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公開番号2024137479
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023049014
出願日2023-03-24
発明の名称免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を予測する方法、上記治療効果を予測するためのデータを得るための方法、上記治療効果を予測する方法又は上記データを得るための方法におけるプロハプトグロビン量の測定のための検査キット
出願人富士フイルム株式会社,国立大学法人大阪大学
代理人弁理士法人特許事務所サイクス
主分類G01N 33/68 20060101AFI20240927BHJP(測定;試験)
要約【課題】
新規な免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を予測する方法、上記治療効果を予測するためのデータを得るための方法、上記治療効果を予測する方法又は上記データを得るための方法におけるプロハプトグロビン量の測定のための検査キットを提供すること。
【解決手段】
被験者由来試料中のプロハプトグロビン量を測定することを含む、被験者における免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を予測する方法、上記治療効果を予測するためのデータを得るための方法、上記治療効果を予測する方法又は上記データを得るための方法におけるプロハプトグロビン量の測定のための検査キット。
【選択図】図3
特許請求の範囲【請求項1】
被験者由来試料中のプロハプトグロビン量を測定することを含む、
被験者における免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を予測する方法。
続きを表示(約 800 文字)【請求項2】
前記被験者が免疫チェックポイント阻害薬による治療中ではない被験者である、請求項1に記載の治療効果を予測する方法。
【請求項3】
前記測定により得られたプロハプトグロビン量とあらかじめ設定された基準値とを比較することを更に含み、
前記プロハプトグロビン量が前記基準値以下である場合に、前記被験者における免疫チェックポイント阻害薬による治療が有効性を示す可能性が高いと予測するための指標として前記プロハプトグロビン量を用いる、請求項1に記載の治療効果を予測する方法。
【請求項4】
前記免疫チェックポイント阻害薬が、PD-1阻害薬及びPD-L1阻害薬の少なくとも一方である、請求項1に記載の治療効果を予測する方法。
【請求項5】
前記被験者由来試料が、血液、血漿、又は、血清である、請求項1に記載の治療効果を予測する方法。
【請求項6】
前記被験者が、がん患者である、請求項1に記載の治療効果を予測する方法。
【請求項7】
前記がんが、腎がんである、請求項6に記載の治療効果を予測する方法。
【請求項8】
前記プロハプトグロビン量の測定を、プロハプトグロビンに特異的に結合する抗プロハプトグロビン抗体である抗体1を用いて行う、請求項1に記載の治療効果を予測する方法。
【請求項9】
前記プロハプトグロビン量の測定を、前記抗体1と、前記抗体1とはエピトープが異なる、抗プロハプトグロビン抗体である抗体2を組合せて用いて行う、請求項8に記載の治療効果を予測する方法。
【請求項10】
前記抗体1と前記抗体2のうち一方が担体に固定化されており、他方が標識物質で標識されている、請求項9に記載の治療効果を予測する方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を予測する方法、上記治療効果を予測するためのデータを得るための方法、上記治療効果を予測する方法又は上記データを得るための方法におけるプロハプトグロビン量の測定のための検査キットに関する。
続きを表示(約 4,000 文字)【背景技術】
【0002】
免疫チェックポイント阻害剤による治療法は、がんを治そうとする免疫力を利用してそれを高める治療法である。がん細胞を標的にするのではなく、免疫力を利用する方法であるため、がんの突然変異やがん抗原の特異性によらず適応可能であることが利点である。しかし治療効果の個人差が大きく、その奏効率は約10~30%であると言われている。
免疫チェックポイント阻害剤による自己免疫性副作用として、免疫のブレーキ機構を遮断するため、間質性肺炎、心筋炎、重症筋無力症、下垂体炎などの重篤なものも含め、様々な臓器に免疫関連有害事象を起こす可能性があることが知られている。
そこで、免疫チェックポイント阻害剤を適正に使用するため、治療効果を治療前や早期に予測するバイオマーカーの開発が求められている。
【0003】
例えば、非特許文献1には、免疫チェックポイント阻害剤の反応を予測するために糞便カルプロテクチン、血中ゾヌリン、リポ多糖結合タンパク質(LBP)、PD-L1をベースラインと免疫チェックポイント阻害剤3サイクル毎に測定し評価を行うことが記載されている。
非特許文献2には、免疫チェックポイント阻害剤の予後のバイオマーカーとして既存の血中腫瘍マーカー(CEA、CA125、CYFRA21-1、SCC-A)の、進行性非小細胞肺がん患者のベースラインおよび6週間の治療後の血液中の量を測定し、治療により改善が見られた患者は、2つ以上のマーカーが低下したことが記載されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
Gut Dysbiosis and Fecal Calprotectin Predict Response to Immune Checkpoint Inhibitors in Patients With Hepatocellular Carcinoma, Hepatol Commun. 2022 Jun; 6(6): 1492-1501.
