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公開番号2024158939
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-11-08
出願番号2023074589
出願日2023-04-28
発明の名称熱拡散デバイス及び電子機器
出願人株式会社村田製作所
代理人弁理士法人WisePlus
主分類F28D 15/04 20060101AFI20241031BHJP(熱交換一般)
要約【課題】液相の作動媒体の輸送を局所的に制御することが容易で、最大熱輸送量を向上させることが可能な熱拡散デバイスを提供する。
【解決手段】厚み方向Tに対向する第1内面10a及び第2内面10bを有し、かつ、内部空間が設けられた筐体10と、筐体10の内部空間に封入された作動媒体20と、筐体10の内部空間に設けられたウィック30と、を備え、ウィック30には、厚み方向Tにおいて筐体10の第1内面10aに近づく第1凸部51が周縁に位置する第1貫通孔41が設けられ、厚み方向Tから見たとき、ウィック30は、第1貫通孔41が設けられた第1貫通孔配置領域61と、第1貫通孔41が設けられておらず、かつ、第1貫通孔配置領域61を横切る第1貫通孔非配置領域71と、を含む、熱拡散デバイス1A。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
厚み方向に対向する第1内面及び第2内面を有し、かつ、内部空間が設けられた筐体と、
前記筐体の前記内部空間に封入された作動媒体と、
前記筐体の前記内部空間に設けられたウィックと、を備え、
前記ウィックには、前記厚み方向において前記筐体の前記第1内面に近づく第1凸部が周縁に位置する第1貫通孔が設けられ、
前記厚み方向から見たとき、前記ウィックは、前記第1貫通孔が設けられた第1貫通孔配置領域と、前記第1貫通孔が設けられておらず、かつ、前記第1貫通孔配置領域を横切る第1貫通孔非配置領域と、を含む、ことを特徴とする熱拡散デバイス。
続きを表示(約 750 文字)【請求項2】
前記厚み方向から見たとき、前記第1貫通孔非配置領域は、前記筐体の長手方向に垂直な方向に延びている、請求項1に記載の熱拡散デバイス。
【請求項3】
前記厚み方向から見たとき、前記第1貫通孔非配置領域は、前記筐体の長手方向に平行な方向に延びている、請求項1に記載の熱拡散デバイス。
【請求項4】
前記厚み方向から見たとき、前記第1貫通孔非配置領域は、交差部を有している、請求項1に記載の熱拡散デバイス。
【請求項5】
前記厚み方向から見たとき、前記第1貫通孔非配置領域は、前記筐体の長手方向に垂直な方向と前記筐体の長手方向に平行な方向との両方向に延びている、請求項4に記載の熱拡散デバイス。
【請求項6】
前記第1貫通孔非配置領域において折り曲げられている、請求項1に記載の熱拡散デバイス。
【請求項7】
前記ウィックには、前記厚み方向において前記筐体の前記第2内面に近づく第2凸部が周縁に位置する第2貫通孔が更に設けられている、請求項1に記載の熱拡散デバイス。
【請求項8】
前記厚み方向から見たとき、前記ウィックは、前記第2貫通孔が設けられた第2貫通孔配置領域と、前記第2貫通孔が設けられておらず、かつ、前記第2貫通孔配置領域を横切る第2貫通孔非配置領域と、を更に含む、請求項7に記載の熱拡散デバイス。
【請求項9】
前記厚み方向から見たとき、前記第1貫通孔非配置領域及び前記第2貫通孔非配置領域は重なっている、請求項8に記載の熱拡散デバイス。
【請求項10】
請求項1~9のいずれかに記載の熱拡散デバイスを備える、ことを特徴とする電子機器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱拡散デバイス及び電子機器に関する。
続きを表示(約 1,600 文字)【背景技術】
【0002】
近年、素子の高集積化及び高性能化により、発熱量が増加している。また、製品の小型化により、発熱密度が増加している。このような状況は、スマートフォン、タブレット等のモバイル端末の分野において特に顕著である。このような事情から、放熱対策を行うことが重要となっている。
【0003】
放熱対策用の部材としては、グラファイトシート等が用いられることが多いが、その熱輸送量は充分ではないため、熱を拡散させることが可能である様々な熱拡散デバイスの使用が検討されている。
【0004】
特許文献1には、外縁部で接合された対向する上部筐体シートと下部筐体シートとを含み、内部空間を有する筐体と、上記内部空間に封入された作動液と、上記下部筐体シートのうち上記内部空間に配置され、上記作動液の流路を構成するマイクロチャネルと、上記筐体の上記内部空間に配置され、上記マイクロチャネルに接触して配置されたシート状のウィックと、を備え、上記ウィックと上記マイクロチャネルの接触面積は、上記内部空間を平面視した面積に対して5%~40%である、ベーパーチャンバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2021/229961号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載のベーパーチャンバーでは、作動液(作動媒体とも言う)に対する毛細管力をウィックで発現しつつ、作動液の液体流路をマイクロチャネルで構成することにより、作動液の輸送を制御している。しかしながら、特許文献1に記載のベーパーチャンバーでは、ウィック及びマイクロチャネルの2つの部材で作動液の輸送を制御しているため、2つの部材間での位置ずれが生じることで、作動液の輸送を局所的に制御することが困難である、という問題が生じる。
【0007】
更に、特許文献1に記載のベーパーチャンバーにおいて、最大熱輸送量を向上させるためには、ウィックとマイクロチャネルとを密着させる必要がある。しかしながら、特許文献1に記載のベーパーチャンバーでは、例えば、特許文献1の図4に示されているように、ウィックの孔とマイクロチャネルとが重なる部分において、ウィックとマイクロチャネルとが密着していないため、最大熱輸送量を向上させることができない、という問題が生じる。
【0008】
なお、上記の問題は、ベーパーチャンバーに限らず、ベーパーチャンバーと同様の構成によって熱を拡散させることが可能な熱拡散デバイスに共通する問題である。
【0009】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、液相の作動媒体の輸送を局所的に制御することが容易で、最大熱輸送量を向上させることが可能な熱拡散デバイスを提供することを目的とするものである。また、本発明は、上記熱拡散デバイスを有する電子機器を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の熱拡散デバイスは、厚み方向に対向する第1内面及び第2内面を有し、かつ、内部空間が設けられた筐体と、上記筐体の上記内部空間に封入された作動媒体と、上記筐体の上記内部空間に設けられたウィックと、を備え、上記ウィックには、上記厚み方向において上記筐体の上記第1内面に近づく第1凸部が周縁に位置する第1貫通孔が設けられ、上記厚み方向から見たとき、上記ウィックは、上記第1貫通孔が設けられた第1貫通孔配置領域と、上記第1貫通孔が設けられておらず、かつ、上記第1貫通孔配置領域を横切る第1貫通孔非配置領域と、を含む、ことを特徴とする。
(【0011】以降は省略されています)

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