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公開番号2024122855
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-09
出願番号2023203738
出願日2023-12-01
発明の名称削孔装置及び削孔方法
出願人三井住友建設株式会社
代理人弁理士法人大島特許事務所
主分類B28D 1/14 20060101AFI20240902BHJP(セメント,粘土,または石材の加工)
要約【課題】不陸な上面を有するコンクリート構造物に対して、上面から所定方向に並んだ複数の孔を容易に設けることができる削孔装置及び削孔方法を提供する。
【解決手段】削孔装置1は、所定方向に延在する1対のレール部材4と、所定方向に沿って移動可能にレール部材4に支持された搬送版5(搬送台)と、上下に変位可能な取付部29を含み、搬送版5の上面に固定されたスタンド装置6と、取付部29に取り付けられた削孔機7とを備える。削孔装置1はコンクリート構造物2に固定されておらず、削孔機7によるコンクリート構造物2の上面からの削孔に必要な反力が削孔装置1の自重によって確保される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
不陸な上面を有するコンクリート構造物の前記上面に、所定方向に並んだ複数の孔を削孔するための削孔装置であって、
前記コンクリート構造物の前記上面に載置されて前記所定方向に延在して、前記所定方向に直交する横方向に互いに離間した1対のレール部材と、
前記所定方向に沿って移動可能に前記レール部材に支持された搬送台と、
上下に変位可能な取付部を含み、前記搬送台の上面に固定されたスタンド装置と、
前記取付部に取り付けられた削孔機と
を備え、
当該削孔装置は前記コンクリート構造物に固定されておらず、前記削孔機による前記コンクリート構造物の前記上面からの削孔に必要な反力が当該削孔装置の自重によって確保されるように構成された、削孔装置。
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記搬送台は、
前記レール部材に支持された搬送台本体と、
前記搬送台本体の下面の前記横方向の両側における前記レール部材よりも前記横方向の外方に取り付けられ、前記横方向を向くねじ穴を有する複数の固定用ナットと、
前記横方向の内方を向いて前記レール部材に衝当可能なねじ先を有し、前記固定用ナットに螺合する複数の固定用ボルトと
を含む、請求項1に記載の削孔装置。
【請求項3】
前記搬送台は、前記レール部材に支持された搬送台本体と、前記所定方向に延在し、前記搬送台本体の下面の前記横方向の両側における前記レール部材よりも前記横方向の内方に取り付けられて前記横方向において前記レール部材に対向する1対のガイド部材とを含む、請求項1に記載の削孔装置。
【請求項4】
前記搬送台本体は、下方から前記レール部材に支持される1対の側部と、前記側部における前記横方向の内方の側縁から下方に延出する1対の側壁と、前記横方向の両端部にて1対の前記側壁の下縁に繋がって、上面に前記スタンド装置が固定された底壁とを含む、請求項2又は3に記載の削孔装置。
【請求項5】
前記搬送台本体は、前記横方向の両側縁にて1対の前記側壁に連結し、下縁にて前記底壁に連結する端壁を更に含む、請求項4に記載の削孔装置。
【請求項6】
前記コンクリート構造物の前記上面に載置されて前記横方向に延在して互いに前記所定方向に離間し、前記レール部材が固定された複数の枕木部材を更に備え、
前記レール部材は、前記枕木部材を介して前記コンクリート構造物の前記上面に載置される、請求項1に記載の削孔装置。
【請求項7】
前記枕木部材は、
前記横方向に延在して前記レール部材を支持する枕木本体と、
前記枕木本体に挿通されて鉛直方向に延在する軸部を含む高さ調整ボルトと、
前記軸部に螺合して前記枕木本体を係止する高さ調整ナットと
を含む、請求項6に記載の削孔装置。
【請求項8】
前記枕木部材は、前記所定方向に互いに離間して各々が前記横方向に延在する2つの長尺材と、2つの前記長尺材を跨ぐように前記長尺材の上面に載置された枕木上面プレートと、前記枕木上面プレートにおける2つの前記長尺材の間の部位に設けられた挿通孔と、前記挿通孔に整合して前記枕木上面プレートの下面に固定されたレール押えナットとを更に含み、
前記レール押えナットに螺合することによって、前記枕木上面プレート上に載置された前記レール部材を前記枕木部材に固定するレール押えボルトを更に備える、請求項6に記載の削孔装置。
【請求項9】
不陸な上面を有するコンクリート構造物の前記上面に、所定方向に並んだ複数の孔を削孔するための削孔方法であって、
1対のレール部材、搬送台、スタンド装置及び削孔機の各々を互いに分離した状態で前記コンクリート構造物の前記上面に運搬するステップと、
