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公開番号2024137161
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-07
出願番号2023048572
出願日2023-03-24
発明の名称樹脂組成物およびその製造方法
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人エスエス国際特許事務所
主分類C08L 53/02 20060101AFI20240927BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】低温から高温まで幅広い温度条件下において接着性に優れる樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(X)および共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(Y)とを含有するブロック共重合体の水素添加物であるブロック共重合体(A)と、要件(b-1)~要件(b-4)を満たす変性エチレン・α-オレフィン共重合体(B)と、粘着性樹脂(C)を含む、樹脂組成物およびその製造方法ならびに粘接着剤、ホットメルト接着剤、ヒートシール材およびプライマー。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(X)および共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(Y)を含有するブロック共重合体の水素添加物であるブロック共重合体(A)と、
下記要件(b-1)~要件(b-4)を満たす変性エチレン・α-オレフィン共重合体(B)と、
粘着性樹脂(C)と、を含む、樹脂組成物;
要件(b-1):エチレンから導かれる構造単位の含有量が15~85モル%〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕の範囲にある;
要件(b-2):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~100,000の範囲にある;
要件(b-3):ビニル芳香族化合物に由来する置換基を有した変性共重合体であり、前記変性共重合体中における前記ビニル芳香族化合物に由来する部位の含有量が1~70質量%の範囲にある;
要件(b-4):100℃におけるブルックフィールド粘度が1~10,000mPa・sの範囲にある。
続きを表示(約 2,300 文字)【請求項2】
前記要件(b-1)において、エチレンから導かれる構造単位の含有量が40~60モル%の範囲〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕にあり、
前記要件(b-2)において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が2,000~30,000の範囲にあり、かつ前記要件(b-3)において、前記変性共重合体中における前記ビニル芳香族化合物に由来する部位の含有量が5~30質量%の範囲にある、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項3】
前記ブロック共重合体(A)が、下記要件(a-1)を満たす、請求項1に記載の樹脂組成物;
要件(a-1):MFR(230℃、5kg)が0.1~1,000g/10minの範囲である。
【請求項4】
前記ブロック共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、前記共重合体(B)の含有量が10~150質量部の範囲にあり、前記粘着性樹脂(C)の含有量が10~300質量部の範囲にある、請求項1に記載の樹脂組成物。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含む粘接着剤。
【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含むホットメルト接着剤。
【請求項7】
請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含むヒートシール材。
【請求項8】
請求項1~4のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含むプライマー。
【請求項9】
ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(X)および共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(Y)とを含有するブロック共重合体の水素添加物であるブロック共重合体(A)と、
下記要件(b-1)~要件(b-4)を満たす変性エチレン・α-オレフィン共重合体(B)と、
粘着性樹脂(C)と、を混合する工程を含む、樹脂組成物の製造方法;
要件(b-1):エチレンから導かれる構造単位の含有量が15~85モル%〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕の範囲にある;
要件(b-2):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~100,000の範囲にある;
要件(b-3):ビニル芳香族化合物に由来する置換基を有した変性共重合体であり、前記変性共重合体中における前記ビニル芳香族化合物に由来する部位の含有量が1~70質量%の範囲にある;
要件(b-4):100℃におけるブルックフィールド粘度が1~10,000mPa・sの範囲にある。
【請求項10】
前記変性エチレン・α-オレフィン共重合体(B)が、下記方法(α)により製造される未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(B′)の変性物である、請求項9に記載の樹脂組成物の製造方法;
方法(α):下記(式1)で表される架橋メタロセン化合物(P-1)、ならびに、
有機金属化合物(Q-1)、有機アルミニウムオキシ化合物(Q-2)および前記架橋メタロセン化合物(P-1)と反応してイオン対を形成する化合物(Q-3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(Q)を含む触媒系の存在下で、エチレンとα-オレフィンとを溶液重合する工程を含む方法。
TIFF
2024137161000009.tif
75
151
[式[1]において、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
8
、R
9
およびR
12
はそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、隣接する複数の基は、互いに連結して環構造を形成していてもよく、

