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公開番号
2024139141
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-09
出願番号
2023049952
出願日
2023-03-27
発明の名称
焼成物の製造方法
出願人
太平洋セメント株式会社
代理人
弁理士法人アルガ特許事務所
主分類
G21F
9/28 20060101AFI20241002BHJP(核物理;核工学)
要約
【課題】ダスティングが抑制された焼成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】土壌と、カルシウム源と、リン源を含む混合材料を焼成する工程を含む焼成物の製造方法であって、
混合材料中のリン源として(A)リン酸カルシウム及び(B)リン含有廃棄物を含み、(A)リン酸カルシウムと、(B)リン含有廃棄物との質量比[(B)/(A)]が、P
2
O
5
換算したときに5/95~50/50であり、
混合材料中のリン源の含有量が、当該焼成物のリン含有量をP
2
O
5
換算したときに0.7質量%以上となる量である、
焼成物の製造方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
土壌と、カルシウム源と、リン源を含む混合材料を焼成する工程を含む焼成物の製造方法であって、
混合材料中のリン源として(A)リン酸カルシウム及び(B)リン含有廃棄物を含み、(A)リン酸カルシウムと、(B)リン含有廃棄物との質量比[(B)/(A)]が、P
2
O
5
換算したときに、5/95~50/50であり、
混合材料中のリン源の含有量が、当該焼成物のリン含有量をP
2
O
5
換算したときに、0.7質量%以上となる量である、
焼成物の製造方法。
続きを表示(約 510 文字)
【請求項2】
混合材料中のリン源は、平均粒子径が600μm以下である、請求項1記載の焼成物の製造方法。
【請求項3】
焼成温度が、1200~1550℃である、請求項1記載の焼成物の製造方法。
【請求項4】
リン含有廃棄物が、下水汚泥廃棄物、農水産系リン含有廃棄物、工業系リン含有廃棄物及び食品系リン含有廃棄物から選択される1以上を含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の焼成物の製造方法。
【請求項5】
土壌と、カルシウム源と、リン源を含む混合材料を焼成する工程を含む焼成物のダスティングの抑制方法であって、
混合材料中のリン源として(A)リン酸カルシウム及び(B)リン含有廃棄物を含み、(A)リン酸カルシウムと、(B)リン含有廃棄物との質量比[(B)/(A)]が、P
2
O
5
換算したときに、5/95~50/50であり、
混合材料中のリン源の含有量が、当該焼成物のリン含有量をP
2
O
5
換算したときに、0.7質量%以上となる量である、
焼成物のダスティングの抑制方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、焼成物の製造方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)
【背景技術】
【0002】
原子力発電所の大きな事故により、放射性セシウムが外部の環境中に広範囲に放出され、堆積した。この放射性セシウムは、セシウム134とセシウム137が1:1の割合で放出されたとされているが、特にセシウム137においては、半減期が30年であり、長期間に亘って人体に悪影響を与えうる。そこで、人の健康及び生活環境に及ぼす影響を低減するために、堆積した放射性セシウムが付着した土壌等の放射性セシウム汚染廃棄物から放射性セシウムを除去することが求められている。
【0003】
従来、放射性セシウム汚染土壌中の放射性セシウムの除去方法として、例えば、放射性セシウム汚染土壌と、特定の粒度分布を有するカルシウム源を混合して混合材料を得た後、該混合材料を焼成して土壌中の放射性セシウムを揮発させる方法が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2019-128174号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した混合材料の焼成により生成する焼成物は、主成分がケイ酸カルシウム(2CaO・SiO
2
)に少量のAl
2
O
3
やFe
2
O
3
が固溶したビーライトと呼ばれる鉱物であり、このビーライトの結晶層には、α型、α‘ 型、β型、γ型といった多形が存在する。この多形は、焼成時の高温域ではα型であるが、冷却によりα‘型→β型→γ型へと相転移が起こりやすく、特にα‘型又はβ型からγ型へ相転移すると、急激な体積膨張を伴うため、粉状化する現象(以下、「ダスティング」と称する)が生じることが知られている。このようなダスティングが起こると、ハンドリング性が悪化し、またダストが気流に乗って逆流し、装置に目詰まりを生じる等の悪影響により安定した操業が困難になる。
