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公開番号2025038255
公報種別公開特許公報(A)
公開日2025-03-19
出願番号2021207567
出願日2021-12-21
発明の名称有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、組成物及び混合粉体
出願人出光興産株式会社
代理人弁理士法人樹之下知的財産事務所
主分類H10K 50/10 20230101AFI20250312BHJP()
要約【課題】発光効率の維持及び長寿命化が可能な有機EL素子を提供すること。
【解決手段】発光領域5及び第一の陽極側有機層61を有し、第一の陽極側有機層61は第一の材料を含有し、発光領域5は第一のホスト材料及び第二のホスト材料を含む第一の発光層51及び第三のホスト材料を含む第二の発光層52を含み、第一の材料、第一のホスト材料及び第二のホスト材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(HT1)、HOMO(H1)及びHOMO(H2)が数式(数A1)の関係を満たし、第一のホスト材料、第二のホスト材料及び第三のホスト材料の三重項エネルギーT1(H1)、T1(H2)及びT1(H3)が数式(数A2)及び(数A3)の関係を満たす、有機EL素子1。
HOMO(HT1)>HOMO(H2)>HOMO(H1) …(数A1)
T1(H1)>T1(H3) …(数A2)
T1(H2)>T1(H3) …(数A3)
【選択図】図1
特許請求の範囲【請求項1】
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極との間に配置された発光領域と、
前記発光領域と前記陽極との間に配置された第一の陽極側有機層と、を有し、
前記第一の陽極側有機層は、第一の材料を含有し、
前記発光領域は、第一の発光層及び第二の発光層を含み、
前記第一の発光層は、前記第一の陽極側有機層と前記第二の発光層との間に配置され、
前記第一の発光層は、前記第一の陽極側有機層と、直接、接し、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料及び第二のホスト材料を含有し、
前記第二の発光層は、第三のホスト材料を含有し、
前記第一の材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(HT1)、前記第一のホスト材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(H1)及び前記第二のホスト材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(H2)が、下記数式(数A1)の関係を満たし、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第三のホスト材料の三重項エネルギーT

(H3)とが、下記数式(数A2)の関係を満たし、
前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)と前記第三のホスト材料の三重項エネルギーT

(H3)とが、下記数式(数A3)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
HOMO(HT1)>HOMO(H2)>HOMO(H1) …(数A1)


(H1)>T

(H3) …(数A2)


(H2)>T

(H3) …(数A3)
続きを表示(約 1,700 文字)【請求項2】
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)が、下記数式(数A4)の関係を満たし、
前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)が、下記数式(数A5)の関係を満たす、
請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
1.8eV<T

(H1)<2.5eV …(数A4)
1.8eV<T

(H2)<2.5eV …(数A5)
【請求項3】
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)が、下記数式(数A41)の関係を満たし、
前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)が、下記数式(数A51)の関係を満たす、
請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.0eV<T

(H1)<2.3eV …(数A41)
2.0eV<T

(H2)<2.3eV …(数A51)
【請求項4】
前記HOMO(H2)が、下記数式(数A10)の関係を満たす、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
HOMO(H2)>-5.7eV …(数A10)
【請求項5】
前記HOMO(H1)が、下記数式(数A11)の関係を満たす、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
-5.6eV>HOMO(H1) …(数A11)
【請求項6】
前記第一の発光層は、第一の発光性化合物を含有し、
前記第二の発光層は、第二の発光性化合物を含有する、
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項7】
前記第一の発光性化合物及び前記第二の発光性化合物は、それぞれ独立に、最大ピーク波長が500nm以下の発光を示す化合物である、
請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
【請求項8】
有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極との間に配置された発光領域と、を有し、
前記発光領域は、第一の発光層を含み、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料及び第二のホスト材料を含有し、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは、互いに異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)が、下記数式(数A4)の関係を満たし、
前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)が、下記数式(数A5)の関係を満たす、
有機エレクトロルミネッセンス素子。
1.8eV<T

(H1)<2.5eV …(数A4)
1.8eV<T

(H2)<2.5eV …(数A5)
【請求項9】
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)が、下記数式(数A41)の関係を満たし、
前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)が、下記数式(数A51)の関係を満たす、
請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.0eV<T

(H1)<2.3eV …(数A41)
2.0eV<T

(H2)<2.3eV …(数A51)
【請求項10】
前記HOMO(H2)が、下記数式(数A10)の関係を満たす、
請求項8又は請求項9に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
HOMO(H2)>-5.7eV …(数A10)
(【請求項11】以降は省略されています)

