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公開番号2024169000
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-12-05
出願番号2023086161
出願日2023-05-25
発明の名称電力調整システム
出願人富士電機株式会社,関西電力株式会社
代理人弁理士法人旺知国際特許事務所
主分類H02J 3/46 20060101AFI20241128BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】経済性を勘案した複数の計画値、その優先度情報、調整力指令値等に基づいて作成した電力指令値に従って各リソースを運転することで、運用計画の作成に要する時間や煩雑さを解消しつつ連系点電力を計画値に維持可能とした電力調整システムを提供する。
【解決手段】系統40との間で交流電力を授受するリソースAと、系統40からの供給電力を用いて所定量のパラメータを生産するリソースBとを備え、連系点41の電力を連系点電力計画値に維持するようにリソースA、Bの電力を調整する電力調整システムにおいて、コントローラ30は、リソースA、Bの制約を満たす範囲で、連系点電力計画値と、リソースAの充放電量計画値と、リソースBによる生産量相当計画値と、補助的電力指令値と、に基づいて、経済性を考慮した優先度に従って各計画値を達成するためのリソースA、B用の電力指令値を決定する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電力系統との間で交流電力を授受可能なリソース、又は前記電力系統から供給された交流電力を用いてパラメータを生産可能なリソース、を含む複数のリソースを備え、
前記複数のリソースと前記電力系統との連系点における電力を、連系点電力計画値、前記計画値を作成する段階で未定である前記連系点の電力指令値である補助的電力指令値、又はこれらの合計値に維持するように、前記複数のリソースの電力を調整する電力調整システムにおいて、
前記複数のリソースのそれぞれに設定された制約を満たす範囲で、前記連系点電力計画値と、前記複数のリソースの授受電力計画値と、前記補助的電力指令値と、に基づいて、経済性を考慮した優先度に従って各計画値及び指令値を達成するための前記複数のリソースのそれぞれの電力指令値を決定するコントローラ
を備えたことを特徴とする電力調整システム。
続きを表示(約 2,700 文字)【請求項2】
請求項1に記載した電力調整システムにおいて、
前記コントローラは、
前記優先度の高い順に前記複数のリソース及び連系点電力の優先順位を決定し、
最も優先順位が低いリソース以外のリソースの電力指令値を、前記最も優先順位が低いリソース以外のリソースの授受電力計画値を達成するために必要な電力とする機能と、
最も優先順位が低いリソースの電力指令値を、前記連系点電力計画値を達成するために必要な電力と前記補助的電力指令値の追従に必要な電力を足したものから、前記最も優先順位が低いリソース以外の全てのリソースの各計画値を達成するために必要な電力の合計を引いたもの、とする機能と、
を備えたことを特徴とする電力調整システム。
【請求項3】
請求項2に記載した電力調整システムにおいて、
前記コントローラは、
前記複数のリソースのうち何れかのリソースであるリソースCの電力指令値が前記リソースCの授受電力の調整可能な範囲外であった場合、前記調整可能な範囲から前記リソースCの電力指令値が超過した分の電力を、前記リソースCよりも優先順位が一つ高いリソースの電力指令値に加算する機能
を備えたことを特徴とする電力調整システム。
【請求項4】
請求項2に記載した電力調整システムにおいて、
前記コントローラは、
前記複数のリソースの電力指令値の合計値が、前記連系点の設備容量を超過した場合、前記連系点の設備容量から前記合計値が超過した分の電力を、連系点電力よりも優先順位が一つ高いリソースの電力指令値から減算する機能
を備えたことを特徴とする電力調整システム。
【請求項5】
請求項4に記載した電力調整システムにおいて、
前記コントローラは、
前記複数のリソースのうち何れかのリソースの授受電力と電力指令値との差分、及び、前記リソースの電力指令値と前記リソースの即応性を勘案して変化率リミッタ又はローパスフィルタを介した前記リソースの電力指令値との差分、の何れかを、前記リソースの次に即応性が低いリソースの電力指令値に加算する機能
を備えたことを特徴とする電力調整システム。
【請求項6】
請求項5に記載した電力調整システムにおいて、
前記複数のリソースは、前記電力系統との間で交流電力を授受可能なリソースAと、前記電力系統から供給された交流電力を用いてパラメータを生産可能なリソースBとを含み、
前記コントローラは、
