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公開番号2024117002
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-08-28
出願番号2023022905
出願日2023-02-16
発明の名称ダイヤル式調整装置
出願人有限会社 ディオン光学技研
代理人個人
主分類G02B 23/14 20060101AFI20240821BHJP(光学)
要約【課題】第1のダイヤルの回転をロックしたりロックを解除したりすることを容易に操作できるダイヤル式調整装置を提供する。
【解決手段】回転可能な第1のダイヤル132を備えた調整機構と、第1のダイヤル132の回転をロックしたりロックを解除したりするように切り替え可能に構成されたロック機構と、を有するダイヤル式調整装置100は、ロック機構が円筒状の第2のダイヤル142を有し、第1のダイヤル132と第2のダイヤル142とはダイヤル式調整装置100の軸線Cに沿って二段に配置されていることを特徴とする。これにより、第2のダイヤル142を第1のダイヤル132の外径の範囲内に収める場合、矩形状のつまみに比べて、第2のダイヤル142の寸法を径方向と軸線方向とに拡大させることができるので、第2のダイヤルの回転操作性を向上させることができる。
【選択図】図2
特許請求の範囲【請求項1】
回転可能な第1のダイヤルを備えた調整機構と、
前記第1のダイヤルの回転をロックしたりロックを解除したりするように切り替え可能に構成されたロック機構と、を有するダイヤル式調整装置であって、
前記ロック機構は円筒状の第2のダイヤルを有し、前記第1のダイヤルと前記第2のダイヤルとはダイヤル式調整装置の軸線に沿って二段に配置されていることを特徴とするダイヤル式調整装置。
続きを表示(約 1,500 文字)【請求項2】
前記第2のダイヤルは前記第1のダイヤルと同一の回転軸線を備えていることを特徴とする請求項1に記載のダイヤル式調整装置。
【請求項3】
前記ロック機構は表示筒をさらに有し、
前記第2のダイヤルは前記表示筒の表面が露出する開口を備えており、
前記表示筒は円筒状であり、前記第2のダイヤルの径方向内側に配置され、前記第2のダイヤルの回転とともに回転しないように構成されており、前記第2のダイヤルがロック位置にあるときの前記開口に対応する位置と前記第2のダイヤルがロック解除位置にあるときの前記開口に対応する位置とに互いに異なる色彩が付与されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のダイヤル式調整装置。
【請求項4】
前記第2のダイヤルの前記開口は多数あり、前記第2のダイヤルの軸線回りに角度間隔を開けて配列されていることを特徴とする請求項3に記載のダイヤル式調整装置。
【請求項5】
前記第2のダイヤルは多数の切り欠きを備えており、前記多数の切り欠きは円弧状であり、径方向内側に凹んでおり、前記第2のダイヤルの軸線回りに角度間隔を開けて配列されていることを特徴とする請求項3に記載のダイヤル式調整装置。
【請求項6】
前記第2のダイヤルの前記開口は多数あり、前記多数の切り欠きの底部にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項5に記載のダイヤル式調整装置。
【請求項7】
前記調整機構は、
前記第1のダイヤルが固定された調整軸と、
前記調整軸を取り囲む円筒状の係合筒と、を有し、
前記係合筒は内周に第1の凹凸が設けられ、
前記ロック機構は、
前記第2のダイヤルに固定され、前記第2のダイヤルとともに回動する作動環と、
前記調整機構の前記調整軸に係合され、前記作動環によって移動されて前記係合筒の内周に対して着脱可能に構成されたストップピンと、を有し、
前記ストップピンはT字状であり、先端部が前記係合筒の周方向に幅広に形成され、前記前記ストップピンの前記先端部には前記第1の凹凸と噛み合い可能に構成させた第2の凹凸が設けられ、
前記ストップピンの前記第2の凹凸と前記係合筒の前記第1の凹凸とは対向配置され、前記第2のダイヤルをロック位置にすると前記第1の凹凸と前記第2の凹凸とが噛み合って前記第1のダイヤルが回転不能となり、
前記第2のダイヤルをロック解除位置にすると前記第1の凹凸と前記第2の凹凸との噛み合いが解除されて前記第1のダイヤルが回転自在となるように構成される請求項1又は2に記載のダイヤル式調整装置。
【請求項8】
前記第1の凹凸はダイヤル式調整装置の軸線回りに1つずつ交互に配列された多数の凹部と多数の凸部とを有し、
前記第2の凹凸は前記ストップピンの幅広方向に1つずつ交互に配列された多数の凹部と多数の凸部とを有し、
前記第1の凹凸と前記第2の凹凸との噛み合い状態では、前記第1の凹凸の前記多数の凸部が前記第2の凹凸の前記多数の凹部にそれぞれ挿入し、前記第2の凹凸の前記多数の凸部が前記第1の凹凸の前記多数の凹部にそれぞれ挿入することを特徴とする請求項7に記載のダイヤル式調整装置。
【請求項9】
前記ストップピンは磁性体からなり、前記作動環は磁石を備えており、前記ストップピンは前記磁石の磁力によって引き寄せられて前記作動環に当接していることを特徴とする請求項7に記載のダイヤル式調整装置。

