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公開番号2024125246
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-17
出願番号2023033270
出願日2023-03-04
発明の名称太陽光発電パネルの設置構造
出願人トヨタ自動車株式会社
代理人個人,個人
主分類E04D 13/18 20180101AFI20240909BHJP(建築物)
要約【課題】 建物等の屋根上に設置される太陽光発電パネル1の重量をできるだけ増大せずに、積雪や風圧による分散荷重と降雹や小石の飛来による点荷重とに対する耐性を向上する。
【解決手段】 太陽光発電パネル1は。その両縁に沿って屋根Rに対してその位置を実質的に変位させずに結合する第一の固定具4を備え、パネルの両縁の間にて屋根に対して上下方向に於ける所定の制限範囲内にてパネルの位置の変位を許し、パネルの位置の変位が所定の制限範囲を越えるときには該変位を制限する抗力が発生するよう結合する第二の固定具5を備える。
【選択図】 図1
特許請求の範囲【請求項1】
建物等の屋根上に設置される太陽光発電パネルであって、前記太陽光発電パネルの両縁に沿って前記屋根に対して前記太陽光発電パネルの位置を実質的に変位させずに結合する第一の固定具を備え、前記太陽光発電パネルの両縁の間にて前記屋根に対して上下方向に於ける所定の制限範囲内にて前記太陽光発電パネルの位置の変位を許し、前記太陽光発電パネルの位置の変位が所定の制限範囲を越えるときには該変位を制限する抗力が発生するよう結合する第二の固定具を備えた太陽光発電パネル。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池セルが配列されてなる太陽電池モジュールが板状のパネル部材上に形成された太陽光発電パネルに係り、より詳細には、建物や移動体などの屋根などに太陽光発電パネルを設置する構造に係る。
続きを表示(約 4,200 文字)【背景技術】
【0002】
太陽光発電の普及に伴い、太陽光が照射される建物や移動体など(建物等)の屋根の上など、種々の場所に太陽光発電パネルが配置されるようになっている。太陽光発電パネルは、通常、屋外に設置されるので、その設置の際に受け得る外力に対する抵抗性を考慮して太陽光発電パネルを設置する種々の構成が提案されている。例えば、特許文献1では、軽量で耐衝撃性能が向上された太陽電池パネルが屋根上に置かれた梁の上に載置される構成が開示されている。特許文献2では、フレキシブル太陽電池アセンブリの両縁を線状部材を用いて固定する構造が開示されている。特許文献3では、屋根の軒先まで太陽電池パネルを配置できるようにする太陽電池パネルの軒先取り付け具が開示されている。特許文献4では、太陽電池モジュールに於いて、その上に積もった雪の滑り止めのための構成を設けることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2022-82923
特開2013-80770
特開2013-119730
特開2017-93112
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の如き太陽光発電パネル(以下、単に「パネル」と称する。)が設置される建物等の屋根には、その種類によって載置可能な重量に限界があるので、パネルは、できるだけ軽量であることが好ましい。ところで、屋外に設置されるパネルには、積雪があると、鉛直下方向に分散荷重が作用し、風が吹くと、鉛直上下方向に分散荷重が作用するので、パネルは、それらの分散荷重が作用しても安定的に保持されるように固定されることが好ましい。また、屋外では、パネルに降雹や砂・小石の飛来があり得るので、パネルは、落下物による局所的な衝撃荷重に対する十分な耐性(耐衝撃性)を有していることが好ましい。この点に関し、例えば、図4の如く、パネル1の両縁に沿ってとパネルの両縁間(例えば、略中央)に沿って、複数個所にて設けられた固定具4、5による屋根表面Rへのパネルの結合がパネルの変位を実質的に許さない剛固な結合であれば、積雪や風圧による静的又は準静的な分散荷重に対して抗力が付与され、パネル1を屋根Rの上で安定的に保持することが可能である。一方、雹や小石などの落下物による点荷重が作用したときには、その衝撃エネルギーを吸収可能な領域が概ね点荷重の作用点に隣接した剛固な結合部位で囲まれる領域に制限されるので、もしパネル1と屋根Rとの結合がパネルの両縁だけでなく、両縁間に於いても剛固であると、剛固な結合部位間が短くなることから、点荷重の衝撃エネルギーの吸収可能な領域が狭くなり、その分、吸収すべきエネルギー密度が高くなるので、パネルに大きな剛性が要求されることとなる。しかしながら、パネルにより大きな剛性を付与しようとして、パネルの厚みを増大すると、パネルの重量の増大が生じてしまう。
【0005】
上記の太陽光発電パネルの設置に関わる事情を鑑み、本発明の主な課題は、パネルの重量の増大を要することなく、積雪や風圧による静的又は準静的な分散荷重に対しても雹や小石などの落下物による点荷重に対しても十分な耐性が与えられる太陽光発電パネルの設置構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の課題は、建物等の屋根上に設置される太陽光発電パネルであって、前記太陽光発電パネルの両縁に沿って前記屋根に対して前記太陽光発電パネルの位置を実質的に変位させずに結合する第一の固定具を備え、前記太陽光発電パネルの両縁の間にて前記屋根に対して上下方向に於ける所定の制限範囲内にて前記太陽光発電パネルの位置の変位を許し、前記太陽光発電パネルの位置の変位が所定の制限範囲を越えるときには該変位を制限する抗力が発生するよう結合する第二の固定具を備えた太陽光発電パネルによって達成される。
