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公開番号2024127072
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035936
出願日2023-03-08
発明の名称前庭電気刺激装置、該前庭電気刺激装置を有する制御システム、および制御方法
出願人株式会社村田製作所
代理人弁理士法人深見特許事務所
主分類G06F 3/01 20060101AFI20240912BHJP(計算;計数)
要約【課題】実際の加速度感覚に近い感覚の疑似加速度をユーザに与えることが可能な前庭電気刺激装置を提供することである。
【解決手段】ユーザ(Ur1)の前庭に電流を印加する第1電極(E1)および第2電極(E2)と、第1電極(E1)と第2電極(E2)との間の電流の目標値を受け付ける入力部(140)と、入力部(140)が受け付けた目標値に応じた電流を第1電極(E1)および第2電極(E2)に印加する制御回路(110)とを備え、制御回路(110)は、目標値に応じた電流の印加を開始したときから第1期間(Dr1)に亘って電流値を変化させて、第1電極(E1)と第2電極(E2)との間の電流値を目標値に到達させ、第1電極(E1)と第2電極(E2)との間の電流値が目標値に到達した状態から第2期間(Dr2)に亘って電流値を変化させて、目標値に応じた電流の印加を停止し、第2期間(Dr2)は、第1期間(Dr1)よりも長い期間である。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
ユーザの前庭に電流を印加する第1電極および第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間の電流の目標値を受け付ける入力部と、
前記入力部が受け付けた前記目標値に応じた電流を前記第1電極および前記第2電極に印加する制御回路とを備え、
前記制御回路は、
前記目標値に応じた電流の印加を開始したときから第1期間に亘って電流値を変化させて、前記第1電極と前記第2電極との間の電流値を前記目標値に到達させ、
前記第1電極と前記第2電極との間の電流値が前記目標値に到達した状態から第2期間に亘って電流値を変化させて、前記目標値に応じた電流の印加を停止し、
前記第2期間は、前記第1期間よりも長い期間である、前庭電気刺激装置。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
前記制御回路は、予め設定される電流の変化率を用いて、前記入力部が受け付けた前記目標値から前記第1期間および前記第2期間を定める、請求項1に記載の前庭電気刺激装置。
【請求項3】
前記制御回路は、前記第1電極と前記第2電極との間の電流値を予め定められた上限閾値以下となるように制御する、請求項1に記載の前庭電気刺激装置。
【請求項4】
前記第1期間は、0.1秒以上であって0.3秒未満の期間である、請求項1に記載の前庭電気刺激装置。
【請求項5】
前記第2期間は、0.3秒以上であって2.0秒以下の期間である、請求項1に記載の前庭電気刺激装置。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の前記前庭電気刺激装置と、
前記前庭電気刺激装置と接続される外部装置と、を備える制御システムであって、
前記入力部は、前記目標値に加えて、前記第1電極と前記第2電極との間の電流の極性を受け付け、
前記外部装置は、
ユーザの操作を受け付ける操作部と、
ユーザに対して画像を表示する表示装置と、
前記操作部で受け付けた操作入力値に応じて、仮想空間内におけるオブジェクトの動作する画像を前記表示装置に表示させる制御部とを備え、
前記制御部は、前記仮想空間内での前記オブジェクトの動作に基づいて前記前庭電気刺激装置に出力する前記目標値および前記極性を定める、制御システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記仮想空間内における前記オブジェクトの速度に基づいて前記目標値を定める、請求項6に記載の制御システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記仮想空間内における前記オブジェクトの質量を予め設定し、前記オブジェクトの質量に応じて前記目標値を補正する、請求項6に記載の制御システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記仮想空間内での前記オブジェクトの動作に基づいて定めた前記目標値および前記極性を前記前庭電気刺激装置に出力する前に、逆極性の電流を前記前庭電気刺激装置に出力する、請求項6に記載の制御システム。
【請求項10】
