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公開番号
2024126508
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-20
出願番号
2023034914
出願日
2023-03-07
発明の名称
車両用シート
出願人
日本発條株式会社
代理人
弁理士法人太陽国際特許事務所
主分類
B60N
2/58 20060101AFI20240912BHJP(車両一般)
要約
【課題】コストの上昇を抑制しつつ、シート表皮に対する吊り込み力を向上させることが可能な車両用シートを得る。
【解決手段】シートバックパッド16には、縦溝30、横溝26及び交差溝32が形成され、交差溝32は縦溝30及び横溝26に対して交差している。トリムワイヤ52は直線状に形成され、横溝26内でインサートワイヤと対向可能に配置され、トリムワイヤ52の端末部52Aは横溝26内から交差溝32内へ向かって張り出しシートバックパッド16に突き当たるように設定される。トリムワイヤ52が設けられた部位では、ホグリングを介してトリムワイヤ52及びインサートワイヤでシートバック表皮18を吊り込み可能となるため、その分、インサートワイヤ34側の剛性が高くなり、シートバック表皮18の吊り込み力を向上させることができる。また、トリムワイヤ52に対して曲げ加工を行う必要もないため、コストの削減を図ることが可能となる。
【選択図】図1
特許請求の範囲
【請求項1】
着座乗員を弾性的に支持するパッドと、
前記パッドの意匠面を被覆するシート表皮と、
前記パッドの意匠面に凹設され、シート上下方向又はシート前後方向に沿って形成された縦溝と、前記縦溝と交差しシート幅方向に沿って形成された横溝と、前記縦溝と前記横溝の間に形成され当該縦溝及び当該横溝に対して交差する交差溝と、を含んで構成された溝部が形成され、前記溝部に対応して当該パッド内に埋設され、ホグリングを介して前記シート表皮を吊り込み可能とするインサートワイヤと、
前記横溝内において前記インサートワイヤと対向可能に配置されて前記ホグリングを介して当該インサートワイヤに係合され、端末部が当該横溝内から前記交差溝内へ向かって直線状に張り出し前記パッドに突き当たるトリムワイヤと、
を備えた車両用シート。
続きを表示(約 450 文字)
【請求項2】
前記パッドには、前記トリムワイヤの端末部が嵌合される嵌合部が形成されている請求項1に記載の車両用シート。
【請求項3】
前記溝部は、奥壁部と、前記奥壁部とそれぞれ繋がり互いに対向して形成された一対の側壁部と、を含んで構成され、
前記嵌合部は、前記溝部と、前記一対の側壁部の一方から前記奥壁部と対向して張り出し、先端と前記一対の側壁部の他方との間に前記トリムワイヤが通過可能な隙間を設け、前記隙間を通じて前記奥壁部との間に前記トリムワイヤの端末部を配置可能とする張出片と、を含んで構成される請求項2に記載の車両用シート。
【請求項4】
前記トリムワイヤは、前記端末部を除き直線状に形成されている請求項1に記載の車両用シート。
【請求項5】
前記パッドは、着座乗員の上体を支持するシートバックパッドとされ、
前記シート表皮は、前記シートバックパッドの意匠面を被覆するシートバック表皮とされている請求項1に記載の車両用シート。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用シートに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載された車両用シートでは、シートバックの内部にインサートワイヤが設けられている。表皮側に設けられたワイヤとインサートワイヤとがホグリングによって連結されている。これにより、表皮がインサートワイヤによって吊り込まれた状態で支持されるようになっている。
【0003】
ここで、インサートワイヤが直線状の線材によって形成されている場合、インサートワイヤが引っ張られたときに、当該インサートワイヤがパッドから抜け出てしまうおそれがある。このため、先行技術では、インサートワイヤの上端部、下端部に、それぞれ上折曲げ部、下折曲げ部が形成されている。これにより、インサートワイヤに大きな引張り力が加わった場合でも当該インサートワイヤはパッドから抜け出ることがないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特許6422305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記先行技術では、インサートワイヤにおいて、上端部、下端部にそれぞれ上折曲げ部、下折曲げ部を形成するため、インサートワイヤの製造工程において、曲げ工程が追加されることになる。このため、その分コストが上昇してしまう。
【0006】
本発明は上記事実を考慮し、コストの上昇を抑制しつつ、シート表皮に対する吊り込み力を向上させることが可能な車両用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様に係る車両用シートは、着座乗員を弾性的に支持するパッドと、前記パッドの意匠面を被覆するシート表皮と、前記パッドの意匠面に凹設され、シート上下方向又はシート前後方向に沿って形成された縦溝と、前記縦溝と交差しシート幅方向に沿って形成された横溝と、前記縦溝と前記横溝の間に形成され当該縦溝及び当該横溝に対して交差する交差溝と、を含んで構成された溝部が形成され、前記溝部に対応して当該パッド内に埋設され、ホグリングを介して前記シート表皮を吊り込み可能とするインサートワイヤと、前記横溝内において前記インサートワイヤと対向可能に配置されて前記ホグリングを介して当該インサートワイヤに係合され、端末部が当該横溝内から前記交差溝内へ向かって直線状に張り出し前記パッドに突き当たるトリムワイヤと、を備えている。
【0008】
第1の態様に係る車両用シートでは、パッド、シート表皮、インサートワイヤ及びトリムワイヤを備えている。着座乗員はパッドによって弾性的に支持され、パッドの意匠面はシート表皮によって被覆されている。ここで、パッドの意匠面には、溝部が凹設されている。溝部は、縦溝、横溝及び交差溝を含んで構成されており、縦溝は、シート上下方向又はシート前後方向に沿って形成されている。一方、横溝は、縦溝と交差しシート幅方向に沿って形成されている。また、交差溝は、縦溝と横溝の間に形成されており、当該縦溝及び当該横溝に対して交差している。
【0009】
ここで、インサートワイヤは、溝部に対応して当該パッド内に埋設されており、ホグリングを介してシート表皮を吊り込み可能とする。一方、トリムワイヤは、横溝内においてインサートワイヤと対向可能に配置されており、ホグリングを介して当該インサートワイヤに係合される。また、トリムワイヤの端末部は、当該横溝内から交差溝内へ向かって直線状に張り出し、パッドに突き当たるように設定されている。
【0010】
トリムワイヤが設けられている部位では、ホグリングを介してトリムワイヤ及びインサートワイヤでシート表皮が吊り込み可能とされる。このため、トリムワイヤが設けられている部位では、トリムワイヤが設けられていない部位よりもインサートワイヤ側の剛性が高くなり、その分、シート表皮を吊り込む吊り込み力を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)
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