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公開番号2024109523
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-14
出願番号2024004172
出願日2024-01-15
発明の名称光学用成形体
出願人旭化成株式会社
代理人個人,個人,個人,個人
主分類G02B 1/10 20150101AFI20240806BHJP(光学)
要約【課題】本発明は、高温高湿環境下で使用しても防湿性能の劣化が少なく、高い形状安定性を有する光学用途向け成形体を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の光学用成形体は、60℃、90%RH環境における平衡吸水率が0.5%以上であり、60℃、90%RH環境試験における0時間~24時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm_24、0時間~100時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm_100としたときに、m_100/m_24≧0.6であることを特徴としている。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
60℃、90%RH環境における平衡吸水率が0.5%以上であり、
60℃、90%RH環境試験における0時間~24時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm_24、0時間~100時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm_100としたときに、m_100/m_24≧0.6である、
ことを特徴とする、光学用成形体。
続きを表示(約 760 文字)【請求項2】
85℃、85%RH環境における平衡吸水率が0.5%以上であり、
85℃、85%RH環境試験における0時間~24時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm’_24、0時間~100時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm’_100としたときに、m’_100/m’_24≧0.6である、
ことを特徴とする、光学用成形体。
【請求項3】
基材と、原子層堆積法で構成された金属酸化物を含むコーティング層と、を含む成形体であって、
前記基材は吸湿性を有する熱可塑性樹脂を含む層を有し、
前記コーティング層は前記熱可塑性樹脂を含む層上に積層されてなり、
前記金属酸化物がAl



