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公開番号2024135933
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-04
出願番号2023046849
出願日2023-03-23
発明の名称ディスク装置
出願人株式会社東芝,東芝デバイス&ストレージ株式会社
代理人弁理士法人スズエ国際特許事務所
主分類G11B 21/21 20060101AFI20240927BHJP(情報記憶)
要約【課題】隙間測定時間の短縮化および隙間測定精度の向上を図ることが可能なディスク装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、ディスク装置は、高周波成分を含む隙間測定信号が記録されたディスク状の記録媒体と、ライトヘッド、リードヘッド、および記録媒体との間の隙間を調整するヒータを有する磁気ヘッドと、コントローラと、を備えている。コントローラは、高周波成分と同じ周波数で一定の電圧振幅を有する基準信号を出力する基準信号発生部と、隙間測定信号の再生信号の成分振幅および基準信号の振幅を測定する測定部と、成分振幅の測定値および基準信号の振幅の測定値に基づいてヒータに供給するヒータ電力の電力値を制御するヒータ制御部と、を含んでいる。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
高周波成分を含む隙間測定信号が記録されたディスク状の記録媒体と、
ライトヘッド、リードヘッド、および前記記録媒体との間の隙間を調整するヒータを有する磁気ヘッドと、
前記高周波成分と同じ周波数で一定の電圧振幅を有する基準信号を出力する基準信号発生部と、前記隙間測定信号の再生信号の成分振幅および前記基準信号の振幅を測定する測定部と、前記成分振幅の測定値および前記基準信号の振幅の測定値に基づいて前記ヒータに供給するヒータ電力の電力値を制御するヒータ制御部と、を含むコントローラと、
を備えるディスク装置。
続きを表示(約 660 文字)【請求項2】
前記コントローラは、前記磁気ヘッドが前記記録媒体に接触している状態で測定する前記再生信号の成分振幅の初期値と前記隙間が生じた状態で測定する前記再生信号の成分振幅の測定値との比、および、前記基準信号の振幅の初期値と前記基準信号の振幅の測定値との比、に基づいて前記隙間の変化量を算出する、請求項1に記載のディスク装置。
【請求項3】
前記隙間測定信号は、再生信号の3次成分振幅が再生信号の1次成分振幅よりも大きくなる信号パターンを有し、前記コントローラは、前記3次成分振幅の変化量に基づいて前記ヒータ電力の電力値を制御する、請求項1に記載のディスク装置。
【請求項4】
前記隙間測定信号のクロック数をTとした場合、前記隙間測定信号は、2T、1T、2T毎に極性反転する矩形波パターンを有している、請求項3に記載のディスク装置。
【請求項5】
前記コントローラは、ヒータ電力供給回路および増幅器を含むヘッドアンプICと、前記測定部および前記ヒータ制御部を含むメインコントローラと、を有し、
前記基準信号発生部は、前記メインコントローラに設けられている、請求項1に記載のディスク装置。
【請求項6】
前記コントローラは、ヒータ電力供給回路および増幅器を含むヘッドアンプICと、前記測定部および前記ヒータ制御部を含むメインコントローラと、を有し、
前記基準信号発生部は、前記ヘッドアンプICに設けられている、請求項1に記載のディスク装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、ディスク装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
ディスク装置して、例えば、磁気ディスク装置は、磁気記録層を有する回転自在なディスク状の記録媒体と、記録媒体の磁気記録層に対してデータの記録、再生を行う磁気ヘッドと、を備えている。磁気ヘッドは、スライダと、スライダに設けられたリードヘッドおよびライトヘッドと、を有している。このような磁気ディスク装置においては、記録密度、特に線記録密度向上のために、磁気ヘッドと記録媒体との間の隙間を小さくする必要がある。
上記隙間を低減するため、熱アクチュエータを含む磁気ヘッドを備えた磁気ディスク装置が提案されている。この磁気ディスク装置によれば、熱アクチュエータによってスライダの一部、リードヘッドおよびライトヘッドを記録媒体の表面側に膨出させることにより、上記隙間を低減することが可能となる。
【0003】
上記隙間を狭くしていくと、周囲の環境や磁気ディスク装置内の環境変化による隙間変化への影響が大きくなり、場合によっては磁気ヘッドと記録媒体との接触が発生し磁気ディスク装置の信頼性を損なうことになる。そのため、磁気ヘッドと記録媒体との隙間変化を測定する手法が提案されている。再生信号の1次成分と3次成分の振幅変化から隙間変化を測定する方法、あるいは、信号としてサーボパターンを用いて測定する方法が知られている。
