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公開番号2024133861
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-03
出願番号2023043858
出願日2023-03-20
発明の名称研削加工システム、及び、機械学習装置
出願人株式会社東京精密
代理人スプリング弁理士法人
主分類B24B 49/12 20060101AFI20240926BHJP(研削;研磨)
要約【課題】 砥石の切れ味が刻々変化しても、高品質の加工済みウェーハを製造できる、研削加工システムの提供。
【解決手段】 回転する砥石55とウェーハとを接触させて、加工条件に基づきウェーハを研削加工する加工装置10と、ウェーハの端部形状、及び、砥石の研削面形状を測定する第1測定装置65と、砥石の砥粒状態を測定する第2測定装置66と、情報処理装置60と、を備え、情報処理装置60は、加工条件、並びに、研削加工前の端部形状、研削面形状、及び、砥粒状態に対して、加工目標の達成状況のラベル付けがなされた訓練データセットにより機械学習された学習済みモデルにより、加工目標を達成するよう加工装置を制御する加工条件を算出する算出部を備え、達成状況には、ラマン分光法により取得される研削後のウェーハの端部の二次元スペクトル画像の評価結果が含まれる、研削加工システム。
【選択図】 図1


特許請求の範囲【請求項1】
回転する砥石とウェーハとを接触させて、加工条件に基づき前記ウェーハを研削加工する加工装置と、
前記ウェーハの端部形状、及び、前記砥石の研削面形状を測定する第1測定装置と、
前記砥石の砥粒状態を測定する第2測定装置と、
情報処理装置と、を備え、
前記情報処理装置は、前記加工条件、並びに、研削加工前の前記端部形状、前記研削面形状、及び、前記砥粒状態に対して、加工目標の達成状況のラベル付けがなされた訓練データセットにより機械学習された学習済みモデルにより、前記加工目標を達成するよう前記加工装置を制御する前記加工条件を算出する算出部を備え、
前記達成状況には、ラマン分光法により取得される研削後の前記ウェーハの端部の二次元スペクトル画像の評価結果が含まれる、研削加工システム。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記第2測定装置は、
前記砥石の表面形状を測定する光を出力する光源と、前記光を前記砥石の表面に照射して、前記表面の画像を取得する撮像部と、を少なくとも有する光学部を備える、請求項1に記載の研削加工システム。
【請求項3】
前記第1測定装置は、更に、ラマン分光法により前記ウェーハの端部の二次元スペクトル画像を取得する、請求項1に記載の研削加工システム。
【請求項4】
前記算出部は、研削加工後に得られる前記ウェーハと前記加工目標との類似度の予測値が所定の基準を満たす前記加工条件を算出する、請求項1に記載の研削加工システム。
【請求項5】
前記算出部は、前記加工条件ごとに、前記砥石の摩耗の程度を表す消耗度の予測値を算出する、請求項4に記載の研削加工システム。
【請求項6】
前記算出部は、前記基準を満たす複数の前記加工条件が得られる場合、前記類似度の予測値が最も高いもの、又は、前記消耗度の予測値が最も低いものを選択する、請求項5に記載の研削加工システム。
【請求項7】
前記算出部は、前記基準を満たす複数の前記加工条件が得られる場合、前記類似度の予測値、及び、前記消耗度の予測値の優先度を指定する優先データに従って、最も有利な前記加工条件を選択する、請求項5に記載の研削加工システム。
【請求項8】
前記研削加工の際の加工負荷を含む加工データを測定するセンサを更に含む、請求項1に記載の研削加工システム。
【請求項9】
回転する砥石とウェーハとを接触させて、加工条件に基づき、前記ウェーハを研削加工する加工装置における、加工目標と前記加工条件とを取得する第3取得部と、
前記ウェーハの端部形状、及び、前記砥石の研削面形状の測定結果、並びに、ラマン分光法により取得される前記ウェーハの端部の二次元スペクトル画像を取得する第1取得部と、
前記砥石の砥粒状態の測定結果を取得する第2取得部と、
研削加工後に得られる前記ウェーハの前記加工目標の達成状況を取得する評価部と、
学習部と、を備え、
前記達成状況には、ラマン分光法により取得される研削後の前記ウェーハの端部の二次元スペクトル画像の評価結果が含まれ、
前記学習部は、
前記加工条件、並びに、研削加工前の前記端部形状、前記研削面形状、及び、前記砥粒状態に対して、加工目標の達成状況のラベル付けがなされた訓練データセットを用いた機械学習により、
前記加工条件に対する、
研削加工前の前記端部形状、前記研削面形状、及び、前記砥粒状態、並びに、前記達成状況の関係を学習する、機械学習装置。
【請求項10】
訓練データセットは、前記砥石の摩耗の程度を表す消耗度を更に含み、
前記消耗度は、研削加工前後の前記端部形状の比較、及び、研削加工前後の前記砥粒状態の比較からなる群より選択される少なくとも一方により算出される、請求項9に記載の機械学習装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、研削加工システム、及び、機械学習装置に関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
半導体装置、及び、電子部品等の素材となるシリコンウェーハの製造工程には、面取り加工がある。面取り加工は、インゴットからワイヤーソー等のスライシング装置で切り出されたウェーハの外周部に施される。面取り加工によりウェーハの周縁の割れ、及び、欠け等が抑制される。
【0003】
面取り加工には、面取り装置と呼ばれる加工装置が用いられる。面取り装置には、各種の砥石が複数取り付けられている。ウェーハの外周部、ノッチ部等は、この砥石で研削加工される。
