TOP
|
特許
|
意匠
|
商標
特許ウォッチ
Twitter
他の特許を見る
公開番号
2024098588
公報種別
公開特許公報(A)
公開日
2024-07-24
出願番号
2023002160
出願日
2023-01-11
発明の名称
燃料油組成物
出願人
出光興産株式会社
代理人
弁理士法人大谷特許事務所
主分類
C10L
1/19 20060101AFI20240717BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約
【課題】脂肪酸アルキルエステルを含有することで優れた燃焼性能を有するとともに、常温通油性能をも有する燃料油組成物を提供する。
【解決手段】特定の性状を有する脂肪酸アルキルエステル及び分解軽油留分を、組成物全量基準の含有量として各々15.0容量%以上35.0容量%以下、20.0容量%以上40.0容量%以下で含み、(1)15℃における密度が0.8700g/cm
3
以上0.8900g/cm
3
以下、(2)50℃における動粘度が2.000mm
2
/s以上4.500mm
2
/s以下、(3)硫黄分含有量が0.400質量%以下、(4)3環以上の芳香族分含有量が2.9容量%以上及び(5)10%残油の残留炭素分が0.21質量%以上0.60質量%以下のいずれも満足する燃料油組成物及びその製造方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲
【請求項1】
下記(a
1
)~(a
3
)をいずれも満足する脂肪酸アルキルエステルと、下記(b
1
)~(b
4
)をいずれも満足する分解軽油留分と、を含み、前記脂肪酸アルキルエステルが、炭素数8以上22以下の脂肪酸と炭素数1以上4以下のアルキルアルコールとのエステルであり、前記脂肪酸アルキルエステルの組成物全量基準の含有量が15.0容量%以上35.0容量%以下であり、前記分解軽油留分の組成物全量基準の含有量が20.0容量%以上40.0容量%以下である、下記(1)~(5)のいずれも満足する燃料油組成物。
(a
1
)セタン価が49.0以上
(a
2
)酸価が0.50mgKOH/g以下
(a
3
)10%残油の残留炭素分が0.80質量%以上1.50質量%以下
(b
1
)50℃における動粘度が1.700mm
2
/s以上3.600mm
2
/s以下
(b
2
)硫黄分含有量が0.40質量%以下
(b
3
)芳香族分含有量が50.0容量%以上
(b
4
)3環以上の芳香族分含有量が5.0容量%以上
(1)15℃における密度が0.8700g/cm
3
以上0.8900g/cm
3
以下
(2)50℃における動粘度が2.000mm
2
/s以上4.500mm
2
/s以下
(3)硫黄分含有量が0.400質量%以下
(4)3環以上の芳香族分含有量が2.9容量%以上
(5)10%残油の残留炭素分が0.21質量%以上0.60質量%以下
続きを表示(約 1,100 文字)
【請求項2】
前記脂肪酸アルキルエステルが、脂肪酸メチルエステルである請求項1に記載の燃料油組成物。
【請求項3】
前記脂肪酸が、炭素数8以上22以下の脂肪酸を二種以上含む混合脂肪酸である請求項1又は2に記載の燃料油組成物。
【請求項4】
前記混合脂肪酸が、動物油及び植物油から選ばれる少なくとも一種の原料から得られるものである請求項3に記載の燃料油組成物。
【請求項5】
前記原料が、廃食用油である請求項4に記載の燃料油組成物。
【請求項6】
内燃機に用いられる請求項1~5のいずれか1項に記載の燃料油組成物。
【請求項7】
炭素数8以上22以下の脂肪酸と炭素数1以上4以下のアルキルアルコールとのエステルであり、下記(a
1
)~(a
3
)をいずれも満足する脂肪酸アルキルエステルと、下記(b
1
)~(b
4
)をいずれも満足する分解軽油留分とを、前記脂肪酸アルキルエステルの組成物全量基準の含有量が15.0容量%以上35.0容量%以下、前記分解軽油留分の組成物全量基準の含有量が20.0容量%以上40.0容量%以下となるように混合する、下記(1)~(5)のいずれも満足する燃料油組成物の製造方法。
(a
1
)セタン価が49.0以上
(a
2
)酸価が0.50mgKOH/g以下
(a
3
)10%残油の残留炭素分が0.80質量%以上1.50質量%以下
(b
1
)50℃における動粘度が1.700mm
2
/s以上3.600mm
2
/s以下
(b
2
)硫黄分含有量が0.40質量%以下
(b
3
)芳香族分含有量が50.0容量%以上
(b
4
)3環以上の芳香族分含有量が5.0容量%以上
(1)15℃における密度が0.8700g/cm
3
以上0.8900g/cm
3
以下
