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公開番号2024127936
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2024107201,2021551350
出願日2024-07-03,2020-09-30
発明の名称光学フィルム、偏光板、画像表示装置及び光学フィルムの選定方法
出願人大日本印刷株式会社
代理人弁理士法人大谷特許事務所
主分類G02B 5/30 20060101AFI20240912BHJP(光学)
要約【課題】面内位相差を高くすることなく、裸眼で視認した際の虹ムラを抑制し得る、光学フィルムを提供する。
【解決手段】プラスチックフィルム上に低屈折率層を有し、前記プラスチックフィルムは、面内位相差が2500nm以下の二軸延伸プラスチックフィルムであり、前記低屈折率層が最表面に位置してなる光学フィルムであって、前記光学フィルムと偏光子と面光源とを含む積層体1を特定条件下で測定したL*値、a*値及びb*値と、前記偏光子と前記面光源とを含む積層体2を特定条件下で測定したL*値、a*値及びb*値との差分から算出したΔEabが、特定の条件を満たす領域を有する、光学フィルム。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
プラスチックフィルム上に低屈折率層を有する光学フィルムであって、
前記プラスチックフィルムは、面内位相差が2500nm以下の二軸延伸プラスチックフィルムであり、
前記低屈折率層は前記光学フィルムの最表面に位置し、
ΔEabの最大値と最小値との差が17.0未満である下領域を有する、光学フィルム。
ここで、積層体1について、測定1を実施して、L*a*b*表色系のL*値、a*値及びb*値を算出する。積層体2について、測定2を実施して、L*a*b*表色系のL*値、a*値及びb*値を算出する。測定1と測定2との結果に基づいて、条件1によりΔEabを算出する。
<測定1>
面光源上に、偏光子及び前記光学フィルムをこの順に積層してなる積層体1を作製する。前記積層体1において、前記光学フィルムは前記低屈折率層側の面が前記偏光子とは反対側を向くように配置する。また、前記偏光子は、偏光子の吸収軸と、前記面光源の左右方向又は上下方向との成す角が±5度以内となるように配置する。さらに、前記偏光子の吸収軸と、前記光学フィルムの前記二軸延伸プラスチックフィルムの遅相軸との成す角が90度±5度以内となるように配置する。
前記積層体1の面光源を白表示し、前記積層体1の前記低屈折率層側から出射する透過光を仰角0度以上80度以下、方位角0度以上359度以下の範囲で1度ずつ測定し、各角度の透過光に基づき、L*a*b*表色系のL*値、a*値及びb*値を算出する。透過光の測定領域は面内の任意の1mm

