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公開番号
2024127588
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2023036837
出願日
2023-03-09
発明の名称
液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子及びその製造方法
出願人
JSR株式会社
代理人
個人
,
個人
,
個人
主分類
G02F
1/1337 20060101AFI20240912BHJP(光学)
要約
【課題】液晶配向性、電圧保持特性及び膜強度に優れた液晶配向膜を得ることができ、かつ信頼性に優れた液晶素子を製造することができる液晶配向剤を提供すること。
【解決手段】(A)重合体及び(B)化合物:(A)重合性炭素-炭素不飽和結合含有基、イソシアネート基、保護されたイソシアネート基、環状カーボネート基、メチロール基、保護されたメチロール基等よりなる群から選択される少なくとも1種の基F
1
を主鎖末端部分に有する重合体、(B)基F
1
若しくは基F
1
中の脱離性基が脱離することによって生じた基F
1A
と反応し得るか、又は脱離性基を有し当該脱離性基が脱離することにより基F
1
若しくは基F
1A
と反応し得る基である基F
2
を1分子内に合計2個以上有する化合物(ただし、前記(A)重合体を除く。)を液晶配向剤に含有させる。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記の(A)重合体及び(B)化合物:
(A)重合性炭素-炭素不飽和結合含有基、イソシアネート基、保護されたイソシアネート基、環状カーボネート基、メチロール基、保護されたメチロール基、ケテン構造を有する基、メルドラム酸構造を有する基、環状エーテル基、環状チオエーテル基、オキサゾリン基、ヒドロキシアルキルアミド基及び保護されたヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択される少なくとも1種である基F
1
を主鎖末端部分に有する重合体、
(B)前記基F
1
若しくは前記基F
1
中の脱離性基が脱離することによって生じた基F
1A
と反応し得るか、又は脱離性基を有し当該脱離性基が脱離することにより、前記基F
1
若しくは前記基F
1A
と反応し得る基である基F
2
を1分子内に合計2個以上有する化合物(ただし、前記(A)重合体を除く。)
を含有する、液晶配向剤。
続きを表示(約 2,000 文字)
【請求項2】
前記基F
2
は、重合性炭素-炭素不飽和結合含有基、求核性官能基、保護された求核性官能基、酸性官能基及び保護された酸性官能基よりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項3】
前記(B)化合物が有する前記基F
2
の少なくとも1個が、窒素原子、硫黄原子又は酸素原子と脱離性基とが結合した部分構造を有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項4】
前記(B)化合物は、下記式(1)で表される化合物を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
TIFF
2024127588000035.tif
22
170
(式(1)中、X
1
は、窒素原子、硫黄原子、酸素原子又は下記式(x-1)で表される基である。Y
1
は脱離性基である。R
1
は、水素原子又は1価の有機基である。ただし、「-X
1
(R
1
)
n
(Y
1
)
m
」で表される基は、求核性官能基又は保護された求核性官能基を有する。R
2
はk価の有機基である。kは2以上の整数である。X
1
が硫黄原子又は酸素原子である場合、m及びnのうち一方は1であり、他方は0である。X
1
が窒素原子又は下記式(x-1)で表される基である場合、mは0~2の整数であり、nは0~2の整数であり、かつm+n=2を満たす。式中の複数のX
1
は互いに同一又は異なる。式中にY
1
が複数存在する場合、複数のY
1
は互いに同一又は異なり、式中にR
1
が複数存在する場合、複数のR
1
は互いに同一又は異なる。)
TIFF
2024127588000036.tif
13
170
(式(x-1)中、R
3
は、水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基である。「*」は結合手であることを表す。ただし、式(x-1)中の窒素原子が上記式(1)中のR
2
に結合している。)
【請求項5】
前記R
2
は、k価の鎖状炭化水素基であるか、又は、鎖状炭化水素基の炭素-炭素結合間に-O-、-S-、-CO-、-COO-、-NR
4
-、-CO-NR
4
-、-NR
4
-CO -O-、-NR
4
-CO-NR
5
-、-CO-NR
4
-NR
5
-(ただし、R
4
及びR
5
は、互いに独立して、水素原子又は炭素数1~10の1価の有機基である。)、3級窒素原子若しくは複素環を含むk価の基である、請求項4に記載の液晶配向剤。
【請求項6】
前記(B)化合物は、重合性炭素-炭素不飽和結合含有基を1分子内に合計2個以上有する化合物を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項7】
前記(B)化合物は、下記式(2)で表される化合物を含む、請求項1に記載の液晶配向剤。
TIFF
2024127588000037.tif
12
170
(式(2)中、X
4
は、カルボン酸基、リン酸基、亜リン酸基又はスルホン酸基である。X
5
は、保護されたカルボン酸基、保護されたリン酸基、保護された亜リン酸基、又は保護されたスルホン酸基である。R
6
