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公開番号2024126189
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-20
出願番号2023034416
出願日2023-03-07
発明の名称電力変換装置
出願人富士電機株式会社
代理人弁理士法人扶桑国際特許事務所
主分類H01L 25/07 20060101AFI20240912BHJP(基本的電気素子)
要約【課題】封止部材の熱膨張に伴う力によりワイヤが離脱する可能性を低減させる。
【解決手段】ワイヤ100は、導電部61に接合され、一方の第1端部を含む接合部100aと、導電部62に接合され、他方の第2端部を含む接合部100bと、導電部61及び導電部62の間を跨いで、接合部100aの第1連結点と接合部100bの第1連結点に対向する第2連結点とを繋ぎ、基板のおもて面から離間する配線部100cと、を含み、導電部61及び導電部62を接続する。ワイヤ100の第1端部から第1連結点に延伸する接合部100aの延伸方向D2aは、接合部100aから接合部100bを繋ぐ方向D3aに対して、封止部材の熱膨張により平面視で接合部100aに生じる力の方向D1に近づくように鋭角に傾いている。
【選択図】図8
特許請求の範囲【請求項1】
第1導電部及び第2導電部がおもて面に設けられた基板と、
前記第1導電部に接合され、一方の第1端部を含む第1接合部と、前記第2導電部に接合され、他方の第2端部を含む第2接合部と、前記第1導電部及び前記第2導電部の間を跨いで、前記第1接合部の第1連結点と前記第2接合部の前記第1連結点に対向する第2連結点とを繋ぎ、前記基板の前記おもて面から離間する第1配線部と、を含み、前記第1導電部及び前記第2導電部を接続する第1ワイヤと、
前記基板及び前記第1ワイヤを収納する収納領域を含むケースと、
前記収納領域に充填されて前記基板及び前記第1ワイヤを封止する封止部材と、
を有し、
前記第1ワイヤの前記第1端部から前記第1連結点に延伸する前記第1接合部の第1延伸方向は、前記第1接合部から前記第2接合部を繋ぐ第1方向に対して、前記封止部材の熱膨張により平面視で前記第1接合部に生じる力の第2方向に近づくように鋭角に傾いている、
電力変換装置。
続きを表示(約 2,500 文字)【請求項2】
前記基板の前記おもて面には第3導電部及び第4導電部がさらに設けられ、
前記電力変換装置は、前記第3導電部に接合され、一方の第3端部を含む第3接合部と、前記第4導電部に接合され、他方の第4端部を含む第4接合部と、前記第3導電部及び前記第4導電部の間を跨いで、前記第3接合部の第3連結点と前記第4接合部の前記第3連結点に対向する第4連結点とを繋ぎ、前記基板の前記おもて面から離間する第2配線部と、を含み、前記第3導電部及び前記第4導電部を接続し、前記封止部材によって封止される第2ワイヤをさらに有し、
前記第2ワイヤの前記第3接合部にも前記第2方向に対する前記力が生じており、
前記第2ワイヤの前記第3接合部から前記第4接合部を繋ぐ方向は、前記第1方向と平行であり、
前記第2ワイヤの前記第3端部から前記第3連結点に延伸する前記第3接合部の第2延伸方向は、前記第1方向に対して前記第2方向に近づくように鋭角に傾いている、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記第1接合部より前記第3接合部の方が前記第2方向の上流側に配置されており、
前記第2延伸方向の前記第1方向に対する傾き角度は、前記第1延伸方向の前記第1方向に対する傾き角度より大きい、
請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項4】
充填された前記封止部材の上面より低い位置に、前記基板に対向し、前記第1ワイヤの前記第1接合部及び前記第2ワイヤの前記第3接合部を覆う対向面を含む被覆部材をさらに有し、
前記第1接合部より前記第3接合部の方が、前記第1方向に平行で前記対向面の平面視での中心を通る中心線との距離が近い位置に配置されており、
前記第2延伸方向の前記第1方向に対する傾き角度は、前記第1延伸方向の前記第1方向に対する傾き角度より大きい、
請求項2に記載の電力変換装置。
【請求項5】
充填された前記封止部材の上面より低い位置に、前記基板に対向し、前記第1ワイヤの前記第1接合部を覆う対向面を含む被覆部材をさらに有し、
前記第1方向に対する前記第1延伸方向の傾き角度は、前記第1方向に平行で前記対向面の平面視での中心を通る中心線と、前記第1接合部との距離が近いほど、大きく設定される、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記傾き角度は、前記基板の前記おもて面から前記対向面までの高さが低いほど、大きく設定される、