以上10mm

以下の領域とする。
<測定2>
前記測定1と同一の面光源上に、偏光子を積層してなる積層体2を作製する。また、前記面光源に対する前記偏光子の吸収軸の方向は、前記測定1と同じ方向となるように配置する。
前記積層体2の面光源を白表示し、前記積層体2の前記偏光子側から出射する透過光を仰角0度以上80度以下、方位角0度以上359度以下の範囲で1度ずつ測定し、各角度の透過光に基づき、L*a*b*表色系のL*値、a*値及びb*値を算出する。透過光の測定領域は面内において測定1と略一致させる。
<条件1>
全ての仰角及び全ての方位角において、測定1のL*値から測定2のL*値を引いたΔL*を算出する。ΔL*の最大値から最小値までを所定の諧調でグレースケール化し、仰角を同心円、方位角を縦横で表した2次元座標にグレースケールで表示する。
2次元座標内においてΔL*が同心円状に分布する領域が2箇所存在すること、及び前記2箇所の領域が2次元座標の略対称位置にあることを確認する。
ΔL*が同心円状に分布する領域の中心に位置する仰角に関して、一方の仰角をα度、他方の仰角をβ度とする。
仰角が(α+β)/2の時の方位角0度以上359度以下における測定1のL*値、a*値及びb*値と、仰角が(α+β)/2の時の方位角0度以上359度以下における測定2のL*値、a*値及びb*値との差分から、各方位角におけるΔEabを算出する。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、光学フィルム、偏光板、画像表示装置及び光学フィルムの選定方法に関する。
続きを表示(約 3,000 文字)【背景技術】
【0002】
画像表示装置等の光学部材には、種々の光学用のプラスチックフィルムが用いられる場合が多い。例えば、表示素子上に偏光板を有する画像表示装置には、偏光板を構成する偏光子を保護するためのプラスチックフィルムが用いられている。
【0003】
偏光子保護フィルム等として使用される画像表示装置用のプラスチックフィルムは、機械的強度が優れるものが好ましい。このため、画像表示装置用のプラスチックフィルムとしては、延伸プラスチックフィルムが好ましく用いられている。
【0004】
偏光子上に延伸プラスチックフィルムを配置する場合、偏光子を通過した直線偏光の偏光状態を延伸プラスチックフィルムが乱すことを原因として、虹模様のムラ(rainbow pattern unevenness)が観察されるという問題がある。かかる問題を解決するため、特許文献1~3等の技術が提案されている。以下、本明細書において、「虹模様のムラ(rainbow pattern unevenness)」のことを「虹ムラ(rainbow unevenness)」と称する場合がある。
【0005】
特許文献1には、画像表示装置の光源を特定の白色光源とすること、延伸プラスチックフィルムの面内位相差(リタデーション)を3000nm以上30000nm以下と高くすること、及び、偏光子の吸収軸と延伸プラスチックフィルムの遅相軸とを略45度で配置することにより、偏光サングラスを介して画像を視認した際の虹ムラを解消し得る液晶表示装置が示されている。
しかし、特許文献1の手段は、面内位相差の大きい延伸プラスチックフィルムを用いる必要がある。そして、面内位相差の大きい延伸プラスチックフィルムは、通常は一軸延伸であるため、延伸方向に裂けやすい等の問題がある。
【0006】
特許文献2には、ブリュースター角での反射率が特定範囲の偏光板保護フィルムが開示されている。特許文献3には、入射角50度でのP波の反射率と、S波の反射率との差が20%以下である偏光板保護フィルムが開示されている。
特許文献2及び3の偏光板保護フィルムは、画像表示装置の内部から視認者側に向かう光の偏光成分であるP波とS波との反射率差を小さくすることにより、特許文献1のようにフィルムの面内位相差を大きくすることなく、目視での虹ムラ解消を狙ったものである。
【0007】
二軸延伸プラスチックフィルムは、一般的に、フィルムを構成するプラスチックを溶融押し出ししてなるキャスティングフィルムを得た後、キャスティングフィルムを流れ方向及び幅方向に延伸することにより得られる。この際、いわゆるボーイング現象によって、幅方向の取り位置によって配向角が異なることが知られている。
一般的に、二軸延伸プラスチックフィルムの幅方向の真ん中付近は光学性能が安定しているといわれているが、特許文献2及び3の偏光板保護フィルムは、真ん中付近から取得した二軸延伸プラスチックフィルムを用いても、虹ムラを解消できない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2011-107198号公報
特開2009-14886号公報
特開2010-204630号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本開示は、面内位相差を高くすることなく、裸眼で視認した際の虹ムラを抑制し得る、光学フィルム、並びに、前記光学フィルムを用いた偏光板及び画像表示装置を提供することを課題とする。また、本開示は、面内位相差を高くすることなく、裸眼で視認した際の虹ムラを抑制し得る、光学フィルムの選定方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、以下の[1]~[5]を提供する。
[1]プラスチックフィルム上に低屈折率層を有する光学フィルムであって、
前記プラスチックフィルムは、面内位相差が2500nm以下の二軸延伸プラスチックフィルムであり、
前記低屈折率層は前記光学フィルムの最表面に位置し、
ΔEabの最大値と最小値との差が17.0未満である領域を有する、光学フィルム。
ここで、積層体1について、測定1を実施して、L*a*b*表色系のL*値、a*値及びb*値を算出する。積層体2について、測定2を実施して、L*a*b*表色系のL*値、a*値及びb*値を算出する。測定1と測定2との結果に基づいて、条件1によりΔEabを算出する。
<測定1>
面光源上に、偏光子及び前記光学フィルムをこの順に積層してなる積層体1を作製する。前記積層体1において、前記光学フィルムは前記低屈折率層側の面が前記偏光子とは反対側を向くように配置する。また、前記偏光子は、偏光子の吸収軸と、前記面光源の左右方向又は上下方向との成す角が±5度以内となるように配置する。さらに、前記偏光子の吸収軸と、前記光学フィルムの前記二軸延伸プラスチックフィルムの遅相軸との成す角が90度±5度以内となるように配置する。
前記積層体1の面光源を白表示し、前記積層体1の前記低屈折率層側から出射する透過光を仰角0度以上80度以下、方位角0度以上359度以下の範囲で1度ずつ測定し、各角度の透過光に基づき、L*a*b*表色系のL*値、a*値及びb*値を算出する。透過光の測定領域は面内の任意の1mm

以上10mm

以下の領域とする。
<測定2>
前記測定1と同一の面光源上に、偏光子を積層してなる積層体2を作製する。また、前記面光源に対する前記偏光子の吸収軸の方向は、前記測定1と同じ方向となるように配置する。
前記積層体2の面光源を白表示し、前記積層体2の前記偏光子側から出射する透過光を仰角0度以上80度以下、方位角0度以上359度以下の範囲で1度ずつ測定し、各角度の透過光に基づき、L*a*b*表色系のL*値、a*値及びb*値を算出する。透過光の測定領域は面内において測定1と略一致させる。
<条件1>
全ての仰角及び全ての方位角において、測定1のL*値から測定2のL*値を引いたΔL*を算出する。ΔL*の最大値から最小値までを所定の諧調でグレースケール化し、仰角を同心円、方位角を縦横で表した2次元座標にグレースケールで表示する。
2次元座標内においてΔL*が同心円状に分布する領域が2箇所存在すること、及び前記2箇所の領域が2次元座標の略対称位置にあることを確認する。
ΔL*が同心円状に分布する領域の中心に位置する仰角に関して、一方の仰角をα度、他方の仰角をβ度とする。
仰角が(α+β)/2の時の方位角0度以上359度以下における測定1のL*値、a*値及びb*値と、仰角が(α+β)/2の時の方位角0度以上359度以下における測定2のL*値、a*値及びb*値との差分から、各方位角におけるΔEabを算出する。
(【0011】以降は省略されています)

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