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公開番号2024112573
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-21
出願番号2023017708
出願日2023-02-08
発明の名称表面処理鋼板
出願人日本製鉄株式会社
代理人個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人,個人
主分類C23C 2/06 20060101AFI20240814BHJP(金属質材料への被覆;金属質材料による材料への被覆;化学的表面処理;金属質材料の拡散処理;真空蒸着,スパッタリング,イオン注入法,または化学蒸着による被覆一般;金属質材料の防食または鉱皮の抑制一般)
要約【課題】屋外に曝露された場合でも退色するおそれがない化成処理層を備え、耐食性にも優れた表面処理鋼板を提供する。
【解決手段】鋼板と、鋼板の少なくとも片面に形成されためっき層と、めっき層の上に形成された化成処理層とを備え、めっき層は、平均組成で、Al:2~22質量%、Mg:1.0~10質量%を含有し、残部がZn及び不純物を含み、化成処理層は、10質量%以上のジルコニウム化合物と、1質量%以上のバナジウム化合物と、着色顔料と、1~1000質量ppmのCaとを含有し、樹脂の含有量が0~40質量%である、表面処理鋼板を採用する。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
鋼板と、前記鋼板の少なくとも片面に形成されためっき層と、前記めっき層の上に形成された化成処理層とを備え、
前記めっき層は、平均組成で、Al:2~22質量%、Mg:1.0~10質量%を含有し、残部がZn及び不純物を含み、
前記化成処理層は、10質量%以上のジルコニウム化合物と、1質量%以上のバナジウム化合物と、着色顔料と、1~1000質量ppmのCaとを含有し、樹脂の含有量が0~40質量%である、表面処理鋼板。
続きを表示(約 2,800 文字)【請求項2】
前記着色顔料が、Cu、Co、Feの1種若しくは2種以上を含有する顔料、着色無機顔料または着色有機顔料のいずれかである、請求項1に記載の表面処理鋼板。
【請求項3】
前記着色無機顔料または前記着色有機顔料が、下記の何れかである、請求項2に記載の表面処理鋼板。
[着色無機顔料]二酸化チタン、カーボンブラック、グラファイト、酸化鉛、コールダスト、タルク、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローのうちの何れか1種または2種以上
[着色有機顔料]キナクリドンレッド、ペリレン、アンスラピリミジン、カルバゾールバイオレット(ジオキサジンバイオレット)、アントラピリジン、アゾオレンジ、ジスアゾイエロー、フラバンスロンイエロー、イソインドリンイエロー、アゾイエロー、インダスロンブルー、ジブロムアンザスロンレッド、ペリレンレッド、アゾレッド、アントラキノンレッドのうちの何れか1種または2種以上
【請求項4】
前記Cu、Co、Feの1種若しくは2種以上を含有する顔料が、銅(II)フタロシアニン、コバルト(II)フタロシアニン、硫酸銅、硫酸コバルト、硫酸鉄または酸化鉄のいずれか1種または2種以上である、請求項2に記載の表面処理鋼板。
【請求項5】
前記めっき層に、所定の形状となるように配置されたパターン部と、非パターン部とが形成され、
前記パターン部及び前記非パターン部は、それぞれ、下記の決定方法1~5のうちのいずれかによって決定される第1領域、第2領域のうちの1種または2種を含み、
前記パターン部における前記第1領域の面積率と、前記非パターン部における前記第1領域の面積率との差の絶対値が、30%以上である、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の表面処理鋼板。
[決定方法1]
前記めっき層の表面に0.5mm間隔で仮想格子線を描き、前記仮想格子線によって区画される複数の領域においてそれぞれ、各領域の重心点を中心とする直径0.5mmの円内を測定領域Aとし、各測定領域AにおけるL