【0007】
上記に於いて、「太陽光発電パネル」は、既に触れられている如く、複数枚の太陽電池セルが板状のパネル部材上にて縦方向又は横方向に並列されてなる太陽電池モジュールが載置されたパネルであってよい。太陽電池セルの各々は、概ね矩形の板状形状を有し、太陽光発電パネルの形状は、概ね矩形の平板状であってよいが、これに限定されない。「建物等」とは、屋根を有する建物、壁、移動体などであってよい。「第一の固定器具」とは、上記の如く、太陽光発電パネルの両縁に沿って配置され、屋根に対してパネルをその上下方向の位置が実質的に変位しないように結合する任意の形状の固定具であってよく(「実質的に変位しない」とは、パネルの位置が有意に変位しない状態のことである。)、具体的には、パネルの両縁に取り付けられる金具であって、屋根の表面に対してボルトなどにより締結されるものであってよい。一方、「第二の固定具」とは、太陽光発電パネルの両縁の間、即ち、パネルの両縁から面方向内方の任意の部位にて、屋根に対してパネルを取り付ける固定具であるところ、上記の如く、パネルの上下方向位置が所定の制限範囲内にあるときには、パネルが自由に変位することを許し、パネルの変位が所定の制限範囲を超えると、それ以上の変位の増大を抑制する方向に抗力が発生するよう構成される。第二の固定具は、典型的には、可撓性の部材にて形成されてよく、パネルの変位が所定の制限範囲を超えるときには、不連続的に変位を抑制する抗力が付与されるように可撓性の部材の変形を抑制するストッパの如き構成が設けられていてよい。所定の制限範囲は、パネルの許容可能な撓みを超えない範囲で適合により設定されてよい。
【0008】
上記の如く、本発明の太陽光発電パネルに於いては、端的に述べれば、パネルの両縁が第一の固定具により実質的に変位しないように、即ち、屋根に対して剛固に結合される一方、パネルの両縁間は、第二の固定具により、上下方向について、パネルの面が所定の制限範囲内では有意に変位可能であり且つ所定の上下方向の制限範囲を超えるパネルの変位が制限されるように、謂わば、屋根に対して柔軟に結合される。かかる構成によれば、パネルに積雪や風圧により上下方向に静的な分散荷重又は準静的な分散荷重(変化はするが、瞬間的に大きく変動しない荷重)が作用した場合には、パネルの両縁は実質的に変位せずに抗力が発生し、パネルの両縁よりも内側に於いては、第二の固定具がパネルを屋根に結合している部位に於ける撓みが所定の制限範囲に到達したところで、それ以上に撓みが大きくならないように有意な抗力が発生し、これにより、パネルの内側の領域も剛固に結合された状態と同じになるので、パネルが屋根の上で分散荷重の作用に抗して安定的に保持されることとなる。一方、第二の固定具がパネルを屋根に連結している部位に於ける撓みが所定の制限範囲を超えるまでは、パネルが両縁以外では固定されていないことと略同等となるので、パネルに降雹や小石の到来などによる点荷重が作用したときには、その衝撃エネルギーは、パネルの両縁の間の広い範囲で吸収でき、パネル内のエネルギー密度がさほどに高くならないので、剛固な結合部位がパネルの両縁及び両縁間に設けられている場合に比して、パネルの剛性がより小さくてもよくなり、従って、降雹や小石の到来などの落下物による点荷重に備えてパネルの厚みを増大しておく必要がなくなり、パネルの軽量化が図られることとなる。
【0009】
上記の本発明の構成に於いて、第二の固定具は、種々の構造にて達成されてよい。もっとも簡単には、第二の固定具は、所定の制限範囲の長さの紐状部材であってもよく、その場合、紐状部材の一端がパネルの両端間の任意の部位に連結され、紐状部材の他端が屋根の表面に連結され、パネルに撓みがない状態で、紐状部材は弛緩した状態となる長さとされてよい。かかる構造に於いては、紐状部材が伸びきるまで、又は、パネルが撓んで屋根面に接触する前までは、パネルが上下方向に変位できることとなり、パネルが上向きに撓み、紐状部材が伸びきると、それがストッパとして機能することとなる。下向きの撓みに於いては、屋根面が撓みのストッパとして機能することとなる。
【0010】
また、第二の固定具の別の構造としては、長さの異なるU字形状に湾曲した二つの板ばねが湾曲方向が同じ向きとなる状態にて重ねられ、それらの両端が互いに接続され、その一方の端がパネルの両端間の任意の部位に締結され、他方の端が屋根表面に締結され、更に、一方の板ばねのU字形状の中央から他方の板ばねのU字形状の中央へ向かって突出した突起が設けられ、突起の長さが、パネルが撓んでいないときには、突起が他方の板ばねのU字形状の中央から離隔し、パネルが上方向に撓んで板ばねの両端間の距離が長くなり短い方の板ばねが延び切ったとき、及び、パネルが下方向に撓んで板ばねの両端間の距離が短くなると共に長い方の板ばねのU字形状の中央と短い方の板ばねのU字形状の中央との距離が短くなり、突起の先端が他方の板ばねのU字形状の中央に接触したときのそれぞれに、板ばねの両端間の距離の更なる変化を抑制する抗力が発生するよう構成された構成が用いられてよい。かかる構成に於いては、短い方の板ばねと一方の板ばねのU字形状の中央から突出した突起とが、それぞれ、パネルの撓みを制限するストッパとして機能することとなる。上記の抗力が発生するまでに許されるパネルの撓みは、適合により、短い方の板ばねの長さ、二つの板ばねの長さの差又は突起の長さを調節することにより設定されてよい。かかる構成によっても、上下方向について、パネルの面が所定の制限範囲内では有意に変位可能であり、所定の上下方向の制限範囲を超えるパネルの変位が制限されるように、パネルを屋根に対して柔軟に結合することが可能となる。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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