請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
主電極をおもて面に含む半導体チップを備え、
前記基板は絶縁板と前記絶縁板のおもて面に設けられ、前記半導体チップが接合される第1回路パターンを含む複数の回路パターンとを含み、
前記第1導電部は、前記主電極または前記第1回路パターンを除いた前記複数の回路パターンのいずれかであり、
前記第2導電部は、前記主電極または前記第1回路パターンを除いた前記複数の回路パターンのいずれかである、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項8】
前記第1ワイヤの径は、300μm以上、500μm以下である、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項9】
第1導電部及び第2導電部がおもて面に設けられた基板と、
前記第1導電部に接合され、一方の第1端部を含む第1接合部と、前記第2導電部に接合され、他方の第2端部を含む第2接合部と、前記第1導電部及び前記第2導電部の間を跨いで、前記第1接合部の第1連結点と前記第2接合部の前記第1連結点に対向する第2連結点とを繋ぎ、前記基板の前記おもて面から離間する第1配線部と、を含み、前記第1導電部及び前記第2導電部を接続する第1ワイヤと、
前記基板及び前記第1ワイヤを収納する収納領域を含むケースと、
前記収納領域に充填されて前記基板及び前記第1ワイヤを封止する封止部材と、
充填された前記封止部材の上面より低い位置に、前記基板に対向し、前記第1ワイヤの前記第1接合部を覆う対向面を含む被覆部材と、
を有し、
前記第1接合部から前記第2接合部を繋ぐ第1方向に対して、前記第1ワイヤの前記第1端部から前記第1連結点に延伸する前記第1接合部の第1延伸方向は、前記第1方向に平行で前記対向面の平面視での中心を通る中心線から前記中心線に直交して前記第1接合部側に向かう第2方向に近づくように、鋭角に傾いている、
電力変換装置。
【請求項10】
前記基板の前記おもて面には第3導電部及び第4導電部がさらに設けられ、
前記電力変換装置は、前記第3導電部に接合され、一方の第3端部を含む第3接合部と、前記第4導電部に接合され、他方の第4端部を含む第4接合部と、前記第3導電部及び前記第4導電部の間を跨いで、前記第3接合部の第3連結点と前記第4接合部の前記第3連結点に対向する第4連結点とを繋ぎ、前記基板の前記おもて面から離間する第2配線部と、を含み、前記第3導電部及び前記第4導電部を接続し、前記封止部材によって封止される第2ワイヤをさらに有し、
前記第3接合部は、前記被覆部材の前記対向面に覆われており、
前記第2ワイヤの前記第3接合部から前記第4接合部を繋ぐ方向は、前記第1方向と平行であり、
前記第1接合部より前記第3接合部の方が前記中心線からの距離が近い位置に配置されており、
前記第2ワイヤの前記第3端部から前記第3連結点に延伸する前記第3接合部の第2延伸方向は、前記第1方向に対して前記第2方向に鋭角に傾いており、かつ、前記第2延伸方向の前記第1方向に対する傾き角度は、前記第1延伸方向の前記第1方向に対する傾き角度より大きい、
請求項9に記載の電力変換装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、電力変換装置に関する。
続きを表示(約 2,700 文字)【背景技術】
【0002】
電力変換装置では、半導体チップ(パワーデバイス)が配置された絶縁回路基板がケースに収納されている。ケース内では、絶縁回路基板や半導体チップ、配線のためのワイヤ等がシリコーンゲル等の封止部材によって封止されている(例えば、特許文献1参照)。また、半導体素子を封止する際にワイヤの変形を抑制するために、シリコーン樹脂シートを配置した半導体装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-77747号公報
特開2013-206925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、封止部材の熱膨張に伴う力によりワイヤが離脱する可能性が低減された電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
発明の一観点によれば、基板、第1ワイヤ、ケース及び封止部材を有する電力変換装置が提供される。この電力変換装置において、基板は、第1導電部及び第2導電部がおもて面に設けられている。第1ワイヤは、第1導電部に接合され、一方の第1端部を含む第1接合部と、第2導電部に接合され、他方の第2端部を含む第2接合部と、第1導電部及び第2導電部の間を跨いで、第1接合部の第1連結点と第2接合部の第1連結点に対向する第2連結点とを繋ぎ、基板のおもて面から離間する第1配線部と、を含み、第1導電部及び第2導電部を接続する。ケースは、基板及び第1ワイヤを収納する収納領域を含む。封止部材は、収納領域に充填されて基板及び第1ワイヤを封止する。また、第1ワイヤの第1端部から第1連結点に延伸する第1接合部の第1延伸方向は、第1接合部から第2接合部を繋ぐ第1方向に対して、封止部材の熱膨張により平面視で第1接合部に生じる力の第2方向に近づくように鋭角に傾いている。