6
およびR
11
は、互いに同一の基であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、

7
およびR
10
は、互いに同一の基であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、

6
およびR
7
は、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成していてもよく、

10
およびR
11
は、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成していてもよく、

6
、R
7
、R
10
およびR
11
は、同時に水素原子ではなく、
Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、

13
およびR
14
はそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、互いに結合して環構造を形成していてもよく、
Mは、Ti、ZrまたはHfであり、
Qは独立して、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン性配位子または孤立電子対に配位可能な中性配位子であり、
jは、1~4の整数である。]
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、樹脂組成物およびその製造方法に関する。
続きを表示(約 4,500 文字)【背景技術】
【0002】
従来、熱可塑性樹脂は、種々の成形方法により、各種部材やフィルム、シート、繊維粘接着体、発泡体、架橋体等へ成形され使用されている。熱可塑性樹脂を多種多様な用途へ適応させるためには、各種用途に合わせた材料設計が重要である。
例えば、ホットメルト接着剤用途では、非晶性ポリα-オレフィンと、結晶性α-オレフィンエラストマーとを組み合わせることで、良好な流動性と耐熱性を示すホットメルト接着剤が得られることが報告されている(例えば、特許文献1)。
また、例えば、スチレン系ブロック共重合体と、特定の粘着付与樹脂と、特定の重合体とを組み合わせることで、低温条件下において良好な接着性を示すホットメルト接着剤が得られることが報告されている(例えば特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2020-196839号公報
特開2006-241444号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のホットメルト接着剤では、低温条件下においては柔軟性が大きく低下することにより、接着性が低下するという問題があった。しかしながら、従来のホットメルト接着剤では、低温条件における接着性を向上させると、高温条件における接着性が低下する場合が多く、改善の余地があった。
本発明の一実施形態が解決しようとする課題は、低温から高温まで幅広い温度条件下において接着性に優れる樹脂組成物、当該組成物を含む成形体および樹脂組成物の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題の解決に向け、鋭意検討した結果、特定のブロック共重合体(A)と、特定の変性エチレン・α-オレフィン共重合体(B)、および粘着性樹脂(C)を用いることにより、低温から高温まで幅広い温度条件下において接着性に優れる樹脂組成物が得られることを見出した。
本発明は、たとえば以下の<1>~<14>に関する。
【0006】
<1> ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(X)および共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(Y)を含有するブロック共重合体の水素添加物であるブロック共重合体(A)と、
下記要件(b-1)~要件(b-4)を満たす変性エチレン・α-オレフィン共重合体(B)と、
粘着性樹脂(C)と、を含む、樹脂組成物;
要件(b-1):エチレンから導かれる構造単位の含有量が15~85モル%〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕の範囲にある;
要件(b-2):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~100,000の範囲にある;
要件(b-3):ビニル芳香族化合物に由来する置換基を有した変性共重合体であり、前記変性共重合体中における前記ビニル芳香族化合物に由来する部位の含有量が1~70質量%の範囲にある;
要件(b-4):100℃におけるブルックフィールド粘度が1~10,000mPa・sの範囲にある。
<2> 前記要件(b-1)において、エチレンから導かれる構造単位の含有量が40~60モル%の範囲〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕にあり、
前記要件(b-2)において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が2,000~30,000の範囲にあり、かつ前記要件(b-3)において、前記変性共重合体中における前記ビニル芳香族化合物に由来する部位の含有量が5~30質量%の範囲にある、<1>に記載の樹脂組成物。
<3> 前記ブロック共重合体(A)が、下記要件(a-1)を満たす、<1>または<2>に記載の樹脂組成物;
要件(a-1):MFR(230℃、5kg)が0.1~1,000g/10minの範囲である。
<4> 前記ブロック共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、前記共重合体(B)の含有量が10~150質量部の範囲にあり、前記粘着性樹脂(C)の含有量が10~300質量部の範囲にある、<1>~<3>のいずれか1つに記載の樹脂組成物。
<5> <1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を含む粘接着剤。
<6> <1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を含むホットメルト接着剤。
<7> <1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を含むヒートシール材。
<8> <1>~<4>のいずれか1つに記載の樹脂組成物を含むプライマー。
<9> ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(X)および共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(Y)とを含有するブロック共重合体の水素添加物であるブロック共重合体(A)と、
下記要件(b-1)~要件(b-4)を満たす変性エチレン・α-オレフィン共重合体(B)と、
粘着性樹脂(C)と、を混合する工程を含む、樹脂組成物の製造方法;
要件(b-1):エチレンから導かれる構造単位の含有量が15~85モル%〔但し、エチレンから導かれる構造単位の含有量とα-オレフィンから導かれる構造単位の含有量の合計を100モル%とする。〕の範囲にある;
要件(b-2):ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が1,000~100,000の範囲にある;
要件(b-3):ビニル芳香族化合物に由来する置換基を有した変性共重合体であり、前記変性共重合体中における前記ビニル芳香族化合物に由来する部位の含有量が1~70質量%の範囲にある;
要件(b-4):100℃におけるブルックフィールド粘度が1~10,000mPa・sの範囲にある。
<10> 前記変性エチレン・α-オレフィン共重合体(B)が、下記方法(α)により製造される未変性のエチレン・α-オレフィン共重合体(B′)の変性物である、<9>に記載の樹脂組成物の製造方法;
方法(α):下記(式1)で表される架橋メタロセン化合物(P-1)、ならびに、
有機金属化合物(Q-1)、有機アルミニウムオキシ化合物(Q-2)および前記架橋メタロセン化合物(P-1)と反応してイオン対を形成する化合物(Q-3)からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物(Q)を含む触媒系の存在下で、エチレンとα-オレフィンとを溶液重合する工程を含む方法。
【0007】
TIFF
2024137161000001.tif
75
153
【0008】
[式[1]において、R
1
、R
2
、R
3
、R
4
、R
5
、R
8
、R
9
およびR
12
はそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、隣接する複数の基は、互いに連結して環構造を形成していてもよく、

