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公開番号2024095341
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2022212561
出願日2022-12-28
発明の名称光触媒装置
出願人株式会社日立製作所
代理人弁理士法人磯野国際特許商標事務所
主分類C25B 9/50 20210101AFI20240703BHJP(電気分解または電気泳動方法;そのための装置)
要約【課題】光起電力作用を両極で利用すると共に、光触媒作用と光起電力作用を共役させて、光エネルギを利用した電極上の酸化還元反応によって効率的に物質変換を行う光触媒装置を提供する。
【解決手段】光触媒装置1は、アノードとして機能する第1電極10と、カソードとして機能する第2電極20とを備え、第1電極10は、光透過性および導電性を有する第1透明導電基板(11,12)と、第1透明導電基板(11,12)上に配置されており、光を吸収して電子と正孔を生じる第1光発電層14と、第1光発電層14上に配置されており、光を照射されて酸化反応を触媒する光触媒層15とを有し、第2電極20は、光透過性および導電性を有する第2透明導電基板(21,22)と、第2透明導電基板(21,22)上に配置されており、光を吸収して電子と正孔を生じる第2光発電層24と、第2光発電層24上に配置されており、還元反応を触媒する触媒層27とを有する。
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
電解液中または蒸気中に配置されており、アノードとして機能する第1電極と、
前記第1電極と電気的に接続されると共に、電解液中または蒸気中に配置されており、カソードとして機能する第2電極と、を備え、
前記第1電極は、光透過性および導電性を有する第1透明導電基板と、前記第1透明導電基板上に配置されており、光を吸収して電子と正孔を生じる第1光発電層と、前記第1光発電層上に配置されており、光を照射されて酸化反応を触媒する光触媒層と、を有し、
前記第2電極は、光透過性および導電性を有する第2透明導電基板と、前記第2透明導電基板上に配置されており、光を吸収して電子と正孔を生じる第2光発電層と、前記第2光発電層上に配置されており、還元反応を触媒する触媒層と、を有する光触媒装置。
続きを表示(約 850 文字)【請求項2】
請求項1に記載の光触媒装置であって、
前記第1電極は、前記第1透明導電基板と前記第1光発電層との間に、電子を選択的に輸送する第1電子輸送層を有する光触媒装置。
【請求項3】
請求項1に記載の光触媒装置であって、
前記第2電極は、前記第2透明導電基板と前記第2光発電層との間に、電荷を輸送する電荷輸送層を有する光触媒装置。
【請求項4】
請求項1に記載の光触媒装置であって、
前記第2電極は、前記第2光発電層と前記触媒層との間に、電子を選択的に輸送する第2電子輸送層を有する光触媒装置。
【請求項5】
請求項4に記載の光触媒装置であって、
前記第2電極は、前記第2電子輸送層と前記光触媒層との間に、導電性を有し照射光を反射する導電反射層を有する光触媒装置。
【請求項6】
請求項1に記載の光触媒装置であって、
前記光触媒層に、助触媒が担持されているか、または、助触媒層が積層されている光触媒装置。
【請求項7】
請求項1に記載の光触媒装置であって、
前記第1電極の電極要素が、絶縁体によってセル構造に細分化されている光触媒装置。
【請求項8】
請求項1に記載の光触媒装置であって、
前記第2電極の電極要素が、絶縁体によってセル構造に細分化されている光触媒装置。
【請求項9】
請求項1に記載の光触媒装置であって、
前記第1電極によって生成された生成物を回収する回収機構、および、前記第2電極によって生成された生成物を回収する回収機構を備える光触媒装置。
【請求項10】
請求項1に記載の光触媒装置であって、
前記第1電極に前記酸化反応の反応物を供給する供給機構、および、前記第2電極に前記還元反応の反応物を供給する供給機構を備える光触媒装置。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、光触媒作用と光起電力作用を共役させた電気的な酸化還元反応によって物質変換を行う光触媒装置に関する。
