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公開番号2024113168
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2024094226,2021106660
出願日2024-06-11,2021-06-28
発明の名称吸収性物品
出願人大王製紙株式会社
代理人弁理士法人永井国際特許事務所
主分類A61F 13/494 20060101AFI20240814BHJP(医学または獣医学;衛生学)
要約【課題】内向きの起き上がりギャザーの起き上がり角度を改善する。
【解決手段】上記課題は、起き上がりギャザー60は、遮断位置より幅方向WDの外側に位置する付根部65と、付根部65から折り返されることなく幅方向WDの内側に延びる本体部66とを有し、本体部66は、トップシート30との固定部BPを有する前端部67及び後端部69と、トップシート30に非固定の中間部68とを有し、中間部68の先端部にギャザー弾性部材63が取り付けられ、前端部67及び後端部69における幅方向WDの内側の端部に、トップシート30に非固定の自由部FPが中間部68から続くように設けられ、前端部67及び後端部69の自由部FP以外が固定部BPとなっており、自由部FPの幅x1は、中間部68の幅x2の1/6~1/3であり、自由部FPの前後方向LDの寸法y1は、自由部FPの幅x1の1~9.5倍であることにより解決される。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
吸収体と、
吸収体の表側に配置された液透過性のトップシートと、
前記トップシートの表面の幅方向両側にそれぞれ設けられた起き上がりギャザーと、を備え、
前記起き上がりギャザーは、前記トップシートの表面の幅方向両側における遮断位置を通り前後方向に続く仮想線の幅方向の外側に取り付けられた付根部と、前記付根部の幅方向の内側の縁から折り返されることなく幅方向の内側に延びる本体部とを有し、
前記本体部は、前記トップシートに固定された固定部を有する前端部及び後端部と、これら前端部及び後端部の間に位置し、前記トップシートに固定されていない中間部とを有し、
前記中間部の少なくとも先端部に、前後方向に沿う細長状のギャザー弾性部材が取り付けられており、
前記中間部は、前記ギャザー弾性部材の収縮力により前記ギャザー弾性部材とともに収縮しているとともに、前記ギャザー弾性部材とともに伸長可能であり、
前記前端部及び前記後端部の少なくとも一方における幅方向の内側の端部に、前記トップシートに固定されていない自由部が前記中間部から続くように設けられているとともに、前記前端部及び前記後端部の前記自由部以外が固定部となっており、
前記自由部の幅は、前記中間部の幅の1/6~1/3であるとともに、前記自由部の前後方向の寸法は、前記自由部の幅の1~9.5倍である、
ことを特徴とする吸収性物品。
続きを表示(約 600 文字)【請求項2】
前記自由部の幅は、3.5mm以上であり、
前記中間部は、前記自由部の幅に等しい幅の先端側領域に前記ギャザー弾性部材を有し、かつ当該先端側領域以外に前記ギャザー弾性部材を有しない、
請求項1記載の吸収性物品。
【請求項3】
展開状態で前記中間部の裏側に重なる領域のうち、前記固定部の幅に等しい付根部側領域における前記トップシートよりも裏側に、前後方向に沿う細長状のインサイド弾性部材を有し、
前記付根部側領域は、前記インサイド弾性部材の収縮力により前記インサイド弾性部材とともに収縮しているとともに、前記インサイド弾性部材とともに伸長可能である、
請求項1又は2記載の吸収性物品。
【請求項4】
前記吸収体は、前後方向の中間にその前後両側よりも幅の狭い括れ部を有しており、
前記インサイド弾性部材は括れ部を通るように配置されている、
請求項3記載の吸収性物品。
【請求項5】
前記前端部及び前記後端部の両方が前記自由部を有し、
前記前端部の前記自由部の幅が、前記後端部の前記自由部の幅よりも広い、
請求項1~4のいずれか1項に記載の吸収性物品。
【請求項6】
低出生体重児用の使い捨ておむつである、
請求項1~5のいずれか1項に記載の吸収性物品。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、起き上がりギャザーの追従性を向上させた吸収性物品に関するものである。
続きを表示(約 2,400 文字)【背景技術】
【0002】
現在では、使い捨ておむつ、生理用ナプキン等の吸収性物品のほとんど多くは、トップシート表面の幅方向両側から起き上がる起き上がりギャザー(立体ギャザーとも呼ばれている)を備えている。起き上がりギャザーを備えることにより、排泄物の横方向移動が起き上がりギャザーにより遮断され、いわゆる横漏れが防止される。
【0003】
