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公開番号2025034356
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-13
出願番号2023140677
出願日2023-08-31
発明の名称熱電発電機能付き熱交換器
出願人TPR株式会社
代理人個人
主分類F28F 3/06 20060101AFI20250306BHJP(熱交換一般)
要約【課題】効率よく熱電発電と熱交換とを行うことが可能な一体で構成された熱電発電機能付き熱交換器を提供する。
【解決手段】この熱電発電機能付き熱交換器1は、第1流体を流すための第1流路R1と、第1流路R1に近接配置され、第1流体F1と温度が異なる第2流体F2を流すための第2流路R2と、第1流路R1と第2流路R2との間に配置され、温度差により発電を行う熱電素子4と、を備えている。熱電発電機能付き熱交換器1においては、第1流路R1と第2流路R2とが近接している範囲は、第1流体F1および第2流体F2が並向流として近接する第1近接範囲NA1と、対向流として近接する第2近接範囲NA2とに主に分かれており、熱電素子4が少なくとも第1近接範囲NA1に配置されて並向流により熱電発電を行うとともに、第2近接範囲NA2において対向流により熱交換が行われる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項１】
互いの温度が異なる第１流体および第２流体を導入し、当該第１流体と当該第２流体との温度差により熱電発電を行うとともに、当該第１流体と当該第２流体との間で熱交換を行い、当該第１流体および当該第２流体を導出する熱電発電機能付き熱交換器であって、
前記第１流体を導入するための第１流体導入口および導出するための第１流体導出口を有し、前記第１流体導入口から前記第１流体導出口へ向けて当該第１流体を流すための第１流路と、
前記第１流路に近接配置され、前記第２流体を導入するための第２流体導入口および導出するための第２流体導出口を有し、前記第２流体導入口から前記第２流体導出口へ向けて当該第２流体を流すための第２流路と、
前記第１流路と前記第２流路との間に配置され、前記第１流路側と前記第２流路側との温度差により発電を行う熱電素子と、を備え、
前記第１流路は、前記第１流体を第１方向側へ向けて流した後、折り返し部分を経て前記第１方向側と反対方向側の第２方向側へ向けて流すよう形成されており、
前記第２流路は、前記第２流体を前記第１方向側へ向けて流すよう形成されており、
前記第１流路と前記第２流路とが近接している範囲は、前記第１流体および前記第２流体が同じ前記第１方向側へ向けて流れて並向流として近接する第１近接範囲と、前記第１流体および前記第２流体が互いに反対の方向側へ向けて流れて対向流として近接する第２近接範囲とに主に分かれており、
前記熱電素子が少なくとも前記第１近接範囲に配置されて前記並向流により前記熱電発電を行うとともに、少なくとも前記第２近接範囲において前記対向流により前記熱交換が行われる、ことを特徴とする熱電発電機能付き熱交換器。
続きを表示（約 2,600 文字）【請求項２】
請求項１に記載の熱電発電機能付き熱交換器において、
前記第１流体導入口、前記第１流体導出口、および前記第２流体導入口は、前記第１流路または前記第２流路の前記第２方向側に配置されており、
前記第２流体導出口は、前記第２流路の前記第１方向側に配置されている、熱電発電機能付き熱交換器。
【請求項３】
請求項２に記載の熱電発電機能付き熱交換器において、
前記第１流体として高温流体が導入され、
前記第２流体として低温流体が導入されるよう構成された熱電発電機能付き熱交換器。
【請求項４】
請求項１に記載の熱電発電機能付き熱交換器において、
前記熱電素子は、前記第１近接範囲のみに配置されている熱電発電機能付き熱交換器。
【請求項５】
請求項１～４のいずれか一項に記載の熱電発電機能付き熱交換器において、
前記熱電素子として、薄板形状に形成され、互いに離間して配置される複数枚の熱電素子と、
積層方向に積層された少なくとも２枚の金属プレートからなり当該金属プレートの間に前記第１流路が形成された第１流路モジュール、および、前記積層方向に積層された少なくとも２枚の金属プレートからなり当該金属プレートの間に前記第２流路が形成された第２流路モジュールを含み、当該第１流路モジュールおよび当該第２流路モジュールの間に前記複数枚の熱電素子のうちの１枚を挟んで前記積層方向に少なくとも２つ以上のモジュールが交互に積層された中間積層体と、
