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公開番号2024094443
公報種別公開特許公報(A)
公開日2024-07-10
出願番号2021041802
出願日2021-03-15
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類H10K 50/10 20230101AFI20240703BHJP()
要約【課題】高性能な、特に長寿命かつ発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること。
【解決手段】陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に含まれる発光層5と、を有し、発光層5は、下記一般式(2)で表される遅延蛍光性の化合物M2と、下記一般式(3)で表される化合物M3と、を含み、化合物M2の一重項エネルギーS1(M2)と、化合物M3の一重項エネルギーS1(M3)とが、下記数式(数1)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子1。
S1(M3)>S1(M2) …(数1)
<com:Image com:imageContentCategory="Drawing"> <com:ImageFormatCategory>TIFF</com:ImageFormatCategory> <com:FileName>2024094443000179.tif</com:FileName> <com:HeightMeasure com:measureUnitCode="Mm">59</com:HeightMeasure> <com:WidthMeasure com:measureUnitCode="Mm">154</com:WidthMeasure> </com:Image>
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
陽極と、
陰極と、
前記陽極と前記陰極との間に含まれる発光層と、を有し、
前記発光層は、下記一般式(2)で表される遅延蛍光性の化合物M2と、下記一般式(3)で表される化合物M3と、を含み、
前記化合物M2の一重項エネルギーS

(M2)と、前記化合物M3の一重項エネルギーS

(M3)とが、下記数式(数1)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。


(M3)>S

(M2) …(数1)
TIFF
2024094443000147.tif
38
154
(前記一般式(2)において、


は、下記一般式(21)で表される基であり、


は、下記一般式(22)で表される基であり、
CNは、シアノ基であり、
kは、1、2、3又は4であり、
mは、1、2、3又は4であり、
nは、1又は2であり、
tは、0、1、2又は3であり、
k+m+n+t=6であり、
kが2、3又は4のとき、複数のA

は、互いに同一であるか又は異なり、
mが2、3又は4のとき、複数のD

は、互いに同一であるか又は異なり、
tが2又は3のとき、複数のRxは、互いに同一であるか又は異なる。)
TIFF
2024094443000148.tif
41
154
TIFF
2024094443000149.tif
50
155
(前記一般式(21)において、

201
~R
205
のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(22)において、

211
~R
214
及びR
241
~R
244
のうちの隣接する2つ以上からなる組の1組以上が、
互いに結合して、置換もしくは無置換の単環を形成するか、
互いに結合して、置換もしくは無置換の縮合環を形成するか、又は
互いに結合せず、
前記一般式(21)及び(22)中の*は、それぞれ、前記一般式(2)中のベンゼン環との結合位置を示す。)
(前記一般式(2)のRx、前記一般式(21)における前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR
201
~R
205
、並びに前記一般式(22)における前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR
211
続きを表示(約 2,100 文字)【請求項2】
前記一般式(2)におけるnは、2である、
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項3】
前記化合物M2は、下記一般式(201)で表される化合物である、
請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
TIFF
2024094443000154.tif
29
154
(前記一般式(201)において、


、D

及びRxは、それぞれ、前記一般式(2)におけるA

、D

及びRxと同義であり、
-CN及びNC-は、シアノ基を示し、
kは、1、2又は3であり、
mは、1、2又は3であり、
tは、0、1又は2であり、
但し、k+m+t=4である。)
【請求項4】
前記化合物M2におけるmは、2である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項5】
前記化合物M2は、下記一般式(211)で表される化合物である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
TIFF
2024094443000155.tif
29
154
(前記一般式(211)において、

21
及びD
22
は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるD

と同義であり、


及びRxは、それぞれ、前記一般式(2)におけるA

及びRxと同義であり、
-CN及びNC-は、シアノ基を示し、
kは、1又は2であり、
tは、0又は1であり、
但し、k+t=2である。)
【請求項6】
前記化合物M2におけるkは、1又は2である、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記化合物M2におけるkは、2である、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
前記化合物M2は、下記一般式(202)又は一般式(203)で表される化合物である、
請求項6又は請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
TIFF
2024094443000156.tif
46
154
(前記一般式(202)又は一般式(203)において、