は、(i+j)価の有機基である。iは0以上の整数である。jは1以上の整数である。ただし、(i+j)≧2を満たす。iが2以上の場合、複数のX
4
は同一又は異なる。jが2以上の場合、複数のX
5
は同一又は異なる。)
【請求項8】
前記(A)重合体は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド、ポリウレア及びポリアミドイミドよりなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項9】
前記基F
1
は、重合性炭素-炭素不飽和結合含有基である、請求項1に記載の液晶配向剤。
【請求項10】
下記の(C)化合物を更に含有する、請求項1に記載の液晶配向剤。
(C)前記(A)重合体及び前記(B)化合物とは異なる化合物であって、求電子性官能基又は保護された求電子性官能基を1分子内に2個以上有する化合物
(【請求項11】以降は省略されています)
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及びその製造方法、並びに液晶素子及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)
【背景技術】
【0002】
液晶素子は、液晶テレビやインフォメーションディスプレイ等といった比較的大型の表示装置から、スマートフォンやタブレットPC等の小型の表示装置まで幅広い用途に適用されている。液晶素子の性能は、液晶の配向性やプレチルト角の大きさ、電圧保持率等の各種特性により決定される。液晶素子の性能を向上させるべく、従来、液晶材料の改良のほか、液晶を一定方向に配列させるための液晶配向膜の改良が行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
【0003】
特許文献1には、ポリアミック酸と二炭酸ジ-tert-ブチルとを反応させることによりポリアミック酸の主鎖末端にtert-ブトキシカルボニル基(Boc基)を導入し、当該重合体を用いて液晶配向膜を形成することにより、シール剤と液晶配向膜との接着性を高めることが開示されている。また、特許文献2には、重合体と、求核性官能基又は酸性官能基を1分子内に2個以上有する化合物と、求電子官能基を1分子内に2個以上有する化合物とを含有する液晶配向剤を用いることにより、リワーク性及び液晶配向性が良好な液晶配向膜を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
国際公開第2019/022215号
特開2022-71804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、液晶素子の高精細化に伴い、品質に対する要求は更に厳しくなっている。こうし
た要求を満たすべく、液晶素子には、液晶配向性や電圧保持特性を更に良化することが求められている。また、ラビング法の適用や、液晶配向性及び電圧保持率の改善、歩留まり低下の抑制等を考慮すると、液晶配向剤を用いて形成される有機膜は十分に高い強度を有することが求められる。加えて、液晶素子の特性としては、長期に亘って使用した場合にも高い電圧保持率を示し、信頼性に優れていることが求められる。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、液晶配向性、電圧保持特性及び膜強度に優れた液晶配向膜を得ることができ、かつ信頼性に優れた液晶素子を製造することができる液晶配向剤を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
【0008】
<1> 下記の(A)重合体及び(B)化合物:
(A)重合性炭素-炭素不飽和結合含有基、イソシアネート基、保護されたイソシアネート基、環状カーボネート基、メチロール基、保護されたメチロール基、ケテン構造を有する基、メルドラム酸構造を有する基、環状エーテル基、環状チオエーテル基、オキサゾリン基、ヒドロキシアルキルアミド基及び保護されたヒドロキシアルキルアミド基よりなる群から選択される少なくとも1種である基F
1
を主鎖末端部分に有する重合体、
(B)前記基F
1
若しくは前記基F
1
中の脱離性基が脱離することによって生じた基F
1A
と反応し得るか、又は脱離性基を有し当該脱離性基が脱離することにより、前記基F
1
若しくは前記基F
1A
と反応し得る基である基F
2
を1分子内に合計2個以上有する化合物(ただし、前記(A)重合体を除く。)
を含有する、液晶配向剤。
【0009】
<2> 上記<1>の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<3> 上記<1>の液晶配向剤を基板上に塗布し、該塗布した後に光照射又はラビング処理により液晶配向能を付与する、液晶配向膜の製造方法。
<4> 上記<2>の液晶配向膜を備える液晶素子。
<5> 上記<1>の液晶配向剤を、導電膜を有する一対の基板のそれぞれの前記導電膜上に塗布して塗膜を形成する工程と、前記液晶配向剤を塗布した一対の基板を、液晶層を挟んで前記塗膜が対向するように配置して液晶セルを構築する工程と、前記導電膜間に電圧を印加した状態で前記液晶セルに光照射する工程と、を含む、液晶素子の製造方法。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、上記の(A)重合体及び(B)化合物を含有することにより、液晶配向性、電圧保持特性及び膜強度に優れた液晶配向膜を得ることができる。また、信頼性に優れた液晶素子を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)
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