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公開番号
2024134519
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-10-03
出願番号
2024008163
出願日
2024-01-23
発明の名称
液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子
出願人
JSR株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02F
1/1337 20060101AFI20240926BHJP(光学)
要約
【課題】液晶配向性、電圧保持特性、電圧保持率に対する信頼性及び膜強度に優れた液晶配向膜を得ることができ、かつ電荷の蓄積に起因する残像が十分に抑制された液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供すること。
【解決手段】(A)重合体:式(1)で表される部分構造を有するジアミンを含むジアミン化合物に由来する構造単位を有する重合体を含む重合体成分と、(B)化合物:求核性官能基又は酸性官能基中のヘテロ原子に結合する1個以上の水素原子が熱及び光の少なくともいずれかにより脱離する脱離性基に置き換えられた部分構造(T)を1分子内に3個以上有する化合物(ただし、重合体を除く。)と、を含有し、重合体成分における、式(1)で表される部分構造を有するジアミンに由来する構造単位の含有割合が、重合体成分中のジアミン化合物に由来する構造単位の全量1モルに対して0.13モル以上である液晶配向剤とする。
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【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の(A)重合体:
(A)重合体:下記式(1)で表される部分構造を有するジアミンを含むジアミン化合物に由来する構造単位を有する重合体
を含む重合体成分と、下記の(B)化合物:
(B)化合物:求核性官能基又は酸性官能基中のヘテロ原子に結合する1個以上の水素原子が熱及び光の少なくともいずれかにより脱離する脱離性基に置き換えられた部分構造(T)を1分子内に3個以上有する化合物(ただし、重合体を除く。)
と、を含有し、
前記重合体成分における、下記式(1)で表される部分構造を有するジアミンに由来する構造単位の含有割合が、前記重合体成分中のジアミン化合物に由来する構造単位の全量1モルに対して0.13モル以上である、液晶配向剤。
TIFF
2024134519000028.tif
20
169
(式(1)中、Ar
1
は2価の芳香環基である。Ar
2
及びR
1
は、Ar
2
が2価の芳香環基であって、R
1
が水素原子若しくは1価の有機基であるか、又はAr
2
及びR
1
が互いに合わせられて、Ar
2
及びR
1
が結合する窒素原子と共に構成される窒素含有芳香族縮合環構造を表す。「*」は結合手を表す。)
続きを表示(約 2,300 文字)
【請求項2】
前記求核性官能基は、窒素原子、硫黄原子又は酸素原子に水素原子が結合した構造を有し、
前記(B)化合物は、前記部分構造(T)として、前記求核性官能基中の窒素原子、硫黄原子又は酸素原子に結合する1個以上の水素原子が前記脱離性基に置き換えられた部分構造を1分子内に3個以上有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項3】
前記(B)化合物は、下記式(2)で表される化合物である、請求項1に記載の液晶配向剤。
TIFF
2024134519000029.tif
30
169
(式(2)中、X
1
及びX
5
は、互いに独立して、窒素原子、硫黄原子、酸素原子、又は下記式(x-1)で表される基である。Y
1
は前記脱離性基である。R
2a
及びR
2b
は、互いに独立して、水素原子又は1価の有機基である。R
3
は(k1+k2)価の有機基である。k1は、X
1
が硫黄原子又は酸素原子である場合に3以上の整数であり、X
1
が窒素原子又は下記式(x-1)で表される基である場合に2以上の整数である。ただし、k1=2の場合、R
3
は、窒素原子に結合する前記脱離性基を1個以上有する。X
1
が硫黄原子又は酸素原子である場合、m=1かつn1=0であり、X
1
が窒素原子又は下記式(x-1)で表される基である場合、mは1又は2かつ(m+n1)=2を満たす。k2は0~2の整数である。n2は、X
5
が硫黄原子又は酸素原子である場合に1であり、X
5
が窒素原子又は下記式(x-1)で表される基である場合に2である。式中の複数のX
1
は同一又は異なる。式中にY
1
が複数存在する場合、複数のY
1
は同一又は異なり、式中にR
2a
が複数存在する場合、複数のR
2a
は同一又は異なる。式中にX
5
が複数存在する場合、複数のX
5
は同一又は異なる。式中にR
2b
が複数存在する場合、複数のR
2b
は同一又は異なる。)
TIFF
2024134519000030.tif
16
169
(式(x-1)中、R
4
は、水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基である。「*」は結合手を表す。ただし、式(x-1)中のカルボニル基が上記式(2)中のR
3
に結合している。)
【請求項4】
前記R
3
は、芳香環を有しない(k1+k2)価の基である、請求項3に記載の液晶配向剤。
【請求項5】
前記R
3
は、(k1+k2)価の鎖状炭化水素基であるか、又は、鎖状炭化水素基の炭素-炭素結合間に-O-、-S-、-CO-、-COO-、-NR
5
-、-CO-NR
5
-、-NR
5
-CO-O-、-NR
5
-CO-NR
6
-、-CO-NR
5
-NR
6
-、窒素原子若しくは非芳香族複素環を含む(k1+k2)価の基(ただし、R
5
及びR
6
は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1~10の1価の有機基である。)である、請求項3に記載の液晶配向剤。
【請求項6】
前記酸性官能基は、カルボン酸基、リン酸基、亜リン酸基又はスルホン酸基であり、