値を測定する。得られたL

値の中から任意の50点を選定し、得られたL

値の50点平均を基準L

値としたとき、L

値が基準L

値以上になる領域を第1領域、基準L

値未満となる領域を第2領域とする。
[決定方法2]
前記めっき層の表面に0.5mm間隔で仮想格子線を描き、前記仮想格子線によって区画される複数の領域においてそれぞれ、各領域の重心点を中心とする直径0.5mmの円内を測定領域Aとし、各測定領域AにおけるL

値を測定し、L

値が45以上になる領域を第1領域、L

値が45未満となる領域を第2領域とする。
[決定方法3]
前記めっき層の表面に0.5mm間隔で仮想格子線を描き、前記仮想格子線によって区画される複数の領域においてそれぞれ、算術平均高さSa2を測定する。得られた算術平均高さSa2が1μm以上になる領域を第1領域、1μm未満となる領域を第2領域とする。
[決定方法4]
前記めっき層の表面に1mm間隔または10mm間隔で仮想格子線を描き、前記仮想格子線によって区画される複数の領域にそれぞれX線を入射させるX線回折法により、前記領域毎に、Zn相の(0002)面の回折ピーク強度I
0002
と、Zn相の(10-11)面の回折ピーク強度I
10-11
とを測定し、これらの強度比(I
0002
/I
10-11
)を配向率とする。前記配向率が3.5以上の領域を第1領域とし、前記配向率が3.5未満の領域を第2領域とする。
[決定方法5]
前記めっき層の表面に1mm間隔で仮想格子線を描き、次いで、前記仮想格子線によって区画される複数の領域毎に、各領域の重心点Gを中心とする円Sを描く。前記円Sは、前記円Sの内部に含まれる前記めっき層の表面境界線の合計長さが10mmとなるように直径Rを設定する。複数の領域の円Sの直径Rのうち最大の直径Rmaxと最小の直径Rminとの平均値を基準直径Raveとし、直径Rが基準直径Rave未満の円Sを有する領域を第1領域とし、直径Rが基準直径Rave以上の円Sを有する領域を第2領域とする。
【請求項6】
前記めっき層が、更に、平均組成で、下記A群、B群からなる群から選択される1種または2種を含有する、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の表面処理鋼板。
[A群]Si:0.0001~2質量%
[B群]Ni、Ti、Zr、Sr、Fe、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hf、Cのいずれか1種または2種以上を、合計で0.0001~2質量%
【請求項7】
前記めっき層が、更に、平均組成で、下記A群、B群からなる群から選択される1種または2種を含有する、請求項5に記載の表面処理鋼板。
[A群]Si:0.0001~2質量%
[B群]Ni、Ti、Zr、Sr、Fe、Sb、Pb、Sn、Ca、Co、Mn、P、B、Bi、Cr、Sc、Y、REM、Hf、Cのいずれか1種または2種以上を、合計で0.0001~2質量%
【請求項8】
前記化成処理層には、1質量%以上40質量%以下のリン酸化合物、1質量%以上30質量%以下のシリカ粒子、0.1質量%以上30質量%以下のコバルト化合物、0.1質量%以上30質量%以下のチタン化合物、の1種または2種以上が含有されている、請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の表面処理鋼板。
【請求項9】
前記化成処理層には、1質量%以上40質量%以下のリン酸化合物、1質量%以上30質量%以下のシリカ粒子、0.1質量%以上30質量%以下のコバルト化合物、0.1質量%以上30質量%以下のチタン化合物、の1種または2種以上が含有されている、請求項5に記載の表面処理鋼板。
【請求項10】
前記化成処理層には、1質量%以上40質量%以下のリン酸化合物、1質量%以上30質量%以下のシリカ粒子、0.1質量%以上30質量%以下のコバルト化合物、0.1質量%以上30質量%以下のチタン化合物、の1種または2種以上が含有されている、請求項6に記載の表面処理鋼板。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、表面処理鋼板に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
耐食性の良好なめっき鋼板として最も使用されるめっき鋼板にZn系めっき鋼板がある。Zn系めっき鋼板は、自動車、家電、建材分野など種々の製造業において使用されている。その中でも特に、Alを添加しためっきは耐食性が高いため近年使用量が増加している。
【0003】
耐食性を向上させることを目的として開発されたZn系めっき鋼板の一例として、Zn-Al-Mg-Siめっき鋼板が知られている。このめっき鋼板は、外観が梨地模様を呈することから、外観美麗性にも優れているという特徴がある。
【0004】
しかしながら、Zn-Al-Mg-Siめっき鋼板は、経時によって黒変したり、めっき層の表面に明度の不均一性が生じたり、めっき層の耐食性が十分でない場合がある。そこで、特許文献1~3に記載されているように、めっき層に化成処理層を被覆させたり、各種の塗膜を形成する場合がある。
【0005】
特許文献1には、鋼板の表面に、Mg:1~10質量%、Al:2~19質量%、Si:0.01~2質量%含有し、Mg(質量%)+Al(質量%)≦20質量%を満たし、残部がZn及び不可避的不純物よりなるZn合金めっき層を有し、更にその表層に、ジルコニウム化合物をジルコニウムとして10~30質量%、バナジルイオン(VO
2+
)の塩として供給される化合物をバナジウムとして5~20質量%含有している皮膜を付着量として少なくとも片面に200~1200mg/m

