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公開番号2024149412
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-10-18
出願番号2024054583
出願日2024-03-28
発明の名称燃焼エンジン後処理デバイスの性能を改善する方法
出願人アフトン・ケミカル・コーポレーション,Afton Chemical Corporation
代理人弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
主分類C10M 169/04 20060101AFI20241010BHJP(石油,ガスまたはコークス工業;一酸化炭素を含有する工業ガス;燃料;潤滑剤;でい炭)
要約【課題】微粒子フィルタなどの燃焼エンジン後処理デバイスの性能を改善する方法、及び改善するための潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】後処理デバイスの性能を改善する方法は、潤滑油組成物で燃焼エンジンを潤滑し、潤滑されたエンジンにおいて燃料を燃焼させ、燃焼から誘導された煤及び/又は灰粒子を含む排気流を発生させることであって、潤滑油組成物が、潤滑粘度の1つ以上の基油と、潤滑油組成物に約50~約500ppmのケイ素を提供する少なくとも1つの油溶性ケイ素含有化合物を含む添加剤パッケージと、を含む、発生させることと、後処理デバイスを、燃焼からの煤及び/又は灰粒子を含む排気流と接触させることと、を含み、少なくとも約120,000マイルの動作後の後処理デバイスの性能が、約10ppm以下のケイ素を有する潤滑油組成物で潤滑された燃焼エンジンからの排気流に曝露された後処理デバイスと比較して改善される、方法である。
【選択図】なし
特許請求の範囲【請求項1】
燃焼エンジン用の後処理デバイスの性能を改善する方法であって、
潤滑油組成物で前記燃焼エンジンを潤滑し、潤滑されたエンジンにおいて燃料を燃焼させ、燃焼から誘導された煤及び/又は灰粒子を含む排気流を発生させることであって、前記潤滑油組成物が、潤滑粘度の1つ以上の基油と、前記潤滑油組成物に約50~約500ppmのケイ素を提供する少なくとも1つの油溶性ケイ素含有化合物を含む添加剤パッケージと、を含む、発生させることと、
前記後処理デバイスを、前記燃焼からの前記煤及び/又は前記灰粒子を含む前記排気流と接触させることと、を含み、
少なくとも約120,000マイルの動作後の前記後処理デバイスの前記性能が、約10ppm以下のケイ素を有する潤滑油組成物で潤滑された燃焼エンジンからの前記排気流に曝露された前記後処理デバイスと比較して改善される、方法。
続きを表示(約 1,300 文字)【請求項2】
前記後処理デバイスの前記性能が、表面積、酸素貯蔵容量、又はライトオフ温度のうちの少なくとも1つによって測定される際に改善される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも約120,000マイルの動作後の前記後処理デバイスの前記表面積が、前記後処理デバイスの初期表面積と実質的に同じであり、かつ/又は前記少なくとも約120,000マイルの動作後の前記後処理デバイスの前記酸素貯蔵容量が、前記後処理デバイスの初期酸素貯蔵容量よりも30パーセント未満にすぎず、かつ/又は前記少なくとも約120,000マイルの動作後の前記後処理デバイスのCO T
50
ライトオフ温度が、前記後処理デバイスの初期CO T
50
ライトオフ温度よりも5パーセント高くあるにすぎない、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記後処理デバイスの前記表面積が、Brunauer-Emmett-Teller(BET)分析に従って測定され、かつ/又は前記後処理デバイスのBET表面積が、前記少なくとも約120,000マイルの動作後に約20m


cat
-1
以上であり、かつ/又は前記少なくとも約120,000マイルの動作後の前記後処理デバイスの前記BET表面積が、前記後処理デバイスの初期BET表面積の約4~約10パーセントに維持される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも1つの油溶性ケイ素含有化合物が、約150~約250ppmのケイ素を前記潤滑油組成物に提供する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記後処理デバイスが、三元触媒コンバータ、微粒子フィルタ、又はそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記油溶性ケイ素含有化合物が、C6~C20ヒドロカルビル鎖を有するオルガノシラン化合物である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