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公開番号2024103154
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-01
出願番号2023007337
出願日2023-01-20
発明の名称ステンレス鋼
出願人日鉄ステンレス株式会社
代理人弁理士法人ブライタス
主分類C22C 38/00 20060101AFI20240725BHJP(冶金;鉄または非鉄合金;合金の処理または非鉄金属の処理)
要約【課題】製造性に優れ、良好な表面性状を有するステンレス鋼を提供する。
【解決手段】所定の化学組成を有するオーステナイト系ステンレス鋼または二相系ステンレス鋼であって、SおよびOのうち、少なくとも一種以上を含み、かつ短径が3μm以上である介在物を含み、介在物の個数密度が5個/mm2以下であり、介在物のうち短径が15μm以上の介在物の個数密度が0.05個/mm2以下であり、介在物のうち下記[CaO+Al2O3+MgO+ROX+Ta2O5≧90%]および[Al2O3/MgO≦1.25]を満足する介在物をMgO系介在物とするとき、MgO系介在物の前記介在物に対する個数割合が、75%以上である、ステンレス鋼。
【選択図】 なし

特許請求の範囲【請求項1】
介在物を含む、オーステナイト系ステンレス鋼または二相系ステンレス鋼であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.005~0.15%、
Si:0.05~4.0%、
Mn:12.0%以下、
P:0.04%以下、
S:0.0050%以下、
Ni:1.0~28.0%、
Cr:14.0~28.0%、
N:0.005~0.40%、
O:0.0001~0.0060%、
Al:0.20%以下、
Ca:0.0035%以下、
Mg:0.010%以下、
Mo:0~8.0%、
Cu:0~4.0%、
REM:0~0.050%、
Ta:0~0.10%、
B:0~0.004%、
W:0~4.0%、
V:0~1.0%、
Ti:0~0.40%、
Nb:0~0.60%、
Sn:0~0.1%、
Sb:0~0.30%、
Co:0~1.0%、
Zr:0~0.005%、
Ga:0~0.010%、
残部:Feおよび不純物であり、
前記介在物は、SおよびOのうち、少なくとも一種以上を含み、かつ短径が3μm以上であり、
前記介在物の個数密度が、5個/mm

以下であり、
前記介在物のうち、短径が15μm以上の介在物の個数密度が、0.05個/mm

以下であり、
前記介在物のうち、下記(i)および(ii)式を満足する介在物をMgO系介在物とするとき、
前記MgO系介在物の前記介在物に対する個数割合が、75%以上である、ステンレス鋼。
CaO+Al



+MgO+RO

+Ta



≧90% ・・・ (i)
Al



/MgO≦1.25 ・・・ (ii)
但し、(i)式中のRO

は、REM酸化物を示し、(i)および(ii)式中のCaO、Al



、MgO、RO

、Ta

続きを表示(約 2,600 文字)【請求項2】
オーステナイト系ステンレス鋼であって、
前記化学組成が、質量%で、
C:0.005~0.15%、
Si:0.2~4.0%、
Mn:0.1~12.0%、
P:0.04%以下、
S:0.0050%以下、
Ni:1.0~28.0%、
Cr:14.0~28.0%、
N:0.005~0.40%、
O:0.0001~0.0060%、
Al:0.20%以下、
Ca:0.0035%以下、
Mg:0.010%以下、
Mo:0~8.0%、
Cu:0~4.0%、
REM:0~0.050%、
Ta:0~0.10%、
B:0~0.004%、
W:0~2.0%、
V:0~1.0%、
Ti:0~0.40%、
Nb:0~0.60%、
Sn:0~0.1%、
Sb:0~0.30%、
Co:0~1.0%、
Zr:0~0.005%、
Ga:0~0.010%、
を含有する、請求項1に記載のステンレス鋼。
【請求項3】
オーステナイト系ステンレス鋼であって、
前記化学組成が、質量%で、
Mo:0.01~8.0%、
Cu:0.01~4.0%、
REM:0.0005~0.050%、
Ta:0.001~0.10%、
B:0.0001~0.004%、
W:0.05~2.0%、
V:0.05~1.0%、
Ti:0.001~0.40%、
Nb:0.001~0.60%、
Sn:0.01~0.1%、
Sb:0.005~0.30%、
Co:0.03~1.0%、
Zr:0.0001~0.005%、および
Ga:0.0001~0.010%、
から選択される一種以上を含有する、請求項2に記載のステンレス鋼。
【請求項4】
二相系ステンレス鋼であって、
前記化学組成が、質量%で、
C:0.005~0.08%、
Si:0.05~1.0%、
Mn:6.0%以下、
P:0.04%以下、
S:0.0050%以下、
Ni:1.0~14.0%、
Cr:16.0~28.0%、
N:0.005%超0.35%以下、
O:0.0001~0.0060%、
Al:0.20%以下、
Ca:0.0035%以下、
Mg:0.010%以下、
Mo:0.05~5.5%、
Cu:0~2.0%、
REM:0~0.050%、
Ta:0~0.10%、
B:0~0.004%、
W:0~4.0%、
V:0~1.0%、
Ti:0~0.40%、
Nb:0~0.10%、
Sn:0~0.1%、
Sb:0~0.30%、
Co:0~1.0%、
Zr:0~0.005%、
Ga:0~0.010%、
を含有する、請求項1に記載のステンレス鋼。
【請求項5】
二相系ステンレス鋼であって、
前記化学組成が、質量%で、
Cu:0.05~2.0%、
REM:0.0005~0.050%、
Ta:0.001~0.10%、
B:0.0001~0.004%、
W:0.05~4.0%、
V:0.05~1.0%、
Ti:0.001~0.40%、
Nb:0.001~0.10%、
Sn:0.01~0.1%、
Sb:0.005~0.30%、
Co:0.03~1.0%、
Zr:0.0001~0.005%、および
Ga:0.0001~0.010%、
から選択される一種以上を含有する、請求項4に記載のステンレス鋼。
【請求項6】
前記介在物のうち、下記(i)および(iii)式を満足する介在物をMgO系介在物とするとき、
前記MgO系介在物の前記介在物に対する個数割合が、75%以上である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のステンレス鋼。
CaO+Al



