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公開番号2024172118
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-12
出願番号2023089643
出願日2023-05-31
発明の名称逆波長分散性光学フィルムとその製造方法
出願人株式会社クラレ
代理人個人
主分類G02B 5/30 20060101AFI20241205BHJP(光学)
要約【課題】広い波長域でRe値の絶対値を高精度に所望範囲内にできる逆波長分散性光学フィルムを提供する。
【解決手段】本開示の逆波長分散性光学フィルム(1)は、メタクリル酸メチル単位20~90質量%とα-メチルスチレン単位40~10質量%とを有するメタクリル系樹脂(M-α)を含み、配向複屈折値が負である第1の樹脂層(11)と、主鎖に、酸無水物単位、環構造を含むイミド単位、及びラクトン環単位からなる群より選ばれる1種以上の環構造単位(R)40~75質量%を有するメタクリル系樹脂(M-RS)、又は、ポリカーボネート系樹脂(PC)を含み、配向複屈折値が正である第2の樹脂層(12)とを有し、Re(450)/Re(550)が0.70~0.95であり、Re(650)/Re(550)が1.05~1.60である。Re(λ)は、波長λにおける面内のリターデーション値である。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
メタクリル酸メチル単位20~90質量%とα-メチルスチレン単位40~10質量%とを有するメタクリル系樹脂(M-α)を含み、配向複屈折値が負である第1の樹脂層と、
主鎖に、酸無水物単位、環構造を含むイミド単位、及びラクトン環単位からなる群より選ばれる1種以上の環構造単位(R)40~75質量%を有するメタクリル系樹脂(M-RS)、又は、ポリカーボネート系樹脂(PC)を含み、配向複屈折値が正である第2の樹脂層とを有し、
下記式(1)及び(2)を充足する、逆波長分散性光学フィルム。
0.70≦(Re(450)/Re(550))≦0.95・・・(1)
1.05≦(Re(650)/Re(550))≦1.60・・・(2)
(上記式中、Re(450)、Re(550)、及びRe(650)はそれぞれ、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmにおける面内のリターデーション値を示す。)
続きを表示(約 1,100 文字)【請求項2】
Re(550)が70~155nmである、請求項1に記載の逆波長分散性光学フィルム。
【請求項3】
前記第2の樹脂層が、メタクリル系樹脂(M-RS)を含む、請求項1に記載の逆波長分散性光学フィルム。
【請求項4】
メタクリル系樹脂(M-RS)が、メタクリル酸メチル単位60~25質量%を含む、請求項3に記載の逆波長分散性光学フィルム。
【請求項5】
前記第2の樹脂層が、メタクリル系樹脂(M-RS)として、メタクリル酸メチル単位60~25質量%と無置換又はN-置換グルタルイミド単位40~75質量%とを有するグルタルイミド樹脂(M-G)を含む、請求項3に記載の逆波長分散性光学フィルム。
【請求項6】
総厚みが50~300μmであり、前記第2の樹脂層の厚み(T2)に対する前記第1の樹脂層の厚み(T1)の比(T1/T2)が0.5~4.0である、請求項1に記載の逆波長分散性光学フィルム。
【請求項7】
メタクリル系樹脂(M-α)は、幅20mm、長さ40mmのフィルム状の試験片を、ガラス転移温度より10℃高い温度で3mm/分の速度で100%の延伸率で一軸延伸し、波長550nmにおける前記試験片の中央部分の面内のリターデーション値を測定して求められる配向複屈折値が-100.0×10
-4
~-1.0
-4
である、請求項1に記載の逆波長分散性光学フィルム。
【請求項8】
メタクリル系樹脂(M-RS)及びポリカーボネート系樹脂(PC)は、幅20mm、長さ40mmのフィルム状の試験片を、ガラス転移温度より10℃高い温度で3mm/分の速度で100%の延伸率で一軸延伸し、波長550nmにおける前記試験片の中央部分の面内のリターデーション値を測定して求められる配向複屈折値が1.0×10
-4
~200.0×10
-4
である、請求項1に記載の逆波長分散性光学フィルム。
【請求項9】
メタクリル系樹脂(M-RS)のガラス転移温度(Tg)が140℃以上である、請求項1に記載の逆波長分散性光学フィルム。
【請求項10】
前記第1の樹脂層がメタクリル系樹脂(M-α)を含む第1の一軸延伸フィルムからなり、
前記第2の樹脂層がメタクリル系樹脂(M-RS)又はポリカーボネート系樹脂(PC)を含む第2の一軸延伸フィルムからなる、請求項1に記載の逆波長分散性光学フィルム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、逆波長分散性光学フィルムとその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ及び有機エレクトロルミネセンス(EL)ディスプレイ等の画像表示装置の高機能化に伴い、画像表示装置を構成する光学フィルムに対しても、より高度な機能が要求されるようになっている。
位相差フィルムとして、直線偏光を(楕)円偏光に変換し、(楕)円偏光を直線偏光に変換する1/4波長板(λ/4板とも言う。)が挙げられる。λ/4板を偏光子と組み合わせて使用することで、画像表示装置において、外光反射を防ぎ、明所コントラスト及び黒色再現性を向上させることができる。