発明の詳細な説明【技術分野】
【0001】
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、電子機器、組成物及び混合粉体に関する。
続きを表示(約 3,300 文字)【背景技術】
【0002】
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、「有機EL素子」という場合がある。)は、携帯電話及びテレビ等のフルカラーディスプレイへ応用されている。有機EL素子に電圧を印加すると、陽極から正孔が発光層に注入され、また陰極から電子が発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子が25%の割合で生成し、及び三重項励起子が75%の割合で生成する。
有機EL素子の性能向上を図るため、例えば、特許文献1においては、複数の発光層を積層させることについて検討がなされている。また、特許文献2には、有機EL素子の性能向上を図るため、2つの三重項励起子の衝突融合により一重項励起子が生成する現象(以下、Triplet-Triplet Fusion=TTF現象と称する場合がある。)が記載されている。
有機EL素子の性能としては、例えば、輝度、発光波長、色度、発光効率、駆動電圧、及び寿命が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
米国特許出願公開2019/280209号明細書
国際公開第2010/134350号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、発光効率の維持及び長寿命化が可能な有機エレクトロルミネッセンス素子を提供すること、当該有機エレクトロルミネッセンス素子に用いることができる組成物及び混合粉体を提供すること、並びに当該有機エレクトロルミネッセンス素子を搭載した電子機器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極との間に配置された発光領域と、
前記発光領域と前記陽極との間に配置された第一の陽極側有機層と、を有し、
前記第一の陽極側有機層は、第一の材料を含有し、
前記発光領域は、第一の発光層及び第二の発光層を含み、
前記第一の発光層は、前記第一の陽極側有機層と前記第二の発光層との間に配置され、
前記第一の発光層は、前記第一の陽極側有機層と、直接、接し、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料及び第二のホスト材料を含有し、
前記第二の発光層は、第三のホスト材料を含有し、
前記第一の材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(HT1)、前記第一のホスト材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(H1)及び前記第二のホスト材料の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(H2)が、下記数式(数A1)の関係を満たし、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)と前記第三のホスト材料の三重項エネルギーT

(H3)とが、下記数式(数A2)の関係を満たし、
前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)と前記第三のホスト材料の三重項エネルギーT

(H3)とが、下記数式(数A3)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
HOMO(HT1)>HOMO(H2)>HOMO(H1) …(数A1)


(H1)>T

(H3) …(数A2)


(H2)>T

(H3) …(数A3)
【0006】
本発明の一態様によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
陽極と、
陰極と、
前記陽極及び前記陰極との間に配置された発光領域と、を有し、
前記発光領域は、第一の発光層を含み、
前記第一の発光層は、第一のホスト材料及び第二のホスト材料を含有し、
前記第一のホスト材料と前記第二のホスト材料とは、互いに異なり、
前記第一のホスト材料の三重項エネルギーT

(H1)が、下記数式(数A4)の関係を満たし、
前記第二のホスト材料の三重項エネルギーT

(H2)が、下記数式(数A5)の関係を満たす、有機エレクトロルミネッセンス素子が提供される。
1.8eV<T

(H1)<2.5eV …(数A4)
1.8eV<T

(H2)<2.5eV …(数A5)
【0007】
本発明の一態様によれば、第一の化合物及び第二の化合物を含有する組成物であって、
前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、互いに異なる化合物であり、
前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、それぞれ独立に、分子中に、下記条件(i)の構造及び下記条件(ii)の構造の少なくともいずれかの構造を含む、組成物が提供される。
条件(i)第一のベンゼン環と第二のベンゼン環とが単結合で連結されたビフェニル構造を有し、前記ビフェニル構造中の前記第一のベンゼン環と前記第二のベンゼン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している。
条件(ii)単結合で連結されたベンゼン環とナフタレン環とを含む第一の連結構造を有し、前記第一の連結構造中の前記ベンゼン環及び前記ナフタレン環には、それぞれ独立に、さらに単環又は縮合環が縮合しているか又は縮合しておらず、前記第一の連結構造中の前記ベンゼン環と前記ナフタレン環とが、前記単結合以外の少なくとも1つの部分において架橋によりさらに連結している。
【0008】
本発明の一態様によれば、第一の化合物及び第二の化合物を含有する混合粉体であって、前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、互いに異なる化合物であり、前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、それぞれ独立に、分子中に、前記条件(i)の構造及び前記条件(ii)の構造の少なくともいずれかの構造を含む、混合粉体が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、第一の化合物及び第二の化合物を含有する組成物であって、
前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、互いに異なる化合物であり、
前記第一の化合物の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(C1)及び前記第二の化合物の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(C2)が、下記数式(数A7)の関係を満たし、
前記第一の化合物の三重項エネルギーT

(C1)が、下記数式(数A8)の関係を満たし、
前記第二の化合物の三重項エネルギーT

(C2)が、下記数式(数A9)の関係を満たす、組成物が提供される。
HOMO(C2)>HOMO(C1) …(数A7)
1.8eV<T

(C1)<2.5eV …(数A8)
1.8eV<T

(C2)<2.5eV …(数A9)
【0010】
本発明の一態様によれば、第一の化合物及び第二の化合物を含有する混合粉体であって、前記第一の化合物及び前記第二の化合物は、互いに異なる化合物であり、前記第一の化合物の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(C1)及び前記第二の化合物の最高被占軌道のエネルギー準位HOMO(C2)が、前記数式(数A7)の関係を満たし、前記第一の化合物の三重項エネルギーT

(C1)が、前記数式(数A8)の関係を満たし、前記第二の化合物の三重項エネルギーT

(C2)が、前記数式(数A9)の関係を満たす、混合粉体が提供される。
(【0011】以降は省略されています)

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