(2)50℃における動粘度が2.000mm
2
/s以上4.500mm
2
/s以下
(3)硫黄分含有量が0.400質量%以下
(4)3環以上の芳香族分含有量が2.9容量%以上
(5)10%残油の残留炭素分が0.21質量%以上0.60質量%以下
発明の詳細な説明
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料油組成物に関する。
続きを表示(約 2,400 文字)
【背景技術】
【0002】
JIS K2205:1991の1種重油(以下、「A重油」とも称する。)、とりわけJIS K2205:1991の1種1号重油(以下「低硫黄A重油」とも称する。)は、灯油、軽油等と比べて単位体積当たりの発熱量が高く、燃料油使用量(体積)を低減することができ、またC重油(JIS K2205:1991の3種重油)と比べて硫黄分、窒素分、残留炭素分が少ないことから、環境負荷が小さいものである。さらにC重油とは異なり、加熱する必要がなく、常温で貯蔵及び使用が可能であり、かつ供給安定性にも優れていることから、船舶用ディーゼルエンジン等の内燃機の燃料油として、また発電用ボイラ等の外燃機の燃料油として広く使用されている。
【0003】
船舶用の燃料油としては、ISO8217「Petroleum products-Fuels(class F)-Specification of marine fuels」を満足する燃料油等が知られている。そしてISO8217:2017では、脂肪酸メチルエステル(FAME)の最大含有量が7容量%以下の船舶留出油に関する追加規定(DFグレード:DFA、DFZ及びDFB)が追加された。脂肪酸メチルエステル(FAME)が含まれる燃料油組成物としては、例えば特許文献1~3に記載される組成物が知られている。上記特許文献1~3には、例えばミリスチン酸メチルエステル等の脂肪酸メチルエステルを含む菜種油のメチルエステル化物を、5~100容量%の含有量で含有する記載される内燃機用燃料油組成物及び外燃機用燃料油組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
特開2007-231119号公報
特開2007-231120号公報
特開2007-231121号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1~3に記載される燃料油組成物に含まれる脂肪酸メチルエステル(FAME)等の脂肪酸アルキルエステルは、燃焼性能が高いことから、燃料油としての使用の検討が進んでいる基油の一つである。また、脂肪酸アルキルエステルとして動植物由来のものを使用する場合、二酸化炭素の排出が削減されることとなるため、二酸化炭素の排出削減による地球温暖化の抑制に寄与することができ、環境保護の観点から極めて有用である。よって、脂肪酸メチルエステル(FAME)等の脂肪酸アルキルエステルを基油として用いることで、燃焼性能の向上が期待でき、さらに動植物由来の脂肪酸アルキルエステルを採用すると、環境保護に寄与する基油となり得る。
【0006】
ところで、船舶に用いられる燃料油組成物、とりわけ船舶のディーゼルエンジン等に燃料油組成物を用いる場合、通常使用時にアスファルテンの凝集によるスラッジの生成等により燃料油フィルタの閉塞頻度が高くなりやすい。そして、船舶内の燃料油タンク等で長期貯蔵した後に使用すると、スラッジが生成しやすくなり、閉塞頻度はより高くなる傾向にある。
【0007】
船舶用の燃料油組成物として、既述のISO8217を満足する燃料油等が知られているが、燃料油フィルタの閉塞を生じる場合がある。閉塞頻度を低減する手法として、潜在セジメント(Total sediment aged、ISO 10307-2)を0.10質量%以下とする手法、実在セジメント(Total sediment by hot filtration、ISO 10307-1)を0.10質量%以下とする手法等が知られている。しかし、船舶用の燃料油、特に留出油については、常温貯蔵後の燃料油フィルタにおける通油性能が十分とはいえず、閉塞頻度をより低減し得る燃料油組成物が求められている。
【0008】
また、国内において、船舶用の燃料油組成物としては、全漁連漁船用燃料油規格において漁船用A重油の閉塞頻度を低減するべく、水でい分、ドライスラッジを所定含有量以下とすることが知られている。このように、国内外において用いられる船舶用の燃料油組成物には、閉塞頻度をより低減することが求められるようになっており、通油性能に関する要求は年々厳しくなっている。
【0009】