前記表示装置は、ユーザの頭部に取り付けられるヘッドマウントディスプレイである、請求項6に記載の制御システム。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、前庭電気刺激装置、該前庭電気刺激装置を含む制御システム、および制御方法に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
近年、ユーザの前庭に電気刺激を与えることによって、ユーザに疑似的な加速度を体験させる前庭電気刺激装置が開発されている。このような前庭電気刺激(GVS:Galvanic Vestibular Stimulation)は、ゲームまたは映画などアミューズメント分野、自動車運転シミュレーション等の特定の状況下における感覚をユーザに体験させるシミュレーション分野、および動揺病等の治療、予防の医療分野など多種多様な分野への活用が期待されている。
【0003】
特開2017-60581号公報(特許文献1)には、左右方向と前後方向とに加えて、上下方向の加速度をユーザに与えることが可能な前庭電気刺激装置が記載されている。
【0004】
特許文献1には、一人称視点のVR(Virtual Reality)ゲームに適用される前庭電気刺激装置について記載されている。より具体的には特許文献1には、ハングライダーで飛行する主キャラクタを、VRゲームをプレイするユーザに操作させ、当該主キャラクタの加速度情報に対応したレベルの電流値を電極に印加することが記載されている。また、特許文献1には、前庭電気刺激装置によって略矩形波の電流が前庭に印加されることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2017-60581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
VR等の一人称視点のゲームに対して前庭電気刺激装置を適用する場合、一人称視点の視覚情報に合わせた電気刺激がユーザに与えられる。しかしながら、一人称視点の視覚情報に合わせて、単純に略矩形波の電流を電極に印加してユーザに電気刺激を与えるだけでは電気刺激によって発生する疑似加速度と実際にユーザが感じる加速度とが異なり、ユーザの視覚による認識と加速度感覚とに差異が生じてしまう場合がある。ユーザの視覚による認識と加速度感覚とに差異が生じると、動揺病の発生が誘発され、ユーザの没入感も低減してしまう。そのため、ユーザが知覚する実際の加速度感覚に近い感覚の疑似加速度を与えることが可能な前庭電気刺激装置が望まれている。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、実際の加速度感覚に近い感覚の疑似加速度をユーザに与えることが可能な前庭電気刺激装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る前庭電気刺激装置は、ユーザの前庭に電流を印加する第1電極および第2電極と、第1電極と第2電極との間の電流の目標値を受け付ける入力部と、入力部が受け付けた目標値に応じた電流を第1電極および第2電極に印加する制御回路とを備える。制御回路は、目標値に応じた電流の印加を開始したときから第1期間に亘って電流値を変化させて、第1電極と第2電極との間の電流値を目標値に到達させ、第1電極と第2電極との間の電流値が目標値に到達した状態から第2期間に亘って電流値を変化させて、目標値に応じた電流の印加を停止し、第2期間は、第1期間よりも長い期間である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、前庭に電流を印加する場合に、電流を目標値まで立ち上げる期間よりも、電流を目標値から立ち下げる期間を長くすることにより、実際の加速度感覚に近い感覚の疑似加速度をユーザに与えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
前庭電気刺激装置を有する実施の形態1の制御システムを示す図である。
電極に電流が印加される一例を示す図である。
比較例の前庭電気刺激装置による電流印加の一例を示す図である。
実施の形態1における前庭電気刺激装置による電流印加の一例を示す図である。
前庭電気刺激装置における制御回路によって実行されるフローチャートである。
実施の形態2における制御システムを説明するための図である。
x軸方向の加速度を定める例を説明するための表である。
実施の形態2におけるゲーム装置によって実行されるフローチャートである。
予備的な疑似加速度を与える条件を説明するための図である。
変形例における前庭電気刺激装置による電流印加の一例を示す図である。
ピッチ方向の加速度感覚が与えられる電極配置を示す図である。
ヨー方向の加速度感覚が与えられる電極配置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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