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公開番号2024179811
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-26
出願番号2023098960
出願日2023-06-16
発明の名称密閉構造体用冷却装置
出願人中部抵抗器株式会社
代理人個人
主分類F28D 15/02 20060101AFI20241219BHJP(熱交換一般)
要約【課題】 外気とペルチェ素子とで密閉構造体の内気を冷却する冷却装置において、ヒートパイプの管壁の熱伝導に起因するペルチェ素子の冷却効率の低下を生じさせない。
【解決手段】 冷却装置2Aは、a)内気流通部3に設けられる第1受熱フィン11と、ペルチェ素子4Aの吸熱面に熱的に接触する第1伝熱ブロック12と、これらに熱接合される第1ヒートパイプ13とを含む第1のヒートパイプユニット10、b)ペルチェ素子4Aの放熱面に熱的に接触する第2伝熱ブロック21と、外気流通部5に設けられる第2放熱フィン22と、これらに熱接合される第2ヒートパイプ23とを含む第2のヒートパイプユニット20、および、c)内気流通部3に設けられる第3受熱フィン31と、外気流通部5に設けられる第3放熱フィン32と、これらに熱接合される第3ヒートパイプ33とを含む第3のヒートパイプユニット30、を有するものとして構成した。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
密閉構造体の内気を冷却するための密閉構造体用冷却装置であって、
内気流通部に設けられる第1受熱フィンと、ペルチェ素子の吸熱面に熱的に接触する第1伝熱ブロックと、これらに一体的に熱接合される第1ヒートパイプとを含む第1のヒートパイプユニット、
ペルチェ素子の放熱面に熱的に接触する第2伝熱ブロックと、外気流通部に設けられる第2放熱フィンと、これらに一体的に熱接合される第2ヒートパイプとを含む第2のヒートパイプユニット、
および、内気流通部に設けられる第3受熱フィンと、外気流通部に設けられる第3放熱フィンと、これらに一体的に熱接合される第3ヒートパイプとを含む第3のヒートパイプユニット
を有することを特徴とする密閉構造体用冷却装置。
続きを表示(約 1,200 文字)【請求項2】
内気流通部に設けられる上記の第1受熱フィンと第3受熱フィンとが、上記の第1ヒートパイプと第3ヒートパイプとの双方に熱接合する一体の内気側受熱フィンであることを特徴とする請求項1に記載の密閉構造体用冷却装置。
【請求項3】
上記の第1ヒートパイプと第3ヒートパイプとが、互いに一体となった受熱管部分を下部に有していて、
当該受熱管部分が上記の内気側受熱フィンに熱接合され、
当該受熱管部分の上方に分岐部を有し、当該分岐部の先に上記の第1ヒートパイプと第3ヒートパイプとが分かれて延び、それぞれが、上記分岐部よりも上方にある上記の第1伝熱ブロックおよび第3放熱フィンに熱接合されている
ことを特徴とする請求項2に記載の密閉構造体用冷却装置。
【請求項4】
上記の第1ヒートパイプと第3ヒートパイプとが、互いに一体となった受熱管部分を下部に有していて、
当該受熱管部分が上記の内気側受熱フィンに熱接合され、
当該受熱管部分の上方に分岐部を有し、当該分岐部の先に上記の第1ヒートパイプと第3ヒートパイプとが分かれて延び、それぞれが、上記分岐部よりも下方にある上記の第1伝熱ブロックと、上記分岐部よりも上方にある第3放熱フィンとに熱接合されていて、
上記の第1伝熱ブロックに熱接合された上記の第1ヒートパイプの下端が、上記の内気側受熱フィンと熱接合された上記受熱管部分の下端と連通されている
ことを特徴とする請求項2に記載の密閉構造体用冷却装置。
【請求項5】
上記の内気側受熱フィンが、上記の第1伝熱ブロックの側方の位置に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の密閉構造体用冷却装置。
【請求項6】
上記の第3ヒートパイプにおける上記第3放熱フィンの下端部と、上記の第1ヒートパイプにおける上記第1伝熱ブロックの上端部との間が、それらのヒートパイプに沿って、各ヒートパイプの外径の10倍以上の距離だけ離れていることを特徴とする請求項4または5に記載の密閉構造体用冷却装置。