上記の特許文献1~3に記載される燃料油組成物は、排気ガス中の未燃物質(煙)及び粒子状物質(PM)の低減、発熱量の向上及び燃焼排出ガス中の煤濃度の低減、並びに硫黄分の低減及び残留炭素付与剤の配合に起因したスラッジ安定性の向上、に着目されている。しかし、燃焼性能の向上だけでなく、閉塞頻度を低減することによる通油性能の向上をも図ることについては、着目されておらず、特に通油性能については改善の余地がある。また、ISO8217では、脂肪酸メチルエステル(FAME)の含有量が7容量%以下の船舶留出油についての規格は設けられているが、7容量%を超える低硫黄A重油については何らの言及はない。そして、脂肪酸メチルエステル(FAME)等の脂肪酸アルキルエステルの含有量が7容量%を超える低硫黄A重油については、常温で貯蔵した後の使用に際し、燃料油フィルタの閉塞を生じやすく、燃料油フィルタの通油性能(以下、「常温通油性能」とも称する。)に優れているとまではいえない。そのため、常温貯蔵後の使用に際して、燃料油フィルタの閉塞頻度の低減による通油性能の向上について、更なる改良が求められている。
【0010】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、脂肪酸アルキルエステルを含有することで優れた燃焼性能を有するとともに、常温通油性能をも有する燃料油組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
(【0011】以降は省略されています)
この特許をJ-PlatPatで参照する
関連特許
出光興産株式会社
熱処理油組成物
28日前
出光興産株式会社
水溶性防錆剤組成物
28日前
出光興産株式会社
化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子、及び電子機器
4日前
出光興産株式会社
形質転換ストレプトマイセス属細菌およびビアラホスの製造方法
4日前
出光興産株式会社
ベクター、形質転換放線菌、タンパク質の製造方法、およびプロモーター
4日前
出光興産株式会社
形質転換ストレプトマイセス属細菌およびC-P結合を有する生理活性物質の製造方法
4日前
出光興産株式会社
形質転換ストレプトマイセス属細菌およびC-P結合を有する生理活性物質の製造方法
4日前
出光興産株式会社
形質転換ストレプトマイセス属細菌並びにビアラホスおよび/またはL-グルホシネートの製造方法
4日前
出光興産株式会社
化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
4日前
住鉱潤滑剤株式会社
潤滑油組成物
4日前
三洋化成工業株式会社
摩耗防止剤及び潤滑油組成物
13日前
株式会社トプコン
潤滑剤組成物およびグリース
18日前
株式会社ニイタカ
固形燃料
12日前
日本化学工業株式会社
潤滑剤
12日前
大塚化学株式会社
潤滑油添加剤および潤滑油組成物
20日前
JFEスチール株式会社
冶金用コークスの製造方法
4日前
日本精工株式会社
グリース組成物及び転がり軸受
4日前
エスケイ工業有限会社
炭化装置
25日前
ENEOS株式会社
内燃機関用潤滑油組成物
4日前
ENEOS株式会社
内燃機関用潤滑油組成物
4日前
NOKクリューバー株式会社
潤滑剤組成物
12日前
株式会社レゾナック
炭素材製造用ピッチとナフタレンの製造方法
25日前
住友重機械プロセス機器株式会社
コークス炉のタール洗浄装置、タール洗浄装置の製造方法
4日前
株式会社ニイタカ
固形燃料
12日前
株式会社日本バイオマスフューエル
バイオマス燃料組成物
18日前
ダイハツディーゼル株式会社
内燃機関用燃料及び燃料供給装置
12日前
築野グループ株式会社
二塩基酸とポリオキシアルキレングリコールとのエステル
4日前
JFEスチール株式会社
コークスの製造方法
25日前
トヨタ自動車株式会社
転がり軸受用グリース組成物
4日前
築野グループ株式会社
二塩基酸とアルキルアルコールのアルキレンオキサイド付加物とのエステル
4日前
日鉄ケミカル&マテリアル株式会社
低CTE、低パッフィングニードルコークス
25日前
シェルルブリカンツジャパン株式会社
水-グリコール系作動液組成物及びその追加補充添加剤
20日前
エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
潤滑基油の製造方法
19日前
アフトン・ケミカル・コーポレーション
耐久性及び向上した燃費のための潤滑組成物
18日前
アフトン・ケミカル・コーポレーション
燃焼エンジン後処理デバイスの性能を改善する方法
25日前
エスケー イノベーション カンパニー リミテッド
廃プラスチックからの精製炭化水素の製造方法および製造システム
12日前
続きを見る
他の特許を見る