前記所定方向に延在して、前記所定方向に直交する横方向に互いに離間するように、前記コンクリート構造物の前記上面に1対の前記レール部材を載置し、前記所定方向に沿って移動可能に前記レール部材に前記搬送台を支持させ、前記搬送台の上面に前記スタンド装置を固定し、前記スタンド装置の上下方向に変位可能な取付部に前記削孔機を取り付けるステップと、
前記搬送台を前記所定方向に向かって前記レール部材上を移動させることにより前記孔を設けるべき位置に前記削孔機を配置し、前記取付部を下方に変位させることにより前記孔を設け、前記取付部を上方に変位させることにより前記削孔機を前記孔から離脱させることを繰り返すステップと
を備え、
1対の前記レール部材、前記搬送台、前記スタンド装置及び前記削孔機を備える削孔装置は、前記コンクリート構造物に固定されておらず、前記削孔機による前記コンクリート構造物の前記上面からの削孔に必要な反力が前記削孔装置の自重によって確保されるように構成された、削孔方法。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、不陸な上面を有するコンクリート構造物の上面に、所定方向に並んだ複数の孔を削孔するための削孔装置及び削孔方法に関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
コンクリート構造物に所定の方向に並んだ複数の孔を設ける場合がある。コンクリート構造物に対する削孔作業は、例えば、コアドリルを用いた作業員による手作業によって行うことができる。しかし、手作業による削孔作業は振動作業に該当するため、振動障害の予防対策が必要となる。このような対策を行うと、作業可能時間が短くなり、効率的な作業を行うことが困難である。
【0003】
このような問題に対処するため、例えば特許文献1の「従来の技術」の欄に記載されているように、コアドリルを作業員ではなく、スタンド装置に保持させて削孔する方法がある。スタンド装置は、コンクリート構造物の表面に真空吸着によって固定されるベース部と、ベース部から上方に延出するガイド部と、上下に変位可能にガイド体に支持されてコアドリルが取り付けられた取付部と、作業員に操作されて取付部を上下に変位させるレバーとを備える。このスタンド装置を用いれば、コアドリルがスタンド装置に支持され、コアドリルの振動が作業員に伝わらないため、削孔作業が振動作業に該当せず、削孔作業の日作業時間を増やすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開平7-214542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
複数の孔を設ける場合に上記のスタンド装置を使用すると、1つの孔を設けた後、真空吸着によるスタンド装置の固定を解除し、スタンド装置を移動させ、移動後の位置でスタンド装置を真空吸着してから新たな孔を設ける必要があり、手間がかかった。
【0006】
また、橋梁のコンクリート床版の解体又は部分解体は、舗装を剥いだ後に行われる。このため、コンクリート床版の上面は、不陸面となっており、スタンド装置を真空吸着によって固定することができなかった。
【0007】
本発明は、以上の背景に鑑み、不陸な上面を有するコンクリート構造物に対して、作業員に振動障害を引き起こさず、上面から所定方向に並んだ複数の孔を容易に設けることができる削孔装置及び削孔方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のある態様は、不陸な上面を有するコンクリート構造物(2)の前記上面に、所定方向に並んだ複数の孔を削孔するための削孔装置(1,41)であって、前記コンクリート構造物の前記上面に載置されて前記所定方向に延在して、前記所定方向に直交する横方向に互いに離間した1対のレール部材(4)と、前記所定方向に沿って移動可能に前記レール部材に支持された搬送台(5,44)と、上下に変位可能な取付部(29)を含み、前記搬送台の上面に固定されたスタンド装置(6)と、前記取付部に取り付けられた削孔機(7)とを備え、当該削孔装置は前記コンクリート構造物に固定されておらず、前記削孔機による前記コンクリート構造物の前記上面からの削孔に必要な反力が当該削孔装置の自重によって確保されるように構成される。
【0009】
この態様によれば、削孔機がスタンド装置に取り付けられるため、削孔作業が振動障害を引き起こす作業とならない。削孔装置は、自重によって反力を確保するため、簡易な構成で不陸な上面を有するコンクリート構造物に対しても上面から削孔することができる。
【0010】
上記の態様において、前記搬送台(5,44)は、前記レール部材(4)に支持された搬送台本体(23,45)と、前記搬送台本体の下面の前記横方向の両側における前記レール部材よりも前記横方向の外方に取り付けられ、前記横方向を向くねじ穴を有する複数の固定用ナット(24)と、前記横方向の内方を向いて前記レール部材に衝当可能なねじ先を有し、前記固定用ナットに螺合する複数の固定用ボルト(25)とを含むと良い。
(【0011】以降は省略されています)

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