多くの起き上がりギャザーは、トップシート表面の幅方向両側における遮断位置を通り前後方向に続く仮想線の幅方向外側に取り付けられた付根部と、この付根部の幅方向内側の縁から延びる本体部と、この本体部における前端部及び後端部が倒伏状態でトップシート表面に固定された固定部と、本体部における前後の固定部の間に位置し、トップシート表面に固定とされていない中間部とを有している。これらの部分は不織布等のギャザーシートにより形成されている。このうち、少なくとも起き上がりギャザーの先端部は、ギャザーシートが先端(突端)で折り返されて二層構造となっており、中間部の少なくとも先端部の層間には細長状のギャザー弾性部材が前後方向に沿って伸長した状態で取り付けられている。(例えば特許文献1、2参照)。
【0004】
中間部は、ギャザー弾性部材の収縮力によりギャザー弾性部材とともに収縮しているとともに、ギャザー弾性部材とともに伸長可能となっている。装着状態では、ギャザー弾性部材の収縮力により中間部の先端の前後方向の寸法が短くなること、及び中間部がトップシートに固定されていないことにより、中間部が先端(付根部側から最も遠い部位)に近いほど高くなるように、かつ前端部及び後端部の固定部に近づくにつれて低くなるように起き上がる。
【0005】
また、テープタイプ使い捨ておむつ等の一部の吸収性物品では、起き上がりギャザーの本体部が、付根部から折り返されることなく幅方向内側に延び、本体部の先端が幅方向内側を向くものが多い。
【0006】
しかしながら、このような内向きタイプの起き上がりギャザーは、股間部における起き上がり角度(ひいては起き上がり高さ)に限界があるという問題点や、トップシート表面から起き上がる中間部は、外側に倒れにくく軟便等の漏れ防止性に優れる反面、側臥位時等において脚の動きに追従して外側に移動しにくく、先端が肌にきつく当たりやすいという問題点を有していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
特開2019-130278号公報
特開2018-140068号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明の主たる課題は、内向きの起き上がりギャザーの起き上がり角度を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決した吸収性物品は以下のとおりである。
<第1の態様>
吸収体と、
吸収体の表側に配置された液透過性のトップシートと、
前記トップシートの表面の幅方向両側にそれぞれ設けられた起き上がりギャザーと、を備え、
前記起き上がりギャザーは、前記トップシートの表面の幅方向両側における遮断位置を通り前後方向に続く仮想線の幅方向の外側に取り付けられた付根部と、前記付根部の幅方向の内側の縁から折り返されることなく幅方向の内側に延びる本体部とを有し、
前記本体部は、前記トップシートに固定された固定部を有する前端部及び後端部と、これら前端部及び後端部の間に位置し、前記トップシートに固定されていない中間部とを有し、
前記中間部の少なくとも先端部に、前後方向に沿う細長状のギャザー弾性部材が取り付けられており、
前記中間部は、前記ギャザー弾性部材の収縮力により前記ギャザー弾性部材とともに収縮しているとともに、前記ギャザー弾性部材とともに伸長可能であり、
前記前端部及び前記後端部の少なくとも一方における幅方向の内側の端部に、前記トップシートに固定されていない自由部が前記中間部から続くように設けられているとともに、前記前端部及び前記後端部の前記自由部以外が固定部となっており、
前記自由部の幅は、前記中間部の幅の1/6~1/3であるとともに、前記自由部の前後方向の寸法は、前記自由部の幅の1~9.5倍である、
ことを特徴とする吸収性物品。
【0010】
(作用効果)
従来の内向きの起き上がりギャザーでは、本体部の前後の固定部は、本体部の幅方向のほぼ全体にわたり設けられていた。この場合、装着状態では前後の固定部が中間部の起き上がりを幅方向全体にわたり抑制するため、中間部の起き上がり角度が確実に制限され、中間部の先端が外側に倒れることも抑制される。また、中間部が脚の動きに追従して外側に移動しにくく、中間部の先端が肌にきつく当たりやすくなる。
これに対して、本吸収性物品では、本体部の前端部及び後端部の少なくとも一方における幅方向の内側の端部に、ある程度の幅を有する自由部(トップシートに固定されていない部分)が中間部から続くように設けられている。このため、装着状態では前後の固定部が中間部の起き上がりを抑制するものの、その抑制の程度は自由部の起き上がり(中間部に続くように起き上がるが、自由部の幅が短いため中間部ほどには起き上がらない)により緩和されるため、中間部の起き上がり角度は自由部が無い場合よりも確実に大きくなる。また、自由部の存在により、中間部の先端が外側に倒れやすくなり、中間部が脚の動きに追従して外側に移動しやすくなる。さらにその結果、中間部の先端が肌にきつく当たりにくくなる。
(【0011】以降は省略されています)

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