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公開番号2024119877
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-03
出願番号2024088219,2022509579
出願日2024-05-30,2020-08-26
発明の名称放射線療法による焼灼後の調節
出願人モンテフィオーレ メディカル センター,MONTEFIORE MEDICAL CENTER
代理人弁理士法人清原国際特許事務所
主分類A61N 5/10 20060101AFI20240827BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】対象の癌を治療するための方法およびシステムを提供する。
【解決手段】方法は、癌を含む第1の領域に放射線治療による焼灼線量と、それに続いて、第2の領域にサブ焼灼線量とをもたらす工程を含み、ここで、サブ焼灼線量は、焼灼線量の後に投与される。実施形態では、サブ焼灼線量は、焼灼線量後1時間から4日以内に投与される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
対象の癌を治療する方法であって、該方法は、前記癌を含む第1の領域に放射線療法による焼灼線量と、それに続いて、第2の領域にサブ焼灼線量とをもたらす工程を含み、ここで、前記サブ焼灼線量は、前記焼灼線量の後に投与される、方法。
続きを表示(約 590 文字)【請求項2】
前記サブ焼灼線量は、前記焼灼線量の少なくとも1時間後に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記サブ焼灼線量は、前記焼灼線量の少なくとも1日後に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記サブ焼灼線量は、前記焼灼線量の多くとも4日後に投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
治療の過程を通して前記第2の領域に与えられる放射線療法による累積量は、焼灼線量未満の量を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
焼灼線量未満の前記累積量は、複数のサブ焼灼線量を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の領域は、腫瘍の領域を含み、任意選択で、前記第2の領域は、前記腫瘍の前記領域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の領域は、第1の腫瘍の領域を含み、前記第2の領域は、第2の腫瘍の領域を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の腫瘍は、原発性腫瘍を含み、前記第2の腫瘍は、転移性腫瘍を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の腫瘍は、転移性腫瘍を含み、前記第2の腫瘍は、原発性腫瘍を含む、請求項8に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年8月27日に出願された米国仮特許出願第62/892,273号の利益を主張するものであり、当該出願の全体が引用により本明細書に組み込まれる。
続きを表示(約 3,500 文字)【0002】
連邦政府により後援された研究であることについての表明
本発明は、米国国立衛生研究所(National Institutes of Health)によって与えられたR01CA22686(CG)、1S10OD019961-01および1S10RR029545-01での政府の支援を受けてなされた。
政府は、本発明に一定の権利を有する。
【背景技術】
【0003】
癌は世界中で死亡の主因となっており、現在、米国で2番目の死亡の主因となっている。腫瘍に対する従来の治療の選択肢には、放射線療法(RT)や化学療法などの細胞傷害性療法が含まれる。手術またはRTによる局所的な腫瘍制御は、全身療法の存在下であったとしても、最終的に転移性の進行により失敗する可能性がある。ごく最近では、転移性の進行を阻害するために実現可能な治療の選択肢として、免疫療法が、単独および他の療法との組み合わせの両方で提案されている。免疫療法には、チェックポイント阻害剤、腫瘍ワクチンおよび養子細胞移植が含まれる。免疫療法は、黒色腫や腎細胞癌などのいくつかの固形腫瘍の治療において有望性を示しているが、免疫療法は、膵臓癌などの他のさらなる繊維性腫瘍においてはあまり奏功していない。癌種内でさえ、応答者のサブセットと非応答者のサブセットとが存在し、その結果、多数の人が理想的とは言えない形で治療されている。
【0004】
癌を治療するためにRTが使用されてもよいが、RTの細胞傷害性の作用によって、その有用性が制限される場合がある。例えば、器官に位置している腫瘍に対するRTによって、腫瘍が位置している器官を実質的に損傷する場合がある。転移性腫瘍は、原発性腫瘍から離れた位置に位置している場合があり、その結果、原発性腫瘍と転移性腫瘍とは、1つを超える器官に位置していることになる。少なくともいくつかの例では、1つを超える器官に対するRTは、細胞傷害性の作用によって、1つを超える器官を損傷する場合がある。
【0005】
上記に鑑み、癌を治療する改善された方法および機器を有することが望ましい。理想的には、これらの方法および機器は、癌の転移性の進行を阻害し、損傷を引き起こしながら、繊細な器官および組織構造にある腫瘍を治療することができる。
【発明の概要】
【0006】
