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公開番号2024124257
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023032278
出願日2023-03-02
発明の名称ルテニウムの回収方法
出願人JX金属株式会社
代理人アクシス国際弁理士法人
主分類C22B 61/00 20060101AFI20240905BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】亜セレン酸とルテニウムを含む酸性水溶液から、セレンとルテニウムとを良好に分離してルテニウムを回収する方法を提供する。
【解決手段】亜セレン酸とルテニウムを含む酸性水溶液にジメチルスルホキシドを添加し、酸性水溶液を、液温65℃以上に加温して還元剤を添加してセレンを沈殿させ、沈殿したセレンを固液分離してセレンを回収するセレン回収工程と、セレン回収工程で得られたセレン回収後液を60℃以上に加熱して、酸化剤を添加する酸化工程と、酸化工程を経た後、液温を40℃以上に調整して還元剤を添加してルテニウムを沈殿させて回収するルテニウム回収工程とを含む、ルテニウムの回収方法。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
亜セレン酸とルテニウムを含む酸性水溶液にジメチルスルホキシドを添加し、前記酸性水溶液を、液温65℃以上に加温して還元剤を添加してセレンを沈殿させ、沈殿したセレンを固液分離してセレンを回収するセレン回収工程と、
前記セレン回収工程で得られたセレン回収後液を60℃以上に加熱して、酸化剤を添加する酸化工程と、
前記酸化工程を経た後、液温を40℃以上に調整して還元剤を添加してルテニウムを沈殿させて回収するルテニウム回収工程と、
を含む、ルテニウムの回収方法。
続きを表示(約 770 文字)【請求項2】
前記セレン回収工程において、前記ジメチルスルホキシドを前記酸性水溶液1Lに対して1~20mL添加する、請求項1に記載のルテニウムの回収方法。
【請求項3】
前記セレン回収工程において、前記酸性水溶液にルテニウムが100~500mg/L含まれている、請求項1に記載のルテニウムの回収方法。
【請求項4】
前記酸化工程において、前記酸化剤が過酸化水素水であり、前記酸化剤を、銀/塩化銀電極を基準電極とした酸化還元電位(ORP)で630mV以上に達するまで添加する、請求項1に記載のルテニウムの回収方法。
【請求項5】
前記酸化工程において、前記酸化剤が過酸化水素水であり、添加した前記ジメチルスルホキシドの体積に対して、30質量%過酸化水素水に換算して1/10倍以上2倍以下の体積分の前記過酸化水素水を添加する、請求項1に記載のルテニウムの回収方法。
【請求項6】
前記ルテニウム回収工程において、前記還元剤が二酸化硫黄である、請求項1に記載のルテニウムの回収方法。
【請求項7】
前記ルテニウム回収工程において、前記還元剤が二酸化硫黄及び鉄であり、前記二酸化硫黄で還元した後に、前記鉄として金属鉄または表面を銅で被覆されている鉄を添加する、請求項1に記載のルテニウムの回収方法。
【請求項8】
前記ルテニウム回収工程において、前記還元剤が鉄または鉄の加工品であり、前記酸化工程で使用した前記酸化剤の物質量を30質量%過酸化水素水に相当する体積(L)に換算したとき、前記鉄または鉄の加工品の添加質量(kg)が前記過酸化水素水に相当する体積の1/2(kg/L)以上である、請求項1~7のいずれか一項に記載のルテニウムの回収方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明はルテニウムの回収方法に関し、特に、亜セレン酸とルテニウムを含む酸性水溶液からルテニウムを回収する方法に関する。
続きを表示(約 1,100 文字)【背景技術】
【0002】
セレンはカルコゲン元素に属し、各種ガラス産業や光学機器に利用されている。ルテニウムは触媒や各種合金の微量添加剤として利用されている金属である。両元素の単体は、ほとんどが銅乾式製錬の副産物であるか、もしくはその製錬中間物を原料として生産されている。
【0003】
銅乾式製錬では、銅精鉱を熔解し、転炉、精製炉で純度99%以上の粗銅とした後に電解精製工程において純度99.99%以上の電気銅を生産する。銅以外の有価物は電解精製時にスライムとして沈殿する。
【0004】
このスライムには、金、銀、白金、パラジウムのほかにもルテニウムやロジウム、イリジウムといった希少金属、銅精鉱に含まれているセレンやテルルが同時に濃縮される。銅製錬副産物としてこれらの元素は個別に分離・回収される。
【0005】
このスライムの処理には湿式製錬法が適用される場合が多い。例えば特許文献1においてはスライムを塩酸-過酸化水素により銀を回収し、溶解した金は溶媒抽出により回収した後に、その他の有価物を二酸化硫黄で順次還元回収する方法が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には同様の方法で金銀を回収した後、二酸化硫黄で有価物を還元して沈殿せしめ、セレンのみを蒸留して除去して貴金属類を濃縮する方法が開示されている。
【0007】
貴金属を回収した後の溶液にはテルル、セレン等の有価物が含まれており、これら有価物を回収することが必要である。当該有価物の回収方法としては、さらに還元剤の添加により生じた沈殿を回収する方法が知られる。
【0008】
とりわけ、特許文献1に開示されているように、二酸化硫黄により生じた沈殿を回収する方法は、コストや製造規模の面で利点が多い。加えて、各元素が順次沈殿することから、分離精製にも効果がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
特開2001-316735号公報
特開2004-190134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
セレンは銅製錬の副生物として回収されるため、二酸化硫黄もしくは亜硫酸塩による還元回収時に他元素が不純物として混入する。その代表的な元素はルテニウムとテルルである。セレンを還元してその沈殿を回収する工程では、その原料液に100~500mg/L程度のルテニウムが含まれている。
(【0011】以降は省略されています)

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