+MgO+RO

+Ta



≧90% ・・・ (i)
Al



/MgO≦0.75 ・・・ (iii)
但し、上記(i)式中のRO

は、REM酸化物を示し、上記(i)および(iii)式中のCaO、Al



、MgO、RO

、Ta



は、介在物中におけるそれぞれの酸化物の質量%を表し、含有されない場合はゼロとする。
【請求項7】
前記介在物のうち、下記(i)、(ii)および(iv)式を満足する介在物をMgO系介在物とするとき、
前記MgO系介在物の前記介在物に対する個数割合が、90%以上である、請求項1~請求項5のいずれか1項に記載のステンレス鋼。
CaO+Al



+MgO+RO

+Ta



≧90% ・・・ (i)
Al



/MgO≦1.25 ・・・ (ii)
CaO>20% ・・・ (iv)
但し、(i)式中のRO

は、REM酸化物を示し、(i)、(ii)および(iv)式中のCaO、Al



、MgO、RO

、Ta



は、介在物中におけるそれぞれの酸化物の質量%を表し、含有されない場合はゼロとする。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、ステンレス鋼に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)【背景技術】
【0002】
ステンレス鋼は、MgO・Al



スピネルのような非金属介在物が形成しやすい。このような非金属介在物は、圧延等の加工で、破砕、または延伸されにくい。このため、加工中に表面に露出して、表面疵を発生させることがある。そこで、例えば、特許文献1には、上述した介在物の組成を制御し、スリバー疵といった表面疵の発生を抑制したステンレス鋼が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、スラグ成分を適切な範囲に制御することで、表面性状を低下させるMgO・Al



スピネルを無害化したステンレス鋼が開示している。同様に、特許文献3には、スラグの塩基度を制御するとともに、鋼中のAlを低減することで、MgO・Al



スピネルの形成を抑制したステンレス鋼が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平8-104950号公報
特開平9-256028号公報
特開2015-74807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一方、上述した特許文献1~3に開示されたステンレス鋼は、以下の点で改善の余地がある。具体的には、特許文献1で開示されたステンレス鋼は、介在物の組成を制御する上で、溶鋼組成を所定の範囲に制御する必要があるが、溶鋼組成を安定的に制御するのは、難しい。
【0006】
また、特許文献2に開示されたステンレス鋼は、MgO・Al



スピネルを無害化するために、スラグ中のSiO

を低くする必要がある。このため、Si合金の使用に際し、制約が生じることがある。さらに、特許文献3に開示されたステンレス鋼は、実際の製造時に液相率が低くなることが考えられ、精錬効率が低下しやすい。
【0007】
このように、上記特許文献1~3に開示されたステンレス鋼は、製造性の観点から、さらに改善の余地がある。また、表面性状についても、さらに改善の余地がある。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決し、製造性に優れ、良好な表面性状を有するステンレス鋼を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、下記のステンレス鋼および製造方法を要旨とする。
【0010】
(1)介在物を含む、オーステナイト系ステンレス鋼または二相系ステンレス鋼であって、
化学組成が、質量%で、
C:0.005~0.15%、
Si:0.05~4.0%、
Mn:12.0%以下、
P:0.04%以下、
S:0.0050%以下、
Ni:1.0~28.0%、
Cr:14.0~28.0%、
N:0.005~0.40%、
O:0.0001~0.0060%、
Al:0.20%以下、
Ca:0.0035%以下、
Mg:0.010%以下、
Mo:0~8.0%、
Cu:0~4.0%、
REM:0~0.050%、
Ta:0~0.10%、
B:0~0.004%、
W:0~4.0%、
V:0~1.0%、
Ti:0~0.40%、
Nb:0~0.60%、
Sn:0~0.1%、
Sb:0~0.30%、
Co:0~1.0%、
Zr:0~0.005%、
Ga:0~0.010%、
残部:Feおよび不純物であり、
前記介在物は、SおよびOのうち、少なくとも一種以上を含み、かつ短径が3μm以上であり、
前記介在物の個数密度が、5個/mm

以下であり、
前記介在物のうち、短径が15μm以上の介在物の個数密度が、0.05個/mm

以下であり、
前記介在物のうち、下記(i)および(ii)式を満足する介在物をMgO系介在物とするとき、
前記MgO系介在物の前記介在物に対する個数割合が、75%以上である、ステンレス鋼。
CaO+Al



+MgO+RO

+Ta



≧90% ・・・ (i)
Al



/MgO≦1.25 ・・・ (ii)
但し、上記(i)式中のRO

は、REM酸化物を示し、上記(i)および(ii)式中のCaO、Al



、MgO、RO

、Ta

(【0011】以降は省略されています)

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