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公開番号2024123443
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-09-12
出願番号2023030860
出願日2023-03-01
発明の名称管内移動装置
出願人学校法人 中央大学
代理人個人
主分類G02B 23/24 20060101AFI20240905BHJP(光学)
要約【課題】移動体の長距離の移動を可能とする管内移動装置を提供することを目的とする。
【解決手段】配管内に設けられ、流体の供給により管径方向に膨張し、供給された流体を排出することにより管径方向に収縮する膨縮部を有し、膨縮部が膨張したときに配管の内周面に密接して配管内を閉塞し、膨縮部が収縮したときの最大外径が配管の内径よりも小さく構成された移動体と、配管外に設けられ、管を通じて前記移動体に流体を供給又は排出することにより、前記膨縮部の膨張・収縮を制御する流体給排手段と、前記移動体を配管内に配置するときに利用した開口部を閉鎖する蓋体と、前記膨縮部が膨張して移動体が配管内を閉塞した状態にあるときに、前記蓋体と前記移動体の間の空間に流体を供給し、前記移動体を押圧する押圧手段とを備えた構成とした。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
配管内に設けられ、流体の供給により管径方向に膨張し、供給された流体を排出することにより管径方向に収縮する膨縮部を有し、膨縮部が膨張したときに配管の内周面に密接して配管内を閉塞し、膨縮部が収縮したときの最大外径が配管の内径よりも小さく構成された移動体と、
配管外に設けられ、管を通じて前記移動体に流体を供給又は排出することにより、前記膨縮部の膨張・収縮を制御する流体給排手段と、
前記移動体を配管内に配置するときに利用した開口部を閉鎖する蓋体と、
前記膨縮部が膨張して移動体が配管内を閉塞した状態にあるときに、前記蓋体と前記移動体の間の空間に流体を供給し、前記移動体を押圧する押圧手段と、を備えた管内移動装置。
続きを表示(約 780 文字)【請求項2】
前記移動体は、膨縮部が配管の内周面に直接密接し、閉塞したときに配管の内周面との間で生じる摩擦よりも摩擦を小さくする摩擦低減部材を配管の内周面に密接する領域に備えた請求項1に記載の管内移動装置。
【請求項3】
前記移動体は、配管の管軸に沿って間隔を開けて複数設けられ、
各移動体は、前記流体給排手段と個別の管を通じて流体が供給、排出可能とされ、
進行方向先頭の移動体を除く後続の移動体は、前側で隣接する移動体から延長する前記管に固定されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の管内移動装置。
【請求項4】
配管外から配線を介して供給されるエネルギーにより配管内を移動可能とされた第1の移動体を備えた管内移動装置であって、
前記配線を貫通させて配管内に設けられ、流体の供給により管径方向に膨張し、供給された流体を排出することにより管径方向に収縮する膨縮部を有し、膨縮部が膨張したときに配管の内周面に密接して配管内を閉塞し、膨縮部が収縮したときの最大外径が配管の内径よりも小さく構成された第2の移動体と、
配管外に設けられ、管を通じて前記第2の移動体に流体を供給又は排出することにより、前記膨縮部の膨張・収縮を制御する流体給排手段と、
前記移動体を配管内に配置するときに利用した開口部を閉鎖する蓋体と、
前記膨縮部が膨張して移動体が配管内を閉塞した状態にあるときに、前記蓋体と前記移動体の間の空間に流体を供給し、前記第2の移動体を押圧する押圧手段と、を備えた管内移動装置。
【請求項5】
前記第1の移動体は、流体の給排により伸縮して推進する蠕動運動に基づいて配管内を移動可能に構成されたことを特徴とする請求項4に記載の管内移動装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、管内移動装置に関し、特に、配管内における長距離移動を可能とする管内移動装置に関する。
続きを表示(約 3,400 文字)【背景技術】
【0002】
従来、工場では、複雑に張り巡らされた細径の配管が流体の長距離輸送に用いられている。これらの配管は、長期間にわたり利用すると内壁に腐食が発生し、流体の品質低下を招く虞があるため定期的な検査が必要とされる。配管内の検査では、押し込み式の内視鏡が使用されることが多く、先端に設けられたカメラの配線を作業者が掴み、管奥へと押し込むことで配管内の視認検査がなされている。しかし、先端のカメラが管奥へと進むにつれて配線と管内壁との摩擦が大きくなり、作業者によって配線を押し込む力が内視鏡の先端まで伝達されず、先端のカメラを管奥へと押し込むことができなくなり、長距離にわたる配管の検査を困難にしている。
そこで、押し込み式の内視鏡に代わる検査手法の一つとして、例えば、特許文献1に記載されるように、配管内を自走可能に構成された管状移動体(以下単に移動体という)の先頭に、内視鏡のカメラに相当する探査ユニットを取り付けた管体内探査装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2015-151121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された移動体では、配管内において管軸方向に伸縮する複数の伸縮ユニットをユニット連結体で交互に連結し、ミミズの蠕動運動を模すように伸縮ユニットを所定の順序で軸方向に伸縮させることにより配管内における推進力を得ている。伸縮ユニットの伸縮は、空気圧を利用して動作するように構成されているため、移動体が配管内を移動する場合には、配管外から各伸縮ユニットに空気を供給する管を牽引しながら移動することになる。