6
およびR
11
は、互いに同一の基であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、

7
およびR
10
は、互いに同一の基であり、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、

6
およびR
7
は、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成していてもよく、

10
およびR
11
は、炭素数2~3の炭化水素と結合して環構造を形成していてもよく、

6
、R
7
、R
10
およびR
11
は、同時に水素原子ではなく、
Yは、炭素原子またはケイ素原子であり、

13
およびR
14
はそれぞれ独立して、水素原子、炭化水素基またはケイ素含有炭化水素基であり、互いに結合して環構造を形成していてもよく、
Mは、Ti、ZrまたはHfであり、
Qは独立して、ハロゲン原子、炭化水素基、アニオン性配位子または孤立電子対に配位可能な中性配位子であり、
jは、1~4の整数である。]
【0009】
<11> 前記(式1)において、R
13
およびR
14
の少なくとも一方がアリール基である、<10>に記載の樹脂組成物の製造方法。
<12> 前記(式1)において、R
13
およびR
14
がともにアリール基であり、かつR
2
およびR
3
のいずれか一方が炭素数4の飽和炭化水素基である、<10>に記載の樹脂組成物の製造方法。
<13> 前記ブロック共重合体(A)が、下記要件(a-1)を満たし、かつ前記要件(b-1)において、エチレンから導かれる構造単位の含有量が40~60モル%の範囲にあり、前記要件(b-2)において、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により求められる重量平均分子量(Mw)が2,000~30,000の範囲にあり、かつ前記要件(b-3)において、前記変性共重合体中における前記ビニル芳香族化合物に由来する部位の含有量が5~30質量%の範囲にある<9>~<12>のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法;
要件(a-1):MFR(230℃、5kg)が0.1~1,000g/10minの範囲である。
<14> 前記ブロック共重合体(A)の含有量を100質量部としたとき、前記共重合体(B)の含有量が10~150質量部の範囲にあり、前記粘着性樹脂(C)の含有量が30~300質量部の範囲にある、<9>~<13>のいずれか1つに記載の樹脂組成物の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、低温から高温まで幅広い温度条件下において接着性に優れる樹脂組成物、当該組成物を含む成形体および樹脂組成物の製造方法が提供される。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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