本方法よび機器は、RTを用いた、癌に対する改善された治療を提供する。腫瘍は、放射線の焼灼線量と、その後の、同じまたは異なる位置におけるサブ焼灼(sub-ablative)治療とを用いて治療されることができる。癌細胞の抗原に対する適応免疫応答をもたらすために、後のサブ焼灼治療は、焼灼治療後約1時間から約4日の時間以内に施されてもよい。後のサブ焼灼治療は、多数の位置に施されてもよく、これには、焼灼線量を受ける腫瘍と同じ位置、別の腫瘍、あるいは転移をきたしやすい位置などが挙げられる。いくつかの実施形態では、焼灼治療とサブ焼灼治療との間の時間によって、腫瘍の血管構造を含む腫瘍微小環境の構造変化を可能にする。後の治療はサブ焼灼であるので、後の治療は多数の位置に施されてもよく、特定されている腫瘍がない位置にさえ施されてもよい。また、後の治療は、例えば全身治療を含んでもよい。放射線療法は、放射線療法機器または小線源療法およびそれらの組み合わせを用いるなどの多数の方法で施されてもよい。
【0007】
治療は、多数の方法で実施されてもよいが、いくつかの実施形態では、最初の焼灼放射線療法による治療は、相当の数の抗原を生成し、免疫系にこれらの抗原が提示される。適応免疫応答は、最初の治療で提示された抗原に対して生じる。後のサブ焼灼治療は、腫瘍微小環境に影響を及ぼして、免疫細胞が腫瘍に入り込むことができる範囲を増加することができる。後のサブ焼灼治療は、腫瘍微小環境を変更するような腫瘍の潅流(例えば腫瘍の「クラッキング」)の増加をもたらすことができ、免疫応答を促進する腫瘍微小環境の他の変化をもたらすことができる。RTによるサブ焼灼線量を用いて腫瘍を治療することについて言及するが、RTを用いて、腫瘍をきたしやすい組織を予防的に治療して、それらの組織における腫瘍の増殖を阻害することもできる。
【0008】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるのは、対象の癌を治療する方法であって、上記方法は、癌を含む第1の領域に放射線療法による焼灼線量と、それに続いて、第2の領域にサブ焼灼線量とをもたらす工程を含み、ここで、サブ焼灼線量は、焼灼線量の後に投与される。ある実施形態では、サブ焼灼線量は、焼灼線量の少なくとも1時間後に投与される。ある実施形態では、サブ焼灼線量は、焼灼線量の少なくとも1日後に投与される。ある実施形態では、サブ焼灼線量は、焼灼線量の多くとも4日後に投与される。
【0009】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、対象の癌を治療する方法であって、上記方法は、癌を含む第1の領域に放射線治療による焼灼線量と、それに続いて、第2の領域にサブ焼灼線量とをもたらす工程を含み、ここで、サブ焼灼線量は、焼灼線量後1時間から4日以内に投与される。いくつかの実施形態では、治療の過程を通して第2の領域に与えられる放射線治療による累積量は、焼灼線量未満の量を含む。いくつかの実施形態では、焼灼線量未満の累積量は、複数のサブ焼灼線量を含む。いくつかの実施形態では、第1の領域は、腫瘍の領域を含み、任意選択で、第2の領域は、腫瘍の領域を含む。いくつかの実施形態では、第1の領域は、第1の腫瘍の領域を含み、第2の領域は、第2の腫瘍の領域を含む。いくつかの実施形態では、第1の腫瘍は、原発性腫瘍を含み、第2の腫瘍は、転移性腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、第1の腫瘍は、転移性腫瘍を含み、第2の腫瘍は、原発性腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、第2の領域は、複数の第2の領域を含み、複数の第2の領域はそれぞれ、焼灼線量未満である放射線療法による累積量を受ける。いくつかの実施形態では、第2の領域は、第1の領域とは異なる領域を含む。いくつかの実施形態では、第2の領域は、腫瘍の領域を含む。いくつかの実施形態では、第2の領域は、転移性腫瘍を発達しやすい領域を含み、任意選択で、第2の領域は、骨、リンパ節、肺、肝臓、脳、副腎、乳房、眼、腎臓、筋肉、膵臓、唾液腺および脾臓からなる群から選択される器官の領域を含む。いくつかの実施形態では、第2の領域は、サブ焼灼線量を用いて走査された対象の全身を含む。いくつかの実施形態では、第1の領域は、乳房、膀胱、脳、結腸、直腸、子宮内膜、腎臓、膵臓、前立腺、肝臓、肺、皮膚、甲状腺、子宮、リンパ節、扁桃、胸腺、脾臓および骨髄からなる群から選択される器官の原発性腫瘍の領域を含み、第2の領域は、骨、リンパ節、肺、肝臓、脳、副腎、乳房、眼、腎臓、筋肉、膵臓、唾液腺および脾臓からなる群から選択される器官の転移性腫瘍の領域を含む。いくつかの実施形態では、第1の領域は、骨、リンパ節、肺、肝臓、脳、副腎、乳房、眼、腎臓、筋肉、膵臓、唾液腺および脾臓からなる群から選択される器官の転移性腫瘍の領域を含み、第2の領域は、乳房、膀胱、脳、結腸、直腸、子宮内膜、腎臓、膵臓、前立腺、肝臓、肺、皮膚、甲状腺、子宮、リンパ節、扁桃、胸腺、脾臓および骨髄からなる群から選択される器官の原発性腫瘍を含む。いくつかの実施形態では、第1の領域は、特定されている腫瘍を含み、第2の領域は、特定されている腫瘍を含まない。
【0010】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるのは、コンピューター可読媒体であって、上記コンピューター可読媒体は、実行されると、プロセッサーに、第1の領域に焼灼線量の放射線治療を与え、焼灼線量の後に続いて、第2の領域にサブ焼灼線量を与える命令を放射線治療システムに与えさせる命令とともに構成される。いくつかの実施形態では、サブ焼灼線量は、焼灼線量の少なくとも1時間後に与えられる。いくつかの実施形態では、サブ焼灼線量は、焼灼線量の少なくとも1日後に与えられる。いくつかの実施形態では、サブ焼灼線量は、焼灼線量の多くとも4日後に与えられる。
(【0011】以降は省略されています)

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