しかし、牽引される空気管は、配管の内壁に引き摺られるように牽引されるため、移動体が配管の奥に行くほど摩擦が大きくなり、最終的に移動体の進行を妨げる程の負荷となる。
負荷となる摩擦は、配管における直管部分の内壁に空気管が擦れて生じるものと、曲管部分の内壁に空気管が押し付けられて生じるものとの2つが主たる要因とされる。
直管部分の摩擦は、長距離の場合、配管の長さ当たりに作用する摩擦力が一定と見なすことができる。また、曲管部分の摩擦は、検査距離の増加に伴い、空気供給管や電線に作用する張力が増加するため、それに従い摩擦力も増加する。長距離複雑管の検査時には、この曲管部分で生じる摩擦力が支配的となるため、曲管部分で生じた摩擦による張力の軽減が必要とされる。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するため、移動体の長距離の移動を可能とする管内移動装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための管内移動装置の構成として、配管内に設けられ、流体の供給により管径方向に膨張し、供給された流体を排出することにより管径方向に収縮する膨縮部を有し、膨縮部が膨張したときに配管の内周面に密接して配管内を閉塞し、膨縮部が収縮したときの最大外径が配管の内径よりも小さく構成された移動体と、配管外に設けられ、管を通じて前記移動体に流体を供給又は排出することにより、前記膨縮部の膨張・収縮を制御する流体給排手段と、前記移動体を配管内に配置するときに利用した開口部を閉鎖する蓋体と、前記膨縮部が膨張して移動体が配管内を閉塞した状態にあるときに、前記蓋体と前記移動体の間の空間に流体を供給し、前記移動体を押圧する押圧手段と、を備えた構成とした。
本構成によれば、移動体の長距離の移動を可能にすることができる。
また、管内移動装置の他の構成として、前記移動体は、膨縮部が配管の内周面に直接密接し、閉塞したときに配管の内周面との間で生じる摩擦よりも摩擦を小さくする摩擦低減部材を配管の内周面に密接する領域に備えた構成とした。
本構成によれば、移動体を効率良く移動させることができる。
また、管内移動装置の他の構成として、前記移動体は、配管の管軸に沿って間隔を開けて複数設けられ、各移動体は、前記流体給排手段と個別の管を通じて流体が供給、排出可能とされ、進行方向先頭の移動体を除く後続の移動体は、前側で隣接する移動体から延長する前記管に固定される構成とした。
本構成によれば、前方の管に生じた張力を緩めることができ、先頭の移動体の長距離の移動を可能とすることができる。
また、上記課題を解決するための管内移動装置の構成として、配管外から配線を介して供給されるエネルギーにより配管内を移動可能とされた第1の移動体を備えた管内移動装置であって、前記配線を貫通させて配管内に設けられ、流体の供給により管径方向に膨張し、供給された流体を排出することにより管径方向に収縮する膨縮部を有し、膨縮部が膨張したときに配管の内周面に密接して配管内を閉塞し、膨縮部が収縮したときの最大外径が配管の内径よりも小さく構成された第2の移動体と、配管外に設けられ、管を通じて前記第2の移動体に流体を供給又は排出することにより、前記膨縮部の膨張・収縮を制御する流体給排手段と、前記移動体を配管内に配置するときに利用した開口部を閉鎖する蓋体と、前記膨縮部が膨張して移動体が配管内を閉塞した状態にあるときに、前記蓋体と前記移動体の間の空間に流体を供給し、前記第2の移動体を押圧する押圧手段と、を備えた構成とした。
本構成によれば、配線に固定された第2の移動体を配管内において第1の移動体方向に移動させることができるので、配線に生じた張力を緩めることができ、第1の移動体の長距離の移動を可能とすることができる。
また、前記第1の移動体は、流体の給排により伸縮して推進する蠕動運動に基づいて配管内を移動可能に構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本実施形態に係る管内移動装置の概略構成図である。
移動体の構成を示す軸方向断面図である。
移動体が膨張収縮したときの配管に対する関係を示す図である。
管内移動装置の作用を示す図である。
管内移動装置の他の作用を示す図である。
移動体が膨張し、配管を閉鎖したときの平面図である。
移動体の他の構成例を示す図である。
移動体の他の形態を示す図である。
移動体の他の形態を示す図である。
管内移動装置の他の構成を示す図である。
把持ユニットの軸方向断面図及び動作図である。
伸縮ユニットの軸方向断面図及び動作図である。
移動体の推進動作を示す図である。
管内移動装置の他の作用を示す図である。
【0008】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、管内移動装置1の一実施形態を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る管内移動装置1は、配管Z内に設けられ、配管Z内を移動する移動体80と、配管Z外に設けられ、管210を通じて移動体80に流体の供給や排出をする流体給排手段200と、配管Z外から配管Z内に流体を供給し、流体の圧力により移動体80を押圧する押圧手段300を備えた構成とされる。
【0010】
なお、以下の説明では、移動体80に供給される流体や、配管Z内に供給される流体を圧縮空気として説明するが、他の気体や液体等であっても良い。また、移動体80に供給される流体や配管Z内に供給される流体は、同じものに限定されず、一方が気体で、他方が液体であっても良く、一方の気体と他方の気体が異なるものであっても良く、一方の液体と他方の液体が異なるものであっても良い。
(【0011】以降は省略されています)

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