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公開番号2025014310
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-01-30
出願番号2023116779
出願日2023-07-18
発明の名称ヒートパイプ
出願人古河電気工業株式会社
代理人個人,個人
主分類F28D 15/04 20060101AFI20250123BHJP(熱交換一般)
要約【課題】作動流体の還流の効率を高めることができ、それにより優れた熱輸送特性を備えたヒートパイプを提供する。
【解決手段】ヒートパイプ1は、作動流体Fが封入された内部空間Sを有するコンテナ2に、液相の作動流体FLを蒸発させて気相の作動流体Fgに相変化させる蒸発部3と、蒸発部3から離隔した位置に配設され、気相の作動流体Fgを凝縮させて液相の作動流体FLに相変化させる凝縮部4と、蒸発部3と凝縮部4の間に位置する中間部5とを備え、蒸発部3における横断面で見て、第1の銅粉末の焼結体からなり、コンテナ2の内周面2a上の特定領域に形成されている第1焼結体層6と、第1の銅粉末よりも大きな平均粒径をもつ第2の銅粉末の焼結体からなり、コンテナ2の内周面2aとの間に第1焼結体層6が介装された状態で、コンテナ2の内周面2aの全体にわたって環状に形成されている第2焼結体層7と、を有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
作動流体が封入された内部空間を有するコンテナに、
液相の作動流体を蒸発させて気相の作動流体に相変化させる蒸発部と、
前記蒸発部から離隔した位置に配設され、気相の作動流体を凝縮させて液相の作動流体に相変化させる凝縮部と、
前記蒸発部と前記凝縮部の間に位置する中間部と
を備えるヒートパイプにおいて、
前記蒸発部における前記ヒートパイプの横断面で見て、
第1の銅粉末の焼結体からなり、前記コンテナの内周面上の特定領域に形成されている第1焼結体層と、
前記第1の銅粉末よりも大きな平均粒径をもつ第2の銅粉末の焼結体からなり、前記コンテナの内周面との間に前記第1焼結体層が介装された状態で、前記コンテナの内周面全体にわたって環状に形成されている第2焼結体層と、
を有する、ヒートパイプ。
続きを表示(約 720 文字)【請求項2】
前記ヒートパイプの長手方向を含む縦断面で見て、
前記第1焼結体層の配設長さは、前記蒸発部の長手方向寸法よりも長く、かつ、
前記第2焼結体層の配設長さは、前記第1焼結体層の配設長さよりも長い、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項3】
前記第2焼結体層は、前記中間部のいずれかの位置で終端する、請求項2に記載のヒートパイプ。
【請求項4】
前記凝縮部で相変化させた液相の作動流体は、中間部に位置する前記第2焼結体層の内部空隙を通じた毛細管力によって前記蒸発部に向かって流れ、前記第2焼結体層の外周面と、前記第1焼結体層の内周面との接触界面を通じて、前記第2焼結体層から前記第1焼結体層に向かって流れるように構成される、請求項3に記載のヒートパイプ。
【請求項5】
前記特定領域は、前記コンテナの、発熱体と対向する部分を構成する内周面の領域を含む、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項6】
前記コンテナの内周面に、前記コンテナの長手方向に沿って延在する複数の溝が形成されている、請求項1に記載のヒートパイプ。
【請求項7】
前記第1焼結体層は、前記特定領域に位置する前記溝内にも充填形成されている、請求項6に記載のヒートパイプ。
【請求項8】
前記第2焼結体層は、前記蒸発部で相変化させた気相の作動流体の蒸気流と、前記凝縮部で相変化させた液相の作動流体の液流とを実質的に隔離し、かつ前記液流が、前記複数の溝を通る経路と、前記第2焼結体層の内部空隙を通じた経路とに分かれて構成される、請求項6に記載のヒートパイプ。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、熱輸送特性を有するヒートパイプに関する。
続きを表示(約 2,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年のノートパソコンをはじめとした、デジタルカメラ、携帯電話などの電気・電子機器に搭載されている半導体素子などの電子部品は、高機能化に伴う高密度搭載などにより、発熱量が増大する傾向があることから、効率よく冷却できるような構成を採用することが重要である。電子部品を冷却するための手段としては、例えばヒートパイプを用いて冷却する方法が挙げられる。
【0003】
ここでヒートパイプは、一般的に、作動流体が封入された内部空間を有する管状容器(コンテナ)を備える。管状容器は、一端側部分に、液相の作動流体を蒸発させて気相の作動流体に相変化させる蒸発部を有し、他端側部分に、気相の作動流体を凝縮させて液相の作動流体に相変化させる凝縮部を有する。蒸発部で液相から気相に相変化させた作動流体は、蒸発部から凝縮部に流れる。凝縮部で気相から液相に相変化させた作動流体は、凝縮部から蒸発部に流れる。このようにして、管状容器内の蒸発部と凝縮部の間で作動流体の還流による循環流れが形成されることによって、管状容器内の蒸発部と凝縮部の間で熱輸送を行っている。