【0006】
また、発明の一観点によれば、基板、第1ワイヤ、ケース、封止部材及び被覆部材を有する電力変換装置が提供される。この電力変換装置において、基板は、第1導電部及び第2導電部がおもて面に設けられている。第1ワイヤは、第1導電部に接合され、一方の第1端部を含む第1接合部と、第2導電部に接合され、他方の第2端部を含む第2接合部と、第1導電部及び第2導電部の間を跨いで、第1接合部の第1連結点と第2接合部の第1連結点に対向する第2連結点とを繋ぎ、基板のおもて面から離間する第1配線部と、を含み、第1導電部及び第2導電部を接続する。ケースは、基板及び第1ワイヤを収納する収納領域を含む。封止部材は、収納領域に充填されて基板及び第1ワイヤを封止する。被覆部材は、充填された封止部材の上面より低い位置に、基板に対向し、第1ワイヤの第1接合部を覆う対向面を含む。また、第1接合部から第2接合部を繋ぐ第1方向に対して、第1ワイヤの第1端部から第1連結点に延伸する第1接合部の第1延伸方向は、第1方向に平行で対向面の平面視での中心を通る中心線から中心線に直交して第1接合部側に向かう第2方向に近づくように、鋭角に傾いている。
【0007】
さらに、発明の一観点によれば、基板、第1ワイヤ、ケース及び封止部材を有する電力変換装置が提供される。この電力変換装置において、基板は、第1導電部及び第2導電部がおもて面に設けられている。第1ワイヤは、第1導電部に接合され、一方の第1端部を含む第1接合部と、第2導電部に接合され、他方の第2端部を含む第2接合部と、第1導電部及び第2導電部の間を跨いで第1接合部と第2接合部とを繋ぎ、基板のおもて面から離間する第1配線部と、を含み、第1導電部及び第2導電部を接続する。ケースは、基板及び第1ワイヤを収納する収納領域を含む。封止部材は、収納領域に充填されて基板及び第1ワイヤを封止する。また、基板のおもて面から第1配線部が立ち上がる第1立ち上がり方向は、おもて面に垂直な第1方向に対して、封止部材の熱膨張により平面視で第1ワイヤに生じる力の第2方向側に傾いている。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、封止部材の熱膨張に伴う力によりワイヤが離脱する可能性が低減する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
第1の実施の形態における電力変換装置の第1の平面図である。
第1の実施の形態における電力変換装置の側面図である。
第1の実施の形態における電力変換装置の側断面図である。
第1の実施の形態における電力変換装置の第2の平面図である。
第1の実施の形態における電力変換装置の第3の平面図である。
第1の実施の形態における電力変換装置の第4の平面図である。
第1の実施の形態における電力変換装置の機能の等価回路を示す図である。
封止部材の熱膨張による力の方向及びワイヤの接合方向について説明するための図である。
第1の実施の形態における電力変換装置の一部を拡大した第1の拡大図である。
被覆部材の高さに応じた力の変化及びワイヤの接合方向について説明するための図である。
第1の実施の形態における電力変換装置の一部を拡大した第2の拡大図である。
第2の実施の形態における電力変換装置におけるワイヤの立ち上がり状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、実施の形態について説明する。なお、以下の説明において、「おもて面」及び「上面」とは、図の電力変換装置において、上側(+Z方向)を向いたX-Y面を表す。同様に、「上」とは、図の電力変換装置において、上側(+Z方向)の方向を表す。「裏面」及び「下面」とは、図の電力変換装置において、下側(-Z方向)を向いたX-Y面を表す。同様に、「下」とは、図の電力変換装置において、下側(-Z方向)の方向を表す。必要に応じて他の図面でも同様の方向性を意味する。「おもて面」、「上面」、「上」、「裏面」、「下面」、「下」、「側面」は、相対的な位置関係を特定する便宜的な表現に過ぎず、本発明の技術的思想を限定するものではない。例えば、「上」及び「下」は、必ずしも地面に対する鉛直方向を意味しない。つまり、「上」及び「下」の方向は、重力方向に限定されない。また、以下の説明において「主成分」とは、80vol%以上含む場合を表す。
(【0011】以降は省略されています)

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