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公開番号
2024122140
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-09-09
出願番号
2023029516
出願日
2023-02-28
発明の名称
前発酵型のヨーグルト及びその製造方法
出願人
株式会社カネカ
代理人
弁理士法人有古特許事務所
主分類
A23C
9/123 20060101AFI20240902BHJP(食品または食料品;他のクラスに包含されないそれらの処理)
要約
【課題】滑らかでとろみのある食感と、雑味がなく乳本来の濃厚な風味を両立する前発酵型のヨーグルトを提供すること。
【解決手段】前発酵型のヨーグルトであって、原料中、生乳及び/又は牛乳を60~97重量%含有し、脱脂乳、脱脂濃縮乳及び脱脂粉乳からなる群より選択される少なくとも1種と、乳タンパク質濃縮物(MPC)を含有することを特徴とする、前発酵型のヨーグルト。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
前発酵型のヨーグルトであって、原料中、生乳及び/又は牛乳を60~97重量%含有し、脱脂乳、脱脂濃縮乳及び脱脂粉乳からなる群より選択される少なくとも1種と、乳タンパク質濃縮物(MPC)を含有することを特徴とする、前発酵型のヨーグルト。
続きを表示(約 620 文字)
【請求項2】
前記原料中の乳固形分の含有量が14.5~18重量%、乳タンパク質の含有量が4.5~6.5重量%である、請求項1に記載の前発酵型のヨーグルト。
【請求項3】
前記原料中の乳タンパク質中のホエイタンパク質の割合が18~22重量%である、請求項1又は2に記載の前発酵型のヨーグルト。
【請求項4】
前記原料中、脱脂乳、脱脂濃縮乳及び脱脂粉乳からなる群より選択される少なくとも1種の含有量が乾燥重量で0.5~7重量%、乳タンパク質濃縮物(MPC)の含有量が乾燥重量で0.2~3重量%である、請求項1又は2に記載の前発酵型のヨーグルト。
【請求項5】
カードのメジアン径が5~70μmである、請求項1又は2に記載の前発酵型のヨーグルト。
【請求項6】
前発酵型のヨーグルトの製造方法であって、
生乳及び/又は牛乳を60~97重量%と、脱脂乳、脱脂濃縮乳及び脱脂粉乳からなる群より選択される少なくとも1種と、乳タンパク質濃縮物(MPC)を含有するヨーグルトミックスを加熱処理する工程と、
乳酸菌スターターを添加した前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、pHが4.1~4.85となるまで発酵する工程と、
前記発酵後のヨーグルトミックスのカードを、メジアン径が5~70μmとなるように粉砕する工程を含む、前発酵型のヨーグルトの製造方法。
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、前発酵型のヨーグルト及びその製造方法に関する。
続きを表示(約 2,100 文字)
【背景技術】
【0002】
従来、ヨーグルトはその健康増進効果が注目されていたが、近年の食の多様化に伴い、最近では、ヨーグルトそのものの食感や風味自体を楽しむ嗜好性重視の傾向が強まっており、特に、滑らかでとろみのある食感と、ヨーグルトの主原料である乳本来の濃厚な風味とを両立することが求められている。
【0003】
ヨーグルトの製造方法には、ヨーグルトの原料の混合物であるヨーグルトミックスに乳酸菌スターターを添加して発酵させた後に、発酵により形成されたカードを粉砕してから容器に充填する前発酵型製法と、ヨーグルトミックスと乳酸菌スターターを容器に充填してから容器内で発酵させる後発酵型製法の2種類の製造方法が存在する。液状ヨーグルトやソフトヨーグルトなど、滑らかさやとろみのある食感が求められるヨーグルトは、発酵させカードを粉砕した後に容器に充填する前発酵型製法により通常製造される。
【0004】
前発酵型製法によって製造されるヨーグルトに、乳の濃厚な風味を付与するために、種々の方法が提案されている。例えば、特許文献1には、乳清たんぱく質を含む乳たんぱく質を含有した発酵乳ベースに乳酸菌スタータを添加した後に発酵させ、特定の粒子径及び粘度となるように破砕及び増粘させることにより、濃厚な飲みごたえ感を有する前発酵型のドリンクヨーグルトが得られることが開示されている。特許文献2には、乳原料を含む調乳液を発酵させ得られた発酵物を所定の条件で濃縮することで、濃厚感を有し、食感のなめらかさに優れた発酵乳が得られることが開示されている。
【0005】
しかしながら、特許文献1及び2に記載された手法は、いずれもヨーグルトの原料として脱脂濃縮乳を大部分使用するものであり、生乳や牛乳を用いていないことから、乳風味の濃厚さは得られるものの、乳本来の風味が損なわれており、未だ改善の余地があった。
【0006】
また、特許文献3には、濃縮等の操作を行っていない牛乳を原料中70%含有するドリンクヨーグルトが開示されており、原料混合物に、熱可逆性を有し加熱凝固するハイドロコロイドを含有させることによって、カードを形成せずなめらかで均一なヨーグルトを得られることが記載されている。しかしながら、特許文献3に記載の方法によって得られるヨーグルトは、乳本来の風味を感じやすい一方で、使用する増粘多糖類に起因して、食感に違和感があるものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2020-22406号公報
特開2017-60449号公報
特開2015-156830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、滑らかでとろみのある食感と、雑味がなく乳本来の濃厚な風味を両立する前発酵型のヨーグルトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、生乳及び/又は牛乳を主成分とし、脱脂乳、脱脂濃縮乳及び脱脂粉乳からなる群より選択される少なくとも1種と、乳タンパク質濃縮物(MPC)を含む原料から得られる前発酵型のヨーグルトによれば、滑らかでとろみのある食感と、雑味がなく乳本来の濃厚な風味を両立できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
即ち、本発明の第一は、前発酵型のヨーグルトであって、原料中、生乳及び/又は牛乳を60~97重量%含有し、脱脂乳、脱脂濃縮乳及び脱脂粉乳からなる群より選択される少なくとも1種と、乳タンパク質濃縮物(MPC)を含有することを特徴とする、前発酵型のヨーグルトに関する。前記前発酵型のヨーグルトにおいて、前記原料中の乳固形分の含有量が14.5~18重量%、乳タンパク質の含有量が4.5~6.5重量%であってよい。前記前発酵型のヨーグルトにおいて、前記原料中の乳タンパク質中のホエイタンパク質の割合が18~22重量%であってよい。前記前発酵型のヨーグルトにおいて、前記原料中、脱脂乳、脱脂濃縮乳及び脱脂粉乳からなる群より選択される少なくとも1種の含有量が乾燥重量で0.5~7重量%、乳タンパク質濃縮物(MPC)の含有量が乾燥重量で0.2~3重量%であってよい。前記前発酵型のヨーグルトにおいて、カードのメジアン径が5~70μmであってよい。本発明の第二は、前発酵型のヨーグルトの製造方法であって、生乳及び/又は牛乳を60~97重量%と、脱脂乳、脱脂濃縮乳及び脱脂粉乳からなる群より選択される少なくとも1種と、乳タンパク質濃縮物(MPC)を含有するヨーグルトミックスを加熱処理する工程と、乳酸菌スターターを添加した前記加熱処理後のヨーグルトミックスを、pHが4.1~4.85となるまで発酵する工程と、前記発酵後のヨーグルトミックスのカードを、メジアン径が5~70μmとなるように粉砕する工程を含む、前発酵型のヨーグルトの製造方法に関する。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)
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