【請求項7】
上記のペルチェ素子への電流の向きが変更可能であることにより、密閉構造体の内気を加熱することが可能であることを特徴とする請求項4または5に記載の密閉構造体用冷却装置。
【請求項8】
上記した第1~第3のヒートパイプユニットを略同一の平面内に含むヒートパイプユニット群が、略同一の高さに略平行に複数組み付けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の密閉構造体用冷却装置。
【請求項9】
上記した第1~第3のヒートパイプユニットを略同一の平面内に含むヒートパイプユニット群が、略同一の高さに略平行に複数組み付けられているとともに、隣接するヒートパイプユニット群の間で上記の分岐部同士が連通されていることを特徴とする請求項3~5に記載の密閉構造体用冷却装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱する電子機器類を内部に有する筐体等の密閉構造体につき、内気(内部の空気)を冷却するための密閉構造体用冷却装置に関するものである。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
密閉構造体の内気を冷却する装置として下記の特許文献1に記載のものがある。同文献1には図9の構成が示されており(図中の大きめの文字による符号とそれへの引出し線は本件明細書での説明用に追記した)、冷却装置2’が、密閉構造体1’の内気をヒートパイプ81とペルチェ素子82、および外気を用いて冷却する。すなわち、内気流通部83から外気流通部84にかけてヒートパイプ81を取り付け、内気流通部83においてそのヒートパイプ81に受熱部85を設ける一方、外気流通部84において、同じヒートパイプ81の上端部と中ほどの部分とにそれぞれ第1および第2の放熱部86・87を設けている。第1放熱部86は、ファンを用いてヒートパイプ81を外気で冷却する部分であり、第2放熱部87は、ヒートパイプ81にペルチェ素子82の吸熱面を熱的に接触させた部分である。そのペルチェ素子82の放熱面は、上記とは別のファンによって冷却している。ヒートパイプ81内の作動液は、受熱部85で受け取った熱量を第2放熱部87および第1放熱部86において外気に放出するため、密閉構造体1’の内気を冷却することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-203211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の冷却装置2’には、下記の点で改善の余地があると考えられる。すなわち、
・ 第1および第2の放熱部86・87を同時に機能させる場合、第1放熱部86に熱的に接触しているヒートパイプの表面温度は、第2放熱部87でペルチェ素子82の吸熱面(低温面)と熱的に接触しているヒートパイプの表面温度よりも高くなる。そのため、第1放熱部86からペルチェ素子82の吸熱面に向けてヒートパイプ81の管壁の熱伝導による伝熱が生じ、その伝熱量の分だけペルチェ素子82による密閉構造体の内気を冷却する能力が低下する。一般的なヒートパイプの管壁材料としては熱伝導の高い銅、アルミ等の金属が使用されるため、この熱伝導の影響によるペルチェ素子82の冷却効率の低下は無視できない。
・ ヒートパイプ81に沿って設けられた上記の第1放熱部86および第2放熱部87が、密閉構造体1’の壁面に沿った外気流通部84の上下に配置されていて、それぞれの放熱部86・87にファンを設けて冷却風を導入しているため、ファンおよび通風部のスペースが大きくなり、装置が大型化しがちである。
【0005】
本発明は上記の点を考慮して、ヒートパイプの管壁の熱伝導に起因するペルチェ素子の冷却効率の低下を生じさせない等の利点を有する、改善された冷却装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、密閉構造体の内気を冷却するための密閉構造体用冷却装置であって、
a) 内気流通部に設けられる第1受熱フィンと、ペルチェ素子の吸熱面に熱的に接触する第1伝熱ブロックと、これらに一体的に熱接合(伝熱可能に接合することをいう。以下同様)される第1ヒートパイプとを含む第1のヒートパイプユニット、