砥石による研削加工は、主に、砥石の表面(研削面)に固定された砥粒の切れ刃により行われる。研削加工により、砥石の表面の状態は変化する。例えば、砥粒が脱落したり、割れたり、又は、切りくず(加工粉)により目詰まりしたりする。これにより、砥石の切れ味は、研削加工中にも徐々に変化していく。
【0004】
砥石の切れ味の変化は、研削加工により得られるウェーハの品質に影響を及ぼす。影響は、例えば、形状、及び、表面粗さ等に現れる。刻々変化する砥石の切れ味を管理する方法として、特許文献1には、「研削作用面に固定砥粒を有する砥石を用いて、研削液を供給しながら、シリコンからなる被研削物を研削した際に発生するシリコンスラッジに含まれるシリコン粉の表面積を求め、該シリコン粉の表面積から前記砥石の品質を管理する研削加工中の砥石の品質管理方法。」が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2011-230232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の方法は、シリコン粉の表面積から砥石の品質を管理する方法であるため、必ずしも砥粒の状態が直接反映されているとはいえなかった。近年、ウェーハ等の研削加工に求められる品質はますます高くなっている。砥石の砥粒状態が刻々変化したとしても、それに順応しつつ、高精度及び高効率の研削(コストパフォーマンスの高い研削)を実現し、高品質のウェーハを大量生産するためには、特許文献1のような方法では、不十分であった。
【0007】
そこで、本発明は、砥石の砥粒状態に応じた高精度及び高効率な研削が可能な研削加工システムの提供を課題とする。また、本発明は、機械学習装置の提供も課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、以下の構成により上記課題を解決することができることを見出した。
【0009】
[1] 回転する砥石とウェーハとを接触させて、加工条件に基づき上記ウェーハを研削加工する加工装置と、上記ウェーハの端部形状、及び、上記砥石の研削面形状を測定する第1測定装置と、上記砥石の砥粒状態を測定する第2測定装置と、情報処理装置と、を備え、上記情報処理装置は、上記加工条件、並びに、研削加工前の上記端部形状、上記研削面形状、及び、上記砥粒状態に対して、加工目標の達成状況のラベル付けがなされた訓練データセットにより機械学習された学習済みモデルにより、上記加工目標を達成するよう上記加工装置を制御する上記加工条件を算出する算出部を備え、上記達成状況には、ラマン分光法により取得される研削後の上記ウェーハの端部の二次元スペクトル画像の評価結果が含まれる、研削加工システム。
[2] 上記第2測定装置は、上記砥石の表面形状を測定する光を出力する光源と、上記光を上記砥石の表面に照射して、上記表面の画像を取得する撮像部と、を少なくとも有する光学部を備える、[1]に記載の研削加工システム。
[3] 上記第1測定装置は、更に、ラマン分光法により上記ウェーハの端部の二次元スペクトル画像を取得する、[1]に記載の研削加工システム。
[4] 上記算出部は、研削加工後に得られる上記ウェーハと上記加工目標との類似度の予測値が所定の基準を満たす上記加工条件を算出する、[1]に記載の研削加工システム。
[5] 上記算出部は、上記加工条件ごとに、上記砥石の摩耗の程度を表す消耗度の予測値を算出する、[4]に記載の研削加工システム。
[6] 上記算出部は、上記基準を満たす複数の上記加工条件が得られる場合、上記類似度の予測値が最も高いもの、又は、上記消耗度の予測値が最も低いものを選択する、[5]に記載の研削加工システム。
[7] 上記算出部は、上記基準を満たす複数の上記加工条件が得られる場合、上記類似度の予測値、及び、上記消耗度の予測値の優先度を指定する優先データに従って、最も有利な上記加工条件を選択する、[5]に記載の研削加工システム。
[8] 上記研削加工の際の加工負荷を含む加工データを測定するセンサを更に含む、[1]に記載の研削加工システム。
[9] 回転する砥石とウェーハとを接触させて、加工条件に基づき、上記ウェーハを研削加工する加工装置における、加工目標と上記加工条件とを取得する第3取得部と、上記ウェーハの端部形状、及び、上記砥石の研削面形状の測定結果、並びに、ラマン分光法により取得される上記ウェーハの端部の二次元スペクトル画像を取得する第1取得部と、上記砥石の砥粒状態の測定結果を取得する第2取得部と、研削加工後に得られる上記ウェーハの上記加工目標の達成状況を取得する評価部と、学習部と、を備え、前記達成状況には、ラマン分光法により取得される研削後の前記ウェーハの端部の二次元スペクトル画像の評価結果が含まれ、上記学習部は、上記加工条件、並びに、研削加工前の上記端部形状、上記研削面形状、及び、上記砥粒状態に対して、加工目標の達成状況のラベル付けがなされた訓練データセットを用いた機械学習により、上記加工条件に対する、研削加工前の上記端部形状、上記研削面形状、及び、上記砥粒状態、並びに、上記達成状況の関係を学習する、機械学習装置。
[10] 訓練データセットは、上記砥石の摩耗の程度を表す消耗度を更に含み、上記消耗度は、研削加工前後の上記端部形状の比較、及び、研削加工前後の上記砥粒状態の比較からなる群より選択される少なくとも一方により算出される、[9]に記載の機械学習装置。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、砥石の砥粒状態に応じた高精度及び高効率な研削が可能な研削加工システムが提供される。また、本発明によれば、機械学習装置も提供される。
【図面の簡単な説明】
(【0011】以降は省略されています)

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