記オルガノシラン化合物が、C6~C20ヒドロカルビルシリルエーテル化合物であり、かつ/又は前記シリルエーテル化合物が、トリ-アルコキシ(ヒドロカルビル)シランであり、かつ/又は前記シリルエーテル化合物が、C14~C20ヒドロカルビルトリメトキシシランである、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記燃焼エンジンが、ガソリンエンジン若しくはディーゼルエンジンであり、かつ/又は前記煤若しくは灰粒子が、約10nm以下の直径を有し、かつ/又は前記煤若しくは灰粒子が、最大200マイクロメートルの直径を有する粒子に凝集し、かつ/又は前記排気流が、高温動作中の微粒子数(PN)によって測定される1×10
12
~1×10
13
の煤及び/若しくは灰を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記潤滑油組成物が、0.4~2.0重量パーセントの計算SASH値を有する、請求項1に記載の方法。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、燃焼エンジン用の後処理デバイスの性能を改善するように構成された潤滑油組成物及びその使用方法に関し、具体的には、燃焼エンジン後処理デバイスの性能を改善するために潤滑油組成物中に油溶性ケイ素含有化合物を使用することに関する。
続きを表示(約 3,700 文字)【背景技術】
【0002】
従来のポート燃料噴射(port fuel injection、PFI)ガソリンエンジンは、極めて低い微粒子排出物を有する傾向があるが、より新しいガソリン直接噴射(gasoline direct injection、GDI)エンジン及びディーゼルエンジンは、それらの燃焼技術を考慮すると、より高い微粒子排出物を有する傾向がある。ディーゼルエンジン及びGDIエンジンの両方において微粒子及び他の排気排出物を低減することを支援するために、様々ないわゆる後処理デバイスが導入されている。例えば、微粒子フィルタは、ディーゼル及び/又はGDIエンジンの排気システムとともに一般的に使用されて、微粒子排出物を捕捉及び低減させるような後処理デバイスの1つである。三元触媒は、多くの場合、かかるエンジンからの排気中の部分燃焼及び/又は未燃焼成分を酸化するために使用される別の一般的な後処理デバイスである。しかしながら、微粒子フィルタ及び/又は触媒システムは、100,000マイルを超え得る長い実世界の耐用年数の間、車両排出物を効率的に制御する必要がある。しかしながら、後処理デバイスの性能は、他の問題の中でも、選択されたエンジン油から生じる燃焼副生成物によって影響を受ける可能性がある。
【0003】
後処理デバイスの評価は、様々な性能試験及び/又は物理的特徴付けを通じて算定され得る。性能試験は、例えば、触媒系の酸素貯蔵容量及び/又はライトオフ温度の測定を含み得る。物理的特徴付けは、フィルタ及び/又は触媒表面積の測定を含み得る。
【0004】
酸素貯蔵容量は、概して、リーン条件下で過剰酸素を貯蔵し、リッチ条件下で酸素を放出する三元触媒後処理デバイスの能力を指す。酸素貯蔵及び放出の量は、三元触媒の変換能が低減するにつれて減少する。したがって、耐用年数にわたる三元触媒の酸素貯蔵容量における減少は望ましくなく、後処理デバイスの使用中の耐用年数にわたって維持される高い酸素貯蔵容量が好ましい。
【0005】
ライトオフ温度は、三元触媒の別の有用な性能尺度である。ライトオフ温度は、触媒反応が三元触媒内で開始される排気ガス温度の尺度である。ライトオフ温度は、概して、エンジンの排気流中の不完全燃焼の生成物を酸化するのに必要な最低温度である。このため、デバイスの耐用年数にわたって維持されるより低いライトオフ温度が所望される。
【0006】
フィルタ又は触媒表面積は、経時的なデバイス性能を評価するために使用することができる後処理デバイスの物理的特徴である。燃焼による煤又は灰は、フィルタ又は触媒を詰まらせることによって表面積を低下させる可能性がある。Brunauer-Emmett-Teller(Brunauer-Emmett-Teller、BET)分析は、固体又は多孔性材料の表面積を測定するために使用される1つの方法であり、微粒子フィルタ又は三元触媒などの自動車後処理デバイスの表面積を測定するために有用であり得る。耐用年数にわたって維持される触媒又はフィルタのより高いBET表面積が所望される。
【発明の概要】
【0007】