21
及びA
22
は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるA

と同義であり、


及びRxは、それぞれ、前記一般式(2)におけるD

及びRxと同義であり、
-CN及びNC-は、シアノ基を示し、
mは、1又は2であり、
tは、0又は1であり、
但し、m+t=2である。)
【請求項9】
前記化合物M2は、下記一般式(221)で表される化合物である、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
TIFF
2024094443000157.tif
37
154
(前記一般式(221)において、

21
及びA
22
は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるA

と同義であり、

21
及びD
22
は、それぞれ独立に、前記一般式(2)におけるD

と同義であり、
-CN及びNC-は、シアノ基を示す。)
【請求項10】
Rx、前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR
201
~R
205
、並びに前記置換もしくは無置換の単環を形成せず、かつ、前記置換もしくは無置換の縮合環を形成しないR
211
~R
214
及びR
241
~R
244
は、それぞれ独立に、
水素原子、
置換もしくは無置換の炭素数1~50のアルキル基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6~50のアリール基、又は
置換もしくは無置換の環形成原子数5~50の複素環基である、
請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子及び電子機器に関する。
続きを表示(約 1,900 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
一重項励起子からの発光を用いる蛍光型の有機EL素子は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されつつあるが、内部量子効率25%が限界といわれている。そのため、有機EL素子の性能を向上するための検討が行われている。有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
【0003】
例えば、一重項励起子に加えて三重項励起子を利用して、有機EL素子をさらに効率的に発光させることが期待されている。このような背景から、熱活性化遅延蛍光(以下、単に「遅延蛍光」という場合がある。)を利用した高効率の蛍光型の有機EL素子が提案され、研究がなされている。
TADF(Thermally Activated Delayed Fluorescence、熱活性化遅延蛍光)機構(メカニズム)は、一重項準位と三重項準位とのエネルギー差(ΔST)の小さな材料を用いた場合に、三重項励起子から一重項励起子への逆項間交差が熱的に生じる現象を利用するメカニズムである。熱活性化遅延蛍光については、例えば、『安達千波矢編、「有機半導体のデバイス物性」、講談社、2012年4月1日発行、261-268ページ』に記載されている。
熱活性化遅延蛍光性(TADF性)を示す化合物(以下、遅延蛍光性化合物又はTADF性化合物と称する場合がある。)としては、例えば、分子内に、ドナー部位とアクセプター部位とが結合した化合物が知られている。
【0004】
例えば、特許文献1及び特許文献2には、遅延蛍光性化合物を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
国際公開第2019/195104号
国際公開第2019/107934号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ディスプレイ等の電子機器の性能を向上させるために、有機エレクトロルミネッセンス素子の性能の更なる向上が要望されている。
【0007】
本発明の目的は、高性能な、特に長寿命かつ発光効率が高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、陽極と、陰極と、前記陽極と前記陰極との間に含まれる発光層と、を有し、前記発光層は、下記一般式(2)で表される遅延蛍光性の化合物M2と、下記一般式(3)で表される化合物M3と、を含み、前記化合物M2の一重項エネルギーS

(M2)と、前記化合物M3の一重項エネルギーS

(M3)とが、下記数式(数1)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。


(M3)>S

(M2) …(数1)
【0009】
TIFF
2024094443000002.tif
32
154
【0010】
(前記一般式(2)において、


は、下記一般式(21)で表される基であり、


は、下記一般式(22)で表される基であり、
CNは、シアノ基であり、
kは、1、2、3又は4であり、
mは、1、2、3又は4であり、
nは、1又は2であり、
tは、0、1、2又は3であり、
k+m+n+t=6であり、
kが2、3又は4のとき、複数のA

は、互いに同一であるか又は異なり、
mが2、3又は4のとき、複数のD

は、互いに同一であるか又は異なり、
tが2又は3のとき、複数のRxは、互いに同一であるか又は異なる。)
(【0011】以降は省略されています)

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