットでの活性金属種の凝集が生じる。ホットスポットが形成された場合に、いったん反応を停止し部分酸化反応を再開させたとしても、再び完全酸化反応が起こりやすく、また金属の凝集により、触媒劣化の原因ともなる。したがって、メタンの完全酸化を抑制し、酸素との反応によって高選択的にメタンを部分酸化する触媒の開発が求められている。
また、デュアル触媒床システムによるメタンの部分酸化も提案されている。デュアル触媒床システムでは触媒床の前段に金属酸化物触媒、後段に金属触媒が配置される。前段の酸化物触媒はメタンをO
2
によって酸化し、CO、H
2
、CO
2
、H
2
Oへと転換する。O
2
が消費された後段においては、担持金属触媒によるCO
2
とH
2
Oとのメタン改質で、COとH
2
へと転換する。触媒床の前段で反応熱をコントロールするためには、酸化物触媒のCO、H
2
選択性がカギとなる。メタン酸化するための酸化物触媒として、Y安定化ZrO
2
やCr
2
O
3
などが報告されているが(例えば特許文献3)、そのCO、H
2
選択性はそれほど高くない。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するものであり、メタンと酸素との反応において、メタンの完全酸化を抑制し、高選択的にメタンを部分酸化させる触媒を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは上記課題を解決すべく検討を進めた結果、複合酸化物或いは、異種の酸化物-酸化物界面を有する担持酸化物が、CH
4
部分酸化反応において高いCO収率を示すことを見出した。特に第1、2、3族の酸化物は塩基性を有するためにメタン酸化カップリング(OCM)反応が進行しやすいこと、第7族から11族遷移金属の酸化物は、酸化還元性に優れるので、メタン完全酸化反応が進行してしまいやすいこと、そしてその一方で、周期表の第4族から第6族元素及びAl、Si、Pの内2つ以上を組み合わせた複合酸化物或いは担持酸化物触媒がメタン部分酸化に高活性であることを見出した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものである。
【0008】
本発明は、以下の要旨を含む。
[1]周期表の第4族から第6族の元素或いはアルミニウム、シリコン、リンの内少なくとも二つ以上を含み、Co、Ni、Feの含有量がそれぞれ0.1質量%未満かつ、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの含有量がそれぞれ0.05質量%未満の複合酸化物触媒を用い、メタンの部分酸化を行う合成ガスの製造方法。
[2]周期表の第4族から第6族の元素或いはアルミニウム、シリコン、リンの内少なくとも二つ以上を含み、Co、Ni、Feの含有量がそれぞれ0.1質量%未満かつ、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの含有量がそれぞれ0.05質量%未満のメタン部分酸化用複合酸化物触媒。
[3]酸化物担体に周期表の第4族から第6族の元素或いはアルミニウム、シリコンの内少なくとも一つ以上を担持し、Co、Ni、Feの含有量がそれぞれ0.1質量%未満かつ、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの含有量がそれぞれ0.05質量%未満の担持酸化物触媒を用い、メタンの部分酸化を行う合成ガスの製造方法。
[4]前記酸化物担体がAl
2
O
3
、ZrO
2
、TiO
2
、SiO
2
及びゼオライトからなる群より選ばれる少なくとも一つである上記[3]に記載の合成ガスの製造方法。
[5]酸化物担体上に、周期表の第4族から第6族の元素或いはアルミニウム、シリコンの内少なくとも二つ以上を含み、Co、Ni、Feの含有量がそれぞれ0.1質量%未満かつ、Ru、Rh、Pd、Ir、Ptの含有量がそれぞれ0.05質量%未満であるメタン部分酸化用複合酸化物触媒。
[6]前記ゼオライトの結晶構造は、IZAで規定されるコードでAEI、CHA、MFI、及びBEAからなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、上記[4]に記載の合成ガスの製造方法。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、メタンと酸素との反応において、メタンの完全酸化を抑制し、高選択的にメタンを部分酸化させる触媒を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
実施例1で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
実施例2で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
実施例3で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
実施例4で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
実施例5で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
実施例6で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
比較例1で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
比較例2で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
比較例3で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
比較例4で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
比較例5で製造した触媒を用いたメタンの部分酸化反応試験結果である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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