そこで、本発明者らは、このような問題を解決すべく検討した結果、前記混合材料中にリン源としてリン酸カルシウムを、焼成後に得られる焼成物中のリン含有量をP
2
O
5
換算したときに少なくとも2質量%となる量で含有させることにより、ダスティングを抑制できることを見出した(参考例)。しかし、リン酸カルシウム試薬を使用することから、製造コストの増大が避けられないという課題が生じた。
本発明の課題は、ダスティングが抑制された焼成物の製造方法及び焼成物のダスティングの抑制方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、前記混合材料を調製する際に、リン源として(A)リン酸カルシウムと(B)リン含有廃棄物とを組み合わせたうえで、P
2
O
5
換算したときの両者の量比、及び焼成後に得られる焼成物中のリン含有量のP
2
O
5
換算値を指標に混合材料中のリン源の含有量を制御することにより、混合材料中のSiO
2
との反応性が向上し、焼成後に焼成物を冷却したとしてもγ型への相転移が起こり難く、安定なα型のビーライトが維持されるため、焼成物のダスティングを抑制できることを見出した。しかも、リン源の含有量を大幅に低減したとしても焼成物のダスティングを充分抑制できるため、コストを大きく低減できることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明は、次の〔1〕~〔5〕を提供するものである。
〔1〕土壌と、カルシウム源と、リン源を含む混合材料を焼成する工程を含む焼成物の製造方法であって、
混合材料中のリン源として(A)リン酸カルシウム及び(B)リン含有廃棄物を含み、(A)リン酸カルシウムと、(B)リン含有廃棄物との質量比[(B)/(A)]が、P
2
O
5
換算したときに、5/95~50/50であり、
混合材料中のリン源の含有量が、当該焼成物のリン含有量をP
2
O
5
換算したときに、0.7質量%以上となる量である、
焼成物の製造方法。
〔2〕混合材料中のリン源は、平均粒子径が600μm以下である、前記〔1〕記載の焼成物の製造方法。
〔3〕焼成温度が、1200~1550℃である、前記〔1〕又は〔2〕記載の焼成物の製造方法。
〔4〕リン含有廃棄物が、下水汚泥廃棄物、農水産系リン含有廃棄物、工業系リン含有廃棄物及び食品系リン含有廃棄物から選択される1以上を含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の焼成物の製造方法。
〔5〕土壌と、カルシウム源と、リン源を含む混合材料を焼成する工程を含む焼成物のダスティングの抑制方法であって、
混合材料中のリン源として(A)リン酸カルシウム及び(B)リン含有廃棄物を含み、(A)リン酸カルシウムと、(B)リン含有廃棄物との質量比[(B)/(A)]が、P
2
O
5
換算したときに、5/95~50/50であり、
混合材料中のリン源の含有量が、当該焼成物のリン含有量をP
2
O
5
換算したときに、0.7質量%以上となる量である、
焼成物のダスティングの抑制方法。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、γ型への相転移が起こり難く、安定なα型のビーライトが維持されるため、ダスティングが抑制された焼成物を製造することができる。しかも、リン源の含有量を大幅に低減したとしてもダスティングを充分抑制できるため、低コストで焼成物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実施例3で使用した焼成前の成型物(混合材料)の外観写真である。
実施例3で得られた焼成物の外観写真である。
比較例1で得られた焼成物の外観写真である。
比較例2で得られた焼成物の外観写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の焼成物の製造方法は、土壌と、カルシウム源と、リン源を含む混合材料を焼成する工程を含むものであり、混合材料中のリン源として(A)リン酸カルシウムと(B)リン含有廃棄物とを組み合わせたうえで、P
2
O
5
換算したときの両者の量比、及び焼成後に得られる焼成物中のリン含有量のP
2
O
5
換算値を指標に混合材料中のリン源の含有量を制御することを特徴とする。このように制御することで、混合材料中のSiO
2
との反応性が向上して置換固溶が促進され、安定なα型のビーライトが生成するため、ダスティングを抑制することができる。なお、α型のビーライトは、γ型へ相転移しないことから、急激な体積膨張によるダスティングが抑えられる。
(【0011】以降は省略されています)
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