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公開番号2024126358
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034678
出願日2023-03-07
発明の名称発熱型フロントパウダー
出願人品川リフラクトリーズ株式会社
代理人個人,個人
主分類B22D 11/108 20060101AFI20240912BHJP(鋳造;粉末冶金)
要約【課題】 長時間保管しても湿気によって固結せず、酸化剤としての機能が低下せず、連続鋳造開始時の溶鋼表面への熱の供給と溶融スラグ層の形成が速やかであり、鋳片品質を向上させることができる発熱型フロントパウダーを提供すること
【解決手段】 発熱型フロントパウダーは、基材と、金属又は合金と、酸化剤とを含み、酸化剤が過酸化カルシウムを含む。
【選択図】 なし
特許請求の範囲【請求項1】
基材と、金属又は合金と、酸化剤とを含み、
前記酸化剤が過酸化カルシウムを含むことを特徴とする発熱型フロントパウダー。
続きを表示(約 260 文字)【請求項2】
請求項1に記載の発熱型フロントパウダーにおいて、
前記過酸化カルシウムの含有量が2.5質量%以上15.0質量%以下であることを特徴とする発熱型フロントパウダー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の発熱型フロントパウダーにおいて、
前記金属又は前記合金がSi、Al、Ca-Si、Al-Mg、Al-Ca-Mg、Fe-Siの群から選ばれる1種以上であり、前記金属又は前記合金の合計含有量が5.0質量%以上20.0質量%以下であることを特徴とする発熱型フロントパウダー。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、鋼の連続鋳造に好適な発熱型フロントパウダーに関する。
続きを表示(約 1,500 文字)【背景技術】
【0002】
鋼の連続鋳造では、タンディッシュに貯留された溶鋼を、浸漬ノズルを介してモールドに流し込んで冷却、凝固させながら、凝固したシェル(凝固シェル)をロールを用いてモールドの下方向に連続的に引き抜くことにより、スラブ、ブルーム、ビレット等の各種形状の鋳片を連続的に製造する。モールド内の溶鋼の表面には、粉末状又は顆粒状のモールドパウダーが投入される。モールドパウダーは溶鋼の熱によって溶融し(以下、溶融状態のモールドパウダーを「溶融スラグ」という)、溶融スラグ層を形成して溶鋼の表面を覆い、溶融スラグは凝固シェルとモールドとの間に流入し、凝固シェルと並行して排出、消費される。投入から消費までの間のモールドパウダーの主な役割は以下のとおりである。
(1)溶鋼表面の保温及び酸化防止
(2)溶鋼から浮上する非金属介在物の吸収及び溶鋼の清浄化
(3)凝固シェルとモールドとの間の潤滑の確保
(4)凝固シェルからモールドへの熱流束の制御
【0003】
連続鋳造開始時は冷えたモールドに溶鋼が流し込まれるため、溶鋼表面の温度が下がり、例えば、溶鋼表面に凝固した鋼(デッケル)が生じることがある。また、モールドパウダーの溶融が円滑に進まず、上記(1)~(4)の役割が十分に果たされず、例えば、溶鋼中から浮上した介在物や気泡が凝固シェルに捕捉され、介在物欠陥やピンホール欠陥が生じることがある。
【0004】
上記の問題を解決するため、鋳造開始時には金属と酸化剤を含むモールドパウダー(発熱型フロントパウダー)が用いられている。発熱型フロントパウダーは、金属と酸化剤の発熱反応により、溶鋼表面に熱を供給すると共に、自身も速やかに溶融して溶融スラグ層を形成する。
【0005】
特許文献1は、金属又は合金3~20質量%と、アルカリ金属硝酸塩3~15質量%を含む連続鋳造用発熱型フロントパウダーを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
特開2019-136766号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1が開示する硝酸塩は酸化剤として有用である。一方で、硝酸塩は潮解性、吸湿性があるため、保管中に湿気によって固結する場合がある。固結した硝酸塩を含む発熱型フロントパウダーは分散性が低下し、酸化剤としての機能が低下する。このため溶鋼表面への熱の供給や溶融スラグ層が不足し、拘束性ブレークアウトや介在物欠陥の増加といった鋳片品質の悪化につながることがある。
【0008】
本開示は上記実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、長時間保管しても湿気によって固結せず、酸化剤としての機能が低下せず、連続鋳造開始時の溶鋼表面への熱の供給と溶融スラグ層の形成が速やかであり、鋳片品質を向上させることができる発熱型フロントパウダーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一の態様は、
基材と、金属又は合金と、酸化剤とを含み、
前記酸化剤が過酸化カルシウムを含むことを特徴とする発熱型フロントパウダーに関する。
【0010】
本開示の発熱型フロントパウダーを用いると、長時間保管しても湿気によって固結せず、酸化剤としての機能が低下せず、連続鋳造開始時の溶鋼表面への熱の供給と溶融スラグ層の形成が速やかであり、鋳片品質を向上させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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