本明細書において、特に明記しない限り、符合λは波長[nm]を示す。
【0003】
従来、位相差フィルムとしては、セルロースアセテート及び/又はセルロースアセテートプロピオネートを含むセルロース系樹脂フィルム(特許文献1等)、及び、ポリカーボネート系樹脂フィルム(特許文献2等)が知られている。これら樹脂フィルムは、1枚のフィルムで、面内のリターデーション値(Re値)の絶対値を所望値(例えば、λ/4又はそれに近い値)にでき、λ/4板等の位相差フィルムを実現できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2003-315538号公報
特開2019-104872号公報
国際公開第2021/235393号
特開2013-033237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、セルロース系樹脂フィルムは、耐湿(熱)性が充分でなく、(高温)高湿下において、Re値が変動し、これを用いた画像表示装置に色むらが生じる場合がある。一般的に、ポリカーボネート系樹脂フィルムは、入射光の波長が短くなる程、Re値の絶対値が大きくなる順波長分散性を有し、λ/4板等の位相差フィルムとして使用できる波長域が限定的である。
【0006】
位相差フィルムは、可視光域内において、入射光の波長が長くなる程、Re値の絶対値が大きくなる逆波長分散性を有することが好ましい。逆波長分散性位相差フィルムは、可視光域内の広い波長域において、Re値の絶対値が所望値(例えば、λ/4又はそれに近い値)となり、好適である。
逆波長分散性を有する光学フィルムは、位相差フィルム以外にも、偏光子の視野角による色シフトを低減する偏光子補償フィルム(視野角補償フィルムとも言う。)及びリターデーション付きの偏光子保護フィルム等としての使用が期待されている。
【0007】
(メタ)アクリル系樹脂は、透明性に優れ、光学歪が少ないことから、光学材料として好適である。位相差フィルム及び偏光子保護フィルム等の光学フィルム用として好適な、耐熱性及び機械的強度が向上された(メタ)アクリル系樹脂として、主鎖に環構造単位を有するメタクリル系樹脂が挙げられる。
特許文献3には、メタクリル酸メチル(MMA)単位40~87質量%と、ラクトン環単位、無水グルタル酸単位、及び無置換又はN-置換グルタルイミド単位からなる群より選ばれる環構造単位(R)6~30質量%と、α-メチルスチレン(αMSt)単位7~30質量%とを有するメタクリル系樹脂を含む逆波長分散性位相差フィルムが開示されている(請求項1、4)。特許文献4には、メタクリル酸メチル(MMA)単位とマレイミド単位とを有するメタクリル系樹脂を含む光学等方性偏光子保護フィルムが開示されている(要約書等)。
【0008】
本発明者らは鋭意研究を行い、特許文献3、4に開示のメタクリル系樹脂フィルムよりも、Re値の絶対値を高精度に所望範囲内(例えば、λ/4又はそれに近い範囲内)にできる逆波長分散性光学フィルムを発明した。
本開示は上記事情に鑑みてなされたものであり、可視光域内の広い波長域で、面内のリターデーション値(Re値)の絶対値を高精度に所望範囲内(例えば、1/4波長又はそれに近い範囲内)にできる逆波長分散性光学フィルムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示は、以下の逆波長分散性光学フィルムとその製造方法を提供する。
[1] メタクリル酸メチル単位20~90質量%とα-メチルスチレン単位40~10質量%とを有するメタクリル系樹脂(M-α)を含み、配向複屈折値が負である第1の樹脂層と、
主鎖に、酸無水物単位、環構造を含むイミド単位、及びラクトン環単位からなる群より選ばれる1種以上の環構造単位(R)40~75質量%を有するメタクリル系樹脂(M-RS)、又は、ポリカーボネート系樹脂(PC)を含み、配向複屈折値が正である第2の樹脂層とを有し、
下記式(1)及び(2)を充足する、逆波長分散性光学フィルム。
0.70≦(Re(450)/Re(550))≦0.95・・・(1)
1.05≦(Re(650)/Re(550))≦1.60・・・(2)
(上記式中、Re(450)、Re(550)、及びRe(650)はそれぞれ、波長450nm、波長550nm、及び波長650nmにおける面内のリターデーション値を示す。)
【0010】
[2] Re(550)が70~155nmである、[1]の逆波長分散性光学フィルム。
[3] 前記第2の樹脂層が、メタクリル系樹脂(M-RS)を含む、[1]又は[2]の逆波長分散性光学フィルム。
[4] メタクリル系樹脂(M-RS)が、メタクリル酸メチル単位60~25質量%を含む、[3]の逆波長分散性光学フィルム。
[5] 前記第2の樹脂層が、メタクリル系樹脂(M-RS)として、メタクリル酸メチル単位60~25質量%と無置換又はN-置換グルタルイミド単位40~75質量%とを有するグルタルイミド樹脂(M-G)を含む、[3]又は[4]の逆波長分散性光学フィルム。
[6] 総厚みが50~300μmであり、前記第2の樹脂層の厚み(T2)に対する前記第1の樹脂層の厚み(T1)の比(T1/T2)が0.5~4.0である、[1]~[5]のいずれかの逆波長分散性光学フィルム。
(【0011】以降は省略されています)

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