前記積層方向に積層された少なくとも２枚の金属プレートからなり、前記中間積層体の最も前記積層方向一方側に配置された流路モジュールが、前記第１流路モジュールの場合には当該金属プレートの間に前記第２流路が形成されており、または、前記第２流路モジュールの場合には当該金属プレートの間に前記第１流路が形成されており、前記中間積層体との間に前記複数枚の熱電素子のうちの１枚を挟んで前記中間積層体の前記積層方向一方側に積層された第３流路モジュールと、
前記積層方向に積層された少なくとも２枚の金属プレートからなり、前記中間積層体の最も前記積層方向他方側に配置された流路モジュールが、前記第１流路モジュールの場合には当該金属プレートの間に前記第２流路が形成されており、または、前記第２流路モジュールの場合には当該金属プレートの間に前記第１流路が形成されており、前記中間積層体との間に前記複数枚の熱電素子のうちの１枚を挟んで前記中間積層体の前記積層方向他方側に積層された第４流路モジュールと、
前記第１流体の供給路、前記第１流体の排出路、前記第２流体の供給路、および、前記第２流体の排出路として、それぞれ、少なくとも前記第３流路モジュールおよび前記第４流路モジュールのいずれかの露出面から、前記積層方向に重なり合った複数の前記第１流体導入口、複数の前記第１流体導出口、複数の前記第２流体導入口、および、複数の前記第２流体導出口までを一直線状に貫く第１～第４の貫通流路と、を備える熱電発電機能付き熱交換器。
【請求項６】
請求項５に記載の熱電発電機能付き熱交換器において、
前記第１流路モジュールは、積層された金属プレートとして、前記積層方向一方側の面に前記熱電素子の密着面が形成されており、前記積層方向他方側の面に前記第１流路を前記積層方向に対して直交する面で分割した片側の流路壁面が形成されている第１プレートと、前記積層方向一方側の面に前記第１流路の残りの片側流路壁面が形成されており、前記積層方向他方側の面に前記熱電素子の密着面が形成されている第２プレートとからなり、
前記第２流路モジュールは、積層された金属プレートとして、前記積層方向一方側の面に前記熱電素子の密着面が形成されており、前記積層方向他方側の面に前記第２流路を前記積層方向に対して直交する面で分割した片側の流路壁面が形成されている第３プレートと、前記積層方向一方側の面に前記第２流路の残りの片側流路壁面が形成されており、前記積層方向他方側の面に前記熱電素子の密着面が形成されている第４プレートとからなり、
前記第３流路モジュールは、積層された金属プレートとして、前記積層方向一方側の面が露出面となっており、前記積層方向他方側の面に前記第１流路または前記第２流路を前記積層方向に対して直交する面で分割した片側の流路壁面が形成されている第５プレートと、当該第５プレートに形成された片側の流路壁面と対応させた残りの片側の流路壁面が形成された前記第２プレートまたは前記第４プレートとからなり、
前記第４流路モジュールは、積層された金属プレートとして、前記第１プレートまたは前記第３プレートと、前記積層方向一方側の面に前記第１プレートまたは前記第３プレートに形成された片側の流路壁面と対応させた残りの片側の流路壁面が形成され、前記積層方向他方側の面が露出面となっている第６プレートとからなる、熱電発電機能付き熱交換器。
【請求項７】
請求項６に記載の熱電発電機能付き熱交換器において、
前記第１～第６プレートは、前記第１流路、前記第２流路、および、前記第１～第４の貫通流路を流れる流体の漏れを防止するパッキン、シール材、または、ろう材を介し積層され、締結具により互いに密着して締結されている熱電発電機能付き熱交換器。
【請求項８】
請求項１～４のいずれか一項に記載の熱電発電機能付き熱交換器において、
前記第１方向側に向かって延び、その先で折り返し部分を経て前記第２方向側に向かって延びている１または複数本の細長い金属管からなり、当該金属管の内部が前記第１流体を流すための前記第１流路となっているチューブと、
前記第１方向側および前記第２方向側が開口する筒状形状を有し、前記チューブの両端部を突出させて前記チューブの中央部を取り囲うように配置されて、内壁面と前記チューブ外壁面との間が前記第２流体を流すための前記第２流路となっているシェルと、を備え、
前記熱電素子としての長尺で線状若しくはシート状の熱電素子が前記チューブを構成する１または複数本の前記金属管に巻き付けられ、もしくは、貼り付けられて設置されている熱電発電機能付き熱交換器。

発明の詳細な説明【技術分野】
【０００１】
本発明は、熱電発電機能付き熱交換器に関する。更に詳しくは、本発明は、高温流体および低温流体が導入され、その流体間で熱交換を行うとともに、その流体間の温度差を利用して熱電発電を行うことが可能な熱電発電機能付き熱交換器に関する。