有する、溶接性及び耐食性に優れるクロメートフリー処理亜鉛-アルミニウム合金めっき鋼板が記載されている。
【0006】
特許文献2には、鋼材の表面上にアルミニウム・亜鉛合金めっき層(α)がめっきされ、更にその上層にチタン化合物およびジルコニウム化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物(A)を造膜成分とする皮膜(β)が被覆されている表面処理溶融めっき鋼材であって、アルミニウム・亜鉛合金めっき層(α)が構成元素としてAl、Zn、Si及びMgを含み、且つAl含有量が25~75質量%、Mg含有量が0.1~10質量%であり、アルミニウム・亜鉛合金めっき層(α)が0.2~15体積%のSi-Mg相を含み、Si-Mg相中のMgの、めっき層中のMg全量に対する質量比率が3%以上であって、アルミニウム・亜鉛合金めっき層(α)における50nm深さの最外層内で、大きさが直径4mm、深さ50nmとなるいかなる領域においても、Mg含有量が60質量%未満である表面処理溶融めっき鋼材が記載されている。
【0007】
特許文献3には、1~6価の金属イオンを含有する化合物及びケイ素化合物よりなる群から選択される1種又はそれ以上の成分と、畜光顔料、畜光染料、蛍光顔料及び蛍光染料よりなる群から選択される1種又はそれ以上の成分とを含む金属保護被膜形成用組成物が記載されている。
【0008】
更に最近では、Zn-Al-Mg-Siめっき鋼板の外観性を向上させるために、特許文献4に記載されているように、着色顔料を含有させた化成処理層が提案されている。
【0009】
しかし、特許文献4に記載された化成処理層は、樹脂を主成分とする皮膜であることから、鋼板を加工する際に、工具等によって、着色された化成処理層が部分的に削られてしまい、局所的に外観を損ねるおそれがある。
【0010】
一方、無機化合物を主成分とする皮膜は、樹脂を主成分とする化成処理層に対して比較的削られにくく耐久性がある。そこで、特許文献1または2に記載されているような、ジルコニウムを含む化合物、バナジウムを含む化合物またはチタンを含む化合物のような無機化合物を主体とする皮膜に、顔料を含有させることが検討されている。しかしながら、特許文献1または2に記載されている皮膜は、緻密性が高くバリア性に優れるものの、着色顔料の保持性が十分ではなく、特に水が皮膜に触れた場合の着色顔料の保持力に問題がある。このため、着色顔料によって着色された無機系の化成処理皮膜を、長期間にわたって屋外に曝露すると、降雨や結露の影響により、次第に退色するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
(【0011】以降は省略されています)

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