b) ペルチェ素子の放熱面に熱的に接触する第2伝熱ブロックと、外気流通部に設けられる第2放熱フィンと、これらに一体的に熱接合される第2ヒートパイプとを含む第2のヒートパイプユニット、および、
c) 内気流通部に設けられる第3受熱フィンと、外気流通部に設けられる第3放熱フィンと、これらに一体的に熱接合される第3ヒートパイプとを含む第3のヒートパイプユニット
を有することを特徴とする。
なお、上記において、受熱フィン、伝熱ブロック、ヒートパイプおよび放熱フィンのそれぞれには、ヒートパイプユニットの番号(第1~第3)に合わせて番号付けしている。したがって各名称中の番号は連番とはなっておらず、「第1放熱フィン」「第2受熱フィン」の名は上記説明中にない。
本発明による冷却装置の一例を図1に示している。図示の冷却装置2Aは、密閉構造体1の内気を冷却する装置であって、上記a)~c)に該当する各ヒートパイプユニット10・20・30を有している。
【0007】
上記発明によると、
・ 第1のヒートパイプユニットにおいて、第1ヒートパイプにより内気からペルチェ素子の吸熱面に熱輸送されるため、内気がペルチェ素子によって冷却される。
・ 第2のヒートパイプユニットにおいて、第2ヒートパイプによりペルチェ素子の放熱面が外気で冷却される。
・ 第3のヒートパイプユニットにおいて、第3ヒートパイプにより内気が外気で冷却される。
そして上記の構成では、内気流通部の第1受熱フィンに熱接合された第1ヒートパイプの上端はペルチェ素子(第1伝熱ブロック)との接触部分にとどまり、外気流通部にまでは延伸していない。内気流通部の第3受熱フィンから外気流通部の第3放熱フィンにまで延びているのは、第1ヒートパイプとつながっていない第3ヒートパイプであり、これにペルチェ素子は熱接合されていない。そのため、ペルチェ素子による内気冷却と外気による内気冷却とを同時に実施しても、外気流通部からペルチェ素子の冷却面への伝熱が生じない。したがって、ペルチェ素子が冷却し得る熱量の全てが内気の冷却に利用でき、ペルチェ素子による内気の冷却効率の低下が生じない。
なお、ペルチェ素子は、ヒートポンプに比べて冷却性能が低く、冷却効率が極めて低いので、上記のような伝熱を生じさせないことは、ペルチェ素子の冷却性能を内気冷却に有効に利用するために重要である。その点は、ひいてはペルチェ素子の使用電力の低減にも大きく寄与するので、省エネ運転を可能にするともいえる。
【0008】
上記発明の冷却装置においては、さらに、内気流通部に設けられる上記の第1受熱フィンと第3受熱フィンとが、上記の第1ヒートパイプと第3ヒートパイプとの双方に熱接合する一体の内気側受熱フィンであると好ましい。
たとえば、図1の装置では第1受熱フィン11と第3受熱フィン31とが分離した別々のものであるが、両者を一体にした共通の受熱フィンにするわけである。
【0009】
第1受熱フィンと第3受熱フィンとが、上記のように第1ヒートパイプと第3ヒートパイプとの双方に熱接合する一体の内気側受熱フィンであるなら、ペルチェ素子による冷却か外気による冷却かの単独での運転をする際、受熱フィンの有効伝熱表面積を(図1に示した例よりも)実質上拡大して使用することができ、それぞれの冷却性能を向上できる。
【0010】
発明の冷却装置においてさらに、
上記の第1ヒートパイプと第3ヒートパイプの下方の一部が、互いに一体となった受熱管部分を有していて、
当該受熱管部分が上記の内気側受熱フィン(上記のとおり第1受熱フィンと第3受熱フィンとが一体になったもの)に熱接合され、
当該受熱管部分の上方に分岐部があり、当該分岐部の先に上記の第1ヒートパイプと第3ヒートパイプとが分かれて延び、それぞれが、上記分岐部よりも上方にある上記の第1伝熱ブロックおよび第3放熱フィンに熱接合されている
との構成をとるのも好ましい。
こうした冷却装置の一例を図4に示す。図示の冷却装置2Bでは、上記第1・第3のヒートパイプユニット10・30における第1ヒートパイプ13と第3ヒートパイプ33とについて、下方の一部が、一体の受熱管部分43を形成し、その受熱管部分43が内気側受熱フィン41に熱接合されている。第2のヒートパイプユニット20については、上述の(図1の)構成と変わりがない。
(【0011】以降は省略されています)

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