Dynamics of Serum Tumor Markers Can Serve as a Prognostic Biomarker for Chinese Advanced Non-small Cell Lung Cancer Patients Treated With Immune Checkpoint Inhibitors, Front Immunol. 2020; 11: 1173.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在行われているがん免疫療法の治療効果を予測する方法としては、がん細胞や周辺細胞のPD-L1発現率を求める方法(PD-L1検査)や、MSI検査が知られている。PD-L1検査は、病理組織を用いた免疫組織化学染色法で発現率を求める方法で、MSI検査はがん組織から抽出したゲノムDNA中の高頻度マイクロサテライト不安定性(MSIHigh)を検出する方法であり、両者とも病理組織を使用した検査である。そのため、血液等を試料として用いて簡便に測定できるバイオマーカー、及びそれを用いた免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を予測する方法の開発が望まれている。
【0006】
本発明は、新規な免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を予測する方法、上記治療効果を予測するためのデータを得るための方法、上記治療効果を予測する方法又は上記データを得るための方法におけるプロハプトグロビン量の測定のための検査キットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の代表的な実施態様の例を以下に示す。
<1> 被験者由来試料中のプロハプトグロビン量を測定することを含む、
被験者における免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を予測する方法。
<2> 上記被験者が免疫チェックポイント阻害薬による治療中ではない被験者である、<1>に記載の治療効果を予測する方法。
<3> 上記測定により得られたプロハプトグロビン量とあらかじめ設定された基準値とを比較することを更に含み、
上記プロハプトグロビン量が上記基準値以下である場合に、上記被験者における免疫チェックポイント阻害薬による治療が有効性を示す可能性が高いと予測するための指標として上記プロハプトグロビン量を用いる、<1>又は<2>に記載の治療効果を予測する方法。
<4> 上記免疫チェックポイント阻害薬が、PD-1阻害薬及びPD-L1阻害薬の少なくとも一方である、<1>~<3>のいずれか1つに記載の治療効果を予測する方法。
<5> 上記被験者由来試料が、血液、血漿、又は、血清である、<1>~<4>のいずれか1つに記載の治療効果を予測する方法。
<6> 上記被験者が、がん患者である、<1>~<5>のいずれか1つに記載の治療効果を予測する方法。
<7> 上記がんが、腎がんである、<6>に記載の治療効果を予測する方法。
<8> 上記プロハプトグロビン量の測定を、プロハプトグロビンに特異的に結合する抗プロハプトグロビン抗体である抗体1を用いて行う、<1>~<7>のいずれか1つに記載の治療効果を予測する方法。
<9> 上記プロハプトグロビン量の測定を、上記抗体1と、上記抗体1とはエピトープが異なる、抗プロハプトグロビン抗体である抗体2を組合せて用いて行う、<8>に記載の治療効果を予測する方法。
<10> 上記抗体1と上記抗体2のうち一方が担体に固定化されており、他方が標識物質で標識されている、<9>に記載の治療効果を予測する方法。
<11> 被験者由来試料中のプロハプトグロビン量を測定することを含む、免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を予測するためのデータを得るための方法。
<12> 上記測定により得られたプロハプトグロビン量とあらかじめ設定された基準値とを比較することを更に含み、
上記プロハプトグロビン量が上記基準値以下である場合に、上記被験者における免疫チェックポイント阻害薬による治療が有効性を示す可能性が高いと予測するための指標として上記プロハプトグロビン量を用いる、<11>に記載のデータを得るための方法。
<13> 上記免疫チェックポイント阻害薬が、PD-1阻害薬及びPD-L1阻害薬の少なくとも一方である、<11>又は<12>に記載のデータを得るための方法。
<14> <1>~<10>のいずれか1つに記載の治療効果を予測する方法におけるプロハプトグロビン量の測定、又は、<11>~<13>のいずれか1つに記載のデータを得るための方法におけるプロハプトグロビン量の測定のための検査キットであって、
プロハプトグロビンに特異的に結合する抗プロハプトグロビン抗体1を含む、
キット。
<15> 上記抗体1とはエピトープが異なる、抗プロハプトグロビン抗体である抗体2を更に含む、<14>に記載のキット。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、新規な免疫チェックポイント阻害薬による治療効果を予測する方法、上記治療効果を予測するためのデータを得るための方法、上記治療効果を予測する方法又は上記データを得るための方法におけるプロハプトグロビン量の測定のための検査キットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
実験例2において、抗ヒトハプトグロビンモノクローナル抗体として10-7G2Aを用いた場合の抗原性の確認を行った結果である。
実験例2において、抗ヒトハプトグロビンモノクローナル抗体として市販の抗体を用いた場合の抗原性の確認を行った結果である。
実施例1において、がんが進行した群(Progressive disease (PD))、及び進行しなかった群(non-PD)のそれぞれにおける、ニボルマブ投与前の血清中のproHp量およびHp量について、それぞれROC分析を行った結果である。
実施例1におけるニボルマブ投与前の血清中のプロハプトグロビン量又はハプトグロビン量を示す結果である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の主要な実施形態について説明する。しかしながら、本発明は、明示した実施形態に限られるものではない。
本明細書において「~」という記号を用いて表される数値範囲は、「~」の前後に記載される数値をそれぞれ下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
本明細書において、全固形分とは、組成物の全成分から溶剤を除いた成分の総質量をいう。また本明細書において、固形分濃度とは、組成物の総質量に対する、溶剤を除く他の成分の質量百分率である。
本明細書において、単位Mとは、mol/Lを示す。同様にmMはmmol/L、μMはμmol/Lである。
本明細書において、単位w/v%とは、質量/容量%(weight/volume%)を示す。
本明細書において、単位w/wとは、質量/質量%(weight/weight%)を示す。
本明細書において、特に述べない限り、温度は23℃、気圧は101,325Pa(1気圧)、相対湿度は50%RHである。
本明細書において、好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
(【0011】以降は省略されています)

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