一態様によれば、燃焼エンジン用の後処理デバイスの性能を改善する方法が、本明細書において説明される。この態様の一実施形態又はアプローチでは、本方法は、潤滑油組成物で燃焼エンジンを潤滑し、潤滑されたエンジンにおいて燃料を燃焼させ、燃焼から誘導された煤及び/又は灰粒子を含む排気流を発生させることであって、潤滑油組成物が、潤滑粘度の1つ以上の基油と、潤滑油組成物に約50~約500ppmのケイ素を提供する少なくとも1つの油溶性ケイ素含有化合物を含む添加剤パッケージと、を含む、発生させることと、後処理デバイスを燃焼からの煤及び/又は灰粒子を含む排気流と接触させることと、を含み、少なくとも約120,000マイルの動作後の後処理デバイスの性能が、約10ppm以下のケイ素を有する潤滑油組成物で潤滑された燃焼エンジンからの排気流に曝露された後処理デバイスと比較して改善される。
【0008】
他のアプローチ又は実施形態では、前段落の方法は、任意の組み合わせで、任意選択的な実施形態、特色、又は方法ステップを含み得る。これらの任意選択的な実施形態、特色、又は方法ステップは、以下のうちの1つ以上を含み得る:後処理デバイスの性能は、表面積、酸素貯蔵容量、若しくはライトオフ温度のうちの少なくとも1つによって測定される際に改善される、並びに/又は少なくとも約120,000マイルの動作後の後処理デバイスの表面積は、後処理デバイスの初期表面積と実質的に同じであり、かつ/又は少なくとも約120,000マイルの動作後の後処理デバイスの酸素貯蔵容量は、後処理デバイスの初期酸素貯蔵容量よりも30パーセント未満にすぎず、かつ/又は少なくとも約120,000マイルの動作後の後処理デバイスのCO T
50
ライトオフ温度は、後処理デバイスの初期CO T
50
ライトオフ温度よりも5パーセント高くあるにすぎず、かつ/又は後処理デバイスの表面積は、Brunauer-Emmett-Teller(BET)分析に従って測定され、かつ/又は後処理デバイスのBEP表面積は、約120,000マイルの動作後に約20m


cat
-1
以上であり、かつ/又は少なくとも約120,000マイルの動作後の後処理デバイスのBET表面積は、後処理デバイスの初期BET表面積の約4~約10パーセントで維持され、かつ/又は少なくとも1つの油溶性ケイ素含有化合物は、約150~約250ppmのケイ素を潤滑油組成物に提供し、かつ/又は後処理デバイスは、三元触媒コンバータ、微粒子フィルタ、若しくはこれらの組み合わせから選択され、かつ/又は油溶性ケイ素含有化合物は、C6~C20ヒドロカルビル鎖を有するオルガノシラン化合物であり、かつ/又はオルガノシラン化合物は、C6~C20ヒドロカルビルシリルエーテル化合物であり、かつ/又はシリルエーテル化合物は、トリ-アルコキシ(ヒドロカルビル)シランであり、かつ/又はシリルエーテル化合物は、C14~C20ヒドロカルビルトリメトキシシランであり、かつ/又は燃焼エンジンは、ガソリンエンジン若しくはディーゼルエンジンであり、かつ/又は煤若しくは灰粒子は、約10nm以下の直径を有し、かつ/又は煤若しくは灰粒子は、凝集して最大200マイクロメートルの直径を有する粒子になり、かつ/又は排気流は、高温動作中の微粒子数(particulate number、PN)によって測定される1×10
12
~1×10
13
の煤及び/若しくは灰を有し、かつ/又は潤滑油組成物は、0.4~2.0重量パーセントの計算SASH値(ASTM 874)を有する。
【0009】
別の態様では、燃焼エンジン用の後処理デバイスの性能を改善するように構成された潤滑油組成物が、本明細書において説明される。更なる態様の実施形態又はアプローチでは、潤滑油組成物は、1つ以上の潤滑粘度の基油と、1つ以上の任意選択的な粘度指数改善剤添加剤と、ホウ素化及び/又は非ホウ素化分散剤、酸化防止剤、摩擦調整剤、1つ以上の清浄剤、1つ以上の耐摩耗剤、流動点降下剤、及び消泡剤のうちの1つ以上を含む添加剤パッケージと、約50~約500ppmのケイ素を潤滑油組成物に提供する少なくとも1つの油溶性ケイ素含有化合物と、を含み、後処理デバイスを、潤滑油組成物で潤滑された燃焼エンジンにおける燃料の燃焼からの煤及び/又は灰粒子を含む排気流と接触させた後、少なくとも約120,000マイルの動作後の後処理デバイスの性能が、約10ppm以下のケイ素を有する潤滑油組成物で潤滑された燃焼エンジンからの排気流に曝露された後処理デバイスと比較して改善される。
【0010】
他の実施形態では、前段落の潤滑油組成物は、任意の組み合わせで、1つ以上の任意選択的な特色又は実施形態を含み得る。これらの任意選択的な特色又は実施形態は、以下のうちの1つ以上を含み得る:少なくとも1つの油溶性ケイ素含有化合物が、潤滑油組成物に約150~約250ppmのケイ素を提供し、かつ/又は油溶性ケイ素含有化合物が、C6~C20ヒドロカルビル鎖を有するオルガノシラン化合物であり、かつ/又はオルガノシラン化合物が、C6~C20ヒドロカルビルシリルエーテル化合物であり、かつ/又はシリルエーテル化合物が、トリ-アルコキシ(ヒドロカルビル)シランであり、かつ/又はシリルエーテル化合物が、C14~C20ヒドロカルビルトリメトキシシランである。
(【0011】以降は省略されています)

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