【0004】
従来のヒートパイプとしては、例えば特許文献1には、密閉状態の中空部を有するパイプ本体と、該パイプ本体の内周面に接するように配置された多孔質金属体層と、前記パイプ本体内に封入された作動流体とを備えてなり、このうち多孔質金属体層が、その周方向に区画された第1の多孔質部と、この第1の多孔質部より気孔率が小である第2の多孔質部と、を有するヒートパイプが記載されている。このヒートパイプでは、主に第1の多孔質部によって液相の作動流体を移動するとともに、主として第2の多孔質部によってパイプ本体と作動流体との間の熱交換を図るとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特開2003-148886号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載されるヒートパイプでは、第2の多孔質部で作動流体を液相から気相に相変化しているが、さらなる電子機器の発熱量増大に対応していくためには、より多くの作動流体を効率よく還流させる必要がある。ここで、第2の多孔質部の厚さを大きくすれば、作動流体の還流の効率を高めることは可能であるが、気相の作動流体が流通する中空部が狭くなるため、かえってヒートパイプの熱輸送特性が低下する。
【0007】
本発明の目的は、作動流体の還流の効率を高めることができ、それにより優れた熱輸送特性を備えたヒートパイプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の要旨構成は、以下のとおりである。
(1)作動流体が封入された内部空間を有するコンテナに、液相の作動流体を蒸発させて気相の作動流体に相変化させる蒸発部と、前記蒸発部から離隔した位置に配設され、気相の作動流体を凝縮させて液相の作動流体に相変化させる凝縮部と、前記蒸発部と前記凝縮部の間に位置する中間部とを備えるヒートパイプにおいて、前記蒸発部における前記ヒートパイプの横断面で見て、第1の銅粉末の焼結体からなり、前記コンテナの内周面上の特定領域に形成されている第1焼結体層と、前記第1の銅粉末よりも大きな平均粒径をもつ第2の銅粉末の焼結体からなり、前記コンテナの内周面との間に前記第1焼結体層が介装された状態で、前記コンテナの内周面全体にわたって環状に形成されている第2焼結体層と、を有する、ヒートパイプ。
(2)前記ヒートパイプの長手方向を含む縦断面で見て、前記第1焼結体層の配設長さは、前記蒸発部の長手方向寸法よりも長く、かつ、前記第2焼結体層の配設長さは、前記第1焼結体層の配設長さよりも長い、上記(1)に記載のヒートパイプ。
(3)前記第2焼結体層は、前記中間部のいずれかの位置で終端する、上記(2)に記載のヒートパイプ。
(4)前記凝縮部で相変化させた液相の作動流体は、中間部に位置する前記第2焼結体層の内部空隙を通じた毛細管力によって前記蒸発部に向かって流れ、前記第2焼結体層の外周面と、前記第1焼結体層の内周面との接触界面を通じて、前記第2焼結体層から前記第1焼結体層に向かって流れるように構成される、上記(3)に記載のヒートパイプ。
(5)前記特定領域は、前記コンテナの、発熱体と対向する部分を構成する内周面の領域を含む、上記(1)から(4)のいずれか1項に記載のヒートパイプ。
(6)前記コンテナの内周面に、前記コンテナの長手方向に沿って延在する複数の溝が形成されている、上記(1)から(5)のいずれか1項に記載のヒートパイプ。
(7)前記第1焼結体層は、前記特定領域に位置する前記溝内にも充填形成されている、上記(6)に記載のヒートパイプ。
(8)前記第2焼結体層は、前記蒸発部で相変化させた気相の作動流体の蒸気流と、前記凝縮部で相変化させた液相の作動流体の液流とを実質的に隔離し、かつ前記液流が、前記複数の溝を通る経路と、前記第2焼結体層の内部空隙を通じた経路とに分かれて構成される、上記(6)または(7)に記載のヒートパイプ。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、作動流体の還流の効率を高めることができ、それにより優れた熱輸送特性を備えたヒートパイプを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1は、第1の実施形態のヒートパイプの内部構造を示した図であって、図1(a)が縦断面図、図1(b)が図1(a)のI

-I

線上で切断したときの断面図、図1(c)が図1(a)のI

-I

線上で切断したときの断面図である。
図2は、図1のヒートパイプについて、動作中に内部で生じる作動流体の流れを説明する断面図である。
図3は、第2の実施形態のヒートパイプの内部構造を示した図であって、図3(a)が縦断面図、図3(b)が図3(a)のII

-II

線上で切断したときの断面図、図3(c)が図3(a)のII

-II

線上で切断したときの断面図である。
図4は、本発明例および比較例のヒートパイプの内部構造を示した横断面図であって、図4(a)が本発明例のヒートパイプの横断面図、図4(b)が比較例のヒートパイプの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
(【0011】以降は省略されています)

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