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は光学装置を調整するためのダイヤルの回転をロックしたりロックを解除したりするダイヤル式調整装置に関する。特に、銃器類や競技用射撃その他の射的競技などに用いられる照準スコープに好適なダイヤル式調整装置に関する。
続きを表示(約 2,200 文字)【背景技術】
【0002】
従来から、銃器類や射的競技などには照準スコープが用いられている。この照準スコープは銃器類や射的競技などの狙い、すなわち、照準を定めるためのものである。この照準スコープには銃身の軸線と照準スコープの光軸とを一致させたり、射撃目標までの距離と銃弾の落下位置とを合わせたり、風による銃弾の流れを調整したりするためのダイヤル式調整装置が備えられている。このダイヤル式調整装置はダイヤルを回転させることによって調整するように構成されている。この種類のダイヤル式調整装置にはダイヤルの回転をロック(固定)したりロックを解除したりするロック機構をさらに備えたものがある。このようなロック機構は、例えば、特許文献1と特許文献2に開示されている。
【0003】
この特許文献1に記載の照準望遠鏡と特許文献2に記載のロック式タレット(locking turret)との双方は、ダイヤル(フォーカスノブ,キャップ)を回転させて調整するとともに、そのダイヤル自身を押し込んだり引き上げたりしてダイヤルの回転をロックしたりロックを解除したりするように構成されている。このため、ダイヤルと、ダイヤルの回転をロックしたりロックを解除したりする部材とが同一であるため、ダイヤルを固定する際にダイヤルの回転位置がずれてしまうおそれがあるという問題がある。
【0004】
この問題を解決するために特許文献3が考案されている。この特許文献3には調整機構のダイヤルと、ダイヤルの回転をロックしたりロックを解除したりするロック機構のつまみと、を別部材に構成してなるダイヤル式調整装置が記載されている。このダイヤル式調整装置を図14に示す。図14に示すように、このダイヤル式調整装置300,301,302は照準スコープ30のスコープ本体32に取り付けられており、ダイヤル332の上部につまみ342が配置されている。当該つまみ342はダイヤル332の回転軸線と異なる回転軸線を備えている。これにより、ダイヤル332を動かすことなく、つまみ342をロック位置P1とロック解除位置P2とに往復回動させることによってダイヤル332の回転をロックしたりロックを解除したりすることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
特許4030857号公報
特許5543955号公報
特開2021-196454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献3に記載のダイヤル式調整装置300,301,302は、つまみ342が略矩形状であり、円筒状のダイヤル332の上部に配置されていることにより、つまみ342の寸法をダイヤル332の外径の範囲内に収めるためには、つまみ342の寸法を大きくすることが難しい。このため、指先が太い場合や手袋を装着している場合には、つまみ342を操作しにくいという問題がある。
【0007】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、指先が太い場合や手袋を装着している場合にもダイヤルを容易に操作することができるダイヤル式調整装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために本発明のダイヤル式調整装置は、回転可能な第1のダイヤルを備えた調整機構と、前記第1のダイヤルの回転をロックしたりロックを解除したりするように切り替え可能に構成されたロック機構と、を有するダイヤル式調整装置であって、前記ロック機構は円筒状の第2のダイヤルを有し、前記第1のダイヤルと前記第2のダイヤルとはダイヤル式調整装置の軸線に沿って二段に配置されていることを特徴とする。
【0009】
この発明によれば、回転可能な第1のダイヤルを備えた調整機構と、前記第1のダイヤルの回転をロックしたりロックを解除したりするように切り替え可能に構成されたロック機構と、を有するダイヤル式調整装置であって、前記ロック機構は円筒状の第2のダイヤルを有し、前記第1のダイヤルと前記第2のダイヤルとはダイヤル式調整装置の軸線に沿って二段に配置されていることにより、前記第2のダイヤルの寸法を前記第1のダイヤルの外径の範囲内に収める場合、矩形状のつまみの寸法に比べて、前記第2のダイヤルの寸法を径方向と軸線方向とに大きくすることができるので、前記第2のダイヤルの回転操作性を向上させることができる。
【0010】
本発明において、前記第2のダイヤルは前記第1のダイヤルと同一の回転軸線を備えていることが好ましい。この発明によれば、前記第2のダイヤルは前記第1のダイヤルと同一の回転軸線を備えていることにより、前記第2のダイヤルの寸法を前記第1のダイヤルの外径の範囲内に収める場合、前記第2のダイヤルが前記第1のダイヤルと異なる回転軸線を備えている場合に比べて、前記第2のダイヤルの寸法を径方向に大きくすることができるので、前記第2のダイヤルの回転操作性をさらに向上させることができる。前記第1のダイヤルと前記第2のダイヤルの双方の回転軸線はダイヤル式調整装置の軸線でもよい。
(【0011】以降は省略されています)

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