前記連系点電力計画値、リソースAの前記授受電力計画値である充放電量計画値、及びリソースBの前記授受電力計画値である生産量相当計画値のうち、優先度が高い二つの計画値を選択し、前記充放電量計画値の達成に必要な瞬時電力をP
Breq
、前記生産量相当計画値の達成に必要な瞬時電力をP
Hreq
、前記連系点の電力指令値をP
Treq
とした時に、
前記充放電量計画値及び前記連系点電力計画値の優先度が高い時に、前記リソースB用電力指令値をP
Treq
-P
Breq
とし、かつ、リソースA用電力指令値を、前記P
Treq
から前記リソースB用電力指令値を減算した値とする機能と、
前記生産量相当計画値及び前記連系点電力計画値の優先度が高い時に、前記リソースB用電力指令値を前記P
Hreq
とし、かつ、リソースA用電力指令値を、前記P
Treq
から前記リソースB用電力指令値を減算した値とする機能と、
前記充放電量計画値及び前記生産量相当計画値の優先度が高い時に、前記リソースB用電力指令値を前記P
Hreq
とし、かつ、リソースA用電力指令値を前記P
Breq
とする機能と、
を備えたことを特徴とする電力調整システム。
【請求項7】
請求項1から5の何れかに記載した電力調整システムにおいて、
前記コントローラは、
前記複数のリソースの設備上の制約から計算した優先度と、経済性を勘案して計算した優先度と、に基づいて、前記複数のリソースの前記授受電力計画値及び前記連系点電力計画値の優先度を決定することを特徴とする電力調整システム。
【請求項8】
請求項1から5の何れかに記載した電力調整システムにおいて、
前記コントローラは、前記複数のリソースのうち何れかのリソースであるリソースDの充電量と複数の閾値、あるいは前記リソースDによる生産量又は貯蔵量と複数の閾値、との比較結果に応じて、優先順位があらかじめ定められた順位以上となるように前記リソースDの授受電力計画値の優先度が設定されるリソースD優先モードに移行し、前記リソースDを除いたリソースの少なくとも一つのリソースの電力指令値が、前記リソースDの前記授受電力計画値が達成されるように決定することを特徴とする電力調整システム。
【請求項9】
請求項1から5の何れかに記載した電力調整システムにおいて、
前記コントローラは、前記連系点電力計画値あるいは前記複数のリソースの前記授受電力計画値うち少なくとも一つの計画値とその実績値との偏差、あるいは計画値を達成すべき時間までの残り時間に応じて、前記各計画値のうち少なくとも一つの計画値の優先度を変更させることを特徴とする電力調整システム。
【請求項10】
請求項1に記載した電力調整システムにおいて、
前記コントローラは、前記連系点電力計画値の優先度が高い場合に、前記複数のリソースの各授受電力計画値の達成に必要な各電力量と、前記複数のリソースの各授受電力計画値の優先度に相当する各数値データと、を用いて前記連系点電力計画値の達成に必要な電力を按分することにより前記複数のリソースのうち最も即応性が高いリソースではないリソース用電力指令値を算出すると共に、算出した前記複数のリソースのうち最も即応性が高いリソースではないリソース用電力指令値の総和を前記連系点電力計画値の達成に必要な電力から減算して前記複数のリソースのうち最も即応性が高いリソース用電力指令値を算出することを特徴とする電力調整システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のリソースが連系されている電力系統において、電力需給市場や調整力市場における経済性を考慮しながら、所定の連系点電力計画値のもとで各リソースの最適な電力指令値を決定する電力調整システムに関する。ここで、上記リソースには、電力系統との間で交流電力を授受可能な装置・回路・手段・設備と、電力系統から供給される交流電力を利用して各種の物質やエネルギーを生産する装置・回路・手段・設備と、が含まれる。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
特許文献1には、風力発電装置が連系された電力系統において、風力発電装置の出力に応じて変動する連系点電力をその目標値に追従させるように、電力調整器及び蓄電池を用いた水素製造器への供給電力と風力発電装置の出力との配分を管理し、又は、製造した水素が供給される燃料電池の電力系統への注入出力を管理するようにした電力供給システム及びその制御方法が開示されている。