続きを表示(約 1,800 文字)【背景技術】
【0002】
近年、光エネルギを利用して物質変換を行う技術が注目されている。この種の技術としては、光の照射によって触媒作用を示す光触媒が知られている。光触媒については、汚染防止や殺菌などの目的のためのコーティングの用途が主流であったが、空気や水質の浄化への応用が検討されている。また、水分解や光起電力作用を利用する光電極や、光エネルギを利用して二酸化炭素を還元する人工光合成デバイスの開発が進められている。
【0003】
光起電力作用を利用すると、電子と正孔を分離して、電極に取り出すことができる。電極を利用した電気的な酸化還元反応に利用できるため、光エネルギを利用して物質変換を行うことが可能である。光エネルギを利用して物質変換を行う技術は、二酸化炭素の排出を伴わず、自然エネルギである太陽光等を利用できるため、エネルギ分野、環境分野等で応用が期待されている。光電変換機構と触媒技術との融合によって、汚染物質の浄化や有価物の生産による循環型社会システムを実現することが検討されている。
【0004】
例えば、酸化還元反応によって、海水等の電気分解や、大気中の二酸化炭素、メタン、NOx等の浄化や、水環境を汚染する窒素成分等の浄化が可能になる。水の分解によって生成される水素は、安価で蓄積可能なエネルギキャリアとなり得る。また、二酸化炭素を還元することによって、一酸化炭素、アルコール、ギ酸等の有価物の生産が可能になる。光エネルギを利用した光起電力とそれを利用した物質変換を行う技術は、水素エネルギの普及や二酸化炭素の削減に貢献すると期待されている。
【0005】
特許文献1には、水を電子源として二酸化炭素を還元して炭素化合物を合成する光化学反応デバイスが記載されている。光化学反応デバイスの電解セルには、選択的に水を酸化して酸素を発生する酸化反応用電極と、酸素の存在下で選択的に二酸化炭素を還元する還元反応用電極とが収納されている。電解セルは、光吸収体と接続されており、光エネルギを利用して二酸化炭素を還元する構成とされている。
【0006】
特許文献2には、人工光合成モジュール用の水素発生電極が記載されている。水素発生電極は、導電層と、pn接合を有する無機半導体層と、機能層と、を備えている。機能層には、水素を発生させるための助触媒が担持されている。水素発生電極は、無機半導体層による光起電力作用を利用する構成とされている。
【0007】
一般に、光起電力作用を示す光電極は、透明導電基板上に発電層を備えている。発電層は、光を吸収して電子と正孔を生じる層であり、酸化物半導体等で形成されている。対極としては、白金等の金属電極が一般的に用いられている。発電層では、光エネルギによって電子が伝導帯に励起されて、バンドベンディングによって電子と正孔が分離されるため、酸化還元反応場となる電極に取り出すことができる。通常、電極間には外部電源が接続されており、酸化還元反応に必要な補助電圧が印加されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0008】
特許第6774165号公報
特許第6316436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
光エネルギを利用して物質変換を行うシステムは、物質変換効率について課題を抱えている。光電極による光エネルギ変換効率は、材料のバンドギャップの広さ等が理由で、数%程度以下に留まっている。従来の光電極を物質変換に利用する場合には、外部電源による補助電圧の印加が必要になる。この種のシステムについて、補助電圧の削減や外部電源の廃止が可能となるように、物質変換効率の向上が求められている。
【0010】
また、光起電力作用を利用した光電変換機構は、出力や反応効率が経時的に劣化するという課題を抱えている。光起電力作用を示す発電層は、長期間にわたる電気化学的反応の継続や、力学的ないし熱的な環境影響によって、界面における剥離を生じる場合がある。また、触媒電極を電解液に浸漬させて運転を続けると、酸化還元反応でガスが生成して、電極の内部や界面に気泡を蓄積する場合がある。このような剥離や気泡が原因で、電極出力や物質変換効率を維持できないという問題がある。
(【0011】以降は省略されています)

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