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公開番号2024141364
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-10
出願番号2023052966
出願日2023-03-29
発明の名称独立システム
出願人株式会社カネカ
代理人個人,個人
主分類H02S 10/00 20140101AFI20241003BHJP(電力の発電,変換,配電)
要約【課題】本発明は、公共公益設備から独立して水とエネルギーを製造できる独立システムを提供する。
【解決手段】太陽光吸収パネルと、気体流通流路と、裏面側集合体を有し、太陽光吸収パネルと気体流通流路と裏面側集合体は、この順に重なって一体となっており、太陽光吸収パネルは、太陽光を利用して電力及び/又は水素元素含有ガスを生成するものであり、気体流通流路は、太陽光吸収パネルの傾斜方向の下端側に大気導入部が設けられ、大気導入部から大気が導入され、太陽光吸収パネルの裏面に沿って気体が流通するものであり、裏面側集合体は、電力及び/又は水素元素含有ガスを蓄積するエネルギー蓄積機構と、気体流通流路を通過する気体から水を捕集する集水装置を有し、集水装置は、気体流通流路に配される捕集部と、捕集部で捕集した水を貯蔵する水貯蔵タンクを備えている構成とする。
【選択図】図4
特許請求の範囲【請求項1】
太陽光を吸収する太陽光吸収パネルと、大気が流通可能な気体流通流路と、前記太陽光吸収パネルを水平面に対して傾斜するように支持する裏面側集合体を有し、
前記太陽光吸収パネルと前記気体流通流路と前記裏面側集合体は、前記太陽光吸収パネルの受光面に対する直交方向において、この順に重なって一体となっており、
前記太陽光吸収パネルは、太陽光を利用して電力及び/又は水素元素含有ガスを生成するものであり、
前記気体流通流路は、前記太陽光吸収パネルの傾斜方向の下端側に大気導入部が設けられ、前記大気導入部から大気が導入され、前記太陽光吸収パネルの裏面に沿って気体が流通するものであり、
前記裏面側集合体は、電力及び/又は水素元素含有ガスを蓄積するエネルギー蓄積機構と、前記気体流通流路を通過する気体から水を捕集する集水装置を有し、
前記集水装置は、前記気体流通流路に配される捕集部と、前記捕集部で捕集した水を貯蔵する水貯蔵タンクを備えている、独立システム。
続きを表示(約 1,000 文字)【請求項2】
風力発電装置を有し、
前記風力発電装置は、風車部と、前記風車部の回転力を電力に変換する電力変換部を有し、
前記風車部は、前記気体流通流路内に配されている、請求項1に記載の独立システム。
【請求項3】
前記風力発電装置は、前記風車部を回転させる動力部を有し、前記動力部を駆動することで前記気体流通流路を流通する大気を下流側に引き込む、請求項2に記載の独立システム。
【請求項4】
前記捕集部は、前記風車部よりも上流側に設けられている、請求項3に記載の独立システム。
【請求項5】
前記エネルギー蓄積機構は、二次電池と、前記二次電池を充電可能な充電端子を有し、
前記二次電池は、前記充電端子に対して着脱可能である、請求項1~4のいずれか1項に記載の独立システム。
【請求項6】
前記エネルギー蓄積機構は、二次電池と、前記二次電池に電気的に接続された給電端子を有し、
前記給電端子は、外部機器に対して給電可能である、請求項1~4のいずれか1項に記載の独立システム。
【請求項7】
前記太陽光吸収パネルは、太陽光を利用して前記水素元素含有ガスを生成する光電解部を有し、
前記エネルギー蓄積機構は、前記水素元素含有ガスを貯蔵する水素貯蔵装置と、二次電池を有し、
前記光電解部は、生成した前記水素元素含有ガスを前記水素貯蔵装置に供給可能であり、
燃料電池を有し、
前記燃料電池は、前記水素貯蔵装置と前記気体流通流路のそれぞれに接続され、前記水素貯蔵装置から供給された前記水素元素含有ガスと、前記気体流通流路を通過した気体から、水と電力を生成可能であり、
前記燃料電池は、生成した水を前記水貯蔵タンクに供給し、生成した電力を前記二次電池に供給する、請求項1~4のいずれか1項に記載の独立システム。
【請求項8】
前記集水装置は、水処理装置を有し、
前記水処理装置は、前記水貯蔵タンク内の水を浄水する浄水部と、前記浄水部によって浄水処理された浄水を外部に供給可能な浄水供給部を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の独立システム。
【請求項9】