また、特許文献1には、風力発電装置の出力と連系点電力の目標値との過不足に応じて、水素製造器への供給電力の目標値又は燃料電池から電力系統への注入出力の目標値を調整することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2017-225273号公報([0010],[0011]、図1等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力系統に接続された風力発電装置や水素製造装置、燃料電池等の複数のリソースが電力を発生(発電)又は消費する場合、連系点電力の目標値を含む運用計画は、電力の需給バランスを維持するための調整力のように系統運用者の指示に従うよりも、主として電力需給市場における売電価格に基づいて任意に決定されている。
【0005】
上記運用計画は、AI(Artificial Intelligence)技術等を駆使することで実現可能であるが、計算量の多さに起因して計画を頻繁に作成できないため、ある程度の長さの計算周期を見込まざるを得ない。
しかし、いわゆるガバナフリー制御等を行う発電設備等のリソースでは出力が時々刻々変化し、また、短いスパンで出力指令が変化するようなデマンドレスポンス制御等に対応していたリソースでは、計算周期が長いことに起因して電力系統との間で授受する電力量が計画値とずれてしまい、経済性が低下する可能性があった。一方で、計画値とずれるたびに経済性を勘案した計画を再度作成するには、多くの時間や費用が必要になる。
【0006】
そこで、本発明の解決課題は、経済性を勘案した複数の計画値、その優先度情報、調整力指令値等に基づいて作成した電力指令値に従って各リソースを運転することで、運用計画の作成に要する時間や煩雑さを解消しつつ連系点電力を計画値に維持可能とした電力調整システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は、電力系統との間で交流電力を授受可能なリソース、又は前記電力系統から供給された交流電力を用いてパラメータを生産可能なリソース、を含む複数のリソースを備え、前記複数のリソースと前記電力系統との連系点における電力を、連系点電力計画値、前記計画値を作成する段階で未定である前記連系点の電力指令値である補助的電力指令値、又はこれらの合計値に維持するように、前記複数のリソースの電力を調整する電力調整システムにおいて、前記複数のリソースのそれぞれに設定された制約を満たす範囲で、前記連系点電力計画値と、前記複数のリソースの授受電力計画値と、前記補助的電力指令値と、に基づいて、経済性を考慮した優先度に従って各計画値及び指令値を達成するための前記複数のリソースのそれぞれの電力指令値を決定するコントローラを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、運用計画の作成頻度や計算頻度を増やさずに、各リソースが電力系統との間で授受する電力を適切に調整して連系点電力を計画値通りに維持することができる。
【0008】
なお、補助的電力指令値は、例えば、各計画値を作成する段階で未定である調整力指令値である。この調整力指令値は、ガバナフリー制御、負荷周波数制御、経済負荷配分制御等に活用する電力の指令値であり、この調整力指令値を反映させた連系点電力指令値に基づいて各リソース用の電力指令値を決定することで、実際の運転時に不定期に発生する調整力に対して迅速に対応可能な電力調整システムを構築することができる。
【0009】
また、コントローラは、更に、リソースA用の充放電量計画値に基づいて、経済性を考慮した優先度に従って各計画値を達成するためのリソースA用電力指令値及びリソースB用電力指令値を決定するように動作しても良い。
ここで、リソースBとしては、例えば水素製造装置のように、その動作原理上、連系点電力の指令値及び補助的電力指令値に即応できない特性を有する場合もあり得る。
これらの発明によれば、リソースBによる応答遅れを打ち消して連系点電力計画値を達成するようなリソースA用の電力指令値を作成することができる。
【0010】
また、コントローラは、前記優先度の高い順に前記複数のリソース及び連系点電力の優先順位を決定し、最も優先順位が低いリソース以外のリソースの電力指令値を、前記最も優先順位が低いリソース以外のリソースの授受電力計画値を達成するために必要な電力とする機能と、最も優先順位が低いリソースの電力指令値を、前記連系点電力計画値を達成するために必要な電力と前記補助的電力指令値の追従に必要な電力を足したものから、前記最も優先順位が低いリソース以外の全てのリソースの各計画値を達成するために必要な電力の合計を引いたもの、とする機能を備えていても良い。
以上の構成によれば、最も優先順位の低いリソースをバッファとすることで、その他のリソースの授受電力計画値、連系点電力計画値、および補助的電力指令値が達成するように動作させることができる。また、連系点電力の優先順位が最も低い場合は、全てのリソースの授受電力計画値が達成するように動作させることができる。
(【0011】以降は省略されています)

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