を含み、
前記金属酸化物が60℃以上、150℃以下の温度範囲で成膜されてなり、
前記金属酸化物のうち、少なくとも前記熱可塑性樹脂と直接接する部分が、有機金属原料およびオゾンガスの反応によって成膜されてなる、
請求項1または2に記載の成形体。
【請求項4】
前記基材の表面積の95%以上が前記金属酸化物によって被覆されている、請求項3に記載の成形体。
【請求項5】
前記熱可塑性樹脂がラジカル分解型樹脂である(ただしポリプロピレンを除く)、請求項3に記載の成形体。
【請求項6】
前記熱可塑性樹脂が、メタクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、カーボネート系樹脂、変性ノルボルネン系樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートからなる群から選択されるいずれか一種以上である、請求項3に記載の成形体。
【請求項7】
光学素子である、請求項3に記載の成形体。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光学用成形体に関する。より詳細には、高温高湿環境下で使用しても防湿性能の劣化が少なく、高い形状安定性を有する光学用途向け成形体に関する。
続きを表示(約 2,600 文字)【背景技術】
【0002】
従来、レンズやプリズムなどの光学部品にはガラスが使用されていたが、近年、軽量・小型化やレンズの非球面化などの設計自由度の高さを背景に、プラスチックが使用されるようになってきている。光学部品に使用されるプラスチックには、一般にメタクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、環状オレフィン樹脂などが知られている。
【0003】
また、近年はVR、ARなどの光学製品の性能の飛躍的な高まりにより、ガラス製、プラスチック製を問わず、使用環境下のみならず、高温高湿環境のような過酷環境下においても、光学部品の形状安定性への要求は非常に厳しくなっている。
【0004】
メタクリル系樹脂は、プラスチックの女王と呼ばれ、その高い透明性、低複屈折性、光安定性などの優れた光学特性により、かつては光学部品への適用例が非常に多かった。しかし、その優れた光学特性にもかかわらず、近年では吸湿による寸法変化や形状変化を嫌い、高性能な光学部品では多くの場合使用することができないという問題があった。
【0005】
さらに、メタクリル系樹脂は、光学用途向けで通常用いられる光学薄膜との相性が悪いことも広く知られている。光学薄膜の成膜方法として、真空蒸着、スパッタ等の種々の成膜方法が開示されているが、いずれもメタクリル系樹脂に対して高い膜密着性を得ることは困難である。その原因として、成膜時のエネルギーにより、光学薄膜と接している基材の表面が変質し、崩壊変質層を形成し、崩壊変質層が光学薄膜ごとはがれることで、見かけ上光学薄膜の密着性が悪くなるという問題があった。
【0006】
光学薄膜により吸湿速度を抑制する技術も提案されているが、仮に常温近傍での防湿性能は安定していたとしても、高温高湿環境では一般に膜の熱膨張により膜密度が低下するため、防湿性能は常温に比べて低下する。また、樹脂基材の線膨張率と光学薄膜の線膨張率は10倍~100倍程度の違いがあるため、高温環境では樹脂基材の膨張に光学薄膜が追従できず、光学薄膜にクラックが生じやすくなる。仮に1か所でも光学薄膜にクラックが発生すれば、クラック部を通して樹脂基材が吸湿を始める。その結果、熱膨張に加えてさらに吸水膨張も加わり、基材と光学薄膜の膨張率差はいよいよ大きくなり、光学薄膜のクラックの生成は加速され、防湿性能は加速度的に劣化することになる。加えて、前述のように、特にメタクリル系樹脂では光学薄膜に対して高い膜密着性を得ることは困難である。
【0007】
また、特許文献1および特許文献2には、樹脂レンズの吸湿を抑制するためにイオンアシスト法によって耐湿性を有するコート層を蒸着する技術が記載されている。特許文献2にはアクリル系樹脂に対する成膜例も開示されているが、十分な耐湿性を有するコート層を得るには不十分であり、密着性に関する詳細な知見は記載されていない。また、レンズ径φ=4.5mm程度の小さいレンズに対しての記載にとどまり、VR用レンズやAR用導光体のような、大きさが10mmを超える、比較的サイズの大きい成形体に対する知見は記載されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
特開2006-119485号公報
特開2012-073542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、平衡吸水率の大きい樹脂を基材に用いた場合であっても、高温高湿環境下での使用に伴う防湿性能の劣化が少なく、高い形状安定性を有する光学用途向け成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち、本発明は以下の通りである。
[1]
60℃、90%RH環境における平衡吸水率が0.5%以上であり、
60℃、90%RH環境試験における0時間~24時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm_24、0時間~100時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm_100としたときに、m_100/m_24≧0.6である、
ことを特徴とする、光学用成形体。
[2]
85℃、85%RH環境における平衡吸水率が0.5%以上であり、
85℃、85%RH環境試験における0時間~24時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm’_24、0時間~100時間の単位面積当たり平均吸湿速度をm’_100としたときに、m’_100/m’_24≧0.6である、
ことを特徴とする、光学用成形体。
[3]
基材と、原子層堆積法で構成された金属酸化物を含むコーティング層と、を含む成形体であって、
前記基材は吸湿性を有する熱可塑性樹脂を含む層を有し、
前記コーティング層は前記熱可塑性樹脂を含む層上に積層されてなり、
前記金属酸化物がAl



を含み、
前記金属酸化物が60℃以上、150℃以下の温度範囲で成膜されてなり、
前記金属酸化物のうち、少なくとも前記熱可塑性樹脂と直接接する部分が、有機金属原料およびオゾンガスの反応によって成膜されてなる、
[1]または[2]に記載の成形体。
[4]
前記基材の表面積の95%以上が前記金属酸化物によって被覆されている、[3]に記載の成形体。
[5]
前記熱可塑性樹脂がラジカル分解型樹脂である(ただしポリプロピレンを除く)、[3]または[4]に記載の成形体。
[6]
前記熱可塑性樹脂が、メタクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、カーボネート系樹脂、変性ノルボルネン系樹脂、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレートからなる群から選択されるいずれか一種以上である、[3]~[5]のいずれかに記載の成形体。
[7]
光学素子である、[3]~[6]のいずれかに記載の成形体。
【発明の効果】
(【0011】以降は省略されています)

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