【0004】
何れの方法においても、一度記録した信号は記録媒体の熱緩和(Thermal Relaxation)の影響で信号が減衰するため、長期の測定では誤差が大きくなる。熱緩和の影響を補正するために記録周波数が異なる信号を2つのトラックに記録し、その両者の再生信号から熱緩和分を補正する技術が提案されている。しかしながら、この方法の場合、磁気ヘッドをトラック間で移動させる必要があり、処理時間および待ち時間が長くなる。この待ち時間は、磁気ディスク装置の処理速度を低下させる要因となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2004-303318号公報
特開2008-217841号公報
特開2012-190519号公報
特許第4805860号公報
特許第4818449号公報
米国特許第7,605,997号明細書
米国特許第4,777,544号明細書
米国特許第5,377,058号明細書
米国特許出願公開第2005/0046982号明細書
米国特許出願公開第2007/0230013号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態の課題は、隙間測定時間の短縮化を図るとともに熱緩和の影響を最小限とし長期間に亘り精度良く隙間測定をすることが可能なディスク装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、ディスク装置は、高周波成分を含む隙間測定信号が記録されたディスク状の記録媒体と、ライトヘッド、リードヘッド、および前記記録媒体との間の隙間を調整するヒータを有する磁気ヘッドと、前記高周波と同じ周波数で一定の電圧振幅を有する基準信号を出力する基準信号発生部と、前記隙間測定信号の再生信号の成分振幅および前記基準信号の振幅を測定する測定部と、前記成分振幅の測定値および前記基準信号の振幅の測定値に基づいて前記ヒータに供給するヒータ電力の電力値を制御するヒータ制御部と、を含むコントローラと、を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1は、第1実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)を概略的に示すブロック図。
図2は、前記HDDにおける磁気ヘッド、サスペンション、磁気ディスクを概略的に示す側面図。
図3は、前記磁気ヘッドのヘッド部を拡大して示す断面図。
図4は、熱アクチュエータにより記録ヘッド部分を突出させた状態の磁気ヘッドおよび前記ヘッド部を模式的に側面図。
図5は、比較例に係る隙間測定信号パターンの波形を示す図。
図6は、再生信号の1次成分振幅および3次成分振幅と隙間との関係を比較して示す図。
図7は、第1実施形態における隙間測定信号パターンの波形を示す図。
図8は、比較例に係る隙間測定信号および第1実施形態に係る隙間測定信号について、再生信号の周波数成分振幅を比較して示す図。
図9は、隙間変化への熱緩和の影響を比較して示す図。
図10は、隙間変化への3次成分振幅の熱緩和の影響度合を示す図。
図11は、隙間変化への1次成分振幅の熱緩和の影響度合を示す図。
図12は、第2実施形態に係るHDDを概略的に示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下図面を参照しながら、実施形態に係るディスク装置ついて説明する。
なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略あるいは簡略化することがある。
【0010】
(第1実施形態)
ディスク装置の一例として、第1実施形態に係るハードディスクドライブ(HDD)について詳細に説明する。図1は、第1実施形態に係るHDDを概略的に示すブロック図、図2は、浮上状態の磁気ヘッドおよび磁気ディスクを示す側面図である。
図1に示すように、HDD10は、矩形状の筐体11と、筐体11内に配設された記録媒体としての磁気ディスク12と、磁気ディスク12を支持および回転するスピンドルモータ14と、磁気ディスク12に対してデータの記録(ライト)、再生(リード)を行う複数の磁気ヘッド16と、を備えている。HDD10は、磁気ヘッド16を磁気ディスク12上の任意のトラック上に移動するとともに位置決めするヘッドアクチュエータ18を備えている。ヘッドアクチュエータ18は、磁気ヘッド16を移動可能に支持するキャリッジアッセンブリ20と、キャリッジアッセンブリ20を回動させるボイスコイルモータ(VCM)22とを含んでいる。
(【0011】以降は省略されています)

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