続きを表示（約 1,900 文字）【背景技術】
【０００２】
熱交換器は、工場等で発生した高温流体を水等の低温流体と熱交換させて温度を下げて排出させたい場合等、さまざまな場面で用いられている。一方で、近年、ゼーベック効果によって熱エネルギーを電気エネルギーに変換する熱電素子を利用して発電するシステムが提案されている（例えば、特許文献１）。
【０００３】
特許文献１には、熱電素子を備えた発電モジュールおよび熱交換器を搭載する発電システムが提案されており、この発電システムでは、供給高温流体および供給低温流体をまず発電モジュールに導入し、発電モジュール内でそれぞれの流体を対向させて流すことでゼーベック効果を用いて熱電発電する。その後この発電システムでは、発電モジュールから導出された高温流体、および発電モジュールから導出された低温流体に流量制御弁を用いて供給低温流体を加え温度調整した低温流体を熱交換器に導入し、熱交換器内でそれぞれの流体を対向させて流すことで互いに熱交換させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００４】
特開２０１６－１５８４２４号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
特許文献１で提案されている発電システムは、発電モジュールと熱交換器とが別体として構成されており、温度センサで温度を確認しながら、互いを繋ぐ配管に配置した流量制御弁を用い、発電効率と熱交換効率を考慮して制御するシステムである。このように発電モジュールと熱交換器とを別体として構成すると、互いを繋ぐ配管を必要とすることもあって、サイズが大きく複雑な構成になってしまう傾向にあるため、一体で効率よく熱電発電と熱交換とを行えるものが望まれている。
【０００６】
本発明の主目的は、このような点に鑑みて、効率よく熱電発電と熱交換とを行うことが可能な一体で構成された熱電発電機能付き熱交換器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
上記課題を解決すべく、本発明に係る熱電発電機能付き熱交換器は、互いの温度が異なる第１流体および第２流体を導入し、第１流体と第２流体との温度差により熱電発電を行うとともに、第１流体と第２流体との間で熱交換を行い、第１流体および第２流体を導出する熱電発電機能付き熱交換器である。この熱電発電機能付き熱交換器は、第１流体を導入するための第１流体導入口および導出するための第１流体導出口を有し、第１流体導入口から第１流体導出口へ向けて第１流体を流すための第１流路と、第１流路に近接配置され、第２流体を導入するための第２流体導入口および導出するための第２流体導出口を有し、第２流体導入口から第２流体導出口へ向けて第２流体を流すための第２流路と、第１流路と第２流路との間に配置され、第１流路側と第２流路側との温度差により発電を行う熱電素子と、を備えている。この熱電発電機能付き熱交換器においては、第１流路は、第１流体を第１方向側へ向けて流した後、折り返し部分を経て第１方向側と反対方向側である第２方向側へ向けて流すよう形成されており、第２流路は、第２流体を第１方向側へ向けて流すよう形成されている。また、この熱電発電機能付き熱交換器においては、第１流路と第２流路とが近接している範囲は、第１流体および第２流体が同じ第１方向側へ向けて流れて並向流として近接する第１近接範囲と、第１流体および第２流体が互いに反対の方向側へ向けて流れて対向流として近接する第２近接範囲とに主に分かれている。そして、この熱電発電機能付き熱交換器においては、熱電素子が少なくとも第１近接範囲に配置されて並向流により熱電発電を行うとともに、少なくとも第２近接範囲において対向流により熱交換が行われる、ことを特徴とする。
【０００８】
また、本発明に係る熱電発電機能付き熱交換器においては、第１流体導入口、第１流体導出口、および第２流体導入口は、第１流路または第２流路の第２方向側に配置されており、第２流体導出口は、第２流路の第１方向側に配置されていることが好ましい。
【０００９】
また、本発明に係る熱電発電機能付き熱交換器においては、第１流体として高温流体が導入され、第２流体として低温流体が導入されるよう構成されていることがより好ましい。
【００１０】
また、本発明に係る熱電発電機能付き熱交換器においては、熱電素子は、第１近接範囲のみに配置されていることが好ましい。
（【００１１】以降は省略されています）

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