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公開番号2024137038
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023048390
出願日2023-03-24
発明の名称ダイヤモンド及びその製造方法
出願人国立大学法人九州工業大学
代理人個人,個人,個人
主分類C23C 16/27 20060101AFI20240927BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】品質の低下を抑制した上で表面が平滑なダイヤモンドを製造する方法及びそのダイヤモンドを提供する。
【解決手段】ダイヤモンドの製造方法において、炭素を含み不可避的に混入される物質以外の不純物を含まない第1ガスを用いた化学気相法により、純ダイヤモンド膜を合成する下地形成工程と、炭素を含みリンがドープされた第2ガスによる化学気相法によって、純ダイヤモンド膜の上側にリン含有ダイヤモンド膜を合成するリン含有膜形成工程とを有する。また、本製造方法により製造されたダイヤモンドは、不純物の濃度が0cm-3以上1×1017cm-3以下の純ダイヤモンド膜の上側に、リンを含むリン含有ダイヤモンド膜が形成されている。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
炭素を含み不可避的に混入される物質以外の不純物を含まない第1ガスを用いた化学気相法により、純ダイヤモンド膜を合成する下地形成工程と、
炭素を含みリンがドープされた第2ガスによる化学気相法によって、前記純ダイヤモンド膜の上側にリン含有ダイヤモンド膜を合成するリン含有膜形成工程とを有することを特徴とするダイヤモンドの製造方法。
続きを表示(約 420 文字)【請求項2】
請求項1記載のダイヤモンドの製造方法において、前記第2ガスは、炭素に対するリンの割合が0.1原子%以上2.0原子%以下であることを特徴とするダイヤモンドの製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載のダイヤモンドの製造方法において、前記第2ガスは水素を含み、該第2ガスの水素に対する炭素の割合は0.5原子%未満であることを特徴とするダイヤモンドの製造方法。
【請求項4】
不純物の濃度が0cm
-3
以上1×10
17
cm
-3
以下の純ダイヤモンド膜の上側に、リンを含むリン含有ダイヤモンド膜が形成されていることを特徴とするダイヤモンド。
【請求項5】
請求項4記載のダイヤモンドにおいて、前記リン含有ダイヤモンド膜は、ラマン分光法によるダイヤモンドの品質係数が、90%以上であることを特徴とするダイヤモンド。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイヤモンド及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来、表面が平滑なダイヤモンドを製造するには、ダイヤモンドの表面を加工して平滑にすることや、化学気相法により表面が平滑なダイヤモンド膜を合成することが考えられ、例えば、レーザ光による加工でダイヤモンドの表面を平滑にする方法が特許文献1に開示され、表面が平滑なダイヤモンド膜を化学気相法で合成する方法が特許文献2に開示されている。
ダイヤモンドを合成し、合成したダイヤモンドの表面を加工して平滑にするには、ダイヤモンドを合成するための設備に加えて加工設備が必要となることから、ダイヤモンドの合成を前提とする場合、設備の簡素化の観点において、表面が平滑なダイヤモンドを合成することが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
国際公開第2020/026393号
特開平06-247795号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、ダイヤモンドを化学気相法で合成するにあたり、使用するガスに不純物を添加してダイヤモンドの表面を制御しようとすると、合成されたダイヤモンドの品質(不純物を含まないダイヤモンド本来の性質)が不純物の影響を受けて低下することが問題となる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、品質の低下を抑制した上で表面が平滑なダイヤモンドを製造する方法及びそのダイヤモンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う第1の発明に係るダイヤモンドの製造方法は、炭素を含み不可避的に混入される物質以外の不純物を含まない第1ガスを用いた化学気相法により、純ダイヤモンド膜を合成する下地形成工程と、炭素を含みリンがドープされた第2ガスによる化学気相法によって、前記純ダイヤモンド膜の上側にリン含有ダイヤモンド膜を合成するリン含有膜形成工程とを有する。
【0006】
前記目的に沿う第2の発明に係るダイヤモンドは、不純物の濃度が0cm
-3
以上1×10
17
cm
-3
以下の純ダイヤモンド膜の上側に、リンを含むリン含有ダイヤモンド膜が形成されている。
【発明の効果】
【0007】
第1の発明に係るダイヤモンドの製造方法は、炭素を含み不可避的に混入される物質以外の不純物を含まない第1ガスを用いた化学気相法により、純ダイヤモンド膜を合成する下地形成工程と、炭素を含みリンがドープされた第2ガスによる化学気相法によって、純ダイヤモンド膜の上側にリン含有ダイヤモンド膜を合成するリン含有膜形成工程とを有するので、品質の低下を抑制した上で表面が平滑なダイヤモンドを製造可能である。
また、第2の発明に係るダイヤモンドは、純ダイヤモンド膜の上側に、リン含有ダイヤモンド膜が形成されていることから、第1の発明に係るダイヤモンドの製造方法によって製造されたダイヤモンドであり、一定以上の品質を有する表面が平滑なダイヤモンドである。
【図面の簡単な説明】
【0008】
サンプルD、Hの表面の電子顕微鏡写真である。
サンプルA、Bの表面の電子顕微鏡写真である。
サンプルC、Dの表面の電子顕微鏡写真である。
サンプルGの表面の電子顕微鏡写真である。
膜厚と表面粗さの関係を示すグラフである。
ラマン分光法による計測結果の説明図である。
炭素に対するリンの割合とダイヤモンド品質係数の関係を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
本発明の一実施の形態に係るダイヤモンドの製造方法は、炭素を含み不可避的に混入される物質以外の不純物を含まない第1ガスを用いた化学気相法により、純ダイヤモンド膜を合成する下地形成工程と、炭素を含みリンがドープされた第2ガスによる化学気相法によって、前記純ダイヤモンド膜の上側にリン含有ダイヤモンド膜を合成するリン含有膜形成工程とを有する。
【0010】
また、本実施の形態による製造方法で製造されたダイヤモンドは、不純物の濃度が0cm
-3
以上1×10
17
cm
-3
以下の純ダイヤモンド膜の上側に、リンを含むリン含有ダイヤモンド膜が形成されたものとなる。以下、これらについて詳細に説明する。
(【0011】以降は省略されています)

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