前記(B)化合物は、前記部分構造(T)として、前記酸性官能基中のヘテロ原子に結合する1個以上の水素原子が前記脱離性基に置き換えられた部分構造を1分子内に3個以上有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項7】
前記(B)化合物は、下記式(3)で表される化合物を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
TIFF
2024134519000031.tif
16
169
(式(3)中、X
4
は、カルボン酸基、リン酸基、亜リン酸基又はスルホン酸基である。X
5
は、保護されたカルボン酸基、保護されたリン酸基、保護された亜リン酸基、又は保護されたスルホン酸基である。R
7
は、(i+j)価の有機基である。iは0~2の整数である。jは3以上の整数である。iが2の場合、複数のX
4
は同一又は異なる。式中の複数のX
5
は同一又は異なる。)
【請求項8】
前記(A)重合体は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリウレア及びポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項9】
前記重合体成分として、上記式(1)で表される部分構造を有しない重合体を更に含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
液晶素子は、液晶層中の液晶分子の配向を制御する機能を有する液晶配向膜を備えている。液晶配向膜は一般に、重合体成分が有機溶媒に溶解されてなる液晶配向剤を基板表面に塗布し、好ましくは加熱することによって基板上に形成される。
【0003】
近年、大画面で高精細な液晶テレビが主体となり、またスマートフォンやタブレットPC等といった小型の表示端末の普及が進み、液晶素子に対する高品質化の要求は更に高まっている。こうした点に鑑み、液晶配向膜の性能を改善して液晶素子の各種特性を優れたものとするべく、種々の液晶配向剤が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、重合体成分と共に、多官能のエポキシ化合物等の架橋剤を液晶配向剤に含有させることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2008-299318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
液晶配向膜の高機能化において、架橋剤の使用は有効な手段といえる。その一方で、架橋剤の使用による膜の高密度化に伴い、液晶素子の電圧保持率を十分に高くできない等の不都合が生じることがある。また近年、液晶素子においては力学特性が重要視されており、基本特性である液晶配向性と共に、膜強度を十分に高くすることが求められている。
【0006】
液晶素子への直流電圧の印加により液晶セル内に電荷が蓄積されると、観察者に残像(DC残像)として視認され、液晶素子の表示品位が低下してしまうことがある。そのため、液晶配向膜に対して要求される特性の1つとして電荷の蓄積が少ないことが挙げられ、液晶素子の更なる高品質化の要求に伴い、残像が一層生じにくい液晶素子を開発することが求められている。
【0007】
さらに、液晶素子の更なる高品質化の要求を満たすべく、バックライトの照射による電圧保持率の低下が少なく、信頼性が高いことが求められる。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、液晶配向性、電圧保持特性、電圧保持率に対する信頼性及び膜強度に優れた液晶配向膜を得ることができ、かつ電荷の蓄積に起因する残像が十分に抑制された液晶素子を得ることができる液晶配向剤を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明によれば、以下の手段が提供される。
[1] 下記の(A)重合体:
(A)重合体:下記式(1)で表される部分構造を有するジアミンを含むジアミン化合物に由来する構造単位を有する重合体
を含む重合体成分と、下記の(B)化合物:
(B)化合物:求核性官能基又は酸性官能基中のヘテロ原子に結合する1個以上の水素原子が熱及び光の少なくともいずれかにより脱離する脱離性基に置き換えられた部分構造(T)を1分子内に3個以上有する化合物(ただし、重合体を除く。)
と、を含有し、前記重合体成分における、下記式(1)で表される部分構造を有するジアミンに由来する構造単位の含有割合が、前記重合体成分中のジアミン化合物に由来する構造単位の全量1モルに対して0.13モル以上である、液晶配向剤。
TIFF
2024134519000001.tif
21
169
(式(1)中、Ar
1
は2価の芳香環基である。Ar
2
及びR
1
は、Ar
2
が2価の芳香環基であって、R
1
が水素原子若しくは1価の有機基であるか、又はAr
2
及びR
1
が互いに合わせられて、Ar
2
及びR
1
が結合する窒素原子と共に構成される窒素含有芳香族縮合環構造を表す。「*」は結合手を表す。)
[2] 上記[1]の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
[3] 上記[1]の液晶配向剤を基板上に塗布し、該塗布した後にラビング処理又は光照射処理を施して液晶配向能を付与する、液晶配向膜の製造方法。
[4] 上記[2]の液晶配向膜を備える液晶素子。
【発明の効果】
【0010】
本発明の液晶配向剤によれば、上記の(A)重合体を含む重合体成分及び(B)化合物を含有し、かつ、上記式(1)で表される部分構造を有するジアミンに由来する構造単位を、重合体成分中に含まれるジアミン化合物に由来する構造単位の全量に対して所定量以上含むことにより、液晶配向性、電圧保持特性、電圧保持率に対する信頼性及び膜強度に優れた液晶配向膜を得ることができる。また、電荷の蓄積に起因する残像が十分に抑制された液晶素子を得ることができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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