前記太陽光吸収パネルは、太陽光を利用して電力を生成する太陽電池を有し、
前記太陽電池は、生成した電力を前記エネルギー蓄積機構に供給する、請求項1~4のいずれか1項に記載の独立システム。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、独立システムに関する。
続きを表示(約 1,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、大地震や台風等の災害が発生し、ライフラインが停止すると、公共公益設備から電力や水が供給されない状態に陥り、ライフラインの復旧まで時間がかかる場合がある。
このような場合、ライフラインの復旧までの間、学校等の緊急避難所で水等の調達を行うことになるが、緊急避難所までの交通が遮断されている場合、緊急避難所においても水等の調達が難しくなるおそれがある。そのため、緊急避難所では、公共公益設備から独立して水とエネルギーを調達できることが望まれる。
【0003】
そこで、特許文献1では、地震等の災害時において商用電源を必要とせず、自立して電力供給と飲料水の供給が可能となる自立型水素発電及び飲料水供給システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2017-103198号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の自立型水素発電及び飲料水供給システムは、飲料水供給装置と水素生成装置がそれぞれ独立して設けられており、飲料水供給装置はプール水を使用するためプールの近くに配置する必要があり、水素生成装置は屋根に設けられた太陽光パネルの近くに配置する必要がある。
そのため、特許文献1の自立型水素発電及び飲料水供給システムでは、飲料水供給装置と水素生成装置の接続が大掛かりになるとともに公民館等のプールがない緊急避難所では設置できず、設置できる場所が限られる問題があり、更なる改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明は、公共公益設備から独立して水とエネルギーを製造できる独立システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、太陽光を吸収する太陽光吸収パネルと、大気が流通可能な気体流通流路と、前記太陽光吸収パネルを水平面に対して傾斜するように支持する裏面側集合体を有し、前記太陽光吸収パネルと前記気体流通流路と前記裏面側集合体は、前記太陽光吸収パネルの受光面に対する直交方向において、この順に重なって一体となっており、前記太陽光吸収パネルは、太陽光を利用して電力及び/又は水素元素含有ガスを生成するものであり、前記気体流通流路は、前記太陽光吸収パネルの傾斜方向の下端側に大気導入部が設けられ、前記大気導入部から大気が導入され、前記太陽光吸収パネルの裏面に沿って気体が流通するものであり、前記裏面側集合体は、電力及び/又は水素元素含有ガスを蓄積するエネルギー蓄積機構と、前記気体流通流路を通過する気体から水を捕集する集水装置を有し、前記集水装置は、前記気体流通流路に配される捕集部と、前記捕集部で捕集した水を貯蔵する水貯蔵タンクを備えている、独立システムである。
【0008】
ここでいう「水素元素含有ガス」とは、化学式中に水素元素を持ち、分解等により水素源となるガスをいい、水素ガスだけではなく、メタンなどの水素元素を含むC1化合物、エタンなどの水素元素を含むC2化合物などの炭素化合物、次亜塩素酸などの塩素化合物などを含む。
【0009】
本様相によれば、太陽光吸収パネルと気体流通流路と裏面側集合体がこの順に重なって一体となっているので、従来に比べて設置場所の制約を少なくできる。
本様相によれば、太陽光を使用して電力及び/又は水素元素含有ガスを生成し、エネルギー蓄積機構で電力及び/又は水素元素含有ガスをエネルギー源として蓄積でき、集水装置によって大気中の水分から水を捕集し、水の貯蔵が可能である。そのため、災害時等においても、商用電源系統や水道ライン等の公共公益設備から独立して電力と水を調達できる。
【0010】
好ましい様相は、風力発電装置を有し、前記風力発電装置は、風車部と、前記風車部の回転力を電力に変換する電力変換部を有し、前記風車部は、前記気体流通流路内に配されている。
(【0011】以降は省略されています)

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