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公開番号2024126822
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023035482
出願日2023-03-08
発明の名称ポリアミド樹脂組成物、樹脂部材、および金属樹脂複合体
出願人三井化学株式会社
代理人弁理士法人鷲田国際特許事務所
主分類C08L 77/06 20060101AFI20240912BHJP(有機高分子化合物;その製造または化学的加工;それに基づく組成物)
要約【課題】耐トラッキング性が十分に高められたポリアミド樹脂組成物、およびその樹脂部材、ならびに金属樹脂複合体を提供することを目的とする。
【解決手段】ポリアミド樹脂組成物であって、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が320℃以上である、ポリアミド樹脂(A)と、前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対する含有量が8質量%以上である、吸熱フィラー(B)と、を含み、前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)と、ジアミンに由来する成分単位(Ab)とを含み、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は、芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位を含み、前記芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位の含有量は、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)の総モル数に対して90モル%以上100モル%以下であり、前記吸熱フィラー(B)は、ホウ酸金属化合物またはアルミニウム化合物である、ポリアミド樹脂組成物。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
ポリアミド樹脂組成物であって、
示差走査熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が320℃以上である、ポリアミド樹脂(A)と、
前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対する含有量が8質量%以上である、吸熱フィラー(B)と、
を含み、
前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)と、ジアミンに由来する成分単位(Ab)とを含み、
前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は、芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位を含み、
前記芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位の含有量は、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)の総モル数に対して90モル%以上100モル%以下であり、
前記吸熱フィラー(B)は、ホウ酸金属化合物またはアルミニウム化合物である、
ポリアミド樹脂組成物。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位の含有量は、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)の総モル数に対して100モル%である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項3】
前記芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位は、テレフタル酸に由来する成分単位、およびイソフタル酸に由来する成分単位を含む、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項4】
前記ポリアミド樹脂(A)の総末端基量は、100mmol/kg以上300mmol/kg以下である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項5】
前記ポリアミド樹脂(A)の総末端基量は、150mmol/kg以上250mmol/kg以下である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項6】
前記吸熱フィラー(B)の含有量は、前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対して10質量%以上である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項7】
前記吸熱フィラー(B)はホウ酸金属化合物である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項8】
前記ポリアミド樹脂(A)は、前記ポリアミド樹脂(A)に含まれる成分単位を構成する炭素原子の総数に対する、芳香環を含む成分単位に含まれる前記芳香環を構成する炭素原子の総数の割合が25%以上50%以下である、請求項1に記載のポリアミド樹脂組成物。
【請求項9】
請求項1~8のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を含む、樹脂部材。
【請求項10】
金属部材と、
前記金属部材に複合化された、請求項1~8のいずれか一項に記載のポリアミド樹脂組成物を含む樹脂部材と、を含む、
金属樹脂複合体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリアミド樹脂組成物、樹脂部材、および金属樹脂複合体に関する。
続きを表示(約 2,000 文字)【背景技術】
【0002】
従来より、成形材料として、ポリアミド樹脂組成物が知られている。ポリアミド樹脂組成物は、例えば、自動車用部品、電気・電子用部品などの種々の部品の材料として広く用いられており、成形体の機械的強度に優れることが知られている。
【0003】
ポリアミド樹脂組成物を含む樹脂部材が自動車用部品(例えばバスバーなど)、電気・電子用部品に用いられたとき、トラッキングが生じ得る。そのため、ポリアミド樹脂組成物をこれらの用途に用いるとき、樹脂部材の耐トラッキング性を高めることが要求される。
【0004】
例えば、特許文献1には、分子中に複数のスルホニル基を含むポリスルホン樹脂と、ポリアミド樹脂とを含み、上記ポリアミド樹脂の含有率が、ポリスルホン樹脂とポリアミド樹脂の合計質量に対して1質量%以上45質量%以下である電気絶縁性樹脂組成物が開示されている。特許文献1では、上記樹脂組成物は、優れた耐トラッキング性を示したとされている。
【0005】
また、例えば、特許文献2には、熱可塑性ポリアミドと、ジアルキルホスフィン酸塩などの難燃剤とを含むポリアミド樹脂組成物が開示されている。特許文献2では、上記ポリアミド樹脂組成物は、耐トラッキング性が良好であったとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2012-021115号公報
特表2019-507227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1および特許文献2に記載されたように、耐トラッキング性を高めたポリアミド樹脂組成物が知られている。その上で、ポリアミド樹脂組成物の耐トラッキング性をより十分に高めたいという要望が存在する。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、耐トラッキング性が十分に高められたポリアミド樹脂組成物、およびその樹脂部材、ならびに金属樹脂複合体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための、本発明の一態様は、下記[1]~[8]のポリアミド樹脂組成物に関する。
[1]ポリアミド樹脂組成物であって、示差走査熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が320℃以上である、ポリアミド樹脂(A)と、前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対する含有量が8質量%以上である、吸熱フィラー(B)と、を含み、前記ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)と、ジアミンに由来する成分単位(Ab)とを含み、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)は芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位を含み、前記芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位の含有量は、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)の総モル数に対して90モル%以上100モル%以下であり、前記吸熱フィラー(B)は、ホウ酸金属化合物またはアルミニウム化合物である、ポリアミド樹脂組成物。
[2]前記芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位の含有量は、前記ジカルボン酸に由来する成分単位(Aa)の総モル数に対して100モル%である、[1]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[3]前記芳香族ジカルボン酸に由来する成分単位は、テレフタル酸に由来する成分単位、およびイソフタル酸に由来する成分単位を含む、[1]または[2]に記載のポリアミド樹脂組成物。
[4]前記ポリアミド樹脂(A)の総末端基量は、100mmol/kg以上300mmol/kg以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[5]前記ポリアミド樹脂(A)の総末端基量は、150mmol/kg以上250mmol/kg以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[6]前記吸熱フィラー(B)の含有量は、前記ポリアミド樹脂組成物の全質量に対して10質量%以上である、[1]~[5]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[7]前記吸熱フィラー(B)はホウ酸金属化合物である、[1]~[6]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
[8]前記ポリアミド樹脂(A)は、前記ポリアミド樹脂(A)に含まれる成分単位を構成する炭素原子の総数に対する、芳香環を含む成分単位に含まれる前記芳香環を構成する炭素原子の総数の割合は25%以上35%以下である、[1]~[7]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物。
【0010】
上記課題を解決するための、本発明の一態様は、下記[9]の樹脂部材に関する。
[9][1]~[8]のいずれかに記載のポリアミド樹脂組成物を含む、樹脂部材。
(【0011】以降は省略されています)

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